弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人渕上義一の上告理由について。
 所論の点に関する原審の認定判断は、次のとおりである。
 訴外D建設株式会社は、昭和四三年三月一三日訴外国民金融公庫から一五〇万円
を借り受け、右債務につき、同日被上告人は連帯保証し、訴外Eは、担保としてそ
の所有の本件建物に抵当権を設定し、翌三月一四日その旨の登記が経由され、訴外
公庫は、昭和四四年一月二八日右債権を右抵当権とともに上告人に譲渡し、同月三
一日その旨の附記登記が経由された。
 被上告人は、同月二九日上告人に対し、連帯保証人として、右債務の残額一〇五
万五四〇〇円の支払のため、手形金額合計が右同額、満期は同年二月から六月まで
の毎月一〇日という訴外F建設株式会社払出の約束手形五通を交付し、右各手形は
いずれもその満期に支払われた。
 被上告人は、右弁済につき正当の利益を有するものであるから、同年六月一〇日
の弁済完了とともに上告人の訴外会社に対する右債権と右抵当権とを代位によつて
取得したというべきである。
 しかるところ、Eは、昭和四三年一一月二日訴外Gに本件建物所有権を移転し、
同年一二月二六日その旨の登記が経由され、さらに、Gは、被上告人の右弁済完了
後である昭和四四年七月三〇日訴外Hに本件建物所有権を移転し、同年八月二六日
その旨の登記が経由されたが、このように弁済後第三取得者の生じた場合には、第
三取得者保護のため、連帯保証人は、代位による抵当権の取得を公示しなければ債
権者に代位しえないのである。しかるに、本件においては、被上告人は代位の附記
登記手続をしていない。
 しかしながら、被上告人は、抵当権移転附記登記手続請求の本訴の執行を保全す
るため、昭和四四年二月六日東京地方裁判所において前記抵当権の処分禁止の仮処
分命令をえ、同月七日その旨の附記登記手続をした。
 ところで、一般に不動産に対する処分禁止の仮処分におけるいわゆる権利保全の
効力は、仮処分債権者と仮処分債務者との間に生ずるにとどまるもので、したがつ
て、連帯保証人の代位の場合において、連帯保証人が、抵当権者に対する代位の附
記登記請求権を保全するため、抵当権の処分を禁止する仮処分の附記登記を経由し
たからといつて、そのことによる右権利保全の効力は、その後の右抵当不動産の所
有権取得者には及ばない。しかし、右仮処分の附記登記があれば、たとえ、その登
記原因が代位弁済による旨表示されていなくても、その後の右第三取得者としては、
その取得当時もともと右抵当権設定登記が抹消されずに存在していることを知るほ
かに、右仮処分の登記の存在をも知ることによつて、その抵当権がいまだ消滅せず、
これについて権利を主張する者が存在することを推測する筈であり、かつ、その権
利主張者を知る筈であるから、あらかじめ事情を調査し、事態に応じた適切な措置
もとることができるのであつて、将来、事態の推移によつて、仮処分権利者のため
抵当権移転の附記登記がなされ、それによつて抵当権の対抗を受けることになつて
も、これによつて不測の損害を受けるとはいえない。そうすれば、右仮処分の本案
訴訟によつて、結果として代位弁済による抵当権移転の附記登記がなされることに
なつても、右第三取得者はこれを甘受すべきであり、このように解しても、あなが
ち第三取得者の保護に欠けるところがあるということはできない。
 してみると、本件においても、上告人に対する前記抵当権処分禁止の仮処分が取
り消されることなく本訴において被上告人の請求が認容されて勝訴に確定し、これ
に基づき抵当権移転の附記登記がされたときは、被上告人は、右仮処分の附記登記
後の本件建物の第三取得者であるHに対し、抵当権の代位による取得を対抗できる
ものというべきであつて、したがつて、すでに所有権移転登記を了した第三取得者
の介在する本件においては、被上告人は、抵当権の代位による取得を主張できず、
上告人に対し、代位による抵当権移転の附記登記を請求する利益を有しない旨の上
告人の主張は、採用することができない。
 原審の右認定判断は、原判決(その引用する第一審判決を含む。)の挙示する証
拠関係に照らし正当として是認するに足り、その過程に所論の違法は認められない。
論旨は、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    坂   本   吉   勝
            裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    天   野   武   一
            裁判官    江 里 口   清   雄
            裁判官    高   辻   正   己

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