弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由第一点(補遺の(二)を含む)について。
 論旨は、要するに、原審は一方において破産者Dが被上告会社に対し本件五〇万
円の債務を弁済したとの事実を認める判示をしながら、他方においてその弁済の事
実を認められない旨判示して、上告人の請求を排斥する判決をしたが、この判決に
は、民訴法三九五条一項六号の違法があると主張するにある。
 しかしながら、原判決によれば、原審は、被上告会社が上告人に対する本件五〇
万円の貸金債権の担保として所持して居つた協同組合E振出に係る同額の約束手形
の決済のため、手形債権者として手形債務者である同組合の銀行預金より右手形金
の支払を受け、これによつて右貸金の回収することを得たのであつて、右破産者の
弁済行為があつたのではないとの事実を認定判示して居るのである。この認定は、
これに対応する原判決挙示の証拠によれば、是認し得られる。したがつて、原判文
上、所論の如き矛盾撞着、違法を見出し得ない。
 論旨は、結局、原審の認定判示と異る事実を主張し、これによつて原判決を非難
するに帰着するものであつて、上告適法の理由として採用できない。
 同第二点(昭和三七年一一月二〇日付補遺及び同年一二月一〇日付補遺を含む)
について。
 原判決において、所論五〇万円について所論の如き根拠を以つてしては弁済の否
認ができない理由を十分判示せられて居るのであつて、その説明は、首肯し得られ
る。又、原判決には、その挙示の証拠関係により、所論弁済受領の当時破産債権者
を害すべき事実を被上告会社において知らなかつたものであることを積極的に認定
判示してあるから、論旨が挙証責任を云為するのは当らない。その他論旨は、原審
の審理不尽、条理違反、経験則無視、自由心証の濫用等にも言及するけれども、原
審の事実の認定判断は、原判決挙示の証拠及び原判示の事実関係に照すときは、是
認し得られるのであつて、これに所論の違法を認め得ない。論旨は、畢竟、原審の
認定と異る事実或は独自の見解を主張し、これに拠つて原審の裁量に委ねられた事
実の認定を非難するに帰着する。
 論旨は、すべて、採用できない。
 同第三点について。
 甲一号証中の記載及び原審における被上告会社代表者本人Fに対する尋問調書第
一一問答中の供述記載は、それぞれ所論の通りであるが、同尋問調書第一六問答中
に、昭和三二年一一月一七日に銀行から専問店会の手形が落ちて入金があつたとの
通知があり、そのことをDに知らせておく必要があると考え、内容証明(甲一号証)
に五〇万円の内入があつた旨を記載したとの趣旨の供述記載があり、彼此照合して
読むときは、破産者Dより被上告会社に対し債務弁済行為として金五〇万円の支払
があつたとの事実につき、被上告会社が、所論の如くに、自白をしたとは、到底、
認められない。又、論旨は、原審の条理違反、経験則無視を前提として原審の憲法
七六条三項違反を云為するけれども、論旨指摘の事実についての原審の認定判断が、
是認し得られるものであつて、これに所論の違法がないことは、既に説示したとこ
ろであるから、違憲の主張は、前提において既に失当である。
 論旨は、すべて、採用できない。
 同第四点について。
 被上告会社に債権者を害する意思があつたものとは認められない旨の原審の認定
は、原判決挙示の証拠及び原判示の事実関係に照すときは、是認し得られるもので
ある。論旨は、要するに、原審の裁量に委ねられた証拠の取捨判断、事実の認定を
非難するに帰着する。
 論旨は、採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    横   田   正   俊

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