弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人Aを懲役4年に,被告人Bを懲役3年に,被告人Cを懲役2年8月
に処する。
被告人らに対し,未決勾留日数中各170日を,それぞれその刑に算入す
る。
理由
(罪となるべき事実)
第1被告人A,被告人B及び被告人Cは,分離前相被告人Dと共謀の上「Eセ,
ンター」の名称を使用して,いわゆる「紳士録」に氏名等が掲載されている者
から特別管理会員会費名下に金員をだまし取ろうと企て,
1分離前相被告人Dにおいて,平成13年1月18日ころ,東京都渋谷区ab
号室のEセンター事務所から大阪府松原市c株式会社Fの同社相談役Gに対
し,電話で,真実は他者の同人に対する「紳士録」関係の活動等を阻止する意
,,思がなく送金された金員は直ちに被告人らのために費消する意図であるのに
その情を秘し「3月に紳士録の編成替えがあって,GさんはEセンターの担,
当になったんです「Gさんの名前は消えていないんです。紳士録の掲載は,。」
掲載された人が亡くなるか,特殊な事情で会社を退職されるかしない限り,名
前が消えることはありません。悪徳業者がまた動き始めるかもしれません。無
理難題を言ってくるかもしれません。今後10年間,うちの方で,Gさんに問
題が起きたときに面倒をみます。そのフォローをするために,10年間,特別
管理会員という形で,うちの方でやらせてください「特別管理会員のCラ。」
ンクにさせてもらいました。Cランクは500万円です。過去に支払った金額
もありますから,75万円を控除して425万円にします」などとうそを言。
い,その旨同人を誤信させ,よって,同人をして,同月25日から同年5月2
5日までの間,5回にわたり,同市d号e郵便局から東京都新宿区fg郵便局
の「Eセンター」代表D名義の通常郵便貯金口座に現金合計385万円を振込
入金させ,もって,人を欺いて財物を交付させ
2被告人Cにおいて,平成13年1月18日ころ,前記ab号室のEセンター
事務所から三重県一志郡hH方に電話をかけ,同人に対し,真実は他者の同人
に対する「紳士録」関係の活動等を阻止する意思がなく,送金された金員は直
ちに被告人らのために費消する意図であるのに,その情を秘し「紳士録の件,
で,営業の電話がお宅に入っていますか。私のところの特別管理会員になって
もらえば,Hさんのところに紳士録の業者から営業の電話がかからないように
できます「400万円をお支払いいただければ,今後,Hさんのところに。」
営業の電話はかかりません」などとうそを言い,その旨同人を誤信させ,よ。
って,同人をして,同月26日から同年4月23日までの間,4回にわたり,
三重県津市i株式会社I銀行津支店から東京都港区j号株式会社J銀行j支店
の「Eセンター」代表D名義の普通預金口座に現金合計400万円を振込入金
させ,もって,人を欺いて財物を交付させ
3分離前相被告人Dにおいて,平成13年5月16日ころ,前記ab号室のE
センター事務所から前記H方に電話をかけ同人に対し前同様情を秘しH,,,「
さんは三重県の方ですから,東海地区になります。地元の東海地区ですので,
そこの調査業協会にお付き合いしてください。Hさんが住んでいる東海地区の
悪質な業者を押さえるために,当社の特別名誉管理会員になってください。そ
うすれば,今後一切営業の電話などはかからず,ご迷惑はかかりません「1。」
50万円くらいにしますが,どうでしょうか」などとうそを言い,その旨同。
人を誤信させ,よって,同人をして,同月29日,前記株式会社I銀行津支店
から前記株式会社J銀行j支店の「Eセンター」代表D名義の普通預金口座に
現金150万円を振込入金させ,もって,人を欺いて財物を交付させ
4分離前相被告人Dにおいて,平成13年5月20日ころ,前記ab号室のE
センター事務所から前記H方に電話をかけ同人に対し前同様情を秘し東,,,「
海地区の業者のHさんへの営業を押さえるのに,費用が足りません。追加でお
付き合いいただけませんか「あと,100万円くらいかかります」などと。」。
うそを言い,その旨同人を誤信させ,よって,同人をして,同年6月27日,
前記株式会社I銀行津支店から前記株式会社J銀行j支店の「Eセンター」代
表D名義の普通預金口座に現金50万円を振込入金させ,もって,人を欺いて
財物を交付させ
第2被告人A及び被告人Bは,分離前相被告人Dと共謀の上「Eセンター」の,
名称を使用して,いわゆる「紳士録」に氏名等が掲載されている者から調査会
員入会費用名下に金員をだまし取ろうと企て,分離前相被告人Dにおいて,平
成11年11月2日ころ,前記ab号室のEセンター事務所から香川県綾歌郡
k町K方に電話をかけ,同人に対し,真実は他者の同人に対する「紳士録」関
係の活動等を阻止する意思がなく,送金された金員は直ちに被告人らのために
費消する意図であるのに,その情を秘し「うちの調査会員になりませんか。,
紳士録から記事を削除する関係で,うちの会員になってもらえば,他社から請
求を受けることはありませんし,記事の削除もすべてうまくいきます。会員に
は,A,B,Cなどがありますが,C会員は費用が12万5000円と非常に
安いのでお得です」などとうそを言い,その旨同人を誤信させ,よって,同。
人をして,同年11月4日,l町m株式会社L銀行n支店から東京都渋谷区o
号株式会社I銀行M支店の「Eセンター」代表D名義の普通預金口座に現金1
2万5000円を振込入金させ,もって,人を欺いて財物を交付させ
第3被告人A,被告人B及び被告人Cは,分離前相被告人Dと共謀の上「Eセ,
ンター」の名称を使用して,いわゆる「紳士録」に氏名等が掲載されている者
から原稿管理費用等名下に金員をだまし取ろうと企て,別表記載のとおり,平
成12年2月16日ころから同年4月12日ころまでの間,3回にわたり,前
記ab号室のEセンター事務所ほか1か所から前記K方に電話をかけ,同人に
,,,,対し前同様情を秘し同表欺罔文言欄記載のとおりのうそを言いその都度
その旨同人を誤信させ,よって,同人をして,同年2月17日から同年4月1
8日までの間,4回にわたって,前記株式会社L銀行M支店ほか1か所から前
記株式会社I銀行M支店の「Eセンター」代表D名義の普通預金口座ほか1口
座に現金合計500万円を振込入金させ,もって,人を欺いて財物を交付させ
第4被告人Aは「Eセンター」の名称を使用して,いわゆる「紳士録」に氏名,
等が掲載されている者から記事流出防止費用名下に金員をだまし取ろうと企
て,平成13年2月上旬ころ,前記ab号室のEセンター事務所から前記K方
にNの偽名を使って電話をかけ,同人に対し,前同様情を秘し「先方に会い,
ました。先方は5人いました。それで『版権を買え。200万円で買え』,。
と言われました。当社としては処置できないので,N個人として,100万円
を払うことで了解してもらって100万円を払いました。それで,その100
万円をKさんに支払ってもらわなければなりません「私個人で100万円。」
を払いましたから,Eセンターに払ってもらうのでは困ります。それで,知人
のOのJ銀行の口座に振り込んでください」などとうそを言い,その旨同人。
を誤信させ,よって,同人をして,同月5日,前記株式会社L銀行M支店から
東京都新宿区p株式会社J銀行P支店のO名義の普通預金口座に現金100万
円を振込入金させ,もって,人を欺いて財物を交付させ
たものである。
(累犯前科)
被告人Aは,平成9年5月14日東京高等裁判所で詐欺罪により懲役2年8月に
処せられ,平成11年4月8日その刑の執行を受け終わったものであって,この事
実は前科調書(65)によってこれを認める。
(法令の適用)
罰条判示各所為につき,刑法246条1項(被告人Aの判示第
4の所為を除いて,更に刑法60条)
累犯加重被告人Aにつき,刑法56条1項,57条(判示各罪の刑
に法定の加重)
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の最も重い判
示第1の2の罪の刑に法定の加重をする。ただし,被告人A
については,刑法14条の制限内で加重する)。
未決勾留日数の算入刑法21条
訴訟費用の不負担被告人B及び被告人Cにつき,刑事訴訟法181条1項た
だし書
(量刑の理由)
本件は,いわゆる紳士録詐欺の事案であるところ,その被害金額は,被告人Aに
ついては1597万5000円,被告人Bについては1497万5000円,被告
人Cについては1485万円と相当多額であること,同種の手口を用いた詐欺罪に
より被告人Aが逮捕されて実刑となり,服役したことから,被告人Aはもとより,
その逮捕当時同じ犯行グループに属していた被告人B及び被告人Cも,紳士録詐欺
の違法性を十分認識したにもかかわらず,いずれも借金を抱えるなどして金に窮し
ていたため,他人の犠牲の下に金銭的利得を図り,本件犯行に及んだもので,動機
に酌むべきものがないこと,紳士録を取り扱う正当な企業であるかのように装い,
種々の周到な準備をした上,多様な口実をもうけて,多数回にわたり,3名の被害
者から大金をだまし取ったもので,犯行の態様は,計画的,組織的かつ職業的であ
,,,,,り巧妙悪質であること被告人Aは前記詐欺罪による累犯前科がありながら
懲りることなく,本件一連の犯行を主導した上,単独でも犯行に及び,最も多くの
利得をしていること,被告人Bは,平成6年10月に常習賭博罪により執行猶予の
付いた懲役刑を言い渡されていながら,その猶予期間中から本件と同様の詐欺を行
っていたもので,規範意識の鈍麻が顕著に認められること,被告人B及び被告人C
は,いずれも犯行において大きな役割を果たし,不当に利得していることからすれ
ば,被告人らの刑事責任は重い。
他方,被告人3名はいずれも事実を認め,反省していること,被告人らは,振り
込まれたままとなっていた50万円を被害者Hに対し返還したこと,被告人Cが被
害者G及びHとの間で和解をし,被害弁償として合計106万円の分割払いを約し
て陳謝し,被害者両名はその陳謝を受け入れたこと,共犯者Dが母親と友人の協力
を得て,各被害者と和解をし,合計314万円を被害弁償したこと,被告人Aにつ
いては,妻がその帰りを待っており,社会復帰後の監督を誓っていること,被告人
Bについては,高齢で病気の母親がいること,被告人Cについては,共犯者中で,
,,,利得額が最も少なく犯行グループに加わっていた期間も短い上前科前歴がなく
友人が更生への協力を惜しまない旨述べていることなど被告人らのために酌むべき
事情もあることから,これらを総合考慮の上,主文の刑を定めた。
(求刑被告人Aにつき懲役5年,被告人B及び被告人Cにつき懲役4年)
平成14年3月6日
岡山地方裁判所第1刑事部1係
裁判官西田真基

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