弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人中松澗之助、同熊倉巖、同中村稔、同復代理人村松俊夫、上告補助参
加代理人長島安治、同山崎行造の上告理由一及び二について
 特許の無効審判の係属中に当該特許の訂正審判の審決がされ、これにより無効審
判の対象に変更が生じた場合には、従前行われた当事者の無効原因の存否に関する
攻撃防禦について修正、補充を必要としないことが明白な格別の事情があるときを
除き、審判官は、変更されたのちの審判の対象について当事者双方に弁論の機会を
与えなければならない、と解すべきであり、これと同旨の見解のもとに、本件特許
の無効の審判手続においては、審判請求人である被上告人らに対し、訂正の審判の
審決により変更されたのちの審判の対象はついてあらためて無効事由の主張立証を
する機会を与える必要があつたのにこれを怠つたのは、審決に影響を及ぼすべき性
質の審判手続上の瑕疵があつたものというべきである、とした原審の認定判断は、
正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用するこ
とができない。
 同三について
 行政処分に瑕疵がある場合においても、その瑕疵が当該処分の結果に影響を及ぼ
さないときには、当該処分の取消原因とならないものと解すべきであるから、行政
処分の取消訴訟において、当該処分に一般的にみて行政処分の結果に影響を及ぼす
ような性質を有する手続上の瑕疵が認められる場合でも、その瑕疵が当該処分の結
果に影響を及ぼさないことが明らかであると認められる特別の事情があるときは、
裁判所は、右瑕疵は当該処分の取消原因とならないものと判断しなければならない
こととなる。そして、この理は、審決取消訴訟において審決に審判手続上の瑕疵が
あると認められる場合においても、原則として妥当するものである。しかしながら、
審決取消訴訟においては、審判手続において審理判断されなかつた公知事実を主張
することは許されず、したがつて、裁判所の審理判断もこれに及ばないこととなる
のであるから(最高裁昭和四二年(行ツ)第八二号同五一年三月一〇日大法廷判決
参照。所論引用の判例は、右判決により変更されたものである。)、審判手続上の
瑕疵が審決に影響を及ぼすかどうかの判断が、審判手続において審理判断されず、
したがつて審決取消訴訟において審理判断することのできない公知事実にかかわる
ものである場合には、裁判所は、当該瑕疵が具体的に審決に影響を及ぼすかどうか
についての判断をすることができず、当該瑕疵が一般的に審決に影響を及ぼすべき
性質を有するものであるかどうかにより、審決取消の原因となる瑕疵かどうかを決
しなければならない筋合である。
 本件についてこれをみるに、原審が確定した事実によれば、被上告人らは、本件
特許発明は公知技術から容易に推考することができるもので旧特許法(大正一〇年
法律第九六号)五七条一項一号に該当すること等を理由として、本件特許の無効審
判の請求をしていたものであるところ、本件無効審判においては、訂正審判の審決
により変更されたのちの審判の対象についてあらためて被上告人らに対し無効事由
の主張立証をする機会を与える必要があつたのに、これを怠つた手続上の瑕疵があ
り、しかも、この瑕疵は一般的に審決に影響を及ぼす性質を有する瑕疵というべき
ものであることは、前述のとおりである。ところで、右審判手続において、被上告
人らが無効事由の主張立証の機会を与えられていたとすればいかなる主張立証がさ
れ、しかも、それが具体的に審決にいかなる影響を及ぼしたかについて、本件審決
取消訴訟においてこれを判断することは、結局、審判手続において審理判断されて
いない公知事実について審決取消訴訟においてこれを審理判断することに帰着する
ものであり、これが許されないものであることは前述したとおりである。したがつ
て、本件無効審判手続における前記瑕疵は、それが一般的に審決に影響を及ぼすよ
うな性質のものと認められる以上、被上告人らが右審判手続において主張立証の機
会を与えられたならばいかなる主張立証をすることができ、それが審決の判断を動
かすに足る有効適切なものかどうかを問うまでもなく、本件審決の取消原因になる
ものといわなければならない。これと同旨の原審の判断は正当であり、原判決に所
論の違法はない。論旨は、右と異なる見解に立つて原判決を非難するものであつて、
採用することができない。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岸   上   康   夫
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    下   田   武   三
            裁判官    岸       盛   一
            裁判官    団   藤   重   光

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