弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 一、 抗告人の抗告の趣旨及び理由は別紙のとおりである。
 その要旨は、抗告人の競売申立は二重競売の禁止に触れないというにある。
 二、 長野地方裁判所昭和三八年(ヌ)第二号不動産強制競売事件の記録によれ
ば、債権者Aの強制競売申立に基づき同地方裁判所は昭和三八年二月一三日に債務
者B所有の別紙目録記載の家屋につき競売開始決定をなし同月十四日其旨の登記の
あつたこと、同年九月一三日の競売期日に債権者Aは代理人Cをして最高価競買の
申出を為さしめ、同月一八日競落許可決定を受けたこと、竝に右競落許可決定は即
時抗告の申立なくして同年九月二五日の経過と共に確定したことが認められる。そ
して本件記録によれば、抗告人が債務者Bに対する準消費貸借公正証書を債務名義
として同一家屋について同一裁判所に対し強制競売の申立をしたのは昭和三八年一
〇月二八日である。
 ところで競売手続開始の決定を為した不動産につき強制競売の申立があつても更
に開始決定を為すことを得ないことは民訴法第六四五条一項の規定するところであ
るが、既に開始決定の為された不動産と雖も依然として債務者の所有に属すること
勿論であるから、債権者はその債務名義に基づいて強制競売の申立を為し得ること
は言うまでもない。ただ既に開始決定の為された不動産に対し新たな競売申立は何
時までにこれを<要旨>為し得るかについては議論の存する所であるが、新たな競売
申立は、既に開始した競売手続が取消となつた場合には、開始決定を受けた
効力(此が記録添付による新たな競売申立の主たる効力である)を有する(民訴法
六四五条二項)点並に民訴六八六条により競落許可の決定により競落人は不動産の
所有権を取得する(従つて債務者はその所有権を失う)が競落許可決定に対する抗
告により同決定が取消され、その結果第一の競売手続の取消となる可能性ある点に
鑑みれば、競落許可決定の確定前は何時にてもこれを為し得るものと解するを相当
とする。唯右民訴法六四五条二項の附与する配当要求の効力(此は新たな競売申立
に対する附随的効力である)は、同法六四六条の規定の結果、競落期日の終即ち競
落許可決定言渡後(その確定に至るまでの間)に為した新たな競売申立に対しては
附与されないものと解すべきである。
 以上の通りであるから、原審が第二の強制競売の申立は民訴法六四六条の規定と
の対比上、競落期日の終りに至るまでに為すことを要すとしたのは誤りであるけれ
ども、既に認定の通り抗告人の強制競売の申立は第一の競売手続における競落許可
決定の確定後に為されたことは明らかであるから、右申立を第一の執行記録に添付
し得ないと謂うべきである。従つてこれを却下した原決定は結局相当であり、本件
抗告は理由がない。
 よつて主文のとおり決定する。
 (裁判長判事 鈴木忠一 判事 谷口茂栄 判事 加藤隆司)
目録
  長野県a字bc番地のd
  家屋番号 大字ae番
   一、木造瓦葺二階建居宅 一棟
       建坪一五坪七合五勺  二階一〇坪

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