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平成16年(行ケ)第158号 審決取消請求事件
平成16年7月26日口頭弁論終結
     判    決
 原 告 株式会社長井
 原 告 小川裕司
 原告ら訴訟代理人弁護士 藤井健夫,弁理士 岡本清一郎,平崎彦治
 被 告  特許庁長官 小川洋
 指定代理人 鹿股俊雄,末政清滋,高橋泰史,大橋信彦,井出英一郎
     主    文
 原告らの請求を棄却する。
 訴訟費用は原告らの負担とする。
     事実及び理由
第1 原告らの求めた裁判
 「特許庁が訂正2003-39272号事件について平成16年3月9日にした
審決を取り消す。」との判決。
第2 前提となる客観的事実
 原告らは本件特許第2733538号「メガネフレーム用モダンの製造方法」の
特許権者であった。しかしながら,本件審判の対象である特許について請求された
無効審判(平成10年審判第35199号)において,平成13年6月28日付け
で本件特許を無効とするとの審決(第2次審決。第1次審決については後記第4参
照)がなされ,平成15年10月16日,原告らが提起した第2次審決に対する審
決取消訴訟(東京高裁平成13年(行ケ)第356号)において,有限会社オプト
ピア大越(以下「(有)オプトピア大越」と表記)の無効審判請求に係る部分を除く
上記訴訟の被告ら(無効審判請求人)に対する請求を棄却する判決が言い渡され,
この判決に対する上告(平成15年(行サ)第203号)及び上告受理の申立て
(平成15年(行ノ)第226号)が平成16年1月9日に東京高裁で却下された
ことにより,同判決は確定した。
 原告らは,本件特許発明の明細書及び図面を訂正しようとして,本件訂正審判請
求(訂正2003-39272号)をしたが,特許庁は,平成16年3月9日,
「本件特許を無効とする旨の審決は確定し,本件訂正審判の対象である特許は初め
から存在しなかったものとみなされることとなったから,本件審判の請求は,対象
物を失った不適法な審判請求であって,その補正をすることができないものであ
る。」との理由により,本件審判請求を却下するとの審決(本件審決)をし,その
謄本は同月19日原告らに送達された。
第3 原告ら主張の審決取消事由
 平成13年(行ケ)第356号の東京高裁判決は,平成10年審判第35199
号事件についてした前記第2次審決のうち,(有)オプトピア大越の無効審判請求に
係る部分を取り消し,確定したのであるから,特許庁は特許法181条2項に基づ
き,さらに上記審判の審理をし,審決又は決定をしなければならない。
 にもかかわらず,上記審判事件において本件特許を無効とする旨の審決が確定し
たとして,本件訂正審判請求を却下した本件審決は違法である。
第4 当裁判所の判断
 甲第1号証(東京高裁平成13年(行ケ)第356号平成15年10月16日判
決正本)によれば,本件特許に関する無効審判請求である平成10年審判3519
9号については,平成11年7月7日に審判請求を成り立たないとした第1次審決
があり,これに対する取消訴訟(第1次取消訴訟)を提起したのは(有)オプトピア
大越を除く無効審判請求人であったことが認められ,(有)オプトピア大越は第1次
審決に対し,取消訴訟を提起しなかったから,第1次審決は(有)オプトピア大越の
関係では確定していたものである。
 ところが,第1次取消訴訟における平成12年10月23日の審決取消判決が確
定して再開された無効審判請求における第2次審決(平成13年6月28日付け)
には,再開後においては請求人ではなくなっていた(有)オプトピア大越が請求人と
して表示されていたため,第2次取消訴訟である東京高裁平成13年(行ケ)第3
56号事件の前記判決において,「特許庁が平成10年審判第35199号事件に
ついて平成13年6月28日にした審決のうち,被告有限会社オプトピア大越の無
効審判請求に係る部分を取り消す。」との主文が掲げられ,その上で「原告らのそ
の余の被告ら(無効審判請求人)に対する請求をいずれも棄却する。」との判決が
言い渡されたものであることが,甲第1号証によって認められる。
 以上の事実関係の下においては,第2次取消訴訟判決(甲第1号証)が説示して
いるように,既に確定している(有)オプトピア大越の無効審判請求の審理が再開さ
れるものではなく,第1次取消訴訟で原告となった者の無効審判請求のみが再開さ
れるべきであったのであり(判決10頁),第1次取消訴訟の審決取消判決確定に
基づいて,再開後の審判でされた「特許第2733538号の請求項1に係る発明
についての特許を無効とする。」とした第2次審決が,第2次取消訴訟である東京
高裁平成13年(行ケ)第356号審決取消請求訴訟事件における平成15年10
月16日言渡しの判決によって確定し,本件特許は初めから存在しなかったものと
みなされることとなったものである。この判決で,(有)オプトピア大越に関する審
決部分が取り消されているが,第1次審決のうち同社に関する部分に対する取消訴
訟が提起されずに確定している以上,同社の関係で審判が再開されるべき余地はな
い。
 結局,本件特許に関する前記無効審判事件においては,(有)オプトピア大越の関
係では第1次審決が,その余の無効審判請求人の関係では第2次審決がそれぞれ確
定したから,さらに審理を行い,審決しなければならないということはできない。
これに反する見解に基づいて本件審決の違法をいう原告らの主張は理由がない。
 よって,原告らの請求は棄却されるべきである。
  東京高等裁判所知的財産第4部
        裁判長裁判官塚  原  朋  一
           裁判官塩  月  秀  平
裁判官 髙  野  輝  久

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