弁護士法人ITJ法律事務所

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         主    文
     被上告人B1に対する本件上告を棄却する。
     右上告費用は上告人の負担とする。
     原判決中、被上告人株式会社B2に関する部分を破棄し、本件を東京高
等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人中井宗夫の上告理由一、について。
 上告人は、被上告株式会社B2は自動車損害賠償保障法三条に基づき損害賠償責
任を負担すべき旨主張し、原審は、昭和三五年三月二六日午前九時頃、東京都世田
谷区a町b丁目c番地先の甲州街道上で、被上告人B1操従の被上告会社所有の荷
台付自動二輪車と、右街道を横断中の上告人とが接触し、このため上告人が車道上
に転倒し、頭蓋内出血等の傷害を蒙つたが、本件事故当日、被上告会社は、社員の
慰安旅行のため休業中であつて、被上告人B1は右旅行に参加せず、被上告会社が
保管を委託しておいたD自転車店より、本件自動二輪車を被上告人会社に無断で借
り出し、これを私用のため運転して調布方面へドライブを楽しみ、帰途本件事故を
惹起した旨事実を確定の上、右の事実関係にあつては、被上告人B1の不法行為は、
被上告会社の義務執行につきなされたものではないから、結局自動車損害賠償保障
法三条所定の損害賠償責任の発生要件は充足されず、同条所定の損害賠償責任は生
じない旨判断するものである。
 しかし、自動車損害賠償保障法三条の賠償責任に関しては、たとえ事故を生じた
当該運行行為が、具体的には第三者の無断運転による場合であつても、自動車の所
有者と第三者との間に雇傭関係な密接な関係が存し、かつ日常の自動車の運転及び
管理状況等から、客観的外形的には、自動車所有者のためにする運行と認められる
ときは、右自動車所有者は「自己のために自動車を運行の用に供する者」というべ
く、当該運行行為により他人の生命又は身体を害したことによつて生じた損害を賠
償する責に任ずべきものである。(昭和三八年(オ)第九〇三号昭和三九年二月一
一日第三小法廷判決、民集一八巻二号三一五頁参照。)
 そこで、進んで右の点につき審理を尽し判断を示すべきにかかわらず、これをな
さず、前記判断の程度を以て、上告人の主張する被上告会社の自動車損害賠償保障
法三条の損害賠償責任を認め得ないとした原判決には、右の点につき必要十分な審
理を尽していない違法があり、論旨はこの点で理由がある。
 原判決中、被上告人株式会社B2に関する部分は、破棄を免れず、右に指摘した
点につき更に審理を尽させるため、原審に差し戻すべきものとする。
 同二、について。
 原判決の判断は、その挙示する証拠関係から肯認することができる。原判決に所
論の違法はなく、論旨は、原審の適法にした証拠の取捨判断、事実認定を非難する
に帰し、採用できない。
 よつて、被上告人B1に対する上告は棄却すべく、民訴法四〇七条一項、三九六
条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決す
る。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    五 鬼 上   竪   磐
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    田   中   二   郎

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