弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を科料九〇〇円に処する。
     右科料を完納することができないときは、金三〇〇円を一日に換算した
期間被告人を労役場に留置する。
     訴訟費用中原審及び当審における証人A、同B、原審における証人Cに
各支給した分はその全部を、同Dに支給した分はその三分の一を、いずれも被告人
の負担とする。
         理    由
 本件控訴の趣意は弁護人秋山昭一作成名義の控訴趣意書に記載するとおりである
から、ここに、これを引用するが、これに対する当裁判所の判断は、次のとおりで
ある。
 所論は軽犯罪法一条三三号にいう「その他の工作物」というのは、構成要件が不
明確であるというが、右工作物の概念は、民法七一七条の規定にもこれを見るので
あつて、それは、人工的作業によつて地上又は地下に設置した一切の建設物を指称
する。
 そして、右軽犯罪法一条三三号の構成要件要素としての工作物の概念の意味内容
を確定するについて、右の如く解釈によりその内容を明らかにする必要があるから
といつて、その構成要件の内容が不明確である、といえないことは勿論であり、右
字義に照らし電柱が、前記の「その他の工作物」に該当することは疑いを容れな
い。次に、右一条三三号にいう「はり札」とは、所論の如くこれを木札又は金属製
の札に限るべき合理的理由は存しないのであり、本件の如く一時的に貼るポスター
の如きも又右「はり札」に該当するものと解すべきである。更に、右一条三三号に
いう「みだりに」とあるのは、一般社会の法感情として許容された行為までを処罰
する趣旨でないことを特に明規したものであるという。社会生活上正当な行為者は
一般社会の法感情として<要旨>許容された行為が犯罪とならないことは所論の指摘
をまつまでもない。ところで、右一条三三号にいう「みだりに」とあるの
も、はり札をすることについて、社会通念上正当の理由の存在を認め得ない場合、
すなわち、そのはり札をする行為が違法とされる場合に限り、同条同号の犯罪を構
成する所以を明示したに過ぎないものであり、本件において被告人らがE共済会管
理に係る前示電柱に、同共済会の許可を得ないで本件ポスター一枚を貼つたもので
ある以上、その行為が同共済会の右電柱に対する管理権を侵害し、これを違法とす
べきことは当然である。そのポスターを貼るについて、被告人らに所論の如き目
的、事情があつたからといつて、そのことの故に、未だ本件行為を正当化させる事
由としてこれを評価することはできない。なお論旨は、右管理権の内容が明確でな
いというが、それも当らない。証人Bの原審及び当審の各供述によれば、E共済会
は、日本電信電話公社との契約により公社の所有する一切の電柱を有料で広告の媒
体として一般の広告主に使用させる権利を排他的に有し、同共済会としては右契約
に基づく権利を行使するため電柱を管理しているものであることが明らかであるか
ら、被告人らが右共済会の許可を得ずしてした本件行為が、右の意味の共済会の管
理権を侵害するものであることは当然であり、この場合所論の如く管理権の内容が
明らかでないとか、法益の侵害がないなどといえないことは当然である。
 (その余の理由は省略する)
 (裁判長判事 三宅富士郎 判事 寺内冬樹 判事 谷口正孝)

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