弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由は別紙のとおりで、これに対し次のとおり判断する。
 上告理由第一点ないし第三点について、
 本件における事実の関係は原判決説示のように当事者間に争いないところで、た
だ利息制限法適用の問題が残るに過ぎない、そして被上告人が第二審口頭弁論期日
に出頭しなかつたことは所論のとおりであるが、右のように他に釈明すべき事項も
ない本件において原審が上告人のみ出頭のままで、さらに被上告人を呼出すことを
せずに結審したからといつてなんら違法の点はなく、原審に所論のような主張誤
認、審理不尽、訴訟法違反の点もない。
 また、論旨中憲法第二九条、第三二条を援用する部分も、結局原審が上告人主張
の財産権の存在を肯認しなかつたことを非難し、被上告人の答弁あるいは抗弁が原
判決摘示と違うとの独自の見解にもとずき原審の裁判を攻撃するに帰し憲法違反の
主張として採用することはできず、論旨は理由がない。
 上告理由第四点について
 上告人の被上告人に対する貸金元本金一八〇、〇〇〇円に対する月八分の割合に
よる遅延利息金八二、四〇〇円および公正証書作成費用一、二〇〇円合計金八三、
六〇〇円が本件約束手形金額の内容をなすことは原判決のいうとおり争いないとこ
ろで、原審は第一審が右手形は被上告人において右金額の支払確保のために上告人
あて振出したとしたに対し、むしろ上告人の主張をとり入れて現金支払に代えて振
出したものと判断したのであつて、その判断の当否は別論としても、
 原審の説示するところは、右のように既存債務の履行に代えて約束手形を振出し
た場合であつても、その既存債務の一部が利息制限法違反で無効であれば新債務で
ある手形債務もまたその限度で成立しないというのであり、それは、右手形振出に
ついて利息制限法第一条第二項の「任意に支払つたとき」に該当しないと判断した
ものにほかならない。
 その点につき論旨は原審が右手形の振出をもつて更改と判断し利息制限法第一条
第二項を適用しなかつたことを非難するのであるが、かような既存債務につき約束
手形を交付することは、それが履行に代えてなされる場合当事者の意思により代物
弁済あるいは更改となると解せられ原審が更改と解したことを判断を誤つたものと
することはできない。
 <要旨>そして、利息制限法第一条第二項の債務者が制限超過利息を支払つたとき
というのは弁済により債務が終局的に消滅する場合をいうものと解すべく、
更改のように新債務を成立させることにより旧債務を消滅せしめるが対価を現実に
与えず実質上債務がいぜんとして形を変えて残存するような場合はもちろん、代物
弁済であつても手形を交付するような現実に支払つたのでない場合には右の支払が
あつたときとはいえず、同法第一条第一項の適用があるものというべきである。
 されば原審が利息制限法を適用しその結果上告人の請求を排斥するに至つたのは
違法でなく論旨は採用できない。
 よつて、民事訴訟法第四〇一条、第九五条、第八九条に従い主文のとおり判決す
る。
 (裁判長裁判官 坂本収二 裁判官 西川力一 裁判官 渡辺門偉男)

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