弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決中被上告人B1の原判決添付の別紙第一目録記載の(8)の物件
に対する請求を認容した部分を破棄する。
     原判決中被上告人B2の請求を認容した部分を破棄する。
     前二項の部分について本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。
     原判決中その余の部分に対する上告人の上告を棄却する。
     前項の部分に関する上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由第一点および第二点について。
 上告人が、第一審以来被上告人B1の請求に対する抗弁として、原判決添付の別
紙第一目録記載の(8)の物件は、同被上告人の所有であつたとしても、訴外Dが
昭和三二年一一月競落によつてその所有権を即時取得した旨を主張していたにもか
かわらず、原判決が、右抗弁についてなんらの判断をもしないで、右物件に対する
同被上告人の請求を認容したことは、所論のとおりである。また、上告人が、第一
審以来被上告人B2の請求に対する抗弁として、原判決添付の別紙第二目録記載の
物件は、同被上告人の所有であつたとしても、訴外Dが昭和三二年一一月競落によ
つてその所有権を即時取得した旨を主張していたところ、原判決は、右物件は、同
被上告人の所有に属していたが、訴外Eの所有であるとして強制競売に付され、訴
外Dが競落した事実を認定しながら、右訴外Dは民法一九二条によつて右物件の所
有権を取得することはあり得ないと判示して、上告人の右即時取得の抗弁を排斥し
た。
 しかしながら、執行債務者の所有に属さない動産が強制競売に付された場合であ
つても、競落人は、民法一九二条の要件を具備するときは、同条によつて右動産の
所有権を取得できるものと解すべきである。したがつて、前記第一目録記載の(8)
の物件については、所論のように訴外Dが競落したのであれば、同人は同条によつ
てその所有権を取得することがあり得るし、また、前記第二目録記載の物件につい
ても、訴外Dは同条によつてその所有権を取得することがあり得る筋合であるから、
上告人の前叙の各抗弁は、いずれも採用される余地のあるものである。
 されば、原判決は、被上告人B1の請求に対する上告人の前叙の抗弁については、
判断遺脱の違法があり、また、被上告人B2の請求に対する上告人の前叙の抗弁に
ついては、民法一九二条の解釈を誤つた違法がある。よつて、原判決中右抗弁にか
かわる物件に対する請求を認容した部分は破棄を免れない。そして、右破棄部分に
ついては、右抗弁が採用できるかどうかについてさらに審理を尽させる必要がある
ので、本件を原審に差し戻すのを相当とする。
 同第三点について。
 かりに、被上告人B1と訴外Eとの関係が所論のとおりであるとしても、それが
ため、右訴外人に対する債務名義をもつて同被上告人所有の物件に対する強制執行
が許されるものではなく、右に反する論旨は、独自の見解であつて、採るを得ない。
 以上の次第で、原判決中、被上告人B1の前記第一目録記載の(8)の物件に対
する請求を認容した部分および被上告人B2の請求を認容した部分を破棄して、こ
れを原審に差し戻すが、その余の部分に対する上告を棄却することとし、民訴法四
〇七条一項、三九六条、三八四条一項、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致
で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛