弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被上告人の控訴を棄却する。
     訴訟の総費用は被上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人楠武治郎の上告理由について。
 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決の挙示する証拠関係に照らして首肯
するに足りる。右事実関係は、つぎのとおりである。すなわち、
 上告人は、訴外D宛に金額一〇〇万円、満期昭和四五年三月一五日、支払地、振
出地とも平塚市、支払場所株式会社E銀行F支店、振出日昭和四四年一一月一日な
る約束手形一通(以下、本件手形という。)を振り出し、受取人Dは、いつたん被
裏書人を訴外G信用金庫として本件手形を同信用金庫に裏書譲渡したが、その後昭
和四五年一月頃同信用金庫からこれが返還を受け、同月二三日頃訴外H商事有限会
社から本件手形の割引を受け、その際、G信用金庫に対する裏書の記載を抹消する
ことなくそのまま本件手形を右会社代表者Iに交付し、Iは、同日中に訴外J石油
株式会社から本件手形の割引を受けてこれを同会社の専務取締役であるKに交付し、
Kは、同日中にさらに訴外L石油株式会社の専務取締役でかねてから懇意の間柄に
ある被上告人に依頼して被上告人から本件手形の割引を受け、これを被上告人に交
付し、このようにして本件手形を取得した被上告人は、手形金の取立を依頼する趣
旨で訴外MN支店宛に本件手形に被上告人が銀行預金をする際に使用したことのあ
る仮名Oの名義で裏書をしてこれを同支店に交付したが、交付に先だつて、Dのし
た裏書の記載のうち被裏書人欄のG信用金庫とある部分を抹消し、右支店は、訴外
株式会社P銀行Q支店宛に、同支店は、さらに訴外株式会社E銀行宛に、それぞれ
取立委任裏書をして本件手形を交付し、同銀行において満期に本件手形を呈示して
支払を求めたがその支払を拒絶されたので、本件手形は順次返還されてふたたび被
上告人の手中に戻り、被上告人がこれを所持するに至つたというのである。もつと
も、本件記録に徴すれば、被上告人において、被上告人は支払期日後に第一裏書の
被裏書人欄表示を抹消した旨の上告人の主張事実を認めているのに、原審は前記の
とおりに証拠によつてこれと異なる事実を認定しているが、右抹消時期の違いは左
記判断に影響を及ぼさない。
 右事実によれば、本件手形の第一裏書の被裏書人G信用金庫より本件手形の返還
を受けたDから、割引によつて、順次本件手形上の権利を譲り受けた被上告人に至
るまでのDの後者は、いずれも裏書によつて本件手形を取得したものではなく、通
常の指名債権譲渡の方法によつてこれを取得したものと解すべきところ、原審の適
法に確定した事実によれば、Dは、上告人との間で砂利、砂等の売買契約をし、そ
の代金の前渡金の支払のため上告人から本件手形の振出交付を受けたもので、いつ
たん本件手形をG信用金庫に裏書譲渡したのち、同信用金庫からこれが返還を受け
ているのであるが、右売買契約はその後合意解除されたというのである。したがつ
て、Dは、上告人の有する右の原因関係に基づく抗弁の対抗を受けるものというべ
きであり、ひいて同人から通常の指名債権譲渡の方法により順次本件手形上の権利
を譲り受けた被上告人に至るまでのDの後者もまた、上告人の右抗弁の対抗を受け
るものといわなければならない。しかるに、原判決は、上告人がD宛に本件手形を
振り出すに至つたのは、上告人とDとの間に締結された砂利、砂等の売買契約に基
づく代金の前渡金の支払のためであつたことおよび右売買契約はその後合意解除さ
れたことは認めながら、被上告人が本件手形を取得する際に右原因関係に関する事
実について悪意であつたことについてはこれを認めるに足りる証拠がないとして、
上告人の右抗弁を排斥しているのである。しかし、右に述べたとおり、被上告人は、
被上告人が悪意であつたか否かを問うまでもなく、上告人の右抗弁の対抗を受ける
ものであるから、上告人に対して本件手形金の支払を求めえないものといわなけれ
ばならず、この点において原判決は破棄を免れない。
 よつて、その余の論旨に対する判断を省略し、原判決を破棄して被上告人の控訴
を棄却することとし、民訴法四〇八条、八九条、九六条に従い、裁判官全員の一致
で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下   田   武   三
            裁判官    大   隅   健 一 郎
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    岸       盛   一
            裁判官    岸   上   康   夫

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