弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

平成12年(行ケ)第57号審決取消請求事件
平成12年4月27日口頭弁論終結
判決
原告X
【A】代表者代表取締役
訴訟代理人弁護士岩出誠
同外山勝浩
同中村博
同村林俊行
同小林昌弘
【B】被告特許庁長官
【C】指定代理人
【D】同
【E】同
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1当事者の求めた裁判
1原告
特許庁が平成10年審判第20448号事件について平成11年11月
4日にした審決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
2被告
主文と同旨
第2当事者間に争いのない事実
1特許庁における手続の経緯
原告は、商品区分第25類の「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ
類、寝巻き類、和服、下着、水泳着、水泳帽、エプロン、えり巻き、靴下、ゲ
ートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布
製幼児おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、耳覆い、ずきん、すげが
さ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、
、、(、、、)、バンドベルト靴類靴くぎ靴の引き手靴びょう靴保護金具を除く
げた、草履類、その他の履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品と
し、別紙審決書の理由写しの別紙本願商標欄記載のとおりの商標(以下「本願
商標」という)について、平成5年9月3日に商標登録出願(平成5年商標。
登録願第89781号)をしたが、平成10年11月30日に拒絶査定を受け
たので、同年12月25日に拒絶査定不服の審判を請求した。特許庁は、同請
求を平成10年審判第20448号事件として審理した結果、平成11年11
月4日に「本件審判の請求は、成り立たない」との審決をし、その謄本は、。
平成12年2月4日ないし5日に原告に送達された。
2審決の理由
別紙審決書の理由の写しのとおり、本願商標をその指定商品に使用する
場合には、これに接する取引者・需要者は【F】又は同人と組織的・経済的、
に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その出所につい
て混同を生ずるおそれがあるから、本願商標は商標法4条1項15号に該当す
ると認定判断した。
第3原告主張の審決取消事由の要点
審決の理由1(本願商標、2(原査定の拒絶の理由)は認める。同3)
()、、当審の判断は審決摘示に係る書籍等に審決摘示のような記載があること
及び、審決摘示に係る東京高等裁判所の判決に審決摘示のような事実が認定さ
れていることを認め、その余を争う。
審決は、出所の混同のおそれについての認定、判断を誤ったものであっ
て、この誤りが結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、違法として取り
消されるべきである。
1「POLO」の語について
(1)「POLO(ポロ」は一般用語である。)
、「()」、。すなわちPOLOポロは日本ではポロシャツの略称である
また「POLO(ポロ」は、スポーツ名である。ポロ競技は、我が、)
、、、国でも英国皇太子に関する報道を含めて多くのマスコミが取り上げており
また、アメリカ映画「プリティー・ウーマン(1990年公開)のポロ・シ」
ーンは有名である。日本国内の辞書・事典160件余、海外の辞書・事典25
0件余には「POLO」はスポーツ名としてしか記載されておらず、ラルフ、
・ロ―レンとの関係の記載はない。
さらに「POLO」は、特にヨーロッパでは、イタリアの探検家マ、
、、ルコポーロの略称として認識されておりヨーロッパその他の地域の外国では
フォルクスワーゲン社の自動車の名前として有名でもある。
(2)被告は「POLO「Polo「ポロ」の標章は、遅くとも昭和、」、」、
59年ころまでには、我が国において取引者・需要者の間に広く認識されるに
至っていたと主張する。しかし【F】のデザインに係る商品のうちの主力で、
ある、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令の商品区分第17
類(以下「旧第17類」という)についての「POLO」の登録商標は、昭。
和55年に他人が登録しており、その商標の現在の権利者は、ポロ・ビーシー
エス株式会社であって【F】でも同人とつながりのある者でもない。、
2「ASCOTPARKPOLOCLUB」が実在のポロクラブで
あることについて
「ASCOTPARKPOLOCLUB」は、英国に実在する有
名なポロクラブである。同クラブの主宰者【G】氏は、ポロのプレーヤーとし
て有名であると同時に、ポロの指導者としても、世界的に有名な「ポロ・スク
ール」を開設し、多くのポロ競技者を育成している。また、その著作「POL
O」は、ポロ競技のバイブルとして全世界で愛読されている。英国のチャール
ズ皇太子、故ダイアナ妃も、同クラブをよく訪問し、チャールズ皇太子は、同
クラブにおいて再三競技を行っている。
同クラブとその主宰者の「G】一家」は、日本の有名な女性雑誌「2【
5ansヴァンサンカン1995年3月号婦人画報社発行以下甲()」(、「
第13号証刊行物」という)でも紹介され、大きな話題になった。また、我。
が国のテレビでのコマーシャルにも長く登場した。
原告は、同クラブと契約して、スポーツイメージのライセンス商品の展
開を行うことを考え、本願商標の登録出願をしたものであって、同クラブから
本願商標の登録出願の同意を得ている。
3ラルフ・ロ―レン以外の「POLO」ブランドについて
我が国内では、ラルフ・ローレン以外にも、30種類の「POLO」ブ
ランドがあり、これらのための市場が確立されている。
「POLO」の商標権者であるポロ・ビーシーエス株式会社は「米国ポ、
ロ・ロ―レン社とは、契約により友好関係にあります」と広告しており、ま。
た「ビバリーヒルズポロクラブ」ブランドも「自分たちのブランドは、ラル、、
フ・ロ―レンとの共存関係を維持していくことが確認されている」と宣伝し。
ている。これは【F】自身が、自己の権利を放棄し、他の「POLO」ブラ、
ンドの存在は、何ら自己の営業活動に実害がないと表明していることにほかな
らない。
4東京高等裁判所平成12年1月27日判決(平成11年(行ケ)第25
3号。以下「別件判決」という)について。
別件判決は、商標「PALMSPRINGSPOLOCLUB」
について、特許庁の拒絶査定を維持した審決を取り消した。この判決の判示を
本件に当てはめると、以下のようになり、出所の混同のおそれが生ずることは
ないという結論に至る。
(1)「POLO(ポロ)がポロ競技を意味することは、我が国において」
も広く知られているところであるしたがって結合商標中にPOLOポ。、「」(
ロ)が含まれている場合、その商標からラルフ・ローレンに係る商標を連想す
るか否かは、ラルフ・ローレンに係る商標の強い識別力等を前提にして、個別
具体的に判断するほかはない。
(2)「ASCOTPARK」は「アスコット地方、地域」という意味、
であり、ロンドン郊外にあって、競馬を始め、乗馬、ポロ等の馬の競技を行う
地域として世界的に有名である。
(3)本願商標は、その指定商品の取引者・需要者がこれに接した場合、
ごく自然に「ASCOTPARK」にある「ポロ競技のクラブ」を認識す、
るものである。本願商標から「ASCOTPARK」にある「ラルフ・ロ、
」、「」ーレンに係るポロ製品の愛好者のクラブとの観念が生ずるとかPOLO
の部分のみが注目され、直ちにラルフ・ローレンに係る商標が連想されるとか
はいえない。
しかも「PALMSPRINGSPOLOCLUB」が実在、
しないのに対して「ASCOTPARKPOLOCLUB」は、実在、
のクラブであり、世界的に有名であることからすれば、このことは「PAL、
MSPRINGSPOLOCLUB」と比べて、本願商標の方によりよ
く当てはまることになる。
(4)本願商標は「ASCOTPARK」にある「ポロ競技のクラブ」、
と認識されるものである以上、全体の称呼等が長いからといって「ASCO、
TPARK」の部分が生産地、販売地のように除かれ「POLO」ないし、
「POLOCLUB」の文字のみが注目されるということにはならないので
ある。
第4被告の反論の要点
1「POLO」の語について
(1)ポロシャツは「ポロ」と略称されずに「ポロ・シャツ」と称され、、
る。仮に「ポロ(POLO)の語がポロシャツの略称であるということがで、」
きるとしても、その略称が、本願商標の指定商品のうちポロシャツ以外のもの
、、について用いられることはないから上記略称であることを根拠とする議論は
これらのものには当てはまらない。
ポロ競技は、我が国においては、その愛好者は極めて少なく、なじみ
の薄いスポーツである。一方「小学館ランダムハウス英和大辞典(株式会社、」
小学館1998年1月10日発行、乙第1号証)には「Polo」の語の意、
味として「商標ポロ:米国の【F】デザインによるバッグなどの革製品、、」
「ポロ→Poloby【F」の記載がある。】
(2)被服を始めとするファッション(装身に関する流行)関連の商品分
、【】、「」「【】」野においてFのデザインに係る商品にはPoloとbyF
の文字によって構成される商標、あるいは、馬に乗ったポロ競技のプレーヤー
、、(、の図形によって構成される商標さらにはこれらが一体となったもの以下
これらのうちのそれぞれも、これらが一体となったものも、いずれも「ラルフ
標章」という)のいずれかが用いられてきている。我が国では、ラルフ標章。
を総称して単に「POLO「Polo「ポロ」と略称しており、この「P」、」、
OLO「Polo「ポロ」の標章は、遅くとも昭和59年ころまでには、」、」、
我が国において取引者・需要者の間に広く認識され、その認識は現在において
も継続している。
このように「POLO(ポロ」は、被服を始めとするファッション、)
関連の商品分野において【F】のデザインに係る被服等について使用される、
標章を総称するものとして、以前から、取引者・需要者に広く認識されてきた
。、、「」、ものであるこのような状況の下で我が国においてはPoloを始め
ラルフ標章を真似た偽物を「F】のデザインに係る商品」などと触れ込んで、【
販売している事実もある。
これに対して、ポロ競技は、我が国では知名度は低く、愛好者も極め
て少ない、なじみの薄いスポーツである。
これらのことを前提にした場合、被服を始めとするファッション関連
商品において「Polo「ポロ」などの文字が使用された場合には、これ、」、
に接する取引者・需要者は、スポーツ競技の名称等を表したと理解するのでは
なく【F】のデザインに係る商品であると認識することになるというべきで、
ある。
2「ASCOTPARKPOLOCLUB」が実在のクラブである
ことについて
原告は、本願商標を我が国において「洋服、コート、セーター類」等、
ファッション関連商品の商標として使用しようとしているのであるから、本願
商標の登録要件については、その指定商品「洋服、コート、セーター類」等フ
ァッション関連商品に関する取引の実情に基づいて、それらの取引者・需要者
の認識を基準として判断すべきである。
この場合「ASCOTPARKPOLOCLUB」は、我が国、
において一般には知られていない言葉であるから、その名のクラブが実在する
か否かは、本願商標について出所の混同が生ずるおそれがあるか否かについて
の判断においては、何ら関係がない事情である。しかも、本願商標は、指定商
品が「洋服、コート、セーター類」等であって「ポロ競技施設の提供」に係、、
る役務に使用するものではないから、球技としての「POLO」のイメージで
みるべきではない。
甲第13号証刊行物は【G】4姉妹を中心に【G】一家を紹介してい、
るものであって「ASCOTPARKPOLOCLUB」について紹、
介しているものではない。また、その購読者も女性に限られている。したがっ
て、これによって、我が国において「ASCOTPARKPOLOC、
LUB」がクラブ名として知られているとすることはできない。
【F】が、アメリカを代表するデザイナーとして、我が国の服飾業界に
おいても広く知られていること、ラルフ標章が著名であることを踏まえ、本願
商標の指定商品「洋服」についてみれば、本願商標の構成中の「ASCOT」
の文字は、英国の地名であることから、商品の産地ないしはファッションの発
祥地として認識され、自他商品の識別力が弱いか、あるいはないかの部分と認
識されるというべきである。また、本願商標は、その構成中に、馬に乗ったポ
ロ競技のプレーヤーを描いた図形を有することからも、一層「POLO」の文
字部分が注目されて、他人の著名な標章の総称である「POLO(ポロ」が)
想起又は連想されることになるのである。
3ラルフ・ロ―レン以外の「POLO」ブランドについて
仮に、原告が挙げる「POLO「Polo」の文字を含む商標が、原」、
告主張のとおり市場に定着しているとしても、それらの商標の付された商品を
購入している需要者が、その商標を、ラルフ・ローレンとは関係のない者の業
務に係る商品を示すものとして認識している、との事実の立証はない。
、「『』」また株式会社博報堂によるポロブランド調査1999年5月
(乙第18号証)によれば、ラルフ・ローレンの業務に係る商品の商標と、無
「」、関係のPOLOを含む商標とを別個のものとして識別している者の多くが
後者の商標をラルフ・ローレンと何らかの関係のある者の商標、すなわち、兄
弟ブランド・ファミリーブランドと考えていることが認められる。
これらをあわせ考えるときは、ラルフ・ローレン及びその関連会社以外
の者が「馬に乗ったポロ競技者の図形」及び「POLO」の文字を含む商標を
本願商標の指定商品「洋服、コート、セーター類」等に使用した場合、ラルフ
・ローレン及びその関連会社の取扱いに係る商品との間に、出所の混同を生ず
るおそれがあるとみる以外にないのである。
4別件判決について
別件判決は、事実認定に誤りがあり、経験則に反し、商標法4条1項1
、。5号の解釈を誤ったものであるから本件について参考にされるべきではない
本件と同種の事案については東京高等裁判所平成11年12月16日判決平、(
成11年(行ケ)第250号。商標「ThePoloCupChall
enge、同裁判所同日判決(平成11年(行ケ)第251号。商標「Po」)
loTeam、同裁判所同日判決(平成11年(行ケ)第290号。商標」)
「ROYALPRINCEPOLOCLUB、同裁判所同月21日判」)
決(平成11年(行ケ)第289号。商標「ROYALPOLOSPOR
TSCLUB)を始め、圧倒的多数の判決において、出所の混同のおそれ」
があるとされている。本件についてはこれらの判決を参考とすべきである。
第5当裁判所の判断
1本願商標の商標登録出願時における商品の出所の混同のおそれについて
、、、、(1)乙第6ないし第15号証第16第17号証の各12によれば
次の事実が認められる。
【F】は、1939年(昭和14年)生まれのアメリカの服飾等のデ
ザイナーである。同人は、1970年、73年の2回にわたりアメリカのファ
ッション界では最も権威があるとされるコティ賞を受賞し、1974年には映
画「華麗なるギャツビー」の男性衣装を担当するなどして、世界的に知られる
ようになった。ラルフ標章(そのうちの「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー図
形」は、馬上の競技者が、先端が小さなT字状になった棒のような物を持って
いる図形である)は【F】のデザインに係る商品に使用されている。我が国。、
においては、日本での【F】のデザインに係る商品の輸入・製造・販売のライ
センス(許諾)を得ていた西武百貨店(ただし、眼鏡、ネクタイのライセンス
は、別の会社が有していた)の昭和62年におけるポロ・ラルフローレンブ。
ランドの小売販売高は約330億円であり、平成元年ころ及び平成4年ころに
は、第三者がラルフ標章ないしこれに酷似した標章を付した偽ブランド商品を
販売して摘発されるという事件が発生するほど、ラルフ標章は顧客吸引力を有
していた。本願商標の商標登録出願前から、各種雑誌等において【F】のデ、
ザインに係る紳士服、婦人服、眼鏡を始めとする商品が一流ブランドないし流
行ブランドとして「ポロ「POLO「Polo」のブランド名のもとに、」、」、
紹介され、一般大衆を読者とする新聞でも、平成元年5月19日付け朝日新聞
夕刊(乙第17号証の1)に「ポロ』の偽を大量販売警視庁、通信販売会『
社を摘発・・・Polo(ポロ』の商標で知られるラルフローレンブランド『)
・・・米国の『ザ・ローレン・カンパニー』社の商標・デザインで西武百貨店
が日本での独占製造販売権を持っている『Polo』の商標と、乗馬の人がポ
ロ競技をしているマーク、平成2年11月27日付け朝日新聞東京地方版/」
栃木栃木版(乙第16号証の1)に「プレゼント・・・ポロ・・・などの輸
入ブランドに人気があるという。女性から男性へは、ポロのセーター(1万4
000円、平成3年12月5日付け朝日新聞大阪地方版/京都京都版(乙)」
第16号証の2)に「ポロの靴下ブランド世代・・・足元は、申し合わせた
ようにラルフロ―レンのポロのマーク、平成4年9月23日付け読売新聞東」
京本社版朝刊(乙第17号証の2)に「アメリカの人気ブランド『ポロ・・』
・のロゴ『ポロ・バイ・ラルフ・ロ―レン」という各記事が掲載されている』
ように、ラルフ標章は「ポロ(POLO』ないし『Polo)の商標」の『』『』
名で知られ、これを付した商品もブランドとして「ポロ(POLO」ないし」「
「Polo)と呼ばれていた。」
以上の事実によれば、本願商標の商標登録出願時までには、ラルフ標
章は「ポロ(POLO」ないし「Polo)の商標などと呼ばれ、これを、」「」
付した商品もブランドとして「ポロ(POLO」ないし「Polo)と呼」「」
、、、【】ばれていずれも紳士服婦人服眼鏡等のファッション関連商品についてF
のデザインに係る商品に付される商標ないしそのブランドとして著名であった
ことが認められる。
(2)一般に、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、商標は、各構成
部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどにま
で不可分的に結合していない限り、常に必ずその構成部分全体の名称によつて
称呼、観念されるというわけではなく、しばしば、その一部だけによって簡略
に称呼、観念され、その結果、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずる
ことがあるのは、経験則の教えるところである(最高裁判所第1小法廷昭和3
8年12月5日判決・民集17巻12号1621頁参照。)
、「、、、また本願商標が使用される商品のうち洋服コートセーター類
靴下」等のファッション関連商品は、主たる需要者は、老人から若者までを含
む一般大衆であって、その商品「洋服、コート、セーター類、靴下」等に係る
商標やブランドについて、詳しくない者や中途半端な知識しか持たない者も多
数含まれている。そして、このような需要者が購入する際は、恒常的な取引や
アフターサービスがあることを前提にメーカー名、その信用などを検討して購
入するとは限らず、そのような検討もなくいきなり小売店の店頭に赴いたり、
ときには通りすがりにバーゲンの表示や呼び声につられて立ち寄ったりして、
。(、短い時間で購入商品を決定することも少なくないものである以上の事実は
当裁判所に顕著である)。
したがって、本願商標についての混同のおそれの判断に当たっては、
以上のような経験則、及び取引の実情における需要者の注意力を考慮して判断
すべきである。
(3)本願商標の図形部分は、馬上の競技者が、先端が小さなT字状にな
った棒のような物を持っている図形と理解されるものであり、それが商標の中
央部分に大きく表示されて見る者の注意を引くところである。しかし、上記図
形は「馬上の競技者、あるいは、馬上の競技者が、先端が小さなT字状にな、」
った棒のような物を持っている点で、ラルフ標章のうちの図形の商標と共通性
があるために「ポロ」ないし「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」と観念さ、
れるものではあっても「ASCOTPARKPOLOCLUB」とい、
う文字ないし観念を想起させるものではない。
一方本願商標の文字部分は17文字からなりこれより生ずるア、、、「
スコットパークポロクラブ」の称呼は長音を含む12音より構成されているか
、、、、。らその外観称呼とも一つの名称のものとしては冗長というべきである
そして「ASCOTPARK」は、地名ないし場所名として、その後に続、
く「POLO」以下の語を修飾する語であり「POLOCLUB」は「ポ、、
ロの同好の士の団体というような意味合いであるから本願商標においてP」、「
OLO」の文字は重要な意味を持つ言葉と認識されるものと認められる。とこ
、、「」ろが本件全証拠によってもASCOTPARKPOLOCLUB
との文字が、全体として特定の熟語や団体名称を表すものとして我が国の一般
の取引者・需要者によく知られているものとは認められない。
このように、本願商標の図形と文字の結びつき、文字相互の結びつき
は、それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどまでに
不可分的に結合しているものとは認めることのできないものである。
(4)そうすると、本願商標がその指定商品のうち「洋服、コート、セー、
ター類、靴下」等のファッション関連商品に使用された場合には、これに接し
た取引者・需要者は、その図形部分が、馬上の競技者が、先端が小さなT字状
になった棒のような物を持っている図形であって、この点において、ラルフ標
章のうちの「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」と共通する図形である
ことに着目しさらにそのPOLOの文字部分に着目してポロP、、「」、「」(「
OLO」ないし「Polo)の商標と呼ばれるラルフ標章や「ポロ(PO」、」「
LO」ないし「Polo)と呼ばれるブランド名を連想し【F】又は同人と」、
組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、
その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
この点について出所の混同の発生する具体的な例を挙げれば、本願商
標は「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」と認識し得る図形が中央に、
配置されて見る者の目を引き、しかも「POLO」の文字を重要な要素として
含んでいるのであるから、これを「ASCOTPARKPOLOCLU
B「アスコットパークポロクラブ」という冗長であって一般に知られていな」、
い名称で称呼、観念するのではなく、簡略に「ポロ」のマーク「ポロ」の商、
標と称呼、観念して取引することが考えられる。このようにして取引したとし
ても、決して不自然ということはできない。まして「ポロ(POLO」な、」「
いし「Polo)の商標と呼ばれるラルフ標章や「ポロ(POLO」ない」、」「
し「Polo)ブランドが著名であり、強い顧客吸引力を有していることか」
らすれば、ラルフ・ローレンと関係のある「ポロ」の商標ないし「ポロ」ブラ
ンドであることには大きな価値があるから、そのような称呼、観念は、より発
。、、、「」生しやすいところであるそして取引者特に販売者が本願商標をポロ
のマーク「ポロ」の商標と呼んだとき(前示のとおり、このこと自体を不自、
然ということはできない、前記取引の実情における需要者の注意力を考慮す。)
れば、需要者は、本願商標の「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」と認
「」、「」、識し得る図形とPOLOの文字部分に着目してそれがポロのマーク
「ポロ」の商標であるから、ラルフ・ロ―レンに係る著名な「ポロ」の商標な
いしポロブランドと誤解しあるいはラルフ・ロ―レンに係る著名なポ「」、、「
ロ」の商標とは全体の構成が異なることに気付いたとしても、同じ「ポロ」の
一種であって兄弟ブランドないしファミリーブランドであると誤解して、その
出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
もとより、上記は、原告がそのような方法で出所の混同を発生させる
ことを意図して本願商標の登録出願をしたという趣旨ではない。しかし、商標
がいったん登録された場合には、自由に譲渡されたり使用権が設定されたりし
得るものであるから、出所の混同のおそれは、出願人の出願の意図とは関係な
く、取引の実情に基づき客観的に判断せざるを得ないのである。
2審決時における商品の出所の混同のおそれについて
乙第17号証の3ないし5及び弁論の全趣旨によれば、本願商標の商標
登録出願後審決時にかけても、朝日新聞、読売新聞等に「偽『ポロ』眼鏡枠、
を摘発・・・ポロ競技のマークで知られる米国のファッションブランド『PO
LO(ポロ』の製品に見せかけた眼鏡枠「偽ブランドの販売で元社長に有)」、
罪判決・・・米国ブランド『ポロ』などのマークが入った偽物のセーターやポ
ロシャツ「ラルフロ―レン偽物衣類を販売・・・ポロ』ブランドの偽物セ」、『
ーターとの記事が掲載されていることにも示されているとおりポロP」、「」(「
OLO」ないし「Polo)の商標などと呼ばれるラルフ標章、及び、その」
ブランドである「ポロ(POLO」ないし「Polo)ブランドの著名性」「」
は継続しており、また、ラルフ標章の顧客吸引力に着目して偽「ポロ」ブラン
ド商品を販売する者も絶えなかったことが認められる。
そして、本願商標の商標登録時から審決時までの間に、前記1の認定に
係る事情に変化があったものと認めるに足りる証拠はないから、審決時におい
ても、前記1の認定に係る混同のおそれは、なお継続していたものと認められ
る。
3原告の主張について
(1)原告は、①「POLO(ポロ」は、日本ではポロシャツの略称であ)
る、②日本国内の辞書・事典160件余、海外の辞書・事典250件余には、
「POLO」はスポーツ名としてしか記載されておらず、ラルフ・ロ―レンと
の関係の記載はない、③「POLO」は、特にヨーロッパでは、イタリアの探
検家マルコポーロの略称として認識されている、④「POLO」は、ヨーロッ
パその他の地域の外国では、フォルクスワーゲン社の自動車の名前として有名
であると主張する。
しかし、原告の挙げる上記①ないし④は、いずれも、前記1の判断の
妨げとはなり得ない。
ア①については、本願商標が、ポロシャツ以外の物について使用され
た場合に「POLO」がポロシャツのことであると理解されることはあり得、
ないところである。
イ②について
本願商標の登録出願時までには、ラルフ標章は「ポロ(POL、」「
O」ないし「Polo)の商標などと呼ばれ、それの付された商品もブラン」
ドとして「ポロ(POLO」ないし「Polo)と呼ばれて、いずれも紳」「」
士服、婦人服、眼鏡等のファッション関連商品について【F】のデザインに係
る商品に付される商標ないしそのブランドとして著名であったことは前示のと
おりである。
一方、乙第2ないし第5号証によれば、ポロ競技は、我が国では、
平成10年ころでも競技者がわずか約30人という程度のものであって「ス、
ポーツ用語(株式会社教育社1992年11月25日発行「ニュースポー」)、
ツ百科(株式会社大修館書店1995年9月20日発行「NEWCOL」)、
ORSPORTS1995(一橋出版株式会社1995年発行)にも取」
り上げられておらず、関心の薄いスポーツであったことが認められる。
この点に関して、原告は、日本でも、英国皇太子に関する報道を含
めて、多くのマスコミが取り上げており、また、アメリカ映画「プリティー・
ウーマン(1990年公開)のポロ・シーンは有名であると主張する。しか」
し、我が国において、多くのマスコミが、スポーツとしてのポロ競技を取り上
。、げて報道していることを認めるに足りる証拠はない甲第36号証によっても
「」。THEJALCUPが日本で放映されたことを認めることはできない
また、仮にこれが日本で放映されたとしても、ポロ競技は、これと上記「プリ
ティー・ウーマン」のポロ・シーン等として時折紹介された程度であることが
認められるにすぎない。そして、我が国において、テレビ・ラジオや新聞・雑
誌において、ポロ競技の試合結果が時々報道されるとか、ポロの観戦に関心の
あるファンがある程度はいるとかという事実を認めるに足りる証拠もない。し
たがって、原告の主張は、ポロ競技が我が国において関心の薄いスポーツであ
るとの前記認定を左右するものではない。
そうである以上、本願商標の指定商品である「洋服、コート、セ、
ーター類靴下等のファッション関連商品との関係においてはポロP、」、「」(「
OLO」ないし「Polo)とは、前記ラルフ・ローレンと関係のある「ポ」
ロ(POLO」ないし「Polo)の商標ないし「ポロ」ブランドを指す」「」
ものであると理解されることが多いのは、当然というべきである。
ウ③については、我が国において「ポロ(POLO」ないし「P、」「
olo)がマルコ・ポーロの略称として著名であると認めるに足りる証拠は」
ない。のみならず、我が国において、マルコ・ポーロが、本願商標の指定商品
である「洋服、コート、セーター類、靴下」等と関係があると認識されてい、
ることを認めるに足りる証拠もない。そうである以上、本願商標の指定商品で
ある「洋服、コート、セーター類、靴下」等の関係においては「ポロ(P、、」「
OLO」ないし「Polo)が、マルコ・ポーロを指すものと理解されるも」
のとは認められないというほかはない。
、、、エ④については本件全証拠によっても本願商標の指定商品である
「洋服、コート、セーター類、靴下」等について、フォルクスワーゲン社ない
し同社の自動車が関係を有するものとして知られているとは認められないか
、「、、、」、「」(「」ら洋服コートセーター類靴下等との関係ではポロPOLO
ないし「Polo)が、フォルクスワーゲン社の自動車と関係のあるものと」
理解されるものとは認められない。
(2)原告は、旧第17類についての「POLO」の登録商標は、昭和5
5年に他人が登録しており、その商標の現在の権利者は、ポロ・ビーシーエス
株式会社であると主張する。
しかし、ラルフ標章は「ポロ(POLO」ないし「Polo)の、」「」
商標などと呼ばれ、それが付された商品は、ブランドとして「ポロ(POL」「
O」ないし「Polo)と呼ばれて、いずれも紳士服、婦人服、眼鏡等のフ」
ァッション関連商品について【F】のデザインに係る商品に付される商標ない
しそのブランドとして著名であったことは前示のとおりである。そして、旧1
7類についての商標「POLO」の商標権者が誰であったかとは関係なく、取
引者・需要者が、ラルフ標章及びそれが付された商品のブランドを上記のよう
に呼んでいる以上、本願商標の出所の混同のおそれを判断するに当たっては、
上記事実を前提として判断すべきであることは、当然である。
(3)原告は「ASCOTPARKPOLOCLUB」が英国に実、
在する有名なポロクラブであり、同クラブとその主宰者の「G】一家」は、【
甲第13号証刊行物でも紹介され、大きな話題になり、日本のテレビでのコマ
ーシャルにも長く登場したと主張する。
しかし、甲第13号証によれば、甲第13号証刊行物には「驚異の、“
【G”英国でそう呼ばれる姉妹がいることを聞いた“ポロ”というスポーツ】。
をご存じだろうか?」として「G】4姉妹」を中心とする【G】一家が紹介、【
されているものの「ASCOTPARKPOLOCLUB」というク、
ラブについての記述はないことが認められるから同号証刊行物によってA、、「
SCOTPARKPOLOCLUB」が紹介されたということはできな
い。また「ASCOTPARKPOLOCLUB」という名称が、我、
が国のテレビのコマーシャルにおいて登場したと認めるに足りる証拠もない。
結局のところ、本件全証拠によっても「ASCOTPARKPOLO、
CLUB」との文字が、全体として特定の熟語や団体名称を表すものとして我
が国の一般の取引者・需要者によく知られているものと認めることができない
ことは、前認定のとおりである。
そして、我が国の一般の取引者・需要者によく知られているものでは
ない以上「ASCOTPARKPOLOCLUB」が英国に実在する、
としても、そのことは、我が国における本願商標についての出所の混同のおそ
れの判断を左右するものではない。
なお、原告は「ASCOTPARKPOLOCLUB」から、
本願商標の登録出願の同意を得ていると主張するが、この事実も、本願商標に
ついての出所の混同のおそれの判断を左右するものではない。
(4)原告は、我が国において、ラルフ・ローレン以外にも、30種類の
「POLO」ブランドがあり、これらのための市場が確立されていると主張す
る。
しかし「POLO」の語を含む結合商標が他にも多数存在すること、
は当裁判所に顕著ではあるものの、それらがラルフ・ロ―レンによって使用さ
れる「POLO」と明確に区別されていることは、本件全証拠によっても認め
ることができない。
すなわち、前認定のとおり、ラルフ標章が「ポロ(POLO」ない」「
しPoloの商標ラルフ標章の付された商品のブランドがポロP「」)、「」(「
OLO」ないし「Polo)と呼ばれて、著名である事実に照らせば、需要」
者が「POLO」の語を含む結合商標について【F】のデザインに係る商品、、
を示すものであって、それの付された商品を、著名な「ポロ(POLO」な」「
いし「Polo)ブランドないしその兄弟ブランドであるなどと誤解してい」
る可能性も十分にあるのである。
のみならず、前認定のとおり、ラルフ標章が「ポロ(POLO」な」「
いしPoloの商標ラルフ標章の付された商品のブランドがポロP「」)、「」(「
OLO」ないし「Polo)と呼ばれて、著名である事実に照らせば「PO」、
LO」の文字を含む商標であってこれと区別して認識されているものが、仮に
あるとしても、そのことは、本願商標による商品の出所の混同のおそれの認定
を左右するものではない。なぜなら、仮に、他の結合商標が、著名な「ポロ」
(POLO」ないし「Polo)の商標ないし「ポロ(POLO」ないし「」」「
「Polo)ブランドと呼ばれるものと区別され、出所を異にするものとし」
て理解されているとすると、そのことは、それが「POLO」とそれ以外の、
他の特定の文字とが結合した文字からなるものとしてよく知られ、かつ、何ら
かの事情によりそれがラルフ・ローレンとは関係のないものとしてよく知られ
るに至っているか、又は「POLO(ポロ」以外の文字の特異性などにより、)
当然にそれが認識される等の特段の事情があることを意味するのであって、そ
うであるからこそ、区別されているといい得るものである。ところが、本件全
証拠によっても、本願商標が「POLO」以外の他の文字と結合した文字から
なるものとしてよく知られ、かつ、ラルフ・ローレンとは関係のないものとし
てよく知られるに至っているとか「POLO」以外の文字の特異性などによ、
って当然にそれが認識されるとかというような特段の事情も窺えない。したが
って、前記各ブランドの存在によって、本願商標についての前記商品の出所の
混同のおそれが減少するものということはできないのである。
また原告はラルフ・ロ―レンないし米国ポロ・ローレン社はP、、、「
OLO」の商標権者であるポロ・ビーシーエス株式会社及び「ビバリーヒルズ
ポロクラブ」ブランドとの契約により、共存関係を維持していくことを確認す
るなどしているから【F】自身が自己の権利を放棄し、他の「POLO」ブ、
ランドの存在は、何ら自己の営業活動に実害がないと表明していることになる
と主張する。
しかし、原告主張の事実によっても【F】自身が自己の権利を放棄、
し、他の「POLO」ブランドの存在は、何ら自己の営業活動に実害がないと
表明したということはできない。仮に、ラルフ・ロ―レンないし米国ポロ・ロ
ーレン社が、他の会社に「POLO」を含む特定の商標の使用を認める趣旨の
契約を結んでいるとしても、これらと何ら契約関係のない原告において、それ
とは別の商標であって出所の混同のおそれのある本願商標を使用することが許
されることになるものではないことは、論ずるまでもないところである。
(5)原告は、別件判決の判示を本件に当てはめると、本願商標について
混同のおそれが生ずることはないと主張する(前記第3の4。)
アこれに関連して、原告は、まず「ASCOTPARK」は、競、
馬を始め、乗馬、ポロ等の馬の競技を行う地域として世界的に有名であると主
張する。
弁論の全趣旨によれば、我が国において「アスコット競馬」がある
程度知られていることは認められる。しかし、本件全証拠によっても、我が国
において「ASCOTPARK」が、ポロ競技を行う地域として知られて、
いると認めることはできない。
なお、原告は「ASCOTPARK」を「アスコット地方、地、
域」という意味であると主張するが、少なくとも我が国においては「ASC、
OTPARK」は「アスコット公園」という意味に理解されるものと認めら
れる。
イまた、原告は、本願商標は、その指定商品の取引者・需要者がこれ
に接した場合、ごく自然に「ASCOTPARK」にある「ポロ競技のク、
ラブ」を認識するものであり「ASCOTPARK」にある「ラルフ・ロ、
」、「」ーレンに係るポロ製品の愛好者のクラブとの観念が生ずるとかPOLO
の部分のみが注目され、直ちにラルフ・ローレンに係る商標が連想されるとは
いえず「POLO」ないし「POLOCLUB」の文字のみが注目される、
とかと解することはできないと主張する。
しかし、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがある
ことは、前示のとおりであるから、本願商標から「ASCOTPARK」、
にある「ポロ競技のクラブ」が認識されるとしても、そのことによって、直ち
に出所の混同が生じなくなるというものではない。
そして前記1の(1)認定に係るラルフ・ローレンと関係のあるポ、「
ロ(POLO」ないし「Polo)の商標及び「ポロ(POLO」ない」「」」「
し「Polo)ブランドと呼ばれるものの著名性、同(2)認定に係る経験則及」
び取引の実情を考慮したとき、取引者・需要者は、本願商標の図形部分と「P
OLO」の文字部分から、本願商標を、例えば「ポロ」のマーク「ポロ」の、
商標と称し、その結果【F】又は同人と組織的・経済的に何らかの関係があ、
る者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそ
れがあることは、前示のとおりである。
本願商標について、冷静かつ厳密に分析し、その意味を正確に理解
、、「」し取引に当たろうとする者であるならば誤りなくASCOTPARK
にある「ポロ競技のクラブ」と認識することになるかもしれない。しかし、簡
易迅速を尊ぶ取引の実際、本願商標に係る指定商品の取引の実情における需要
者の注意力ポロPOLOないしPoloの商標及びポロP、「」(「」「」)「」(「
」「」)(、OLOないしPoloブランドと呼ばれるものの著名性換言すれば
ラルフ・ローレンと関係のある「ポロ」ブランドであることの価値)を考慮す
れば、本願商標に係る指定商品の取引の実情においては、本願商標のような結
合商標であって、かつ文字部分が冗長な商標について、そのように冷静かつ厳
密に分析し、その意味を正確に理解することが普通であって、そのように理解
しないことは、本願商標の登録の可否を論ずるうえで無視できる程度にしか生
じないであろう、などということはできないのである。
この点に関する原告の主張も、採用することができない。
4以上のとおりであるから、原告主張の取消事由は理由がなく、その他
審決にはこれを取り消すべき瑕疵は見当たらない。
第6よって、本訴請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件
訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第6民事部
裁判長裁判官山下和明
裁判官山田知司
裁判官阿部正幸

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛