弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中、「被告人Aに対し当審における未決勾留日数中一二〇日を原
判決の本刑に算入する」との部分を破棄する。
     原審における未決勾留日数中六四日を本刑に算入する。
     その余の部分に対する本件上告を棄却する。
         理    由
 検察官の上告趣意は、判例違反をいうが、所論は原判決が何ら法律判断を示して
いない事項に関する判例違反の主張であつて、上告適法の理由にあたらない。
 しかしながら、所論に鑑み職権で調査すると、本件記録、当審で取り調べた被告
人に対する東京高等裁判所昭和四八年(う)第一三二号窃盗、恐喝被告事件記録中
の関係書面および本件記録中の昭和四八年四月一二日付刑執行指揮通知書によれば、
被告人は、本件につき、昭和四七年九月二二日佐原簡易裁判所において懲役一〇月
に処せられ、保釈失効により即日収監され、じ来引き続き勾留されているものであ
るが、同年一〇月四日控訴の申立をしたところ、同四八年三月二七日原裁判所(東
京高等裁判所第四刑事部)において、「本件控訴を棄却する。被告人Aに対し当審
における未決勾留日数中一二〇日を原判決の本刑に算入する。」との判決言渡を受
けたこと、他方、被告人は、本件とは別に、前記の窃盗、恐喝被告事件(以下、別
件という。)につき、昭和四七年八月二日窃盗の事実により勾留状の執行を受け、
勾留のまま千葉地方裁判所八日市場支部に起訴され、じ来第一、二審を通じ引き続
き勾留されているものであるが、第一審の審理中、窃盗、恐喝の事実により別件勾
留のまま追起訴され、これらが併合審理された結果、同年一二月七日同裁判所にお
いて、窃盗の罪につき懲役一年、恐喝の罪につき懲役一年に処せられ、同月一五日
控訴の申立をしたところ、同四八年三月二二日東京高等裁判所第二刑事部において、
「原判決中、窃盗の罪に関する部分に対する本件控訴を棄却する。原判決中恐喝の
罪に関する部分を破棄する。被告人を右恐喝の罪につき懲役一〇月に処する。」と
の判決言渡を受け、右別件第二審判決は、上告申立期間の経過により同年四月六日
確定し、被告人は、即日右刑の執行を受け、じ来受刑中であることが認められる。
 ところで、すでに明らかなとおり、原審における未決勾留日数は、被告人の本件
控訴申立の日である昭和四七年一〇月四日から原判決言渡の日の前日である同四八
年三月二六日までの計一七四日であるが、別件に対する未決勾留と重複しており、
別件第二審判決の確定によつて、この重複する未決勾留のうち、別件控訴申立の日
である同四七年一二月一五日から別件第二審判決言渡の日の前日である同四八年三
月二一日までの九七日は、刑訴法四九五条二項により法定通算の対象となり、別件
第一審判決言渡の日である同四七年一二月七日からその控訴申立の日の前日までの
八日および別件第二審判決言渡の日から原判決言渡の日の前日までの五日は、それ
ぞれ同条一項により法定通算の対象となつて、これら別件における法定通算日数一
一〇日は、すでにその本刑に通算されて執行に替えられた未決勾留日数であるから、
原判決がこのまま確定すると、その裁定算入した未決勾留一二〇日のうち五六日は、
別件ですでに法定通算された未決勾留と重複して算入され、被告人に不当な利益を
与える結果となることが明らかである。
 おもうに、被告人が複数の勾留状により拘禁されている場合において、他事件の
確定によりその本刑たる自由刑に法定通算されるべき未決勾留と重複する未決勾留
をさらに当該事件の本刑たる自由刑に算入しても、未決勾留算入の裁判当時他事件
が未確定の状態であるときは、直ちに刑法二一条、刑訴法四九五条の趣旨に反し違
法なものとはいえないが、後に他事件が確定し法定通算されるべき未決勾留が、そ
の本刑に通算されて刑の執行に替えられたときは、結局、前各条の趣旨に反し実質
的に違法なものとなり、これと重複する日の未決勾留をも本刑に算入する裁判は、
上訴により是正するほかないものといわなければならない。
 この見地に立つて本件をみると、原判決言渡当時、別件第二審判決は、上告期間
中で未確定であつたから、原判決が別件の確定によりその本刑たる自由刑に法定通
算されるべき未決勾留日数一一〇日と重複する未決勾留日数五六日をその本刑たる
自由刑に算入したとしても、直ちに違法なものとはいえないが、その後、別件第二
審判決が確定したことにより、原判決は、結局、すでに別件で法定通算された未決
勾留と重複する未決勾留をその本刑たる自由刑に算入したことに帰するから、原審
における未決勾留の期間中、六四日を超えて原審の未決勾留日数を本刑に算入した
のは、刑法二一条、刑訴法四九五条の解釈適用を誤つた違法があるに帰し、同法四
一一条一号により破棄を免れない。
 よつて、同法四一三条但書により、原判決中「被告人Aに対し当審における未決
勾留日数中一二〇日を原判決の本刑に算入する。」との部分を破棄し、刑法二一条
により原審における未決勾留日数中六四日を本刑に算入することとし、原判決のそ
の余の部分については、上告趣意としてなんら主張がなく、従つてその理由がない
ことに帰するから、刑訴法四一四条、三九六条によりこれを棄却し、当審における
訴訟費用については、同法一八一条一項但書により被告人に負担させないこととし
て、裁判官全員一致の意見により、主文のとおり判決する。
 検察官横溝準之助 公判出席
  昭和四八年一一月九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    大   塚   喜 一 郎
            裁判官    岡   原   昌   男
            裁判官    小   川   信   雄
            裁判官    吉   田       豊

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