弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2法務大臣は,控訴人に対し「日本人の配偶者等」の在留資格で在留期間を,
3年としてその在留を特別に許可せよ。
第2事案の概要
1本件は,退去強制令書の発付を受けたフィリピン国籍を有する外国人である
控訴人が,退去強制令書の発付後に在留を特別に許可すべきことを基礎付ける
事情が生じたと主張して,それを理由に,法務大臣が控訴人の本邦への在留を
特別に許可すべき旨を命ずることを求める義務付け訴訟である。
原判決は,本件訴えを不適法として却下したため,控訴人が控訴をした。
2事案の概要の詳細前提事実及び争点は原判決事実及び理由欄の第(),「」「
2事案の概要」1項及び2項に記載のとおりであるから,これを引用する。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,本件訴えは不適法として却下すべきものと判断する。その理由
は,原判決を次のとおり改めるほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第3
」,。争点に対する判断1項及び2項に記載のとおりであるからこれを引用する
(1)原判決6頁10行目の「前提として」の次に「本件裁決が適法である,
ことが前訴において確定している状態のまま,本件裁決の撤回の義務付けを
求めることなく」を加える。,
(2)同6頁12行目の「本件裁決の」の前に「しかしながら」を加える。,
(3)同6頁17行目の「したがって」の前で改行のうえ,同7頁4行目末,
尾までを次のとおり改める。
「そうすると,本件は,本件裁決が適法であることが前訴において確定し
ている状態で,法律上,本件裁決の撤回を義務付けられるのでなければ,
本件裁決と矛盾する処分がなし得ない法務大臣に対して,いきなり,在留
特別許可をすることの義務付けを求めるものであり,当該行政庁が適法に
当該行政処分を行うための前提要件が欠けた状態のままにその義務付けを
,,求めるものであって訴えとしての適法要件を欠くものといわざるを得ず
その余の点について判断するまでもなく,却下を免れない」。
2なお,念のため付言するに,控訴人の主張する事実は,いずれも本件裁決前
から存在した事実あるいはこれと同視し得る事実であり,本件裁決の撤回の義
務付けを求める後発的事情とはなり得ない。その理由は,原判決7頁9行目冒
頭から同8頁8行目末尾までに記載のとおりであるから,これを引用する(た
だし,原判決7頁15行目冒頭から同16行目末尾までを削除する。。)
3以上によれば,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄
却する。
東京高等裁判所第5民事部
裁判長裁判官小林克已
裁判官綿引万里子
裁判官中村愼

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