弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を懲役四月に処する。
     原審における未決勾留日数中参拾日を、右本刑に算入する。
     原審及び当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。
         理    由
 福島地方検察庁検察官三浦節三の控訴趣意及びこれに対する弁護人篠塚宏の答弁
は、それぞれその提出の控訴趣意書及び答弁書記載のとおりであるから、これを引
用する。以下これについて判断する。
 同控訴趣意第一点について。
 <要旨>刑法第五十四条第一項の観念的競合犯において、その最も重い罪につき定
めた刑を以て処断する場合の刑は、同法条の精神上、他の軽い罪につき定め
た刑の最下限より以下にこれを下すことを得ないものと解するを相当とする。
 即ち、刑法第五十四条第一項にその最も重い刑を以て所断すと規定しているの
は、数個の罪名中最も重い刑を規定した法条を適用処断するの謂ではあるが、その
故を以て、直ちに、該法条を適用処断する場合の刑が、同法条の所定刑内である限
り、いかなる刑種、刑期、又は金額を選定するも自由であるとは解し難い。観念的
競合犯は数個の罪が包括的にその最も重い罪の刑を以て処断されるというだけのこ
とであつて、軽い罪が重い罪に吸収されて独立性を失うというのではないから、最
も重い刑を規定した法条を適用処断する場合の刑は、他の軽い罪につき定めた刑の
最下限により制約せられるものと解するのが相当であつて、刑法第五十四条第一項
がその最も重い刑を以て処断すべきものとする法の精神もこごに存するものといわ
ねばならない。(改正刑法仮案第七十九条参照)
 本件の刑法第九十五条の公務執行妨害罪と同法第二百四条の傷害罪との観念的競
合犯においては、その比較対照上、傷害罪の刑を重しとするけれども、その罪につ
き選択刑として定められている罰金以下の刑は、軽い罪たる公務執行妨害罪につき
定められている刑の最下限たる三年以下の禁錮の刑よりも更に軽いものであゐか
ら、重い傷害罪につき定められた刑を以て処断する場合の刑は、同罪の所定刑中罰
金以下の刑を選択することが許されず、常に、同罪所定の懲役刑の範囲内において
処断しなければならないものというべきである。
 されば、右の場合において罰金刑を選択処断した原判決は、判決に影響を及ぼす
ことが明かな法律の解釈適用を誤つた違法があり、破棄を免れない。
 論旨は理由がある。
 しかして、原判決は右の公務執行妨害及び傷害の罪と他の傷害の罪とを併合罪と
して一箇の刑を科しているのであるから、全部これを破棄すべきものである。
 同第二点について。
 仮に、原審の如く、観念的競合犯において重い罪につき定めた刑を以て処断する
場合の刑は何等の制約をさけないとの解釈をとつても、本件において記録を精査
し、そこに現れた一切の事情を考慮し特に所論の点に鑑みるときは、原判決が被告
人に対し罰金刑を選択処断したのは、その量刑が相当であるとは認められない。原
判決はこの意味においても破棄を免れない。
 仮定論に立つこの論旨も理由がある。
 そこで、刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十条第三百八十一条第四百条但書に
より、原判決を破棄して自判する。
 原判決の確定した事実に法律を適用すると、被告人の原判示所為中、公務執行妨
害の点は刑法第九十五条第一項に、各傷害の点は同法第二百四条罰金等臨時措置法
第二条第三条に該当するところ、原判示第一の公務執行妨害と傷害とは一個の行為
で二個の罪名に触れる場合であるから、刑法第五十四条第一項前段第十条により、
重い傷害の罪の刑に従い、所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は同法第四十五
条前段の併合罪であるから、同法第四十七条第十条により、犯情の重いと認めるA
に対する傷害の罪の懲役刑に併合罪の加重をなし、その刑期範囲内で、被告人を懲
役四月に処し、同法第二十一条により、原審における未決勾留日数中三十日を右本
刑に算入すべく、原審及び当審における訴訟費用の負担につき刑事訴訟法第百八十
一条第一項を適用する。
 よつて、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 村木達夫 裁判官 檀崎喜作 裁判官 細野幸雄)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛