弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     上告人の被上告人B1に対する上告を棄却する。
     上告人の被上告人B2株式会社に対する上告を却下する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人正木孝明の上告理由について
 不動産の仮差押命令の申立て及びその執行が、当初からその被保全権利が存在し
なかったため違法であり、債務者に対する不法行為となる場合において、債務者が、
仮差押解放金を供託してその執行の取消しを求めるため、金融機関から資金を借り
入れ、あるいは自己の資金をもってこれに充てることを余儀なくされたときは、仮
差押解放金の供託期間中に債務者が支払った右借入金に対する通常予測し得る範囲
内の利息及び債務者の右自己資金に対する法定利率の割合に相当する金員は、右違
法な仮差押命令により債務者に通常生ずべき損害に当たると解すべきである。
 本件についてこれをみるのに、原審の適法に確定したところによれば、
 (一) 上告人の被相続人であるDは、自己の所有する土地を被上告人B1が無断
で処分したため一億一二七〇万五〇〇〇円の損害を被ったとして、その賠償請求権
を被保全権利として、同被上告人所有の土地について仮差押命令の申立てをし、平
成二年二月八日に仮差押命令を得てこれを執行した。
 (二) しかしながら、右被保全権利は存在せず、Dはそれを知りながら前記仮差
押命令を申請したものであって、右は被上告人B1に対する不法行為に当たる。
 (三) 被上告人B1は、右違法な仮差押命令の執行を取り消すため、平成二年四
月九日、右仮差押命令において定められた仮差押解放金一億一二七〇万五〇〇〇円
を供託し、同四年七月一七日まで供託を続けざるを得なかった。
 (四) 同被上告人は、右仮差押解放金のうち一億一〇〇〇万円を信用組合Eから
の借入れによって調達し、これに対する平成二年四月九日から同四年七月一七日ま
での年七・七五パーセントないし九・二五パーセントの割合による約定利息合計二
二三六万九九三二円の支払を余儀なくされた。
 (五) また、同被上告人は、右仮差押解放金のうちその余の二七〇万五〇〇〇円
は自己資金をもって充てたが、これに対する平成二年四月九日から同四年七月一七
日までの民事法定利率年五分の割合による金員の額は三〇万七五五四円である。
 (六) 一方、右期間の仮差押解放金の供託に係る利息の額は一六九万〇五〇〇円
であり、これを右(四)(五)の合計額二二六七万七四八六円から控除すると、その差
額は二〇九八万六九八六円となる。
というのであり、右(四)記載の信用組合Eからの借入金についての年七・七五パー
セントないし九・二五パーセントの割合による約定利息は、通常予測し得る範囲内
のものというべきである。
 そうであれば、右事実関係の下において、右(六)の二〇九八万六九八六円は、D
の前記違法な仮差押命令の申立てに基づく執行により通常生ずべき損害に当たるも
のということができ、以上と同旨の原審の判断は、正当として是認することができ
る。原判決に所論の違法はなく、論旨は、独自の見解に基づいて原判決を非難する
ものにすぎず、採用することができない。
 なお、本件上告について提出された上告状及び上告理由書には上告人の被上告会
社に対する上告理由の記載がないから、被上告会社に対する上告は不適法として却
下すべきである。
 よって、民訴法四〇一条、三九九条ノ三、九五条、八九条に従い、裁判官全員一
致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    千   種   秀   夫
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    大   野   正   男
            裁判官    尾   崎   行   信

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