弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 被告人本人の上告趣意及び弁護人田宮久吉の上告趣意は後記書面のとおりである。
 弁護人の上告趣意第一点について。
 所論は、憲法三八条を挙げているが帰するところ法令違反の主張であつて刑訴四
〇五条の上告理由に当らない。なお所論の原審の証拠とした被告人の弁解録取書は、
被告人に対し供述拒否権を与えたことが認められないから刑訴三一七条にいう適法
な証拠に当らずまた同三二二条に違反するという趣旨について、記録を調べて見る
と、原判決が破棄自判するに当つて証拠とした第一審判決挙示の証拠中、所論摘示
に相当するものは司法警察員作成の被告人に対する弁解録取書のみである。そして
刑訴二〇三条に基く司法警察員の被疑者に対する弁解録取書は、専ら被疑者を留置
する必要あるか否かを調査するための弁解を録取する書面であつて、同一九八条の
被疑者の取調調書ではないから、刑訴法上その弁解の機会を与えるには犯罪事実の
要旨を告げれば充分であつて、同一九八条二項に従いあらかじめ被疑者に供述を拒
むことができる旨を告げることを要するものでなく、従つてその旨の記載がないか
らといつて刑訴法に違反するところはない。そしてまたかかる弁解録取書であつて
も刑訴三二二条の要件を具え、又は同三二六条の同意があるときは証拠とするに妨
げないことはいうをまたないところである。以上の趣旨はすでに当裁判所の判例と
するところであるから、本件被告人の前記弁解録取書を証拠として採用した原判決
になんら違法はなく、この点についても論旨は理由がない。(昭和二六年(あ)第
二六五〇号同二七年三月二七日第一小法廷判決、集六巻三号五二一頁参照)
 同第二点及び被告人本人の上告趣意について。
 所論は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の適法な上告理由に当らない。そ
して所論は要するに被告人に殺意がなかつたのであるから原判決が本件を殺人未遂
に問擬したのは重大な事実誤認であるというのであるが、原判決は各証拠を総合し
て被告人は少くとも相手方が死亡するやも知れないことを認識しながら本件犯行に
及んだのであるから、被告人に未必の故意があつたものと認定するのが相当である
と判示したのであつて、その判断は正当でありなんら事実の誤認を認めることはで
きない。
 同第三点について。
 所論は量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして原
判決が第一審判決を破棄しこれより軽い一年六月の刑を言渡したのは相当であつて、
さらに当審において刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
 よつて同四〇八条、一八一条によう裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す
る。
  昭和二八年七月一四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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