弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人木原鉄之助の上告趣意について。
 原判決の確定した犯罪事実は、被告人は、消防各種自動車、消防ポンプ、消火器
及び消防器具類の製作、販売その他機械器具の販売並びに右に附帯する一切の業務
を行うことを目的とするB株式会社の代表取締役社長であつたところ、昭和二九年
七月五日午前一〇時頃同会社においてC株式会社D長Eとの間に曾て右C株式会社
より買い受けB株式会社内に陳列してあつた消防ポンプ二台につき売買契約を解除
して直ちに返品を約しこれをC株式会社のため岡山市の同会社岡山販売所に向け荷
造り発送すべく業務上保管中同日午后二時頃これをほしいままにabへの消防ポン
プ売渡の前受金として同町消防団長F外四名から受け取つた金五〇万円に対する担
保として同人らに引き渡して横領したというに在り、会社の代表取締役社長なるも
のは商法上会社を代表し会社の業務を執行すべき権利義務を有するものであり、そ
して刑法二五三条にいわゆる業務上の占有は他人の物の占有保管を主たる職務又は
営業とする場合における占有のみに限局すべきものに非ずして、いやしくも職務又
は営業に附随して他人の物を占有保管する以上は特に法令においてこれを職務又は
営業の範囲より除外せざる限り同条にいわゆる業務上の占有に該当すべきものであ
ること勿論である(大正一一年五月一七日大審院判決、集一巻四号二八二頁参照)。
されば被告人が判示B株式会社の代表取締役社長として判示の如く仕入元のC株式
会社に売買解除により返還すべき消防ポンプを右B株式会社において保管占有する
が如きはその業務に属すること勿論であり、そのこれを保管占有中ほしいままに判
示の如く第三者に対し前受金の担保として引き渡すにおいては刑法二五三条の業務
上横領罪を構成すべきものであり(昭和九年三月五日大審院判決・集一三巻三号一
八六頁参照)、この点についての原判示は正当である。
 しかして、刑法二五三条は、行為の属性を目標として加重要件を定めたものであ
つて、人の社会的地位、身分によつて差別を設けたものではないから、所論憲法一
四条違反の主張はその前提を欠き採用できない(昭和二九年九月二一日第三小法廷
判決、集八巻九号一五〇八頁及び同三〇年八月一八日第一小法廷判決、集九巻九号
二〇三一頁各参照)。
 被告人Gの弁護人木原鉄之助の上告趣意について。
 しかし、第一審判決引用にかかる被告人Aの検祭官に対する各供述調書(二通)
並びに爾余の証拠は、同引用の被告人Gの検察官に対する供述調書を優に補強する
に足りるものであり、被告人Gの自白を唯一の証拠として同人の共犯関係を認定し
たという判例違反の主張は前提を欠き採るを得ない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和三五年七月一五日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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