弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を東京高等裁判所に差戻す。
         理    由
 上告代理人弁護士奥山八郎、同安田重雄、同手塚義雄の上告理由第一点について。
 原判決は挙示の証拠により、本件係争土地は昭和一九年までDが賃借していたが、
右契約は解除され右土地はEに返還されたこと、然るにEはFの母Gに依頼して右
土地を昭和二〇年及び同二一年耕作させたが、右耕作についてはEは何ら従事せず、
田の見廻りも耕作の指図もせず、種苗、肥料の供与もせず、一切をGに任せていた
こと、そして同人は収穫米を全部Eに渡し手間賃を受け取つていたのであるが、以
上の事実から見るとGは昭和二〇年一一月二三日の基準日にはEとの請負契約に基
づき右土地の耕作の業務を営んでいたものと認むべきであると、認定した上、自作
農創設特別措置法第六条の四によれば、同法六条の二の規定の適用については請負
契約に基づいて耕作の業務を営んでいた者は小作農とみなされ、当該自作地は小作
地とみなされるから、右土地は基準日には小作地とみなされて遡及買収の対象とな
るのである、ところで小作地も仮装自作地も土地所有者が耕作の業務を営まず耕作
者が耕作の業務を営んでいる点は同一であつて、遡及買収の対象としての取扱も差
異がないから、仮装自作地を小作地と誤つてなされた買牧処分には重大な瑕疵はな
く、この誤りは取消の事由とはならないと判示していることは判文上明らかである。
しかしながら、自創法三条一項に該当する小作地なりとし、これを対象としてなさ
れた遡及買収の行政処分を、裁判所が右判示の如き理由で同条五号に該当する仮装
自作地買収の行政処分に外ならないとしこれを有効として前者の行政処分を維持す
るが如きは許されないところであることは、当裁判所昭和二五年(オ)第三八三号
同二八年一二月二八日第一小法廷判決(民集七巻一三号一六九六頁参照)の趣旨に
照し明らかであるが、その点はともあれ、遡及買収の申請適格者は基準日当日当該
小作地につき耕作の業務を営んでいた小作農またはその相続人たることを必要とし
(自創法六条の二、同条の四参照)しかもここにいう相続人とは、すでに相続をし
ている者であつて、相続すべき地位にある者を包含しないものと解すべきにかかわ
らず、原判決は前示Fからなされた遡及買収の申請につき(この点は第一審以来当
事者間に争ない事実であること判文上明らかである)Fが前示Gの子であるという
ことを判示しただけで、FがGから委任されて申請の権限をもつていたかどうか、
或は地主であるEにおいて右申請の形式について異議がなつたかどうか等の点につ
き何ら思を運らすことなく漫然としてFからなされた遡及買収の申請を容れて前示
Eに対してなされた買収処分を有効と判断したのは、審理不尽ないしは理由不備の
欠陥を蔵するものであつて、論旨は結局理由あるに帰し、原判決は爾余の論点の審
究をまつまでもなく到底破棄を免れないものと認める。
 よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    高   木   常   七

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