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平成14年(行ケ)第9号 審決取消請求事件
平成15年6月3日判決言渡,平成15年5月20日口頭弁論終結
     判    決
 原    告   旭エンジニアリング株式会社
 訴訟代理人弁理士 渡辺敬介,山口芳広
 被    告   エンテック コンポジット マシーンズ インコーポレーテ
ッド
 訴訟代理人弁護士 花水征一,深井俊至,弁理士 橋本正男
     主    文
 原告の請求を棄却する。
 訴訟費用は原告の負担とする。
     事実及び理由
第1 原告の求めた裁判
 「特許庁が無効2001-35271号事件について平成13年11月30日に
した審決を取り消す。」との判決。
第2 事案の概要
 本件は,後記本件特許の特許権者である原告が,被告の無効審判請求を受けた特
許庁により本件特許を無効とする旨の審決がされたため,同審決の取消しを求めた
事案である。
 1 前提となる事実等
 (1) 特許庁における手続の経緯
(1-1) 本件特許
 特許権者(設定登録時):旭化成工業株式会社
 特許権者(後記移転後):旭エンジニアリング株式会社(原告)
 発明の名称:「線材の巻付装置」
 特許出願日:昭和59年8月24日(特願昭59-175059号)
 設定登録日:平成7年4月7日
 特許番号:第1920376号
 特許権の移転:平成8年1月29日(登録)
 (1-2) 本件審判手続
 無効審判請求日:平成13年6月26日(無効2001-35271号)
 訂正請求日:平成13年9月25日(本件訂正)
 審決日:平成13年11月30日
 審決の結論:「訂正を認める。特許第1920376号発明についての特許を無
効       とする。」
 審決謄本送達日:平成13年12月12日(原告に対し)
 (2) 本件発明の要旨(本件訂正後のもの)
 「中心軸周りに回転されるマンドレルを備えたマンドレル装置のマンドレルの回
転角度を検出するエンコーダーを設けると共に,精密ボールスクリューとリニアモ
ーションベアリング機構を用いてマンドレルに対して前後に移動されるクロスフィ
ード装置が載置され,このクロスフィード装置からマンドレルに対して線材を送り
出すトラバーサー装置のマンドレルの中心軸方向に平行な移動量を検出するエンコ
ーダーを設け,更に,マンドレルの回転速度とトラバーサー装置の移動速度を,設
定値と前記両エンコーダーからの信号に基づいて,設定値に合わせるべく制御する
と共に,上記クロスフィード装置の移動を制御する制御器を設けたことを特徴とす
る線材の巻付装置。」
 (3) 審決の理由
 審決の理由は,【別紙】の「審決の理由」に記載のとおりである。
 要するに,(ⅰ)本件訂正請求を認める,(ⅱ)本件特許発明は,審判甲第1号証
(本訴甲7-1,訳文は甲7-2)に記載された事項及び本件出願前に周知の事項
に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条
2項の規定により特許を受けることができない,というものである。
 2 原告の主張(審決取消事由)の要点
 (1) 取消事由1(相違点についての判断の誤り)
 審決は,本件発明と審判甲第1号証(本訴甲7-1,その訳文は甲7-2,以下
「引用例」という。)に記載された発明(以下「引用発明」という。)との相違点
について,「甲第1号証(注:引用例)に記載された巻き付け装置のクロスキャリ
ッジ軸の前後移動機構として,上記本件特許出願前普通に知られていた機械要素で
ある精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機構を採用して本件特許
発明の相違点に係る構成を想到することは,当業者が必要に応じて容易に想到する
ことができる程度の事項と認められる。」と判断している。
 しかし,本件発明は,ギアのバックラッシュや加工精度のばらつきが線材巻付装
置における巻付軌跡の乱れにどのように影響しているかを考慮し,コスト高を抑制
しつつ,必要最小限の簡便な制御によって巻付軌跡の精度を向上させるべく,マン
ドレルの回転角度を検出するエンコーダーと,トラバーサー装置の移動量を検出す
るエンコーダーとを設け,制御器による制御ができるようにするとともに,クロス
フィード装置の前後移動を精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機
構を用いて行うものであり,かかる点は,当業者が必要に応じて容易に想到するこ
とができる程度の事項ではない。
 次に,審決は,「被請求人(注:原告)も,答弁書中(第4頁5行~21行。
注:本訴甲9)で記載しているように,本件特許発明において,クロスフィード装
置の前後移動機構として精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機構
を採用した技術的意義は,精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機
構を採用すればエンコーダー(注:審決及び甲7-2には,「エンコーダ」と表記
されている部分があるが,以下「エンコーダー」と統一して表記する。)を使用し
なくても基本的な巻付精度が担保されるからであって,甲第1号証に記載された発
明のようにエンコーダーを採用すれば制御系は複雑になるものの,巻付精度は更に
向上できるものであって,本件特許発明でもクロスフィード装置の前後移動機構の
制御にエンコーダーを採用するものも含まれるものであり,エンコーダーを省略す
るかどうかは,製品に要求される巻付精度に応じて当業者が適宜採用することがで
きる程度の事項にすぎないものである。」と判断している。
 しかし,本件発明において,どのエンコーダーを省略できるか,どこに精密ボー
ルスクリューとリニアモーションベアリング機構を採用できるかは,ギアのバック
ラッシュや加工精度のばらつきが線材巻付装置における巻付軌跡の乱れにどのよう
に影響しているかを考慮して決定されるものであり,かかる点は,製品に要求され
る巻付精度に応じて当業者が適宜採用することができる程度のものではない。
 よって,本件発明と引用発明との相違点についての審決の判断は誤りである。
 (2) 取消事由2(本件発明の効果に関する判断の誤り)
 審決は,本件発明で生じる効果について,「本件特許発明の効果も,甲第1号証
に記載された発明(注:引用発明)及び上記本件特許出願前周知の技術事項から予
測することができる程度のものであって,格別なものとはいえない。」と判断して
いる。
 しかし,本件発明は,マンドレルの回転角度を検出するエンコーダーとトラバー
サー装置の移動量を検出するエンコーダーとを設け,制御器による制御ができるよ
うにするとともに,クロスフィード装置の前後移動を精密ボールスクリューとリニ
アモーションベアリング機構を用いて行うことにより,コスト高を抑制しつつ,必
要最小限の簡便な制御によって巻付軌跡の精度を向上させるという顕著な効果を奏
するとともに,クロスフィード装置にエンコーダーを設け,高精度の巻付精度が得
られる構成と,クロスフィード装置のエンコーダーを省略して,制御系を簡略化し
た構成とを,選択可能とし,装置構成の融通性を拡大するという顕著な効果をも奏
するものであり,かかる効果は,引用発明及び本件特許出願前周知の技術事項から
予測することができる程度のものではない。よって,本件発明で生じる効果に関す
る審決の判断は誤りである。
 3 被告の主張の要点
 本件発明と引用発明との唯一の差異は,引用例においても存在する,クロスフィ
ード装置に前後方向の運動を与える移動機構として精密ボールスクリューとリニア
モーションベアリング機構を採用した点のみである。
 原告は,この唯一の相違点による効果が顕著であるとし,この効果を「コスト高
を抑制しつつ,必要最小限の簡便な制御によって巻付軌跡の精度を向上させること
ができるようにしている」ことにあるとする。しかしながら,コスト高の抑制につ
いてその主張が明らかに理解できるものは,エンコーダーを使用しているものに比
較しそれを使用しなければコストは低くなるとの趣旨であるので,至極当然のこと
であって,顕著な効果とは考えられず,また,上記唯一の差異から生まれるもので
もない。さらには,本件発明は,クロスフィードに関しエンコーダーを使用するも
のも排除していないのであるから,かかる効果は,本件発明特有のものではない。
 また,必要最小限の簡便な制御により巻付軌跡の精度を向上させることに関して
は,何ゆえかかる効果が発生するのかについての理由付けが何らなされていない。
これも,もしエンコーダーを用いるものよりも簡単になるということであれば,コ
スト高に関するものと同様,簡単になるのは当然のことであり何の困難性もなく,
また,その効果は,上記唯一の差異から生まれるものでもなく,特許請求の範囲に
記載の構成に基づくものでもない。
 このように,上記唯一の差異に関する原告の効果の主張は,根拠を欠いており,
理由がない。
 なお,原告の主張を,精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機構
が,クロスフィード装置の前後移動機構として用いられている他の形式のものに比
べ,同じ精度を得るということを前提とした場合にコストが低く制御も簡単である
というものであると理解するとしても,かかる効果は精密ボールスクリューとリニ
アモーションベアリング機構自体が持つ効果であって,いずれにせよ,予測するこ
とができる程度の効果であって,格別なものとはいえないとの審決の判断は正し
い。
 審決に何ら違法性はない。
第3 当裁判所の判断
 1 取消事由1(相違点についての判断の誤り)について
 (1) 本件発明と引用発明との相違点につき,審決は,本件発明では,クロスフィ
ード装置が精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機構を用いてマン
ドレルに対して前後に移動されるものであるのに対して,引用発明では,クロスフ
ィードハウジング(クロスキャリッジ軸。本件発明のクロスフィード装置に相当)
の前後移動機構にどのような機構を採用しているのか不明である点であると認定す
る。この点は,原告も認めるところであり,争いがない。
 そして,回転運動を部材の直線運動に変換するための機構として精密ボールスク
リューを採用すること,直線的な運動をする軸を軸承する軸受手段としてリニアモ
ーションベアリング機構を採用することが,本件出願前に機械要素として周知の事
項であるとの審決の認定についても,原告の認めるところであり,争いがない。
 そうすると,特段の事情がない限り,引用発明のクロスフィード装置の前後移動
機構に,従来周知の機構である精密ボールスクリューとリニアモーションベアリン
グ機構を用いることに格別の困難性はないというべきである。そして,本件全証拠
によっても,上記適用を妨げるべき特段の事情が存在することを認めることはでき
ない。
 したがって,「甲第1号証(注:引用例)に記載された巻き付け装置のクロスキ
ャリッジ軸の前後移動機構として,上記本件特許出願前普通に知られていた機械要
素である精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機構を採用して本件
特許発明の相違点に係る構成を想到することは,当業者が必要に応じて容易に想到
することができる程度の事項と認められる。」とした審決の判断は,是認し得るも
のである。
 (2) 上記に関する原告の主張について検討する。
 (2-1) 原告の主張の要点は,次のとおりである。
 本件発明は,ギアのバックラッシュや加工精度のばらつきが線材巻付装置におけ
る巻付軌跡の乱れにどのように影響しているかを考慮し,コスト高を抑制しつつ,
必要最小限の簡便な制御によって巻付軌跡の精度を向上させるべく,マンドレルの
回転角度を検出するエンコーダーと,トラバーサー装置の移動量を検出するエンコ
ーダーとを設け,制御器による制御ができるようにするとともに,クロスフィード
装置の前後移動を精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機構を用い
て行うものであり,かかる点は,当業者が必要に応じて容易に想到することができ
る程度の事項ではない。
 本件発明において,どのエンコーダーを省略できるか,どこに精密ボールスクリ
ューとリニアモーションベアリング機構を採用できるかは,ギアのバックラッシュ
や加工精度のばらつきが線材巻付装置における巻付軌跡の乱れにどのように影響し
ているかを考慮して決定されるものであり,かかる点は,製品に要求される巻付精
度に応じて当業者が適宜採用することができる程度のものではない。
 (2-2) 原告は,これを敷衍して,次のようにも主張する。
 精密ボールスクリューとリニアモーションベアリングが本件発明の特許出願前に
周知であるといっても,機械の一般的部品として知られているにすぎず,これらを
線材の巻付装置におけるクロスフィード装置の前後移動に用い,エンコーダーによ
るマンドレルとトラバーサー装置の移動制御とを組み合わせることは,引用例には
開示も示唆もされていない。
 引用例は,マンドレルとトラバーサー装置だけでなく,クロスフィード装置をも
エンコーダーを用いて制御することを開示又は示唆している反面,巻付軌跡のずれ
を防止するために,エンコーダーによる制御とその他の手段とを併用することは開
示も示唆もしていないものである。これに対して,本件発明は,ギアのバックラッ
シュや加工精度のばらつきが線材の巻付装置における巻付軌跡の乱れにどのように
影響しているかを意識し,マンドレルとトラバーサー装置についてはエンコーダー
による制御を採用するとともに,クロスフィード装置については精密ボールスクリ
ューとリニアモーションベアリング機構による移動の高精度化を図っているもの
で,このような異なる機構を併用する本件発明の構成は,統一してエンコーダーを
用いた制御の採用を開示又は示唆している引用例の発明とは明らかに異なるもので
ある。
 引用発明のように,マンドレル,トラバーサー装置,クロスフィード装置のすべ
ての駆動をエンコーダーにより制御すると,三元系の制御が必要となるために制御
が複雑となり,多大なコストを要する。一方,マンドレルとトラバーサー装置にお
いて,ギアのバックラッシュや加工精度のばらつきによって生じる誤差を確実に抑
制できる高精度の機構とするには,やはり,多大なコストを要する。そこで,本件
発明においては,制御の複雑化及び機械の高精度化に伴うコスト高を抑制しつつ,
巻付軌跡の精度を向上させ得る構成として,異なる機構を併用する構成を採用する
ものである。したがって,本件発明の効果が,引用例との相違点から生じているこ
とは明らかである。
 当業者であれば,クロスフィード装置の前後移動の精度と巻付精度との関係を知
っているであろう。しかし,引用例では,クロスフィード装置をエンコーダーを用
いて制御しているのであり,この関係を知っているからといって,必ずしも,クロ
スフィード装置の前後移動に精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング
機構を採用(エンコーダーを省略)し得るわけではない。
 (2-3) 以上の原告の主張について,検討するに,まず,審決は,精密ボールスク
リューとリニアモーションベアリングが移動機構として周知の機械要素であれば,
引用発明への適用が容易であると判断しているのであり,原告が主張するように,
引用例にこれらの開示や示唆があることを前提として判断したものではないことは
明らかである。そして,このような審決の判断が是認し得るものであることは前判
示のとおりである。この点において,すでに原告の主張は失当である。
 また,上記原告の主張によれば,原告は,クロスフィード装置の前後移動の精度
と巻付精度との関係は当業者であれば当然知覚していることを認めており,また,
原告の指摘するコスト高の抑制とは,エンコーダーによる制御と精密ボールスクリ
ューとリニアモーションベアリング機構による移動とのコストの比較によるもので
あると解される。
 そして,本件発明においては,クロスフィード装置にエンコーダーを設けるか否
かは限定されておらず,クロスフィード装置にエンコーダーを設ける構成を含む発
明であると解される。原告も「本件発明は,マンドレルの回転角度を検出するエン
コーダーとトラバーサー装置の移動量を検出するエンコーダーとを設け,制御器に
よる制御ができるようにするとともに,クロスフィード装置の前後移動を精密ボー
ルスクリューとリニアモーションベアリング機構を用いて行うことにより,コスト
高を抑制しつつ,必要最小限の簡便な制御によって巻付軌跡の精度を向上させると
いう顕著な効果を奏するとともに,クロスフィード装置にエンコーダーを設け,高
精度の巻付精度が得られる構成と,クロスフィード装置のエンコーダーを省略し
て,制御系を簡略化した構成とを,選択可能とし,装置構成の融通性を拡大すると
いう顕著な効果をも奏するものであり,…」と主張しており(原告の平成14年4
月9日付けの準備書面5頁),上記の点を自認する趣旨であると解される。
 以上によれば,本件発明は,クロスフィード装置にエンコーダーを設ける構成を
含む発明であるから,本件発明も三元系の制御が必要な構成をも含むものである
し,引用発明と比較してコストが安いとはいえない。そして,必要最小限の簡便な
制御をすることは,コストを考慮すれば当然の事項といえるものであり,また,エ
ンコーダーを省略するかどうかは,製品に要求される巻付精度に応じて当業者が適
宜採用することができる事項といえるものである。
 したがって,取消事由1に関する原告の主張は,いずれも採用することができな
い。
 2 取消事由2(本件発明の効果に関する判断の誤り)について
 引用発明の構成を本件発明の構成とすることに格別の困難性がないこと,本件発
明は,クロスフィード装置にエンコーダーを設ける構成を含む発明であるから,引
用発明と比較してコストが安いとはいえないこと,必要最小限の簡便な制御をする
ことは,コストを考慮すれば当然の事項といえるものであることは前判示のとおり
である。また,移動機構を必要最小限の精度を超えてどの程度の精度の機構とする
かは,コストなどを考慮して適宜選択し得る設計的事項にすぎないものと解され
る。そして,クロスフィード装置の前後移動機構に従来周知の精密ボールスクリュ
ーとリニアモーションベアリング機構を用いることにより必要最小限の精度が確保
されるのであれば,この移動機構のみを採用するか,エンコーダーによる制御を併
用してさらに精度を向上させるかは,適宜選択し得る事項であり,本件発明におい
てかかる選択を可能とし得ることが顕著な効果ということはできない。
 よって,取消事由2に関する原告の主張は,採用することができない。
 3 結論
 以上のとおり,原告主張の審決取消事由は理由がないので,原告の請求は棄却さ
れるべきである。
東京高等裁判所第18民事部
    裁判長裁判官   塚  原  朋  一
         裁判官   塩  月  秀  平
         裁判官   田  中  昌  利
【別紙】 審決の理由
無効2001-35271号事件,平成13年11月30日付け審決
(下記は,上記審決の理由部分について,文書の書式を変更したが,用字用語の点
を含め,その内容をそのまま掲載したものである。)
理 由
1.手続の経緯の概要
 本件特許第1920376号発明は、昭和59年8月24日に特許出願されたも
のであって、平成6年6月29日に特公平6-49549号として出願公告がなさ
れ、平成7年4月7日に特許の設定登録がなされたもので、その後、平成13年6
月26日付けで請求人エンテック・コンポジット・マシーンズ・インコーポレーテ
ッドより無効審判の請求がなされ、平成13年9月25日付けで被請求人旭エンジ
ニアリング株式会社より審判事件答弁書及び訂正請求書の提出がなされ、平成13
年11月16日付けで請求人より審判事件弁駁書の提出がなされ、平成13年11
月16日の口頭審理において請求人及び被請求人の主張と証拠について整理がなさ
れ、審理を終結したものである。
 
2.請求人及び被請求人の主張の概略
 【請求人の主張】
 請求人の主張は、平成13年11月16日付け審判事件弁駁書での主張のとお
り、概略「被請求人は、答弁書の提出と共に本件特許明細書の訂正を請求し、訂正
後の特許請求の範囲に記載の発明は、特許法第29条第2項には該当しないと主張
しているが、
 第1;被請求人が請求する訂正は、実質上特許請求の範囲を変更するものであっ
て、特許法第134条で準用する同法第126条第2項により訂正を許されないも
のであって、訂正は拒絶されるべきものである。
 第2;仮に訂正請求が認められたとしても、訂正請求によって特許請求の範囲に
加えられた事項は、甲第1号証及び甲第2号証に既に記載された事項及び甲第1号
証及び甲第2号証に記載されたものにあっても使われている機能を提供する機構の
1つの周知例であって、本件特許発明をかかる事項を加えたものにすることに何の
困難性もなく、訂正発明は、審判請求書記載の理由、即ち、甲第1号証に記載の発
明或いは甲第2号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができ
たものであり、特許法第29条第2項に該当するものであるから、無効とされるべ
きものである。」というにある。
 〈証拠方法〉
 甲第1号証;「プラスチックテクノロジー」、1980年5月、ビル・コミュニ
ケーションズ・インコーポレーテッド、表紙、第5頁、及び第77-83頁
 甲第2号証;「インダストリーアプリケーションズソサィエティ、1982年度
年次ミーテイング論文集」、1982年、電気・電子工学協会、引用論文論表紙、
26-30頁、及び論文集奥付
 参考資料1;「審判便覧(改訂第8版)」2000年9月29日、社団法人発明
協会、54-10章第6頁
 参考資料2;「ボールネジ応用技術」1993年5月20日、伊澤實、工業調査
会、9-13頁及び奥付
 
 【被請求人の主張】
 被請求人の主張は、答弁書で主張しているとおり、概略「本件発明(即ち、訂正
明細書の発明)は、甲第1号証及び甲第2号証には開示も示唆もない課題を解決す
るために、甲第1号証及び甲第2号証には開示も示唆もない構成を採用していると
共に、これに基づいて甲第1号証及び甲第2号証からは予想できない効果を奏する
もので、特許法第29条第2項には該当しない発明である。したがって、本件発明
の特許は無効ではない。」というにある。
 
3.訂正の適否について
 ア.訂正事項
 訂正事項a
 明細書の特許請求の範囲の記載を、
 「1)中心軸周りに回転されるマンドレルを備えたマンドレル装置のマンドレル
の回転角度を検出するエンコーダーを設けると共に、精密ボールスクリューとリニ
アモーションベアリング機構を用いてマンドレルに対して前後に移動されるクロス
フィード装置が載置され、このクロスフィード装置からマンドレルに対して線材を
送り出すトラバーサー装置のマンドレルの中心軸方向に平行な移動量を検出するエ
ンコーダーを設け、更に、マンドレルの回転速度とトラバーサー装置の移動速度
を、設定値と前記両エンコーダーからの信号に基づいて、設定値に合わせるべく制
御すると共に、上記クロスフィード装置の移動を制御する制御器を設けたことを特
徴とする線材の巻付装置。」と訂正する。
 訂正事項b
 明細書第3頁14~17行の記載「マンドレルに対して線材を送り出すトラバー
サー装置のマンドレルの中心軸方向に平行な移動量を検出するエンコーダーを設
け、」を、
 「精密ボールスクリューとリニアモーションベアリング機構を用いてマンドレル
に対して前後に移動されるクロスフィード装置が載置され、このクロスフィード装
置からマンドレルに対して線材を送り出すトラバーサー装置のマンドレルの中心軸
方向に平行な移動量を検出するエンコーダーを設け、」と訂正する。
 訂正事項c
 明細書第3頁19~20行の記載「信号に基づいて、設定値に合わせるべく制御
すると共に、上記クロスフィード装置の移動を制御する制御器」を、
 「信号に基づいて、設定値に合わせるべく制御すると共に、上記クロスフィード
装置の移動を制御する制御器」と訂正する。
 
 イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
 上記訂正事項aに関する記載として明細書(第7頁10行~第8頁7行、公告公
報第2頁4欄33行~47行参照)には、「やはりトラバーサー装置6上には、先
端に第4図に示されるようなフィードアイ19を有するフィード軸20が載置され
たクロスフィード装置21が設けられている。フィードアイ19はマンドレル9の
表面付近に位置しており、前記レジンバス18を出た線材3はこのフィードアイ1
9を通ってマンドレル9へと送り出される。フィードアイ19の位置は、制御器で
クロスフィード駆動モーター22を作動させてクロスフィード装置21をマンドレ
ル9の形状やマンドレル9に巻付けられた線材3の厚さ等に応じて調節されるもの
である。このクロスフィード装置21の移動は、精密ボールスクリューとリニアモ
ーションベアリング機構を用いることによって、バックラッシュや機械的ずれ、更
には摩擦抵抗を極端に少なくし、制御器によって迅速かつ正確に行うことができ
る。」と記載されている。
 そして、本件特許発明での解決すべき課題(目的)が、巻付装置への線材の巻付
精度を高精度に維持することにあることは明らかである。
 そうすると、上記訂正事項aは、巻付装置への線材の巻付精度を高精度に維持す
るために制御装置によって制御されるクロスフィード装置の前後移動のための構成
について明細書に記載された事項の範囲内において減縮して記載したものと認め
る。
 したがって、上記訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当
するものであって、新規事項の追加に該当せず、また、特許請求の範囲を拡張し、
又は変更するものでもない。
 上記訂正事項b、cは、上記訂正事項aによって訂正した特許請求の範囲の記載
に整合させるために訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当す
る訂正であって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張
し、又は変更するものでもない。
 ウ.まとめ
 以上のとおりであるから、上記訂正事項a~cは、なお従前の例によるとされ
る、平成6年改正法前の特許法第134条第2項ただし書の規定及び同第5項で準
用する特許法第126条第2項の規定に適合するので訂正を認める。
3.無効理由に対する当審の判断
 請求人の無効理由の第1は、上記「3.訂正の適否」の項で検討したとおり、訂
正請求は適法なものであるから、採用することはできない。
 そこで、請求人の無効理由の第2について以下検討する。
 (1)本件特許発明の要旨
 本件特許第1920376号発明(以下、「本件特許発明」という。)の要旨
は、上記したとおり訂正請求が認められたので、訂正明細書及び図面の記載からみ
て、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである。
 「1)中心軸周りに回転されるマンドレルを備えたマンドレル装置のマンドレル
の回転角度を検出するエンコーダーを設けると共に、精密ボールスクリューとリニ
アモーションベアリング機構を用いてマンドレルに対して前後に移動されるクロス
フィード装置が載置され、このクロスフィード装置からマンドレルに対して線材を
送り出すトラバーサー装置のマンドレルの中心軸方向に平行な移動量を検出するエ
ンコーダーを設け、更に、マンドレルの回転速度とトラバーサー装置の移動速度
を、設定値と前記両エンコーダーからの信号に基づいて、設定値に合わせるべく制
御すると共に、上記クロスフィード装置の移動を制御する制御器を設けたことを特
徴とする線材の巻付装置。」
 (2)甲第1号証の記載事項
 甲第1号証(「プラスチックテクノロジー」、1980年5月、ビル・コミュニ
ケーションズ・インコーポレーテッド、表紙、第5頁、及び第77-83頁)に
は、コンピュータ制御式の巻き付け装置に関して、下記の事項ア~キが図面ととも
に記載されている。
 ア;「市場では、特に自動車、航空及びパイプの分野では、需要は、重量比で非
常に強度が大きいかつ複雑な巻き付け製品、例えば駆動軸、ロケットのモータハウ
ジング、あるいはT形パイプ結合具等を製造できる連続式線材巻き付け機械への必
要性を生じていた。伝統的なギア駆動式線材巻き付け装置はたびたびかかる応用に
は望ましくないものであることが認識されている。これは主として1つのパターン
から他のパターンに変えるために装置のギアを切り替えるための時間によるもので
ある。」(第77頁中央欄10行~右欄5行、請求人訳文)
 イ;「図2-コンピュータ制御式線材巻き付け機械のほとんどのものにおいて
は、マイクロコンピュータはマンドレル駆動ユニットに取り付けられる(写真はエ
ンテックの提供による)。右側の略図はコンピュータによって制御可能な種々の作
動軸(複数)を示している。各々の作動は、DC駆動あるいは流体駆動と、フィー
ドバックの目的のエンコーダとを要する(マックリーン・アンダーソンの提
供)。」(第78頁上欄の写真及び図面の下の注意書き、請求人訳文)
 ウ;「なぜコンピュータ制御が採用されるのか!線材巻き付け方法が現れて以
来、線材送り出しキャリッジのトラバース運動をマンドレルの回転と相関付けて所
望の巻き付け角、バンド幅、層数を得る伝統的な方法は、関係する技術者が「機械
的悪夢」と呼ぶような歯車、カム、チェーン、スプロケットを含むもので、これら
の正確な設計及び組み合わせは機械に関する長々とした計算という単調な仕事を必
要とする。
 マンドレルの回転とキャリッジのトラバースとの関係を計算するには、マンドレ
ルの直径、タイミングスプロケットの歯の数、キャリッジ駆動チェーンの長さ、1
パターン毎のサーキット数、1層毎のサーキット数、補強用バンド幅、その他多く
の変数を考慮に入れなければならない。その後、カムを削り、スプロケットを外
し、チェーンのリンクを減じたり加えたり、その他のことを行って、所望の幾何学
的形状のパターンとなる巻き付けを可能にする適正な数値の組み合わせに到達する
ことができるのである。」(第78頁左欄末行~同中央欄26行、請求人訳文)
 エ;「フィードバック及び駆動システム。人間の神経システム及び筋肉に対応し
て、電子的フィードバックシステム(位置エンコーダ)及び駆動システムは、マイ
クロコンピュータを用いて閉ループの「ダイアログ」の形態で作用する。各々のエ
ンコーダはそれが制御する軸の位置即ち特定のポイントを明らかにする。・・・中
略・・・コンピュータは、エンコーダからの位置の報告を、特定の軸の、巻き付け
のプログラムにより決められる所定の位置に対してチェックする。コンピュータは
またDC駆動モータ(液圧駆動にあってはフィードバックボックス)の各々に組み
込まれたタコメータを読み、軸の速度が正しいかを決定する。コンピュータは次い
で軸が次にどこにあるべきかを計算しこの情報をあらかじめ定められたプログラム
と比較する。もしずれやエラーが検知された場合にはコンピュータはサーボ流体弁
あるいはDCモータに命令を与え、これらは車におけるアクセルと同様に特定の線
材巻き付けパターンのために必要であると計算されている位置又はスピードに対応
するようになるまで軸の速度を増大あるいは減少する。この「ダイアログ」の全て
はミリセコンドのオーダーで行われ、操作者は実際の巻きつけ工程をそれが行われ
ている間彼のCRTで観察できる。」(第79頁右欄下から11行~第80頁左欄
下から8行、請求人訳文)
 オ;「コンピュータ及びフィードバックと駆動システムで制御される作動の軸の
全ての内、いかなるマイクロコンピュータ制御式機械においても少なくても2つの
軸の制御が重要である。即ちスピンドル(マンドレル)回転とトラバースするキャ
リッジの運動である。第1として、スピンドルは通常減速駆動ボックスを介してD
Cモータ・制御装置セットにより回転させられる。スピードはコンピュータにより
自動的に制御してもよく、またコントロールパネル内あるいは後述の手持ちのリモ
ートコントロール装置に設けたポテンショメータによって、手動で制御してもよ
り。マンドレルスピードはほとんどの機械において可変である。(第28頁の図2
参照)
 第2として、キャリッジの駆動は通常、DCモータと、チェーン・スプロケット
の出力装置を備えた減速ギアボックスより成る。キャリッジアセンブリはカムロー
ラに乗っていて、これらローラは硬化されたレールの上を走る。キャリッジのスピ
ードはコンピュータのプログラムに従ってスピンドルのスピードに相関させて制御
される。ほとんどの駆動機構はタコメータと、組み込まれた安全停止回路を有す
る。」(第80頁中央欄14行~39行、請求人訳文)
 カ;第80頁中央欄末行より同右欄第22行には、概略「より精密な巻き付けの
ためさらに2つの軸を制御可能にすることが望ましく(マンドレルの回転、トラバ
ーサの移動に加えさらに2軸)その内の1つの軸がクロスキャリッジ軸でありこれ
を駆動しキャリッジのスピンドルの中心線に垂直な方向に前後させ、巻付が行われ
るパーツの表面からの距離を常にほぼ等しくすること」が記載されている。(請求
人の弁駁書第4頁18行~23行参照)
 キ;第81頁左欄34行~37行には、概略「上記4軸制御のもの(上記記載事
項カで述べられた2軸を追加した合計4軸のもの)がコンピュータ機械では標準で
ある」ことが記載されている。(請求人の弁駁書第4頁24行~27行参照)
 また、第78頁頂部右の図からは、マンドレルの軸に対し直角方向に示される矢
印はクロスフィードハウジングに対してのものかペイアウトアイを支持する機構に
ついてのものか明りょうではないが、いずれにせよ線材をフィードする装置がマン
ドレルに対して前後に移動されるものであることがみてとれる。
 (3)対比・判断
 甲第1号証に記載された上記記載事項ア~キ及び第78頁頂部右の図からみて、
甲第1号証に記載された発明の「マンドレル」、「エンコーダ」、「クロスフィー
ドハウジング」、「線材繰り出しキャリッジ」、「コンピュータ」及び「巻き付け
装置」は、各々本件特許発明の「マンドレル装置」、「エンコーダー」、「クロス
フィード装置」、「トラバーサー装置」、「制御器」及び「線材の巻付装置」に相
当するものであるから、本件特許発明の用語を使用して本件特許発明と甲第1号証
に記載された発明とを対比すると、両者は、「中心軸周りに回転されるマンドレル
を備えたマンドレル装置のマンドレルの回転角度を検出するエンコーダーを設ける
と共に、マンドレルに対して前後に移動されるクロスフィード装置が載置され、こ
のクロスフィード装置からマンドレルに対して線材を送り出すトラバーサー装置の
マンドレルの中心軸方向に平行な移動量を検出するエンコーダーを設け、更に、マ
ンドレルの回転速度とトラバーサー装置の移動速度を、設定値と前記両エンコーダ
ーからの信号に基づいて、設定値に合わせるべく制御すると共に、上記クロスフィ
ード装置の移動を制御する制御器を設けたことを特徴とする線材の巻付装置。」で
一致しており、下記の点で相違している。
 相違点;本件特許発明では、クロスフィード装置が、精密ボールスクリューとリ
ニアモーションベアリング機構を用いてマンドレルに対して前後に移動されるもの
であるのに対して、甲第1号証に記載された発明では、クロスフィードハウジング
(或いはクロスキャリッジ軸)の前後移動機構にどのような機構を採用しているの
か不明である点。
 上記相違点について検討するに、甲第1号証に記載された巻き付け装置において
も、巻付が行われるパーツの表面からの距離を常にほぼ等しく制御するためにクロ
スキャリッジ軸を駆動してキャリッジをスピンドルの中心線に垂直な方向に前後さ
せるための適宜な前後移動機構が採用されていることは、当業者であれば容易に理
解できることである。
 そして、回転運動を部材の直線運動に変換するための機構として精密ボールスク
リューを採用することは、参考資料2を参酌するまでもなく、本件特許出願前に機
械要素として周知の技術事項にすぎないものである。また、直線的な運動をする軸
を軸承する軸受手段としてリニアモーションベアリング機構を採用することも、本
件特許出願前に機械要素として周知の事項にすぎないものである。
 そうすると、甲第1号証に記載された巻き付け装置のクロスキャリッジ軸の前後
移動機構として、上記本件特許出願前普通に知られていた機械要素である精密ボー
ルスクリューとリニアモーションベアリング機構を採用して本件特許発明の相違点
に係る構成を想到することは、当業者が必要に応じて容易に想到することができる
程度の事項と認められる。
 また、本件特許発明の効果も、甲第1号証に記載された発明及び上記本件特許出
願前周知の技術事項から予測することができる程度のものであって、格別なものと
はいえない。
 なお、被請求人も、答弁書中(第4頁5行~21行)で記載しているように、本
件特許発明において、クロスフィード装置の前後移動機構として精密ボールスクリ
ューとリニアモーションベアリング機構を採用した技術的意義は、精密ボールスク
リューとリニアモーションベアリング機構を採用すればエンコーダを使用しなくて
も基本的な巻付精度が担保されるからであって、甲第1号証に記載された発明のよ
うにエンコーダを採用すれば制御系は複雑になるものの、巻付精度は更に向上でき
るものであって、本件特許発明でもクロスフィード装置の前後移動機構の制御にエ
ンコーダを採用するものも含まれるものであり、エンコーダを省略するかどうか
は、製品に要求される巻付精度に応じて当業者が適宜採用することができる程度の
事項にすぎないものである。
 したがって、本件特許発明は、甲第1号証に記載された事項及び本願出願前周知
の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法
第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
 (4)まとめ
 以上のとおりであって、本件特許発明は、特許法第29条第2項の規定に違反し
て特許されたものである。
 したがって、本件特許発明についての特許は、特許法第123条第1項第2号に
該当するので無効とすべきものである。
 よって、結論のとおり審決する。
        平成13年11月30日

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