弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人菅野虎雄の上告理由第一点について。
 所論前段は、農地法一五条に関する原審の解釈適用を争うものと認められる。し
かしこの点に関する原判決判示は、農地法一五条は、自作農創設特別措置法(以下
自創法という)一六条一項等によつて国から売渡された農地を、所有者又はその世
帯員以外の者が、農地法三条一項による許可を受けないで耕作の事業に供したとき
等は、国がその農地を買収する旨を規定したものであつて、本件のように自創法に
よつて政府から売渡された農地であつても、国がこれを自衛隊用として必要である
とし所有者の承諾のもとにその所有権を取得したような場合には、右一五条の適用
はないという趣旨にほかならず、そしてこの解釈適用は正当であるから原審に所論
のような違法はない。
 さらに所論後段は、原審が仮定に立つて判示した農地法三六条、八〇条の解釈を
非難する。しかし農地法一五条によつて国が買収した農地は、同法三六条一項一号
ないし三号所定の者に売渡されるのを原則とし、被買収者すなわち旧所有者に優先
して売渡すべき旨の原則はない。(農地法八〇条二項は買収前の所有者に売渡すこ
とを原則としているけれども、農地法一五条によつて国が買収した農地に関する規
定でないことは明らかであるから、所論を肯認する根拠にはならない)。この趣旨
に出でたこと明らかな原審に所論のような違法はない。
 その余の所論はすべて原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を主張す
るものとは認められない。
 同第二点について。
 所論の趣旨は、農地法上、国から農地の売渡を受けた者が、その農地を他に売却
する場合に、その売却代金額を無制限に取得し得るものと解するとすれば、同法は
憲法二九条に違反すると主張するものと認められる。しかし原審は所論売買の適法
なりや否の点につき判断していないのみならず自創法によつて国に農地を買収され
た者が国から受ける自創法所定の買収対価が憲法二九条三項に違反するものでない
ことは当裁判所大法廷のすでに判示(昭和二五年(オ)第九八号同二八年一二月二
三日判決)するところであり、また自創法又は農地法によつて国から農地の売渡を
受けた者であつても、農地法施行後は、同法所定の許可(三条一項、四項)を受け
ることをその効力発生の要件として農地を他に譲渡することが認められ、ただ農地
法施行法一四条一項によつてかかる場合のうち、右譲渡が国から売渡を受けた後一
〇年以内に為されたものであるときには、その売却代金中の一定額(残存年数によ
る)を国に支払わねばならない旨定められているほか、その代金額が統制されてい
るものと解すべき規定もないから、その代金額は原則として自由に決定し得るもの
と解すべきであり、従つて憲法二九条とはなんのかかわりもなく、所論違憲の主張
は結局その前提において失当たるを免れない。所論は採用のかぎりでない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己

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