弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 弁護人逸見惣作の控訴趣意は、記録編綴の同弁護人名義の控訴趣意書の記載と同
じであるから、これを引用する。
 控訴趣意第二点について。
 しかし、補強証拠はそれにより独立して犯罪事実全部を認定できることを要せ
ず、自白と総合してこれを認<要旨第一>定し得るを以て足りるのである。原判示六
の事実に対する補強証拠として原判決の挙示する所論証人AA、同Bの
証言は、Aが妻Bを通じて被告人から金員を借受けたことは真実であるが、何回も
借りそれに数年む経つたので、その貸借の年月日及び金額(ただし、Bは最後に借
りたのが五千円と述べている)を覚えていないという趣旨であるから、被告人の自
白と相まつて原判示六の事実を証明するに足り、補強証拠として欠くるところはな
い。論旨はそれ故理由がない。
 同第一点及び第四点について。
 しかし、貸金業等の取締に関する法律がその第一条において、同法律は貸金業等
の取締りを行い、その公正な運営を保障すると共に不正金融を防止し、以て金融の
健全な発達に資することを目的とすると明示し、その附則第二項において、この法
律施行の際現に貸金業を行つている者は、この法律施行後三月以内に第三条の規<要
旨第二>定により届書を大蔵大臣に提出しなければならないと規定している趣旨に鑑
みれば、同法律施行の際現に貸金業を行つている者が同法律施行後従前
からの貸金につき何等かの形でその条件を変更した場合は、これを同法律の取締の
対象となる新たな金銭の貸付と解するのが相当である。原判示二の三万円の貸金は
同法律施行前からの無利息のものを月一割と定めて約束手形を振出さしめたもの
で、原判示三の五万円の貸金は同法律施行前から貸与していた元金にそれまでの利
息を加えたものを元金とし、利息月一割と定めて約束手形を振出さしめたものであ
ることが、原判決挙示の証拠により明かであり、記録に徴しても所論のように当時
被告人が貸金業をやめる意思であつて、単に従前の貸金を整理するために右約束手
形を振出さしめたものとは到底認められないから、これを同法律にいわゆる金銭の
貸付とみた原判決は相当であつて、所論のような違法は存しない。所論は民事上の
考え方をそのまま直ちに刑事上の取締法規たる右法律の解釈に移そうとするもの
で、採用できない。論旨はいずれも理由がない。
 同第三点及び第五点について。
 貸金業等の取締に関する法律第二条第一項にいわゆる貸金業とは、反覆継統して
行う意思の下に、不特定若くは多数人に対し、金利又はこれに準ずべき利益を取得
して同法条同項所定の金銭の貸付又は金銭貸借の媒介行為を行うことをいい、右の
利益を取得するものでないときは、貸金業とはいえないけれども、同法律の精神に
鑑み、前記の意味における貸金業をする者がたまたまこれらの利益を取得すること
なくして金銭の貸付をした場合、該行為も該貸金業者の業としての金銭の貸付行為
に属するものといわなければならない。従つて、たとえ、一連中の金銭貸付行為に
その貸付先が親戚友人等の縁故貸であつたり、又はその貸付方法がいわゆる時貸で
あつたり、特に利息礼金等の支払を特約しなかつたり、若くは借用証書を徴せず、
返済期限の定をしなかつたとしても、苟もこれを業として行つた以上、これらの行
為も同法律所定の貸金業者としての貸付行為となさざるを得ない。されば、被告人
の原判示貸付行為中に、相手方が知人等眤懇の間柄であり、その貸付の動機が相手
方の窮状を救うためであり、或は利得を得る目的でなく却つて損害を蒙つた等の所
論事情があつても、原判示貸付行為を業として行つたことが原判決挙示の証拠によ
り認められ、記録を精査しても原判決の右認定に誤が認められない以上、被告人は
所定の貸金業者でないのに、原判示金銭の貸付を業として行つたものといわなけれ
ばならない。それ故、原判決には所論りような事実誤認乃至は法律の解釈適用を誤
つた違法は存しない。なお亦、所論原判示四の金銭貸付につき、仮に所論のように
利息の定めがなかつたもので、この点において原判決に事実の誤認があるとして
も、前叙説明の次第で、右の誤認は判決に影響を及ぼすことが明かなものとはいえ
ないから、原判決破棄の理由とならない。論旨はいずれも理由がない。
 同第六点について。
 記録を精査し、被告人の経歴、犯行の動機、態様、貸金業等の取締に関する法律
の施行に当り当時被告人は約七十口合計約金四百万円を貸付けていて、関係係官か
ら所定期日迄に届出でるよう書式までも置いて注意されたにも拘らずその届出をし
なかつた点、その他諸般の情状を検討考量するに、所論の事情を参酌しても、原判
決の被告人に対する量刑を目して重きに失し不当であるとは認められない。論旨は
理由がない。
 以上の次第であるから、刑事訴訟法第三百九十六条により本件控訴を棄却すべき
ものとし、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 板垣市太郎 裁判官 蓮見重治 裁判官 細野幸雄)

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