弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由について。
 上告人A所有の本件建物を同上告人の祖母Dが昭和五年五月一六日に競落したと
して、同六年七月七日に右競落による所有権取得登記がなされた事実ならびに右D
が昭和一一年九月五日失踪宣告により大正一五年九月二日死亡したものと看做され
た事実は、いずれも原判決の引用する一審判決において、当事者に争のない事実と
して、適法に確定した事実である。してみれば、大正一五年九月二日死亡したもの
と看做された右D名義による昭和五年五月一六日の右競落は、特段の事情の主張立
証のない限り、無効であると断ぜざるをえない。これと同趣旨に出でた原判決は正
当である。所論は原判決の認定に副わない事項に立脚して原判決において適法にな
した事実の確定を非難するもので採用できない。論旨は理由がない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    高   橋       潔
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    石   坂   修   一

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