弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
       原判決を破棄する。
       本件を東京高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 弁護人北久浩の上告趣意は,違憲をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実
誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 しかしながら,所論にかんがみ職権をもって調査すると,原判決は,刑訴法41
1条1号,3号により破棄を免れない。その理由は,以下のとおりである。
 1 原判決の認定及び記録によれば,本件の事実関係は次のとおりである。
 (1) 被告人は,金品窃取の目的で,平成15年1月27日午後0時50分ころ
,A方住宅に,1階居間の無施錠の掃き出し窓から侵入し,同居間で現金等の入っ
た財布及び封筒を窃取し,侵入の数分後に玄関扉の施錠を外して戸外に出て,だれ
からも発見,追跡されることなく,自転車で約1km離れた公園に向かった。
 (2) 被告人は,同公園で盗んだ現金を数えたが,3万円余りしかなかったため
少ないと考え,再度A方に盗みに入ることにして自転車で引き返し,午後1時20
分ころ,同人方玄関の扉を開けたところ,室内に家人がいると気付き,扉を閉めて
門扉外の駐車場に出たが,帰宅していた家人のBに発見され,逮捕を免れるため,
ポケットからボウイナイフを取り出し,Bに刃先を示し,左右に振って近付き,B
がひるんで後退したすきを見て逃走した。
 2 原判決は,以上の事実関係の下で,被告人が,盗品をポケットに入れたまま
,当初の窃盗の目的を達成するため約30分後に同じ家に引き返したこと,家人は
,被告人が玄関を開け閉めした時点で泥棒に入られたことに気付き,これを追った
ものであることを理由に,被告人の上記脅迫は,窃盗の機会継続中のものというべ
きであると判断し,被告人に事後強盗罪の成立を認めた。
 3 しかしながら,【要旨】上記事実によれば,被告人は,財布等を窃取した後
,だれからも発見,追跡されることなく,いったん犯行現場を離れ,ある程度の時
間を過ごしており,この間に,被告人が被害者等から容易に発見されて,財物を取
り返され,あるいは逮捕され得る状況はなくなったものというべきである。そうす
ると,被告人が,その後に,再度窃盗をする目的で犯行現場に戻ったとしても,そ
の際に行われた上記脅迫が,窃盗の機会の継続中に行われたものということはでき
ない。
 したがって,被告人に事後強盗罪の成立を認めた原判決は,事実を誤認して法令
の解釈適用を誤ったものであり,これが判決に影響することは明らかであって,原
判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。
 よって,刑訴法411条1号,3号,413条本文により,原判決を破棄し,更
に審理を尽くさせるため,本件を東京高等裁判所に差し戻すこととし,裁判官全員
一致の意見で,主文のとおり判決する。
 検察官山本信一 公判出席
(裁判長裁判官 津野 修 裁判官 福田 博 裁判官 北川弘治 裁判官 梶谷
 玄 裁判官 滝井繁男)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛