弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人および同補助参加人代理人下飯坂常世、同海老原元彦、同広田寿徳、同竹
内洋の上告理由第一点の第一(1)について。
 論旨は、被上告人補助参加人らは本件「訴訟ノ結果ニ付利害関係ヲ有スル第三者」
に該当しない、という。
 しかし、本件は行政事件訴訟にして牧野買収計画の無効確認を求める事件である
から、当該牧野の売渡しを受けたと主張する被上告人「補助参加人」らは、本件訴
訟によつて右買収計画の無効であることが確定されると売渡処分もまた違法とされ
る関係にあるので、行政事件訴訟法二二条一項にいう「訴訟の結果により権利を害
される第三者」に該当するものと認めるべきである。
 されば、原利決には所論の違法はなく、論旨は、叙上に反する独自の見解に立脚
するにすぎないものであつて。採用の限りでない。
 同第一点の第一(2)、第二及び第二点について。
 論旨は、要するに、本件訴訟は訴の利益を欠く不適法なものであるとした原審の
判断が民訴法一三九条に違反し、訴の利益の解釈を誤り、理由不備、理由齟齬の違
法をおかしたものである、という。
 しかし、訴の利益は、いわゆる職権調査事項に属し、当事者の主張の有無にかか
わらず、裁判所が職権をもつて審理、判断しなければならないものであるから、被
告がその欠缺を指摘するについても、行政事件訴訟法七条によつて適用される民訴
法一三九条の制限に服さないと解すべきである。もつとも、前記「補助参加人」ら
が取得時効の抗弁を提出したのは、本件控訴の申立があつてから約一一年を経過し
た昭和四〇年六月二八日原審第三六回口頭弁論期日であること記録上明らかである。
右のごとく本件訴訟が著しく遅延したことについては原審はその責任を免かれない
としても、所論のように、そのことの故をもつて右抗弁を採用して本件訴訟におけ
る訴の利益を否定した原審の判断自体を論難するのは、当らないといわなければな
らない。
 また、行政処分が違法であることを理由として国家に対し賠償を請求するについ
ては、あらかじめ右行政処分につき取消又は無効確認の判決を受けなければならな
いものではないから、上告人の本件訴訟には被上告人委員会の不法行為を原因とし
て、将来国家に対し賠償を求める含みがあるものであるとしても、ただそれだけで
は、本件牧野の売渡しを受けた者が時効によつてその所有権を取得た後においても、
なお、右牧野買収計画の無効確認を求める訴の利益を肯認することは許されないと
いわなければならない(昭和三六年四月二一日最高裁判所第二小法廷判決民集一五
巻四号八五〇頁参照)。
 なお、本件訴訟が訴の利益を欠く不適法なものであるとした原判示に所論の理由
不備、理由齟齬の違法があるものとは認められない。
 されば、論旨は、すべて、排斥を免かれない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    岩   田       誠
            裁判官    大   隅   健 一 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛