弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人藤井英男の上告理由第一点について。
 所論一〇〇七番の一の宅地四四坪三勺と、一〇一〇番の一一の宅地六六坪五合八
勺とは、ともに実在する別個の土地であることは、記録上もこれを窺い知ることが
できる。
 しかし、被上告人が本訴において明渡しを求むる建物(家屋番号四八五番)は、
一審、二審を通じて全然同じであり、一審において移転登記を請求し、二審におい
てこれが履行不能による損害賠償の請求に変更した宅地も、右建物の敷地であるこ
とは、一、二審を通じて変るものでないことは、弁論の全趣旨に徴し明らかである。
 ただ、被上告人は、一審当時、本件建物の敷地を誤つて一〇〇七番の一と表示し、
原審においてその誤りに気がつき、これを一〇一〇番の一一と訂正したに過ぎない
のであつて、訴訟の対象たる土地そのものを変更したものとは認められないから、
原審が「右は単に目的物件の表示上の訂正に過ぎない」と判示したのは相当である。
 さすれば、請求原因にはなんら変更がないのであるから、民訴二三二条にいう請
求の基礎に変更がないことは論ずるまでもないところであり、原判決が「請求の基
礎には変更がない」と判示しているのは、余分なことをいつたとの非難があつても、
これを誤まりということはできない。
 それ故、民訴二三二条違背の所論は採るを得ない。
 同第二点の一について。
 しかし、原判示の所論「F支店長として昭和二三年一一月一日任命された控訴人
が同支店の用にあてるために購入、建築したものである」旨の認定は、必ずしも右
購入、建築が昭和二三年一一月一日以後であることを意味するものとは解されない
から、「控訴人が昭和二三年一〇月頃本件土地を訴外Dから買い受け、その地上に
本件建物を建築し云々」なる判示と、必ずしも矛盾するものではない。
 それゆえ、原判決に所論理由そごの違法があるとは認められない。
 同第二点の二ないし六について。
 しかし所論の点に関する原審の事実認定は、挙示の証拠関係に照らし首肯できな
くはない(論旨三の甲七、九、一〇号証は原判決の事実認定に直接関係のないもの
であつても、これを掲げたのは、単に無用の証拠を掲げたというに過ぎないのであ
つて、挙示の他の証拠によつて所論事実が認定し得るかぎり、破棄の理由とするに
足らない。また甲二一号証、同二四号証は、支店の経費を被上告会社で負担してい
たという意味において、必ずしも原審認定と無関係なものと断ずることはできない)。
 論旨はひつきよう原審の適法にした証拠の取捨判断及び事実認定の非難に帰する
から採るを得ない。
 同第二点の七、八について。
 しかし、所論信託契約の成立に関する原審の認定は、挙示の証拠に照らし首肯し
得なくはない。その間経験則の違反があるとも認められないから、論旨は採るを得
ない。
 同第二点の九及び一一について。
 しかし、所論の点に関する原判決の趣旨は、所論乙一二号証の一、二は、上告人
側が一方的に作成したものであつて、所論相殺の抗弁を確認する証拠とはなし難い
とした趣旨と解されなくはないから、所論経験則の違背があるとは認められない。
 論旨もまた結局原審がその裁量権の範囲において適法にした証拠の取捨判断及び
事実認定を争うに帰するから採るを得ない。
 同第二点の一〇について。
 しかし、所論は、原審で主張なく判断も経ていない事項に関するものであるから
適法の上告理由に当らない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    高   木   常   七
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    斎   藤   朔   郎

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