弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由第一点について。
 所論は原判決は売上原価の計算を誤まつた違法あるものであると主張する。けれ
ども、原審は被上告人が争わないので上告人が主張したとおりの売上原価を認定し
たのであること記録上明らかであるから所論は採用することができない。(原判決
は上告人の所得金額を認定するについて売上高を判示差益率によつて計算する方法
を採り、棚卸商品と仕入高とによつて売上高を推定する方法を採らなかつたのであ
るから、売上高が判明している以上期首棚卸高は上告人の所得推定には関係がない。
されば原審は一方において期首商品棚卸高を上告人の主張と異る三五万六四三二円
と認定したけれども右は所詮原判決に不必要な認定をしたもので判決に影響を及ぼ
さないものというほかない。)所論は、また、仕入総額が売上原価総額と一致して
も期末に棚卸商品の存在する以上仕入品そのものが売れたものでないことは明らか
であるから仕入品の利益率を売上原価に乗じて利益を計算することは不合理である
と主張する。もとより仕入品と売上品とは金額が同じであつても品物は必ずしも同
じでないこと所論のとおりであるけれども、しかし、特段の事情のない限り、仕入
品の利益率から売上品利益率を推定することは不合理ではないから、原審の判断を
違法とすべき理由はない。所論は理由がない。
 同第二点について。
 所論は、原判決が被上告人提出の高松国税局長作成昭和二七年分「商工庶業所得
標準表」 (乙二三号証)により昭和二六年度の上告人の所得を推定したことを非
難する。なるほど右標準表は昭和二七年度のもので被上告人が上告人の所得につい
て更正決定をした時に使用したものではないが、政府が所得税法四四条により納税
義務者の所得金額を調査するに際しどのような資料を用いたにせよ他の資料により
さきの調査による金額が正当と認められる以上、更正決定は結局正当なものという
べきである。原審はこのような意味で右標準表を採用したのであり、そして、原審
が昭和二七年度の右標準表と原判決挙示の証拠とにより昭和二六年度の判示差益率
は同二七年度のそれと異るべき特段の事情がなく、両者は差異なく同率であつたも
のと推認し、よつて原更正決定を是認したことは何等経験則その他法令に違反する
ものではない。所論旨は違憲を主張するが、右は原更正決定ないし原判決の違法を
前提とするものであるところ、これらは何ら違法のものでないこと右説示のとおり
であるから、違憲の主張は前提を欠くに帰し採用することができない。
 同第三点について。
 所論は原判決が判示個々の商品についての利益率を認定するに当り証拠判断を誤
まつた違法があると主張するが、原判決挙示の証拠によつて判示利益率を認定して
も何ら採証法則に違反するものではない。所論は原審が適法にした証拠の取捨判断
を非難し原審の認定しない事実を主張するに帰し、採用するに足りない。
 同第四点について。
 所論は原判決の理由のくいちがいを主張する。なるほど原判決が売上高二七五万
七八八〇円と認定し期首商品棚卸高について被上告人の主張に近い三五万六四三二
円と認定しながら、売上原価を上告人自認どおり二二八万八二九三円と認定してい
ることは一見理由のくいちがいのように見えるが、仔細にこれをみると、第一点で
説示したように、原判決は上告人の所得金額を認定するについて当事者間に争のな
い売上原価を基礎とし、これに認定にかかる差益率を乗じて計算する方法によつた
のであり、従つて期首棚卸高がいくらであつたかは原判決の利益推定には関係がな
く、所論の点は結局原判決に影響を及ぼさないものということができる。所論は理
由がない。
 同第五点について。
 所論は判断遺脱を主張するが、記録によると、原審で被上告人は、択一的に、第
一、収入より必要経費を差し引いて所得額を算定する方法によつても、あるいは第
二、資産負債生活費等の増減及び支出高より間接に所得を認定する方法によつても
上告人の昭和二六年度所得額は原更正決定額三一万九〇〇〇円をはるかに超えると
主張したのに対し、原判決は右第一の方法によつて所得額を推認したのであること
明らかである。防禦者である被上告人側のかような趣旨の主張に対し原審がその前
者を認容して被上告人に有利な判決をする場合においては、後者が右推認を覆えす
に足るものでない限り、必ずしもその後者について判示するを要しないのであり、
これを上告人の側から判断遺脱であるとする主張は採用することができない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛