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神戸地方裁判所 平成14年12月11日判決 平成14年(わ)第1152号 傷
害被告事件
主     文
被告人を懲役1年に処する。
 この裁判確定の日から5年間その刑の執行を猶予する。
 被告人をその猶予の期間中保護観察に付する。  
   理     由
(犯罪事実)
被告人は,平成14年10月7日午後7時25分ころ,神戸市a区b町c丁目d
番e号所在のf公園内でA(当時50歳)らと飲酒歓談中に居合わせたBとけんか
口論になった際,上記Aが仲裁に入ったことに立腹し,同所において,同人に対
し,右手拳でその顔面を殴打して同人を仰向けに転倒させ,次いで,同人に馬乗り
になった上,両手拳でその顔面等を殴打するとともに,その後頭部を地面に打ち付
け,さらに,同人の右肩部を足蹴にするなどの暴行を加え,よって,同人に加療約
7日間を要する後頭部,両頬部,鼻根部,上下口唇,左耳介部打撲挫傷,仙骨部,
右肩打撲傷,頚部捻挫の傷害を負わせたものである。
(証拠の標目)
 (括弧内の「検」で始まる数字は証拠等関係カード記載の検察官の請求番号を示
す。)
省略
(事実認定の補足説明)
 弁護人は,被告人が被害者の後頭部を地面に打ちつけたことはなく,その頭部を
つかんで数回ゆさぶったにすぎない旨主張するが,前掲関係各証拠により認められ
る被害者の後頭部打撲挫傷の傷害結果に照らすと,仰向けになったままの被害者の
頭を両手で掴み,頭を持ち上げて,セメントの地面に3,4回後頭部を叩きつけた
旨自認する被告人の前掲各供述調書(検察官請求証拠番号4,6)及び本件犯行を
目撃していたBの同旨の前掲各供述調書(検察官請求証拠番号6,8)の供述は,
相互によく符合しており,自然かつ合理的というべきであるから,いずれもその信
用性は十分である。よって,弁護人の主張には理由がない。
(法令の適用)
 被告人の判示所為は刑法204条に該当するところ,所定刑中懲役刑を選択し,
所定刑期の範囲内で被告人を懲役1年に処し,なお被告人は平成13年12月26
日大阪地方裁判所で窃盗未遂罪により懲役1年に処せられ5年間その刑の執行を猶
予され,本件の罪はその猶予の期間内に犯したものであるが,情状に特に酌量すべ
きものがあるから,同法25条2項を適用してこの裁判が確定した日から5年間そ
の刑の執行を猶予し,同法25条の2第1項後段によりその猶予の期間中被告人を
保護観察に付し,訴訟費用は,刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人
に負担させないこととする。
(量刑の理由)
1 不利な情状
 (1) 窃盗未遂により執行猶予付判決を受けていながら,その後1年にも満たない
猶予期間中に本件犯行に至ったものである。
(2) 口論の仲裁に入った被害者に対して立腹し,暴行を加えたのであって,その
安易で短絡的な動機に斟酌すべき点がない。
(3) 無抵抗の被害者に対して,一方的に手拳でその顔面を複数回殴打した上,頭
部を地面に打ち付けるなど,犯行態様は執拗かつ危険で悪質である。
(4) 被害者には何ら落度がなく,被害弁償もなされていない。
2 有利に斟酌すべき情状
 (1) 飲酒中に立腹し,衝動的に本件犯行に及んだものであり,計画的犯行とは認
められない。
 (2) 幸いにも傷害の程度は加療約7日間と比較的軽微であった。
(3) 被告人には粗暴犯等の同種前科前歴はない。
(4) 被告人なりに反省服罪の態度を示し,今後は仕事を探したいと述べるなど,
勤労の意欲も示している。
 (5) 被害者が寛大な処分を求める旨の嘆願書を提出しており,宥恕の意思が認
められる。
 なお,本件は,その犯情の悪さを考慮すると実刑を考慮すべき事案ではあるが,
上記のように,傷害の程度が比較的軽微で,被害者が寛大な処分を求める旨の嘆願
書を提出しているなど特に酌量すべき事情が認められるので,再度刑の執行を猶予
した上,その猶予の期間中被告人を保護観察に付することとした。
 よって,主文のとおり判決する。
  平成14年12月11日
    神戸地方裁判所第11刑事係乙
      裁 判 官  橋本 一   

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