弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
特許庁が昭和五六年二月二四日、昭和五三年審判第七九七二号事件についてした審
決を取消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
       事   実
第一 当事者の求めた裁判
1 原告
主文同旨の判決
2 被告
「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決
第二 請求の原因
1 特許庁における手続の経緯
 原告は、昭和四九年四月九日、名称を「高精度割出し方法及び装置」とする発明
(以下「本願発明」という。)につき特許出願(昭和四九年特許願第三九五七二
号)をしたが、昭和五三年一月二七日拒絶査定を受けた。そこで、原告は、同年五
月三一日審判を請求し、昭和五三年審判第七九七二号事件として審理され、同年六
月二二日手続補正書により特許請求の範囲の記載を補正したが、昭和五六年二月二
四日、「本件審判の請求は成り立たない。」との審決があり、その謄本は同年三月
一八日原告に送達された。
 なお、原告のための出訴期間として三か月が付加された。
2 本願発明の要旨
(1) シート材(12)上に作動する器械(18)を一方向にテーブル(16)
を横切つて移動せしめるための担体(26)を具えるテーブル(16)の仕持表面
上に、シート材(12)の条片を正確に割出すに際し、シート材(12)を担体
(26)に設けたシート材(12)に掛合しうる継手(60、90、130、14
8、160)により担体(26)に結合し、担体(26)及びこれに結合されたシ
ート材(12)を一体に移動して仕事表面上にシート材条片の新らしい部分を正確
に位置させることを特徴とする割出し方法。
(2) テーブル(16)の支持表面上に拡げて支持されたシート材(12)の異
なる区域に仕事を行う器械(18)を正確に位置決めするため前記器械(18)の
担体(26)が前記支持表面に対し平行にかつ固定位置にあるシート材に対し相対
的にテーブル(16)上に一方向に前後に移動されるよう構成してなる自動制御器
械装置(10)において、支持表面上のシート材(12)に掛合しうる継手(6
0、90、130、148、160)を担体(26)に取付け、これによりシート
材を担体とともに前記一方向に移動してテーブルに対し相対的に正確に位置決めし
うるよう構成してなることを特徴とする割出し装置。
(別紙図面(一)参照)。
3 審決の理由の要旨
(一) 本願発明の要旨は前項記載のとおりである。
(二) そこで、本願発明の第一番目の発明(以下「第一発明」という。)につい
て検討すると、第一発明における「担体に設けたシート材に掛合しうる継手」なる
記載は、継手の存在と継手の設けられている場所を明確化したものであると認めら
れる。しかし、前記記載は、装置の発明においては、重要な意義を有する構成要件
であるとしても、方法のプロセスのみを記載する方法の発明においては、何ら意義
を有しない。したがつて、第一発明は、方法の発明として、実質的には「シート材
上に作動する器械を一方向にテーブルを横切つて移動せしめるための担体を具える
装置において、担体の移動に伴なつてシート材を移動させてテーブル上にシート材
の新らしい条片部分を正確に位置させる割出方法」に該当していると認められる。
 これに対し、本件出願の日前の実用新案登録出願であつて本件出願後に出願公開
がされた実願昭四七ー二一〇八号(実開昭四八ー八〇一九二号公報参照)の願書に
最初に添附した明細書又は図面(以下、「引用例」という。)には、帯鉄上に作動
する画線ヘツド部を一方向に機体を横切つて移動せしめるためのYレールを具える
装置において、Yレールの移動に伴なつてシート材を移動させて機体上にシート材
の新らしい条片部分を正確に位置させる割出方法についての技術的思想が記載され
ている。
(別紙図面(二)参照)。
 そこで、第一発明と引用例に記載された技術的思想を比較すると、両者は、次の
①②の点を除いては「割出方法」として同一であると認める。
 なお、第一発明のテーブル及び担体に対応するものとして、引用例では機体及び
Yレールなる語が用いられているが、それらは、単なる名称の相違にすぎないの
で、ここでは相違点として取上げない。
① 第一発明が割出対象物をシート材としているのに対し引用例は帯鉄としている

② 第一発明は器械なる用語を用いて、作業内容を特定していないのに対し、引用
例は画線ヘツドなる用語を用いて、作業内容を作画している点
 そこで、前記相違点①について検討すると、引用例の割出対象物である帯鉄は磁
性体のシート状物であるのに対し、第一発明における割出対象物であるシート材
は、材質を指定しないシート状物である点で相違するが、割出方法についての技術
的思想という観点から対比すれば、その相違は別異の技術的思想を構成するもので
はないと認められる。つまり、第一発明のように表現された方法の発明において
は、強磁性体、非磁性体等の材質の相違は何ら意味を有しない。
 次に、前記相違点②について検討すると、作業内容に相違があるとしても、それ
らの作業内容の相違は、割出方法についての技術的思想のプロセスには全く関係の
ない無意味な事項であり、両技術的思想を実質的に別異のものとするものではな
い。
 以上の検討より総合して勘案すると、第一発明と引用例とは実質的に同一であ
る。したがつて、第一発明は、引用例に記載されたものと同一であると認められ、
しかも、本件出願の発明者が引用例のものを考案した者と同一であるとも、また本
件出願の時において、その出願人が引用例の出願人と同一であるとも認められない
ので、特許法第二九条の二の規定により特許を受けることができない。
 ところで、本件出願には、特許を受けることができない第一発明が含まれている
以上、本件出願の特許請求の範囲第二番目の発明についてさらに判断するまでもな
く、本件出願は、特許法第四九条の規定により拒絶すべきものと認める。
4 審決の取消事由
 審決は、第一発明の要旨の認定を誤り、かつ第一発明と引用例との対比において
相違点を看過したものであつて、違法であるから取消されるべきである。
(一) 第一発明の要旨認定の誤り
(1) 方法の発明にあつて、発明方法を如何なる手段で達成するかを特定するた
めに、物的要素を記載しなければ、その発明方法を特定できない場合は少なくな
い。
第一発明では継手を用いて担体とシート材を直接結合することを特定してはじめ
て、張り、ゆるみ、遊びなどを原因として駆動装置によりもたらされる誤差が全く
なく、位置決めが可能となる方法が特定されるのである。
(2) 第一発明の特許請求の範囲中に「担体(26)及びこれに結合されたシー
ト材(12)を一体に移動して仕事表面上にシート材条片の新らしい部分を正確に
位置させる」との要件が記載されている。
 「一体に」移動するとは、その全体の各部分間に全く相対的な移動や変位なくし
て移動することを意味する。したがつて、「担体及びこれに結合されたシート材を
一体に移動して」とは、担体とシート材の間に一切の相対的な移動や変位が存在せ
ず移動することを意味するものである。右目的のため、第一発明では担体とシート
材を直接に結合する方法によつてそれらの一体性を保ち、それによりあらゆる位置
決め誤差を除去しているのである。
 このことは特許請求の範囲中の「継手」の記載により明らかであり、この継手が
担体とシート材間の相対的変位を完全に除去するためこれらを直接に結合するもの
である。この一体化の結合方法の特定により、担体とシート材を「一体に」移動す
るとの特許請求の範囲中の記載は、担体とシート材を直接に結合する「継手」によ
り担体とシート材を直接に結合し、相対的移動なくして移動するものであるという
解釈以外の解釈の可能性は全くない。継手による直接結合を採用する第一発明は、
取りも直さず、引用例に示されたようなベルト、ベルトプーリー、クラツチその他
の部材を介しての間接的な結合方法により惹起されるすべての位置決め誤差を完全
に除去しようとするものにほかならない。
(3) この「継手」の記載は、昭和五三年六月二二日付の手続補正書をもつて従
前の特許請求の範囲の記載に付加されたものであつて、この補正により第一発明に
おける担体とシート材の結合方法は明確に定義され、第一発明における「一体」の
意味に解釈の誤りをもたらす余地は全くなくなつたのである。
 しかるに審決は、第一発明の要旨の認定にあたり、
① シート材を「担体に設けたシート材に掛合しうる継手により担体に結合するこ
と」。
② 担体及びこれに結合されたシート材を「一体に移動」して仕持表面上にシート
材条片の新らしい部分を位置させること。
が第一発明の必須の構成要件であるのに、これを除外し、第一発明は実質的には
「シート材上に作動する器械を一方向にテーブルを横切つて移動せしめるための担
体を具える装置において、担体の移動に伴なつてシート材を移動させてテーブル上
にシート材の新らしい条片部分を正確に位置させる割出方法」に該当するとし、①
②の要件について記載のない引用例と同一であると誤つて判断したものである。
(二) 第一発明と引用例との対比における移動機構上の相違点の看過
(1) 引用例は、「長尺部材用目盛作画機」であつて、長尺部材である帯鉄18
に作画をする画線ヘツド部15を担持するYレール12が長手方向に機体1に対し
移動するにつれてある程度長尺部材である帯鉄18も機体1に対し移動しうるよう
な機構が示されている。
 しかし、右画線ヘツド部15と帯鉄18の機体1に対する位置決めは、ベルト1
0、シヤフト5、ベルトプーリー8、電磁クラツチ6、シヤフト7、ベルトプーリ
ー9、ベルト11を介して行われる方法であり、したがつて、そこに多大の誤差を
生じうるので、第一発明の目的である正確な位置決めを達成しえない。
即ち、
① 帯鉄18の位置決め誤差
 サーボモーター4の回転に伴いベルトプーリー8が駆動される場合、ベルトプー
リー8とベルト10の滑り、あるいはベルト10のゆるみ、張りにより、プーリー
の回転は正確にはベルトに伝達することが困難であり、帯鉄18の位置決め誤差を
招く。
② 画線ヘツド部位置決め誤差
 一方サーボモーター4の駆動に正確に対応して移動すべき画線ヘツド部15もま
た、駆動連結部材である電磁クラツチ6の構造からくる遊び、及びベルト11とベ
ルトプーリー9との滑り、ベルト11のゆるみ、張り等の原因で、正確に位置決め
されることは困難である。
 これらの誤差は、それぞれ重畳的に生じ、累積的に誤差が拡大する。
第一発明の目的のように正確に位置決めを要求される場合、引用例に示される位置
決め方法では、その目的を到底達することはできない。
(2) 仮に移動の結果において、引用例の画線ヘツド部担体と帯鉄との間に相対
的な移動がない場合があるとしても、それは画線ヘツド部担体と帯鉄とが「一体」
に移動せしめられたためではなく、クラツチやベルトやプーリーが極度に良質の材
料を使用し、高度に精密な加工技術を駆使して製作されているために、間接的結合
による複数の誤差が事実上それぞれゼロであつたか、または打消しあつて偶然の結
果としてゼロになつたかのいずれかであるに過ぎない。そして、良質の材料と高度
の精密加工とが装置全体の製造原価高騰の原因となることはいうまでもない。
(3) これに対し、第一発明においては、引用例におけるYレール12と帯鉄1
8を直接結合するような継手が採用されたために、引用例明細書に示されたA←→
D方向での誤差の可能性、及びB←→C方向での誤差の可能性は、一切消去され
る。
 第一発明は、その必須の構成要件の一つである「継手」を用いる方法により、あ
らゆる位置決め誤差を取り除くものである。このため、例えば六メートル以上の長
尺部材にも連続した画線が描けるのである。
第三 被告の答弁及び主張
1 請求の原因1ないし3の事実は認める。
2 同4の審決取消事由の主張は争う。
審決の判断は、正当であつて、何ら違法の点はない。
(一)(1) 従来技術における問題点に関連した本願発明の技術課題とその解決
策は、本願発明の明細書第五頁第三行ないし第一九行及び同頁第二〇行ないし第六
頁第六行の記載により明らかである。
 従来は、静止長尺物に対する短尺テーブルでの作業において、長尺物の長手方向
に連続して作業を行うべくテーブル長の長尺物移動をするに際し作業点の連続性を
確保するために精密な送り割出し手段が必要であつた。
 本願発明は、長尺物の移動を作業体との連結により行うことにより、従来のよう
な精密な送り割出し手段を不要にしたものであつて、長尺物と作業体との連結移動
を前提の従来技術としたものでは決してないのである。
しかも、本件出願は敢て方法の発明とその方法の発明のための装置の発明との併合
出願としている。
(2) 運動体間で単に継手ということは、運動伝達手段の一態様に過ぎず、必ず
しも完全に一ブロツクに固定するものという狭い意味のものとは限らない。例えば
軸継手でも流体継手、リンク継手のような複数の部材の運動により動力を伝達する
機構も含むものである。
 この要件は、詰るところ「一体に移動して」ということの重複に過ぎない。
(3) 第一発明の「一体に移動して」ということは、二つのものが何らかの手段
を介在させて相対的に変位することなく移動することである。そして、その「一体
に移動して」という要件は、そのための介在手段の構成には無関係のことである。
 引用例の場合は、帯鉄18とYレール12とが電磁石、ベルト・プーリ機構を介
して、相対的に変位することなく移動する。
 なお、引用例の電極クラツチは、第一発明に無関係の機能を引用例のものが兼備
えるために存在しているのであつて、第一発明との比較における技術的思想として
は軸5と軸7とは一本の軸と考えるべきである。
(二) 引用例の場合も、その技術課題の解決策として、第一発明と同様に決して
帯鉄とYレールとの相対的変位を許すものでないことは明らかである。即ち、理論
的には相対的変位が零であることを建前としている。
 しかし、仮に実際の装置で、引用例のもののような場合に滑りなどの誤差を考慮
するというのであれば、これは引用例のものに限らず本願発明の実施例(別紙図面
(一)FIG4、FIG6等)でも滑りが絶無とはいい難い。このような滑りなど
による誤差は、実際の装置の上での程度問題であり、連続した加工の接続を正確に
行うという技術課題を解決する「一体に移動する」という技術的思想として、第一
発明と引用例のものとを比較する場合には、格別の問題とはならない。
第四 証拠関係(省略)
       理   由
1 請求の原因1ないし3の事実は、当事者間に争いがない。
2 そこで審決取消事由の存否について判断する。
(一) 第一発明の要旨認定の誤りについて
(1) 成立に争いのない甲第一号証の一・二、第二号証によれば、本願発明は、
従来の自動制御器械装置に既設の正確な駆動装置を利用しうる高精度の割出し方法
及び装置を提供しようとするものであつて(本願明細書第六頁第七行ないし第一〇
行)、「従来既知の装置においては、トルクモータ54、56に割出し指令を送
り、これらのモータにより紙の条片の一方の部分におけるプロツト作業を完了した
際にシート材をX方向に移動させるよう構成している。しかし、シート材を正確に
変位させるためにはトルクモータ及び関連する駆動制御装置として極めて精度の高
いものを用いることが必要になり、この結果描画テーブル全体としての費用が相当
高くなる欠点があつた」(本願明細書第一〇頁第一六行ないし第一一頁第四行)
が、本願発明によれば、「紙条片を割出し移動することを希望する場合には、継手
機構60、62によつてX担体26をベツド上の紙条片部分に掛合させた後、担体
をテーブルの一部又は全長に沿つてX方向に移動して巻枠50、52の一方から新
しい紙条片をテーブル上に引出すとともにデータがプロツトされた紙条片部分を他
方の巻枠上に巻取る。X担体26は描画ペンその他の器械を正しく位置決めするた
めに好適な正しい駆動が行われているから、描画用紙12の条片の割出しにX担体
26の正確な駆動を利用し、描画ペンの位置決めと同じ精度で紙条片を変位させる
ことができる」(本願明細書第一一頁第一〇行ないし第一二頁第一行)ものであつ
て、第一発明においては、シート材(紙条片)の正確な位置決めのため継手によつ
て担体とシート材とを直接結合する方法を用いているものと認められる。
 ところで、第一発明の特許請求の範囲中の「シート材(12)を担体(26)に
設けたシート材(12)に掛合しうる継手(60、90、130、148、16
0)により担体(26)に結合し」との記載は、シート材が担体に結合されるのに
当つて、継手がどのような役割をしているのかを明確にしていないが、前記明細書
の記載により明らかにされた第一発明における継手の機能に徴すれば、「シート材
を担体に設けたシート材に掛合しうる継手により(継手に掛合し、それによりシー
ト材を)担体に結合し」の意味であり、換言すれば、「担体(26)に設けた継手
(60、90、130、148、160)にシート材(12)を掛合し、それによ
つてシート材(12)を担体(26)に直接結合し」となるものと認められる。
 そうであれば、「継手」に関する記載は、方法の発明である第一発明の必須の構
成要件をなす記載として重要であつて、「担体に設けたシート材に掛合しうる継
手」との記載は、方法の発明において何ら意義を有しないとした審決の認定は誤り
といわなければならない。
 被告は、本願発明は、長尺物の移動を作業体との連結により行うことにより、従
来のような精密な送り割出し手段を不要にしたものであつて、長尺物と作業体との
連結移動を前提の従来技術としたものでなく、かつ本件出願が方法の発明と装置の
発明との併合出願であることを理由に「継手」に関する記載は、第一発明の格別な
要件と考えられない旨主張するが、方法の発明として必須の構成要件であるかどう
かは、その発明自体から理解すべきであつて、「継手」を第一発明における必須の
構成要件と理解すべきことは前述のとおりであり、併合出願における方法の発明に
関連する装置の発明によつて方法の発明の認定解釈が左右されるものとすることは
できない。
(2) また、第一発明の特許請求の範囲中の「担体(26)及びこれに結合され
たシート材(12)を一体に移動して」との記載は、その記載自体から、担体26
とこれに結合されたシート材12とが一体となつて、相対的に変位することなく移
動することを意味するものであることが明らかであつて、ことさら「担体の移動に
伴なつてシート材を移動させて」と読み替えなければならないいわれはない。
 しかるに審決が実質的に第一発明の要旨を認定するとして「担体の移動に伴なつ
てシート材を移動させて」と読み替えて第一発明の要旨を認定したことは誤りとい
わなければならない。
(3) したがつて、第一発明の要旨は、実質的にも、その特許請求の範囲に記載
されたとおりのものとして認定すべきである。
(二) 第一発明と引用例との対比における移動機構上の相違点の看過について
 前掲甲第一号証の一・二、第二号証及び成立に争いのない甲第四号証によれば、
本願発明と引用例記載のものとは、いずれも、連続した加工の接続を正確に行うと
いう技術的課題を解決するものである点において同一であるが、前述のとおり方法
の発明としての第一発明は、「継手」に関する構成と「担体及びこれに結合された
シート材を一体に移動して」との構成を必須の構成要件とするものであるのに対
し、引用例記載のものは、長尺状部材(帯鉄18)を伝動部材(ベルト10)に設
けた電磁石の吸着力によつて伝動部材(ベルト10)と連動させていて(引用例明
細書第五頁第一一行ないし第一三行)、画線ヘツド部15を担持するYレール12
に連動させるものではなく、長尺状部材(帯鉄18)とYレール12とは、共にモ
ータ4に連繋する一対の並設された伝動部材(ベルト10、11)、軸等を介して
結合しているものであることが認められ、両者はその構成を異にすることが明らか
である。
 そして、前掲甲第一号証の一・二、第二号証及び甲第四号証によれば、第一発明
は、継手により担体とシート材を直接結合することにより、滑り、張り、ゆるみ、
遊びなどを原因として駆動、伝動装置によりもたらされる誤差をなくすことができ
るのに対し、引用例記載のものは右認定のとおり、いわば間接結合の構成を有する
ことから、原告主張のような帯鉄18及び画線ヘツド部15の位置決め誤差を生じ
易いものと認められ、結局引用例記載のものは第一発明における前示必須の構成要
件を開示しているものということはできないから、その点で第一発明と引用例記載
のものは相違しているといわなければならず、これを実質的に同一であるとした審
決の判断は誤りであること明らかである。
(三) したがつて、審決は、前記(一)で述べたとおり第一発明の要旨に関する
認定を誤り、第一発明必須の構成要件を看過した結果、前記(二)で述べたとおり
第一発明と引用例記載のものとは実質的に同一であると誤つて判断したものであつ
て、違法であるから取消さなければならない。
3 よつて、本件審決の取消を求める原告の本訴請求は正当としてこれを認容し、
訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条の各規定を適用
して主文のとおり判決する。
(裁判官 舟本信光 竹田稔 水野武)
別紙図面(一)、(二)(省略)

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