弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣旨は、末尾に添付した被告人及び弁護人田畑喜与英の作成名義に係
る各控訴趣意書と題する書面記載のとおりであつてこれに対する当裁判所の判断は
次のとおりである。
 弁護人田端喜与英の控訴の趣意第一点について
 起訴状に記載すべき事項は、刑事訴訟法第二百五十六条及び刑事訴訟規則第百六
十四条に規定されているからこれら法定の記載事項以外の事項を起訴状に記載すべ
きでないことは勿論であり又右刑事訴訟法第二百五十六条第六項には起訴状には裁
判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添付し又はその内容
を引用してはならないと定められているから、かような書類物の添附又は引用がで
きないばかりでなく裁判官に事件について予断を生ぜしめる虞ある事項を起訴状に
記載することも当然禁じられているものと解すべき<要旨>である、ところで本件起
訴状を見ると、所論のように、その末尾に「追而被告人に対しては余罪捜査中で追
訴の見込につき申添える」との記載があるがかような事項は前記法令に定
められた起訴状の記載事項ではなく又本件の起訴或は起訴事実と何等関係のないこ
とであるから、起訴状にかような記載をしたことは、まさに原審検察官の失当な措
置といわざるを得ない、しかしこの記載が裁判官に起訴事実について予断を生ぜし
める虞あるかどうかと考えてみると、必しもこれを肯定することはできない、けだ
し被告人が起訴事実以外にも何等かの犯罪の嫌疑を受け検察官が捜査中であるとい
う事実は被告人の一般的行状に関して好ましくない印象を生ぜしめる虞はあるが、
裁判官がかような被告人の一般的行状について、好ましくない印象を受けたとして
も、このことより直ちに特定の起訴事実について予断を抱くとは考えられないこと
であるし又、被告人が他の何等かの犯罪について嫌疑を受けているという事実はそ
のこと自体、直接にも間接にも当該起訴事実の存在を推定せしめるに足りる事実で
はないからたとえ裁判官がかような記載を読んでも、このことより本来の起訴事実
について有罪の予断を抱く虞はないからである、要するに本件起訴状中の前記記載
は、原審検察官の過誤には相違ないがその記載内容は刑事訴訟法第二百五十六条第
六項の規定に違反するものとは認められないから右の記載あるがため本件起訴状の
効力に消長を来すことはない、なお論旨は、本件起訴状の公訴事実の記載用語中に
も違反のものありと主張するけれども、公訴事実はもともと検察官が被告人に犯罪
ありと認めその事案を表示するものであるからその行文にはその犯罪事実を表示す
るに適切な辞句を用いるのが当然であつて論旨指摘の用語の如きも敢て不当のもの
とも認められないし仮に他の用語、行文に多少修飾の過ぎるものがあつたとしても
これがため起訴状の効力を失うものとはいえない。
 以上の理由により本件起訴状が、違法なりとの主張は採用できないからその主張
を前提として原審の訴訟手続に違法ありとの論旨は理由ないものである。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 下村三郎 判事 高野重秋 判事 久永正勝)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛