弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

平成13年(行ケ)第7号 審決取消請求事件 (平成13年12月18日口頭弁
論終結)
           判     決
    原      告   ジレット カナダ カンパニー 
    訴訟代理人弁護士   吉  武   賢  次
    訴訟代理人弁理士   佐  藤   政  光
    被      告 特許庁長官 及川 耕造
    指定代理人      村  本   佳  史
    同          杉  原      進
同          山  口由  木
同          茂  木   静  代
 主     文
    原告の請求を棄却する。
    訴訟費用は原告の負担とする。
   この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付加期間を30日と
定める。
事実及び理由
第1 原告の求めた裁判
 特許庁が平成10年審判第18301号について平成12年8月23日にした審
決を取り消す。
 訴訟費用は被告の負担とする。
第2 当事者間に争いのない事実
 1 特許庁における手続の経緯
 原告は、昭和63年12月5日名称を「歯ブラシ」とする発明(以下「本願発
明」という。)について特許出願(昭和63年特許願第307656号)をした
が、平成10年7月31日拒絶査定を受けたので、平成10年11月24日にこれ
に対する審判(平成10年審判第18301号)を請求したところ、審理の結果、
平成12年8月23日に本件審判の請求は成り立たない旨の審決がなされ、その謄
本は平成12年9月13日原告に送達された。
 2 本願発明の要旨(特許請求の範囲の記載)
 請求項1(請求項2は省略)
 フィラメントの横断面の最大幅Wを形成する長手方向の面を有する独立した複数
の高分子からなるモノフィラメントを有し、そのフィラメントが、長手方向の面の
少なくとも一部分に沿い、かつW/2の値の約20パーセント以下の深さだけ横断
面の一部内に延びる染色された第1の有色部分と、横断面の他の部分を占める少な
くとも一つの異なる色の第2の有色部分とを有し、フィラメントが使用されるにつ
れて上記第1の有色部分の色の濃さが変化し、フィラメントの摩滅を知らせる信号
を与える歯ブラシ。
 3 審決理由の要旨
  審決の理由は、別紙1の審決書の理由写しのとおりである。その要点は、請求
項1に係る発明は、実願昭57-174733号(実開昭59-77430号、甲
第3号証)のマイクロフィルム(以下「引用例1」という。)及び実願昭60-8
2213号(実開昭61-196633号、甲第4号証)のマイクロフィルム(以
下「引用例2」という。)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をする
ことができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることが
できない、というものである。
第3 原告主張の審決取消理由の要点
 審決は、一致点の認定を誤り(取消事由1)、相違点の判断を誤った(取消事由
2)ものであって、違法として取り消されるべきものである。
 1 取消事由1(一致点の認定の誤り)について
 本願発明と引用例1に記載された発明との対比についてした審決の認定・判断の
うち、「両者はフィラメントの横断面の最大幅Wを形成する長手方向の面を有する
独立した複数の高分子からなるモノフィラメントを有し」(3頁23行、24行)
との認定は否認する。
 すなわち、引用例1に記載されたブリッスルはモノフィラメントではなく多層高
分子構造体である。
 モノフィラメントの「モノ」は被告の主張のように「1本」の意味もあるが、本
願発明の「モノ」は「ポリ」に対するものであり、複合に対して一つの成分からな
る意味も有しているものであって、審決は、本願発明において使用されている「モ
ノフィラメント」の構成を誤認している。特に、本件出願においては、その明細書
6頁9行ないし7頁1行に、「英国特許出願第2,137,080号は、プラスチ
ック材料で作られ、摩耗に応じて色が変化する剛毛を、ブラシ用の毛として開示し
ている。この英国特許出願が開示した毛は複合材料で作られている。すなわち、こ
の毛は有色の材料で作られた芯を含み、この芯は外側から柔らかい被覆材料で完全
に覆われている。この芯の被覆材料は上記有色の芯とは色が異なっている。この英
国特許出願に開示された毛においては、芯は比較的堅くて強靱な材料で作られ、補
強材料として作用し、毛の剛性を支配している。これに対して、芯の被覆材料は上
記芯の材料より軟らかくて摩滅し易い材料で作られている。」と記載され、さら
に、7頁14ないし17行に、「1つの顕著な欠点は、この毛を複合材料で作らな
ければならないから、モノフィラメントで作る場合よりも、製造経費が高額になる
ことである。」と記載されている。
 このようなことから、本願発明における「モノフィラメント」が複合材料で作ら
れた「複合フィラメント」と区別されていることは明らかである。
 これに対し、引用例1のブリッスルは複数層から構成されており、しかも、ブリ
ッスルが多層複合高分子構造体からなる旨記載されているから、複合(多層)のブ
リッスルであり、本願発明でいう「モノフィラメント」には該当しない。
 2 取消事由2(相違点の判断の誤り)について
  (1) 審決は、「染色される第1の有色部分の深さは、当業者がモノフィラメン
トの材質、染料の種類、染料の固着性、製造工程等の各種ファクターを考慮して、
実験等によりブリッスルの摩滅を知らせるために必要な最適な深さが選択されるも
のであるから、請求項1に係る発明のように第1の有色部分の深さを限定すること
は、当業者であれば上記各種ファクターを考慮して適宜限定することができる程度
の技術事項にすぎないものである。」(4頁下から3行ないし5頁3行)と判断し
ているが、第1の有色部分の厚さは、適宜限定することができる程度の技術事項に
すぎないものではない。
 使用者に歯ブラシの使用限界を示す摩耗の視覚的信号を与えるには、モノフィラ
メントの半径(W/2)に対する第1の有色部分の厚さの比が絶対に必要な条件で
ある。本願発明では、一般的な歯ブラシ用モノフィラメントにおいては、そのモノ
フィラメントの半径(W/2)に対する摩耗量すなわち第1の有色部分の厚さの比
が20%以下で一般に使用限界となることが判明したことにより、第1の有色部分
の厚さを「W/2の値の約20%以下」と規定したものである。
 しかるに、引用例1記載のものは、外層の厚さをW/2の33%にしたものにす
ぎず、引用例2記載のものも、長手方向表面に沿い、W/2の値の20%以下の断
面積の部分内に延びる第1の有色部分を形成したものではなく、両引用例に第1の
有色部分の厚さをW/2の20%以下とすることを示唆する記載はない。
 したがって、両引用例記載のものをいかに組み合わせても本願発明を構成するこ
とは不可能であり、さらに、第1の有色部分の厚さを、歯ブラシの使用限界が視覚
的信号により効果的に与えられるような上記特定値とすることは両引用例記載のも
のから容易になし得たものでもない。
 この第1の有色部分の深さの選定は、Aの宣誓供述書(甲第5号証)でも明らか
なように、適宜選定することができる程度の技術事項ではない。
 実際、歯ブラシの使用寿命の視覚的表示を得るために染料の正確な浸透深さを確
認することは、非常に困難なことであり、また長時間を要したものである。
  (2) 被告は、(a)モノフィラメントの第1の有色部分の深さは、使用者に摩
滅を示すための有効な色変化となるような深さでなければ使用限界を判定すること
ができないものとなって不適当であることは、自明のことである、(b)モノフィ
ラメントの摩滅量と歯ブラシの使用限界との関係は、モノフィラメントの材質、形
状(太さや硬さ)、染料の種類、染料の固着性、製造工程等の多くのファクターに
よって異なるものであって、一義的に定まるものではない、と主張する。
 確かに、使用者が歯ブラシの使用限界を示す摩滅量の視覚的信号を得るための、
モノフィラメントの摩滅量と歯ブラシの使用限界との関係は、モノフィラメントの
材質、形状(太さや硬さ)、染料の種類、染料の固着性、製造工程等の多くのファ
クターによって異なるものである。しかしながら、本願発明においては、ブリッス
ルが引用例1記載のような複合材料の代わりに「モノフィラメント」(単一材料な
いし単層のフィラメント)により構成されており、モノフィラメントの外周部にお
ける第1の有色部分と内部のその他の部分とは同一材質により構成されている。し
たがって、モノフィラメントの摩滅量と歯ブラシの使用限界との関係に第1の有色
部分とその他の部分との材質の違いを考慮する必要がなく、モノフィラメントの摩
滅量と歯ブラシの使用限界との関係に関与するファクターをより少なくすることが
できる等の利点を有する。
第4 被告の反論の要点
 1 取消事由1(一致点の認定の誤り)に対して
 「モノフィラメント」とは、「1本のフィラメント」を意味する用語である。引
用例1記載の複合ブリッスルは、外層を内層とは異なる色の着色層とするために2
層高分子構造体で成形する手段を採用しているが、ブリッスルとして成形されたフ
ィラメント自体は、外層部を内層部とは異なる着色層とした1本のフィラメント
(モノフィラメント)として構成されるものである。このことは、引用例1に「多
層複合高分子構造体の素材としては、ポリアミド,ポリエステル,ポリオレフィ
ン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデンなどの合成高分子樹脂が挙げられ、モノ
フィラメントとして溶融紡糸可能な合成樹脂であれば、特に限定されるものではな
い。」(3頁19行~4頁4行)、「一例を示すと、色が異なる2種類の合成樹脂
を別々に溶融してノズルに供給し、モノフィラメントの状態で引取って冷却後、延
伸しながら熱処理及び油剤処理を施し、直線状に巻き取ってブリッスルを形成す
る。」(6頁17行~7頁2行)と記載されていることからも明らかである。した
がって、引用例1記載のブリッスルがモノフィラメントであるとした審決の認定に
は誤りはない。
 2 取消事由2(相違点の判断の誤り)に対して
 モノフィラメント(ブリッスル)の第1の有色部分の深さは、使用者の歯磨きに
より、モノフィラメントの先端が摩滅して歯磨き機能を十分に達成することができ
ない程度になった状態において、使用者に摩滅を示すための有効な色変化(第1の
有色部分の摩滅による色変化)となるような深さでなければならない。第1の有色
部分の深さが浅すぎれば、歯ブラシとして十分な機能を維持しているにもかかわら
ず、第1の有色部分は摩滅して使用限界を示すものとなるから不適当であり、一
方、第1の有色部分の深さが深すぎれば、歯ブラシとしては既に使用限界に達して
いるにもかかわらず、モノフィラメントの第1の有色部は色変化せず、使用限界を
判定することができないものとなって不適当であることは、自明のことである。
 ブリッスルとして使用するモノフィラメントの摩滅量と歯ブラシの使用限界との
関係は、モノフィラメントの材質・形状(太さや硬さ)、染料の種類、染料の固着
性、製造工程等の多くのファクターによって異なるものであって、一義的に定まる
ものではない。
 したがって、モノフィラメントの第1の有色部分の深さは、上記種々のファクタ
ーを総合勘案して、モノフィラメントの第1の有色部分の摩滅による色(色調)の
変化が歯ブラシの使用限界と一致するような深さとなるように所望の深さが選択さ
れるものであって、本願発明のようにモノフィラメントの第1の有色部分の深さを
W/2の値の約20パーセント以下の深さに限定することには、何らの臨界的意義
がないものである。
 引用例1の実施例は、その1例を示したものであり、実施例のようなものであれ
ば、歯ブラシの最適な交換時期を知らせるための外層の厚さ(第1の有色部分の深
さ)は0.05㎜(W/2の33%)が適当であるとしたものであって、本願発明
のようにモノフィラメントの第1の有色部分の深さをW/2の値の約20パーセン
ト以下の深さに限定することは、当業者であれば適宜決め得る程度の限定範囲にす
ぎない。
 第5 当裁判所の判断
  1 本願発明について
   (1) 甲第2号証の1、2によれば、本願明細書には次の各記載があることが
認められる。
    ①[産業上の利用分野]の欄:「本発明はブラシ用の毛(すなわちフィラ
メント)に係り、より詳細には、改良された新規な歯ブラシ用の毛、及びこの毛を
含む改良型の新規な歯ブラシに関する。」(甲第2号証の1の2頁10行ないし1
3行)
    ②[従来の技術]の欄:「歯ブラシの毛の摩滅は歯ブラシの口腔内部を清
浄にする能力を著しく減退させるファクタである、・・・歯科医は公衆に対して、
使用している歯ブランが廃棄し交換すべき時期に達しているか否かについて注意す
るように熱心に訴えているが、この努力は実を結んでいない。その原因は、この歯
科医の教えを実行するためには、使用者が歯ブラシの廃棄条件を覚えていて、継続
的に歯ブラシの摩滅の程度を管理し、使用している歯ブラシの状態を評価しなけれ
ばならないからである。それ故に、この問題を解決するためには、使用者に対し
て、歯ブラシが使用に適しない程度まで摩滅し、廃棄交換すべき時期に達したこと
を確実に教え得る手段を提供することが必要であり、かつ有効である。」(3頁1
2行ないし14行及び5頁10行ないし6頁1行)
   ③[発明が解決しようとする課題]の欄:「本発明は、歯ブラシの使用者に
対して、使用している歯ブラシが摩滅し、交換すべき時期に達したことを、目に見
える形で知らせることができる手段を提供することを意図しているものである。本
発明においては、上記歯ブラシの摩滅を知らせ得るようにするために、摩滅に応じ
て色が変化する毛を使用する。英国特許出願第2,137,080号は、プラスチ
ック材料で作られ、摩滅に応じて色が変化する剛毛を、ブラシ用の毛として開示し
ている。この英国特許出願が開示した毛は複合材料で作られている。すなわち、こ
の毛は有色の材料で作られた芯を含み、この芯は外側が軟らかい被覆材料で完全に
覆われている。この芯の被覆材料は上記有色の芯とは色が異なっている。・・・こ
の芯の被覆材料は、歯ブラシを使用しているうちに、歯ブラシの毛の端部の丸い部
分で摩滅し、この部分で芯から剥離又は破断し、この芯の被覆材料が毛の端部の丸
い部分で剥離又は破断した時に上記有色の芯が露出し、この有色の芯の露出によっ
て、その歯ブラシを廃棄すべき時を使用者に知らせることができるものである。
 上記英国特許出願の毛・・・の1つの顕著な欠点は、この毛を複合材料で作らな
ければならないから、モノフィラメントで作る場合よりも、製造経費が高額になる
ことである。また、この毛の他の欠点は、この毛の構造に起因するものである。す
なわち、この毛は、芯の被覆材料が摩滅して、この毛の端部で剥離又は脱落した時
にこの毛の色が急変し、この毛の色の急変によってこの毛が摩滅したことを知らせ
る構造であるが、このように芯の被覆材料が突然に剥離又は脱落した時には、この
毛の堅くて強靭な芯の材料が既に露出した状態になっているから、その歯ブラシを
廃棄しない限り、この露出した芯が歯周組織に損傷を与える危険がある。また、毛
を歯ブラシに使用する場合には、その毛は、使用中に芯の被覆材料を剥離又は脱落
させることができる摩滅の程度と、この毛の芯の被覆材料が歯を清掃し得る能力と
を、密接に関連させることができるものでなければならない。・・・上記相関性を
制御するために、芯の被覆材料の厚さを調節し、及び(又は)芯の被覆材料として
使用する材料を調節しなければならず、そのためには、芯の被覆材料で芯を被覆す
る工程を正確に監視しなければならず、さらに、使用する材料も上記特性を競合し
ないように均一に実施できるように選定しなければならないという問題点があっ
た。また、そのための経費を上記複合材料の毛の製造経費に加算しなければならな
いということも問題であった。
 本発明は、歯ブラシの使用者に対して、使用している歯ブラシが摩滅し、交換す
べき時期に達したことを、目に見える形で知らせる得る歯ブラシを提供することを
目的としてしている。」(6頁3行ないし9頁9行)
   ④[課題を解決するための手段]の欄:「上記目的を達成するために、本発
明の歯ブラシは、基本的に、モノフィラメントで作られた毛を含み、このモノフィ
ラメントで作られた毛は縦の面を含み、この縦の面はこの毛の断面の周囲の境界部
分を形成し、この縦の面及び(又は)境界部分は有色部分を形成し、この有色部分
は毛の使用に伴なう摩滅の程度を目に見える形で使用者に知らせる作用をすること
ができる。この毛は、天然材料又は合成材料を用いて製造することができ、顔料又
は染料を用いて初期に着色することも、このような着色を行わないようにすること
も可能である。本発明の毛は上記有色部分の色又は色の濃さの差を、最初に使用者
が目で見ることができ、歯ブラシを連続的に使用して、その歯ブラシの毛が摩滅し
た時に、上記有色部分の色又は色の濃さが変化して、その歯ブランの毛が所要の清
掃特性を発揮し得ない状態になったことを使用者に知らせる信号の作用をすること
ができる。」(9頁11行ないし10頁8行)
   ⑤[実施例]の欄:
   ⑤-1 「実施例について図(別紙2図面参照)を参照して説明すれば、第
1図に示す歯ブラシは本発明の好ましい形態である新規な毛を使用してい
る。・・・毛束16は独立しているフィラメントすなわち毛20(第2図)を有す
る。・・・歯ブラシに使用する毛はプラスチック材料で作るのが好ましく、より詳
細には、ポリアミド繊維、又はポリエステル繊維で作るのが好ましい。本発明の毛
の縦の長さ、横断面の寸法、及び毛の端部の形状は選択可能であり、毛の剛性、弾
力性、及び形状も選択可能である。本発明の好ましい毛の長さは約3ないし6セン
チメートルでほぼ均一であり、この毛の横断面の寸法は約100ないし約350ミ
クロンでほぼ均一であり、この毛の先端部又は端部は滑らかな形状又は丸い形状で
ある。
 第2図及び第4図に本発明の毛を略図で示す。これらの図に示すように、毛20
は縦の面22を含み、この縦の面22は先端部又は端部18を有し、毛の横断面2
4の境界を形成している。横断面24は2つの有色部分26、28を含み、この有
色部分26、28は異なる色、又は濃さの異なる色を有する。有色部分26は少な
くとも縦の面22が延びている形状である。この有色部分26を横断面24に沿っ
て縦の面22から内側方向に横断面24の部分の中まで延ばし、この有色部分26
に染料浸透距離又は染料浸透範囲30(第4図)を形成することは好ましいことで
ある。有色部分26はリング状であり、この部分の色又は色の濃さをほぼ均一にす
ることは好ましいことである。このいずれの場合でも、有色部分28は横断面24
の有色部分26以外の部分にある。この構造であるから、有色部分26を顕著な色
又は色の濃さにすれば歯ブラシの使用者の目に入り易くなる。これに対して、有色
部分28の色又は色の濃さは顕著ではない。歯ブラシを使用しているうちに有色部
分26が徐々に摩滅し、それに伴なって、有色部分26の最初の色又は色の濃さが
変化し、摩滅が著しくなれば、有色部分26の色又は色の濃さの変化も顕著にな
る。この有色部分26の色又は色の濃さの顕著な変化によって、その歯ブラシの毛
が使用に耐えない状態になったことを、歯ブラシの使用者に知らせることができ
る。・・・選択された毛の染料浸透度及び染料定着度はその毛の摩滅特性と関連が
あるから、色の濃度の変化によって、その毛の摩滅による劣化を、高い信頼度で示
すことができる。一般論としては、ナイロンのブラシの毛については平均的な有色
部分26(第2図)は染料浸透深度30であり、この毛の断面の最大幅を符号Wで
表わし、その毛の染料浸透深度30が、式W/2で表わされる値の約20パーセン
トである場合には、この毛の染料浸透度及び染料定着度と、この毛の摩滅特性と
を、適当に関連させることができる。殆ど全ての毛の場合、上記の式W/2で表わ
される値はその毛の半径になる。一般的には、染料浸透深度30の平均的な値は1
0パーセント又はそれ未満である。・・・」と記載され(10頁10行ないし13
頁1行及び14頁17行ないし15頁10行)、
   ⑤-2 本願発明の内容と実施方法とを明らかにするための試験例として
(19頁9行ないし25頁13行)、
  第1試験例:断面直径が200ミクロン、長さが3.50センチメートルのタ
イネックス・ナイロンで作った円形の毛を、エリスロシンの溶液で染色し、染色部
分は断面がリング状、かつ、円周方向に延び、厚さがこの毛の半径の約2.5パー
セントであるもの、
  第2試験例:第1試験例と同一の円形の毛をエリスロシンの溶液で染色し、染
色部分は断面がリング状、かつ、円周方向に延び、厚さがこの毛の半径の約8パー
セントであるもの、
  第3試験例:断面直径が200ミクロンのナイロン12-6で作った円形の毛
を、サンセット・イエローFCF及びエリスロシンの溶液で染色し、染色部分の厚
さが毛の半径の約4パーセントであるもの、
  第4試験例:第3試験例と同様の円形の毛を、インジゴチンの溶液で染色し、
染色部分の厚さが毛の半径の約22.38パーセントであるもの、
  第5試験例:第4試験例と同一の円形の毛を、インジゴチンの溶液で染色し、
染色部分の厚さが毛の半径の約11.6パーセントであるもの、及び、
  第6試験例:第5試験例と同一の円形の毛を、インジゴチンの溶液で染色し、
染色部分の厚さが毛の半径の約5.47パーセントであるもの
を開示し、
  第7試験例について、「第1試験例の毛を用いて、ヘッド部に12束4列に配
列した毛束にそれぞれ18本ないし20本の毛を含めた歯ブラシを製作し、使用者
がそれぞれ選んだ練歯磨を用いて、通常の習慣に従って歯を磨くという条件の下
で、試験を行い、試験開始後、4週間、8週間、及び12週間経過した時を、それ
ぞれ、第1期、第2期、及び第3期とし、この各期毎に、歯ブラシの摩滅の程度
を、ブラシ面部分の形状及び毛の色の変化により点検した。そのデータをカイ二乗
法により解析して、色と形状との相関性を求めた結果、色と形状との相関度は0,
47であり、明瞭な相関性が存在することが明らかになった。」旨記載されている
ことが認められる。
  (2) 以上に認定した本願明細書の記載事項によれば、①従来、歯ブラシが摩滅
し、交換すべき時期に達したことを、目に見える形で知らせるべく摩滅に応じて色
が変化する毛を使用する歯ブラシとして、英国特許出願第2,137,080号の
ものがあること、②上記英国特許出願の歯ブラシの毛は複合材料で作られており、
モノフィラメントで作る場合よりも、製造経費が高額になること、芯の被覆材料が
摩滅した時に、堅くて強靭な芯の材料が露出した状態になり、歯周組織に損傷を与
える危険があること、芯の被覆材料の摩滅の程度と歯を清掃し得る能力とを密接に
関連させることができるように、芯を被覆する工程の正確な監視と使用材料の選定
の経費が加算されるという問題があったこと、③本願発明は、歯ブラシの使用者に
対して、使用している歯ブラシが摩滅し、交換すべき時期に達したことを、目に見
える形で知らせ得る歯ブラシを提供することを目的とし、特許請求の範囲に記載さ
れた構成とすることにより、毛の染料浸透度及び染料定着度をその毛の摩滅特性と
関連を持たせ、毛の色の濃度の変化によって、その毛の摩滅による劣化を高い信頼
度で示すことができるという効果を奏するものと認められる。
 2 取消事由1(一致点の認定の誤り)について
  (1) 原告は、本願発明のブリッスルは「モノフィラメント」であるのに対し、
引用例1のブリッスルはモノフィラメントではない旨主張する。
 しかしながら、甲第3号証によると、引用例1には、「多層複合高分子構造体の
素材としては、・・・モノフィラメントとして溶融紡糸可能な合成樹脂であれば、
特に限定されるものではない。」(3頁19行ないし4頁4行)、「モノフィラメ
ントの状態で引き取って冷却後、延伸しながら熱処理及び油剤処理を施し、直線状
に巻き取ってブリッスルを形成する。」(6頁19行ないし7頁2行)(下線はい
ずれも判決)との記載があることが認められ、引用例1記載のブリッスルが「モノ
フィラメント」であることは明らかであるから、審決の認定に誤りはない。
  (2) 原告は、本願発明にいうモノフィラメントの「モノ」は「ポリ」に対する
もであって、複合に対して一つの成分からなることを意味しており、本願発明の
「モノフィラメント」は複合材料で作られた「複合フィラメント」と区別されるも
のであると主張し、本願明細書中には本願発明の「モノフィラメント」が複合フィ
ラメントと区別されることを示す記載(本願明細書6頁9行ないし7頁1行)があ
る旨主張する。
 なるほど、甲第2号証の1によると、本願明細書中の原告が引用する前記箇所に
は、従来例(英国特許出願第2,137,080号)について、「この英国特許が
開示した毛は複合材料で造られている。・・・1つの顕著な欠点は、この毛を複合
材料で作らなければならないから、モノフィラメントで作る場合よりも、製造経費
が高額になることである。」と記載されていることが認められる。この記載中の
「モノフィラメント」の語は、複合材料で作られたフィラメントを念頭において記
述されているとも解される。
 しかしながら、「モノフィラメント」に「1本のフィラメント」の意味があるこ
とは、当裁判所に顕著な事実であり、原告も争わないところである。本願明細書の
特許請求の範囲には、単に「モノフィラメント」と記載されているだけであり、本
願明細書中に「モノフィラメント」の定義を記載した箇所はない(なお、この点に
関する原告の主張は、「モノフィラメントの「モノ」は被告主張のように「1本」
の意味もあるが、上記「モノ」は「ポリ」に対するものであり、複合に対して一つ
の成分からなる意味も有しているものであって、本出願において使用されている
「モノフィラメント」の構成を誤認している。」というものであり、その趣旨は、
本願発明の「モノフィラメント」は「1本」のフィラメントであり、かつ、「一つ
の成分」からなるものに限定されるということと解される。)。
 また、本願明細書において、上記英国特許出願の複合材料で作られたブラシの毛
の問題点として、製造経費が高額になること、芯の被覆材料が摩滅した時に、堅く
て強靭な芯の材料が露出して歯周組織に損傷を与える危険があること、芯の被覆材
料の摩滅の程度と歯を清掃し得る能力とを密接に関連させるのに経費が加算される
ことが指摘されたのに引き続き、本願発明の目的が、「歯ブラシの使用者に対し
て、使用している歯ブラシが摩滅し、交換すべき時期に達したことを、目に見える
形で知らせ得る歯ブラシを提供する」ことであるとされているが、複合材料で作ら
れたブラシの毛の問題点として指摘された事項と本願発明の目的との間に直接的な
関連があるか否かについては必ずしも明確ではない。
 そうすると、本願明細書における従来技術についての記述の中で、「モノフィラ
メント」の語が「単一成分」からなる「1本」のフィラメントを念頭において使用
されているという一事をもってしては、本願発明の「モノフィラメント」が「複合
材料からなるフィラメント」と区別されるものであることが当業者に明らかである
とはいい難い。また、前示のとおり、「モノフィラメント」は、「1本のフィラメ
ント」の意味を有するものであるから、「複合材料からなるフィラメント」と区別
しようとする場合は、「単一材料(単一層)からなるフィラメント」などと明確に
表現することが可能かつ適切であったにもかかわらず、本願明細書では、単に「モ
ノフィラメント」との表現を用い、本願発明における「モノフィラメント」は「複
合材料からなるフィラメント」と区別されるものである旨の定義を行っていないの
であるから、本願発明における「モノフィラメント」を原告主張のように「単一材
料(単一層)からなるフィラメント」の意味に限定して解することはできないとい
うべきである。
 なお、仮に、本願発明における「モノフィラメント」が「複合材料からなるフィ
ラメント」とは区別されるものと解しても、甲第4号証によれば、引用例2のブリ
ッスルは単一材料、単一層からなるモノフィラメントであることが認められるか
ら、一致点の認定の誤りがあるとしても審決の結論に影響するものではない。
 3 取消事由2(相違点の判断の誤り)について
  (1) 原告は、第1の有色部分の厚さをW/2の値の約20%以下とすること
は、使用者に歯ブラシの使用限界を示す摩耗の視覚的信号を与えるのに絶対に必要
な条件であり、一般的な歯ブラシ用モノフィラメントにおいては、そのモノフィラ
メントの半径(W/2)に対する摩耗量すなわち第1の有色部分の厚さの比が20
%以下で一般に使用限界となることが判明したことにより、第1の有色部分の厚さ
を規定したものである旨主張するので、検討する。
   ア 甲第2号証の1、2によれば、本願明細書には、第1の有色部分厚さを
W/2の値の約20%以下とすることに関連して、①「選択された毛の染料浸透度
及び染料定着度はその毛の摩滅特性と関連があるから、色の濃度の変化によって、
その毛の摩滅による劣化を、高い信頼度で示すことができる。一般論としては、ナ
イロンのブラシの毛については平均的な有色部分26(第2図)は染料浸透深度3
0であり、この毛の断面の最大幅を符号Wで表わし、その毛の染料浸透深度30
が、式W/2で表わされる値の約20パーセントである場合には、この毛の染料浸
透度及び染料定着度と、この毛の摩滅特性とを、適当に関連させることができ
る。」との記載、及び、②第7試験例の、「第1試験例(断面直径が200ミクロ
ン、長さが3.50センチメートルのタイネックス・ナイロンで作った円形の毛
を、エリスロシンの溶液で染色し、染色部分は断面がリング状、かつ、円周方向に
延び、厚さがこの毛の半径の約2.5パーセントであるもの)の毛を用いて、ヘッ
ド部に12束4列に配列した毛束にそれぞれ18本ないし20本の毛を含めた歯ブ
ラシを製作し、使用者がそれぞれ選んだ練歯磨を用いて、通常の習慣に従って歯を
磨くという条件の下で、試験を行い、試験開始後、4週間、8週間、及び12週間
経過した時を、それぞれ、第1期、第2期、及び第3期とし、この各期毎に、歯ブ
ラシの摩滅の程度を、ブラシ面部分の形状及び毛の色の変化により点検した。その
データをカイ二乗法により解析して、色と形状との相関性を求めた結果、色と形状
との相関度は0,47であり、明瞭な相関性が存在することが明らかになった。」
旨の記載があるのみであり、それ以外の説明はないことが認められる。
   イ 前記ア①の記載は、ナイロンの毛の染料浸透深度が、式W/2で表わさ
れる値の約20パーセントであれば、染料浸透度及び染料定着度と、この毛の摩滅
特性とを関連させることができ、色の濃度変化により毛の摩滅劣化を高い信頼度で
示すことができることを説明しているだけで、第1の有色部分の厚さがW/2の約
20%以下で一般に使用限界となることは示されておらず、そもそも磨耗量と使用
限界との関係を示すものでさえない。
 また、前記ア②の記載については、第1の有色部分の厚さが毛の半径の約2.5
%の特定材質、特定形状、特定染色状態の毛は、使用後の状態が良好か不良かを、
色と形状により明瞭な相関性を持って評価することができることは開示されている
と認められるものの、2~6の他の試験例について同様の試験は行っていないか
ら、第1の有色部分の厚さがW/2の約4%、約5.47%、約8%、約11.6
%、約22.38%の各々の場合について、使用後の状態が良好か不良かを、色と
形状により明瞭な相関性を持って評価することができるか否かは不明であり、まし
て、第1の有色部分の厚さをW/2の約20%以下と限定することに技術的意義が
あることや、第1の有色部分の厚さがW/2の約20%以下で一般に使用限界とな
ることは何ら示されていない。
   ウ 以上によれば、本願明細書に、本願発明が第1の有色部分の厚さをW/
2の値の約20%以下と限定していることの技術的意義や、一般的な歯ブラシ用モ
ノフィラメントにおいては、そのモノフィラメントの半径(W/2)に対する摩耗
量すなわち第1の有色部分の厚さの比が20%以下で一般に使用限界となることは
開示されていないから、原告の主張は本願明細書に根拠を有するものではなく、失
当といわざるを得ない。
  (2) 原告は、第1の有色部分の深さの選定は、Aの宣誓供述書でも明らかなよ
うに、適宜選定し得る技術事項にすぎないものではない旨主張する。
 しかしながら、第1の有色部分の深さに関してAの宣誓供述書に記載されている
内容は、①モノフィラメントの歯ブラシ用ブリッスルは、一般に多層のブリッスル
よりも耐用性能で優れていること、及び、②「ブリッスル内への染料の浸透深さの
決定及び制御は多くの変数が含まれるので非常に困難なことである。これは材料の
影響、製造工程の影響、前処理(焼きなまし)の影響である。PBTのような或材
料では、染料が材料内に実質的に浸透しないのでリング状に染色することはできな
い。ナイロン612における染料浸透深さが約20%以上の場合には全く(6ヶ月
以上)フィラメントに変化は生じなく、染料浸透深さが5%以下の場合にはブリッ
スルに極めて早く(2~3週)変化が生じる。さらに、染料の浸透深さが低いもの
は、色の強さが深さの関数であるため色がぼんやりしたブリッスルとなる。この色
がぼんやりしたブリッスルは不適当である。基本的には、最適点は明らかではな
い。ジレットの研究者は染色技術及び深さの開発に3~4年を要した。私は、モノ
フィラメントブリッスルの大きな製造者であるPMMを助けジレットのために表示
タイプのブリッスルを開発した。最適なモノフィラメントブリッスルを作るための
工程を発見するのに1年以上を要した。」というものであり、第1の有色部分の深
さの選定が困難であることは供述されているが、第1の有色部分の厚さがW/2の
約20%以下で一般に使用限界となることや、第1の有色部分の厚さがW/2の約
20%以下という限定に臨界的意義があることは供述されていない。
  (3) さらに原告は、本願発明においては、ブリッスルが引用例1記載のような
複合材料の代わりにモノフィラメントにより構成されているから、モノフィラメン
トの摩滅量と歯ブラシの使用限界との関係に関与するファクターをより少なくする
ことができる旨主張する。
 しかしながら、本願発明の「モノフィラメント」が単一材料(単一層)の意味に
限定されるものと解し得ないことは前示のとおりであるから、複合材料のものと対
比してその優位性や作用効果を主張することは、本件請求項の記載に基づかない主
張であって、失当である。
  (4) 以上のとおり、第1の有色部分の厚さがW/2の約20%以下で一般に使
用限界となり、第1の有色部分の厚さをW/2の約20%以下と限定することには
技術的意義がある旨の原告の主張は、採ることができない。そして、モノフィラメ
ントの摩滅量と歯ブラシの使用限界との関係は、モノフィラメントの材質、形状、
染料の種類、製造工程等のファクターによって異なるものであることは原告の認め
るところであるから、「第1の有色部分の深さをW/2の約20%以下と限定する
ことは、当業者であればモノフィラメントの材質、染料の種類、染料の固着性、製
造工程等の各種ファクターを考慮し、実験等により適宜限定することができる程度
の技術事項にすぎないものである。」旨の審決の判断に誤りはないというべきであ
る。
 4 結論
 以上のとおり、原告の主張はいずれも理由がなく、他に審決を取り消すべき瑕疵
は見当たらないから、原告の請求を棄却することとし、主文のとおり判決する。
 
 東京高等裁判所第18民事部  
     
      裁判長裁判官   永   井   紀   昭 
   
        裁判官   古   城   春   実  
       裁判官   橋   本   英   史
別紙2図面

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛