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平成一一年(ネ)第五九〇七号不正競争行為差止等請求控訴事件(原審・東京地方裁
判所平成七年(ワ)第二二一号、第二九五九号)(平成一二年五月二九日口頭弁論終
結)
     判      決
控訴人(原告)    株式会社関東ライティング
右代表者代表取締役  A
右訴訟代理人弁護士  西  村健三
被控訴人(被告)かがつう株式会社
右代表者代表取締役  B
右訴訟代理人弁護士   濱野英  夫
同濱野歳男
            主      文
 一 本件控訴を棄却する。
  二 控訴費用は、控訴人の負担とする。
 事実及び理由
第一当事者の求めた裁判
 一 控訴人
 1原判決を取り消す。
  2 被控訴人は、控訴人に対し、金三一五〇万円及びこれに対する平成七年四
月一三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は、第一審、第二審を通じ、被控訴人の負担とする。
 二 被控訴人
   主文と同旨の判決
第二 当事者の主張
一請求原因
1 当事者等
控訴人は、昭和四七年二月二日に設立された、街路灯、アーチ等の販売を
業とする会社である。
被控訴人は、昭和二一年八月一四日に設立された、電気通信機器、照明機
器等の製造販売を業とする会社であり、平成四年から、街路灯を製造し、これを商
店の経営者により組織された各地の商店会等に対し販売する事業を開始した。
原審被告C(以下「C」という。)は、平成四年一〇月二六日、控訴人に
入社し、平成六年九月一六日、控訴人を退社し、その後、被控訴人に入社した者で
ある。
2 営業上の人間関係の利用
(一) 控訴人の営業の手順
控訴人の街路灯設置の事業は、五〇名から一〇〇名前後の商店の経営者
により組織された各地の商店会等に街路灯等を販売するものであり、その手順は、
次のとおりである。
(1) 営業員数名から成るチームを作り、その担当地域を決め、チームの構
成員は、その担当地域内の商店会等をくまなく訪問して、その役員の構成や活動状
況を調査し、役員等と面識を作る。
(2) 面識のできた商店会等の役員等から街路灯設置計画の有無等の情報を
入手し、設置の可能性のある商店会等を重点的な営業活動の対象として、商店会等
の内部の人間関係や力関係を把握しつつ、役員等と親密な信頼関係を作り、街路灯
を設置すること及びその設置を控訴人に行わせることの利点を訴える。
(3) 街路灯の設置が商店会等にとって大きな事業であることから、ほとん
どの商店会等では、役員会において何度も検討され、総会を経るなどして設置業者
が選定される。したがって、商店会等と契約を締結するには、役員個人のみなら
ず、商店会等全体として控訴人と契約を締結するよう仕向ける必要がある。そのた
めに、商店会等内に街路灯設置委員会等を設けさせ、街路灯の設置に向けた商店会
等の組織化を図り、役員に役員会の開催を促し、役員会において営業担当者が説明
をする機会(以下「説明会」という。)を作る。
(4) 説明会は、商店会等が街路灯を設置させる業者を選定する過程におい
て重要な意味をもつので、控訴人の営業担当者が出席して説明等をする。
      説明会においては、当該商店会等に適した街路灯の必要性、街路灯の
機種及び単価、アフターサービスの実績、県の補助金を獲得するための手続、街路
灯の設置時期等について説明する。
  説明会が開催された後も、出席者や商店会等の役員等に対して、控訴
人と契約を締結するように説得をする
(5) 複数の街路灯製造販売業者の立会いによる説明会が行われることがあ
っても、事前に業者が内定しているのが普通で、説明会において他社から安価な見
積もりが提示された場合に、内定した業者に対して値引きの交渉がされることがあ
るものの、内定した業者が変更されることはない。
(6) 契約の締結は、商店会の会長を始めとする役員の出席の下に行われ
る。
(二) 営業上の人間関係
控訴人による営業の手順は右のとおりであり、商店会内の人間関係の機
微に触れる部分を把握し、数か月から数年間に及ぶ長期間の営業を経た後、初めて
契約の締結に至る。したがって、Cらが、控訴人の営業担当として営業活動を通じ
て築いた緊密な人間関係を利用して、被控訴人のために営業活動をすることは、不
法行為として許されない。
3 雇傭契約上の債務不履行
(一) 契約に基づく債務
 控訴人の従業員は、控訴人に入社する際、控訴人に対して誓約書を差し
入れることによって、次のような内容の契約を締結することになっており、Cも、
入社時に、控訴人との間で、同内容の契約を締結した。
 (1) 控訴人在職中に控訴人の営業として訪問した得意先に対し、退社後六
か月間は、自己又は同業他社の従業員としての営業は一切しない。
(2) 退職時には、その前後を問わず、控訴人の得意先との営業について事
務引継ぎをする。
Cは、右(1)の約定に基づき、控訴人の営業として訪問した商店会等に対
し、退社後六か月間は、自己又は同業他社の従業員としての営業を一切しない義務
を、右(2)の約定に基づき、退職時に街路灯の設置を希望している商店会の情報等
(以下「見込客情報」という。)を控訴人に報告するとともに、後任者を連れて得
意先商店会等に引継ぎの挨拶をすべき義務を負う。
(二) 債務不履行
(1)Cは、控訴人の営業として大原中央商店街協同組合(以下「組合」と
いう。)を訪問していたが、控訴人を退社した後三か月も経過していない平成六年
一二月八日、組合の組合員が参加して設立された大原町街路灯協会(以下「協会」
という。)において開催された街路灯の設置に関する説明会に被控訴人の従業員と
して参加するなど、被控訴人のために営業活動を行ったが、これは、前記(一)(1)の
約定に基づく義務に違反する行為である。
(2) Cは、平成六年九月一六日、控訴人を退社したところ、控訴人在職中
に取得した見込客情報を控訴人に報告せず、また、後任者を連れて組合の有力メン
バーに引継ぎの挨拶をしなかったが、これは、前記(一)(2)の約定に基づく義務に違
反する行為である。
  4 虚偽事実の告知
   (一) 競争関係
    Cは、平成六年九月一六日、控訴人を退社した後、控訴人と競争関係に
ある会社である被控訴人のために営業を行っていたので、控訴人と競争関係にあっ
たということができる。
   (二) 虚偽事実の告知
Cは、平成六年一〇月中旬から同年一二月八日まで継続して、組合の副
会長及び事務局長に対し、控訴人が融通手形を多数振り出しており間もなく倒産す
る旨を、また、控訴人の社長が病気であり来春には会社は倒産する旨を告知した
が、これらはいずれも虚偽であり、控訴人の営業上の信用を害する事実である。
5 前記2ないし4の行為による損害
   (一) 因果関係及び損害の発生
     前記2ないし4の行為により、被控訴人が協会と街路灯設置に関する契
約を締結するに至り、控訴人は、協会と右契約を締結することができなくなり、右
契約締結によって得べかりし利益を喪失する損害を被った。
     被控訴人の従業員であるDらが行った営業活動は、Cに帯同して行った
ものにすぎず、Cが協会に対する営業活動に関与しなければ、被控訴人が右契約を
締結することは不可能であった。
(二) 損害額
協会への街路灯の設置販売は、合計三七五基行われるが、一基の価格は
二四万円であり、利益率は三割五分であるから、控訴人の損害は、三一五〇万円で
ある。
(三) よって、控訴人は、被控訴人に対し、損害賠償として金三一五〇万円
の支払を求める。
  6 被控訴人の責任
 被控訴人は、故意又は過失によりCに右各行為をさせたものであり、Cの
右各行為について共同不法行為責任を負う。
二請求原因に対する認否
1 請求原因1の事実は認める。
2(一) 同2(一)の事実のうち、控訴人の街路灯設置の事業が、五〇名から一
〇〇名前後の商店の経営者により組織された各地の商店会等に街路灯等を販売する
ものであることは認め、その余は不知。
(二)同2(二)の事実は否認する。
3(一)同3(一)の事実は否認する。
(二)(1) 同3(二)(1)の事実は否認する。
 (2) 同3(二)(2)の事実は認めるが、義務違反の主張は争う。
4 同4の事実は否認する。
5(一)同5(一)の事実のうち、被控訴人が協会と街路灯設置に関する契約を
締結したことは認め、その余は否認する。
被控訴人が右契約を締結するに至ったのは、請求原因2ないし4の行為
があったためではない。被控訴人は、遅くとも平成五年ごろ、従業員が大原町役場
を訪れたことにより街路灯設置計画のあることを知って、組合及び協会に対して営
業活動を行い、町の景観に合致したデザイン、施工技術等が評価されて、控訴人、
被控訴人を含む五社の中から契約業者として選定されたものである。
大原町商店会は、応募した五社について二回にわたる説明会を開くなど
して慎重に判断した結果、被控訴人を選定したのであって、Cの右行為により選定
したものではない。
(二) 同5(二)の事実は否認する。
6同6の主張は否認する。
第三 当裁判所の判断
一 請求原因1(当事者等)の事実は、当事者間に争いがない。
 二 請求原因2(営業上の人間関係の利用)について
1 被控訴人が、大原町の街路灯設置のために協会と街路灯設置に関する契約
を締結したことは当事者間に争いがなく、この事実に証拠(甲八の一、二、甲九の
一ないし三、甲一〇の一、二、甲一一の一ないし一〇、甲一二、甲一四の一、二、
甲一八、一九、二一、甲二二の一、乙一、乙三の一ないし五、乙五、乙六の一ない
し五、乙七ないし九、一三ないし一七、一九、二一ないし三〇、証人E、証人D、
控訴人代表者、原審被告F、原審被告G)及び弁論の全趣旨を総合すると、組合の
街路灯設置工事業者が被控訴人に決定するまでの間には、次のような経緯があった
ことが認められる。
   (一) 組合では、商店街の街路灯が老朽化してきたため、平成五年ころか
ら、それを新たに設置することが検討されていた。
   (二) 控訴人では、平成五年四月から、Cらが組合の理事長であったEらを
訪問して、街路灯設置に関する営業活動を行っていた。また、Cらは、街路灯設置
に関して、大原町役場と大原町商工会を訪問するなどの活動も行っていた。これら
の活動は、平成六年三月ころから活発になった。
(三) 被控訴人の従業員であったHらは、平成六年五月に、大原町役場を訪
問し、組合で平成七年度に街路灯設置の計画があることを知り、平成六年六月、大
原町役場と大原町商工会に行き、担当者から、組合における街路灯設置計画につい
て説明を受けた。
(四) 平成六年一一月に、協会が設けられ、組合員である商店主らが役員に
なったところ、控訴人は、同年一〇月ころから、協会の役員になる予定の者(同年
一一月以降は役員)を訪問するなどして、街路灯設置に関する営業活動を行い、他
方、被控訴人も、営業部長であったDらが、同年一〇月ころから、協会の役員予定
者(同年一一月以降は役員)を訪問するなどして、街路灯設置に関する営業活動を
行った。Cは、控訴人退社後、被控訴人に入社し、数回右訪問の際に同行した。
(五) 同年一一月一八日、協会の第一回理事会が開催され、控訴人、被控訴
人を含む五社の中から、街路灯の工事業者を選定することが決定された。
 同月二八日、協会の第二回理事会が開催され、右の五社が、街路灯設置
について説明した。被控訴人においては、Cは出席せず、常務取締役であったIら
が出席して説明した。その後、右理事会で検討した結果、控訴人と被控訴人の二社
のうちの一社と契約することに決定された。
(六) 同年一二月八日、協会の第三回理事会が開催され、控訴人と被控訴人
の二社が再度説明した。その説明会では、被控訴人において、I、Dらが説明し、
Cは、出席したがほとんど発言しなかった。その後の理事会で、協会が独自に得た
信用調査の情報等も併せて検討した結果、被控訴人と契約することが決定された。
被控訴人が控訴人に比べ会社の経営基盤が安定し信用力で勝っていることが、右決
定の大きな理由であった。
(七) 協会は、右決定に基づき、被控訴人との間において、街路灯設置に関
する契約を締結した。
2 控訴人は、Cが営業活動を通じて築いた緊密な人間関係を利用したと主張
するが、従前の職場において築いた人間関係を新たな職場において利用して営業を
行うことは、これが営業秘密の不正利用、競業避止義務違反等により違法とされな
い限り、原則として自由にこれを行うことができるものである。
控訴人は、Cの行為の違法性を基礎づける事実として、控訴人の営業の特
殊性を主張するが、仮に、控訴人の業界における営業が前記主張のような特色を有
するとしても、その特色のみをもってしては、Cの行為が違法であるとまでいうこ
とまはできない。請求原因2に係る控訴人の主張は、失当である。
三 請求原因3(雇傭契約上の債務不履行)、同5(損害)について
1 証拠(甲三、乙一三)によれば、Cは、控訴人に入社する際に誓約書に署
名したが、その誓約書には、次の内容の条項が記載されていたことが認められる。
 (一)控訴人在職中に控訴人の営業として訪問した得意先について、退社後
六か月間は、控訴人の得意先として尊重し、自己又は同業他社の従業員としての営
業は一切しない。
(二) 退職時には、その前後を問わず、控訴人の得意先との営業について事
務引継ぎをする。
2 右1認定の事実によると、控訴人は、Cとの間で、概要右1(一)(二)の内
容の契約を締結したものと認められる。Cは、右誓約書について、控訴人に入社す
る際、形式的なものであるといわれ、内容を認識しないまま署名押印したと主張す
るが、この主張に沿う証拠はない。
3 Cは、右2認定の契約により、控訴人在職中に控訴人の営業として訪問し
た得意先について、退社後六か月間は、自己又は同業他社の従業員としての営業を
行わない義務を負っているものと認められる。
証拠(甲七、二一、二三、控訴人代表者)によると、商店会等に対する街
路灯の営業は、成約までに長期間を要し、契約を取るためには、その間に営業担当
の従業員が商店会等の役員等をたびたび訪問して、その信頼を得ることが重要であ
ること、そのため、この種の営業においては、長期間経費をかけて営業してはじめ
て利益を得ることができることが認められるから、このような営業形態を採ってい
る控訴人においては、従業員に退職後も競業避止義務を課する必要性が存するとい
うことができる。そして、控訴人が課している競業禁止の期間は六か月間に限ら
れ、その対象も控訴人在職中に控訴人の営業として訪問した得意先に限られてお
り、競業一般が禁止されるものではない。したがって、右約定は、競業禁止規定と
して十分な合理性を有するものであって、無効ということはできない。
Cが平成六年九月一六日に控訴人を退社したことは当事者間に争いがな
い。前記二認定の事実によると、Cは、控訴人の従業員として組合に対する営業活
動を行っていたところ、控訴人退社後六か月以内に、被控訴人の従業員として、協
会の役員又は役員予定者を訪問したり、説明会に出席するなどの活動を行ったもの
と認められ、この行為は、控訴人在職中に控訴人の営業として訪問した得意先につ
いて、退社後六か月間は、自己又は同業他社の従業員としての営業を行わない義務
に違反するということができる。
そこで、右義務違反と控訴人が協会と街路灯設置に関する契約を締結する
ことができなかったこととの因果関係について判断する。前記二認定のとおり、被
控訴人は、独自に、組合において平成七年度に街路灯設置の計画があることを知っ
て情報を収集しており、その後もDらが協会の役員等に対する営業活動を行ってい
たこと、前記二認定のとおり、協会は、説明会等の手続を経た上、協会が独自に得
た情報も考慮して、被控訴人と街路灯設置に関する契約を締結することに決定した
ことに加え、本件全証拠によっても、Cが被控訴人の従業員として行った前記活動
が右契約締結の成否に影響を与えたとは認められないことを総合すると、Cが被控
訴人の従業員として行った前記活動と控訴人が協会との間で街路灯設置に関する契
約を締結することができなかったこととの間に因果関係があると認めることはでき
ない。
4 Cは、右2認定の雇傭契約により、退職時には、その前後を問わず、控訴
人の得意先との営業について事務引継ぎをする義務を負っているものと認められる
ところ、Cが控訴人を退社した際に事務引継ぎをしなかったことは、当事者間に争
いがない。
そして、右引継ぎをしなかったことが右雇傭契約上の義務に違反するとし
ても、右引継ぎをしなかったことによって控訴人の営業に現実の支障が生じたとは
認められず、また、前記二認定のとおり、協会は、説明会等の手続を経た上、協会
が独自に得た情報も考慮して、被控訴人と街路灯設置に関する契約を締結すること
に決定したものと認められるから、右引継ぎをしなかったことと控訴人が協会との
間で街路灯設置に関する契約を締結することができなかったこととの間に因果関係
を認めることはできない。
5 控訴人は、協会が被控訴人と右契約を締結したのはCが関与したためであ
ると主張するが、右因果関係の存在を認定するためには、被控訴人がCの関与なし
に右契約の締結をすることができなかったことについて高度の蓋然性が認められな
ければならない。本件においては、前記認定のとおり、被控訴人の営業におけるC
の関与の程度は高いものではなく、また、協会は、独自に調査をしたうえで右契約
を締結したというのであるから、Cの関与と控訴人が右契約を締結することができ
なかったこととの間に、このような高度の蓋然性を認めることはできない。
6 したがって、請求原因3に係る請求は、認めることができない。
四 請求原因4(虚偽事実の告知)、同6(被控訴人の責任)について
1 甲六、二七(控訴人においてCの部下であったJの陳述書)には、Cら
が、平成七年、控訴人の取引先である幕張駅南口商店街、三山央町商店街振興組合
及び当代島商店会に対して、控訴人が融通手形を乱発していること、控訴人の社長
が病気であること、控訴人が間もなく倒産すること等を告知した旨の記載がある。
しかしながら、Iは、Cらの右発言を直接聞いたものではないこと、他方、右書証
に反する乙一三(被告Cの陳述書)があることに照らすと、甲六、二七の記載から
直ちに、Cが右発言をした事実を認めることはできない。
2 また、仮にCらが右各取引先に対して前記の内容を告知していたとして
も、Cがこのような発言をすることについて、被控訴人が指示をしたことなど、被
控訴人がCとともに共同不法行為責任を負うことを基礎づける事実は、本件全証拠
を総合しても、何ら認めることができないので、この点においても、被控訴人が損
害賠償責任を負うということはできない。
五 以上によれば、控訴人の被控訴人に対する請求はいずれも理由がなく、これ
を棄却した原判決は正当であって、控訴人の本件控訴は理由がないからこれを棄却
することとし、控訴被用の負担につき、民事訴訟法六一条、六七条一項本文を適用
して、主文のとおり判決する。
    東京高等裁判所第一三民事部
      裁判長裁判官   田   中   康   久
         裁判官   石   原   直   樹
         裁判官   長   沢   幸   男

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