弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士八尋伊三、米田為次の上告理由は別紙のとおりである。
 上告理由第三点について。
 記録によれば、原裁判所は昭和二五年一一月一〇日の口頭弁論期日において、受
命裁判官により和解を勧告する旨の決定をなし、受命裁判官は昭和二六年二月八日
午后二時の和解期日において次の期日を四月一二日午后二時と指定したが、同日の
期日の調書が作成されておらず、受命裁判官が和解の勧告を取消した形跡もない。
しかし受命裁判官が取消さない場合でも、裁判所は前になした決定自体を取消すこ
とができるのであつて、原裁判所は昭和二六年九月六日午后一時の口頭弁論期日に
おいて(この弁論には受命裁判官福本一も関与している)、合議の上弁論を終結し
ていることは、記録上明らかであるから、この時に同裁判所は和解を試みる決定を
取消したものと認めることができる。従つて論旨は結局理由がない。
 その他の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」
(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法
にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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