弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴はこれを棄却する。
         理    由
 弁護人鴛海隆、同原玉重の控訴趣意は、同各弁護人提出の控訴趣意書記載のとお
りであるから、これを引用する。
 弁護人原玉重の論旨第二点の二及び弁護人鴛海隆の同第三点について。
 前記Aの供述によれば、前記各供述調書は、検事がB並びに被告人を取調べた後
同人等の面前に<要旨>おいて検事の口述するところを録取したものであることを窺
い得るけれども、凡そ検察官は犯罪を捜査するについて必要があるときは、
被疑者その他の者を取り調べ、その供述を調書に録取することができることは刑事
訴訟法第百九十八条第二百二十三条の明定するところであつて、その録取の方法に
ついては法規上別段の制限がないから、取り調べをした検事が自ら録取し、又は検
察事務官をしてこれを録取させることもできるものと解すべく、而して検察事務官
が検察官に附属して被疑者その他の人の供述を書面に録取するについては直接供述
者の検察官に対する供述を書面に録取すると検察官の口述するところを書面に録取
するとを問はず、いずれの方式によるにせよ、検察官に附属して書類の作成に当つ
た検察事務官の作成した被疑者その他の者の供述調書たるに差支えないものといは
なければならない。(裁判所構成法第九十一条第四項、裁判所法第六十条、検察庁
法第二十七条参照)従つて前記Aが作成したBの供述調書は刑事訴訟法第三百二十
一条第一項第二号の書面に、又被告人の供述調書は同法第三百二十二条の書面に該
当するものと解するを相当とすべく従つて論旨は到底採用することができない。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 谷中董 判事 川本彦四郎 判事 中村匡三)

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