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裁判例


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○ 主文
一 原判決中、控訴人の本件埋立免許処分取消請求に関する部分(主文第一項)を
取消す。
二 控訴人の右本件埋立免許処分取消請求の訴を却下する。
三 控訴人らの主位的控訴及びその余の予備的控訴を棄却する。
四 訴訟の総費用は控訴人らの負担とする。
○ 事実
第一 申立
(控訴人ら)
一 主位的申立
原判決を取消す。
本件を札幌地方裁判所に差戻す。
との判決を求める。
二 予備的申立
1 原判決を取消す。
2 被控訴人が、昭和四八年六月二五日、参加人に対し、港湾二九号指令をもつて
した伊達市<地名略>、<地名略>及び<地名略>並びに国有鉄道用地の地先海面
三万三七九五・九〇平方メートル(被控訴人の昭和五〇年五月一四日付変更許可に
より二万二〇九二・四二平方メートルに縮小)の公有水面(以下本件公有水面又は
本件埋立地という)埋立(以下本件埋立という)免許処分(以下本件埋立免許処分
という)を取消す。
3 被控訴人が、昭和五〇年一二月一八日参加人に対してした右公有水面埋立工事
竣功認可処分(以下本件竣功認可処分という)を取消す。
4 訴訟費用は第一、第二審とも被控訴人の負担とする。
との判決を求める。
(被控訴人)
本件控訴をいずれも棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
との判決を求める。
第二 主張
当事者及び参加人の主張は、次のとおり附加、補足するほかは原判決事実摘示のと
おりであるから、これを引用する。
(控訴人ら)
一 主位的申立に関する主張
1 原審の判決の手続には口頭弁論を終結しないで判決をした違法がある。
(一) 原審第一三回口頭弁論調書の「弁論の要領」欄には、原・被告、参加人の
各書面陳述および証拠関係別紙のとおりとの趣旨の記載のあとに、裁判長「弁論を
終結する」と記載されている。
(二) しかし、昭和五一年二月二四日の右口頭弁論期日において、控訴人Aの尋
問が終つた段階で、控訴人Bが裁判所に対して、証拠申出に対する取扱い及び訴訟
の進行についてただしたのに対し、原審C裁判長は双方代理人の意見を聴いたうえ
で慎重に検討をするむね約束した。
しかるに、同日午後四時頃休憩の後、右裁判長は法廷に入るやいきなり「裁判所は
慎重に検討した結果、これをもつて弁論を終結します。」と述べた。これに対し、
前記控訴人Bが異議を述べようとすると、同裁判長は「これからその理由について
述べます。」といつて理由を述べかけたが、法廷内は若干混乱したため、裁判官は
全員退廷した。
その後、午後四時四〇分頃になつて、再度全裁判官が入廷し、右裁判長は「改め
て・・・当庁昭和四八年(行ウ)第八号公有水面埋立免許処分取消請求事件につい
て・・・」と述べはじめ、黙示的に弁論の終結宣言を取消して、訴訟進行について
裁判所のとろうとすることにつき、予め用意をしていた書面の朗読をはじめた。
右朗読の途中において、控訴代理人弁護士入江五郎は裁判官全員に対し忌避の申立
をした。しかるに右裁判長はそのまま朗読を続けたうえ退廷した。右事実経過から
明らかなとおり、控訴代理人は右第一三回口答弁論期日の終了前に裁判官全員の忌
避申立をしたものである。
(三) 口頭弁論期日において、裁判官忌避の申立があつたときは、その申立につ
いての裁判確定に至るまで、訴訟手続を直ちに停止することを要するから、法律
上、その期日での弁論終結はありえず、原審第一三回口頭弁論調書の記載は誤りで
ある。
(四) 控訴代理人は、原判決宣告前である昭和五一年七月一九日、原裁判所に対
し右の理由を述べて口頭弁論調書の記載に対する異議申立をするとともに、口頭弁
論期日指定の申立をしたが、原裁判所はこれを無視して判決を強行した。
2 原裁判所の偏頗な訴訟指揮による審理不尽
原裁判所の訴訟指揮、証拠の採否は著しく不公平であつた。
原裁判所は、控訴人申請の人証一三名(証人五名、控訴本人六名、被控訴人代表者
一名、参加人代表者一名)の内、証人一名(双方申請)と控訴本人二名しか調べ
ず、また検証、鑑定も採用せず、不採用の決定およびその理由さえ明らかにしなか
つた。しかも、採用された控訴人Aについては、尋問事項を「漁業権放棄に至る経
緯」に限定するなど、控訴人側の立証を不当に制限した。他方、被控訴人申請の証
人で調べられたのは三名であるが、その内二名は、形式的な書証の成立のみを立証
する証人で、その尋問において原裁判所は、控訴人側がその文書成立の事情や文書
の内容について、反対尋問することさえ許さなかつた。それは行政庁や企業が作成
した文書なら、そのままう呑みにする姿勢である。
原裁判所は、右のような不当な立証制限をしておきながら、漁業被害等について判
決理由で立証がない旨判示しているのであつて、審理不尽である。
3 よつて、原判決を取消し、これを札幌地方裁判所へ差戻すとの判決を求める。
二 予備的申立に関する主張
本件埋立免許処分は、次のとおりの違法事由があるから取消されるべきである(原
判決請求原因三の補充)。
1 公益性の原則及び環境保全について
(一) 本件埋立免許処分は、公益性の原則及び環境保全配慮義務に違背した違法
がある。
(1) 昭和四八年法律第八四号による改正前の公有水面埋立法(以下旧埋立法と
いい、右改正後のものを新埋立法という。
また右改正により差異が生じない場合は新、旧を付さない)による埋立免許の要件
は、(1)旧埋立法二条の適法な免許出願、(2)同法三条の地元市町村会の意見
聴取、(3)同法四条各号の免許しない場合に当らないことの三つであつたが、新
埋立法では、ほかに埋立に関する書面等の公衆への縦覧、利害関係人の意見書提出
権を認め(新埋立法三条)、更に埋立免許出願が国土利用上適正合理的であること
(同新法四条一項一号)、埋立が環境保全等に十分配慮されたものであること(同
項二号)などの免許基準を定めている。
本件埋立免許は、旧埋立法が適用される場合であるが、新埋立法四条一項一号の公
益条項、同二号の環境条項は、新埋立法によつて新たに創設された基準というよ
り、旧埋立法においても知事が埋立免許をするに当つて当然依拠すべき基準を確認
的に規定したに過ぎないもので、旧埋立法当時でも右新埋立法同条同項同号と同趣
旨の法規範が存在していたものと解される。けだし、公有水面埋立免許は、国の所
有(いわば、国民全体の共有)に属する公共の水面の一部を埋立て、これを一私人
の所有地にする効果をもつ処分であつて、本来、国土利用上適正かつ合理的という
公益性の原則が満たされなければ許されない性質の処分だからであり、また、公有
水面の埋立は、その性質上、埋立水面及び周辺の自然環境に重大な影響を及ぼす行
為であるところ、知事は地方公共団体の長として、自然環境を適正に保全し、公害
を防止し、住民の安全、健康を保護する責務を有するから(自然環境保全法一条、
二条、九条、公害対策基本法一条、五条、地方自治法二条三項一号)、埋立免許に
当り環境保全に配慮すべきは、法律上当然の義務というべきだからである。しかる
に、本件埋立免許処分は、次に述べるとおり右規範に違背した違法がある。
(2) 公益性の原則違反
この事実については、原判決請求原因三5の主張を援用するが、付言するに、電気
事業イコール公益性があるとの被控訴人の見解は一面的であり、具体的な電源立地
の公益性の判断にあつては、その電源立地のマイナス面(環境破壊、公害被害)も
総合して結論を出さなければならない。
伊達火力発電所(伊達火発)は、温排水等による漁業被害のほか、排煙による大親
模な大気汚染(排出ガス量は毎時約二〇八万立方メートル、いおう酸化物の量は毎
時六八四立方メートルである)、ひいては住民に健康被害や各種財産被害を与える
おそれのあるものである。電源立地の住民に及ぼす悪影響ないし各種被害の有無程
度の検討を抜きにして、公益性を論ずるのは片手落ちである。
また、有珠漁業協同組合(有珠漁協)が、本件埋立免許処分後に、参加人との間に
伊達火発の建設に同意し、参加人から漁業振興資金の支払いを受ける等を内容とす
る協定を結んだとしても、本件免許の適否は、免許当時の事実及び法律に基づいて
判定されるべきであり、右のような免許後の事情を考慮することは許されない。有
珠漁協の同意の点を問題にするのであれば、むしろ本件免許当時まで参加人が有珠
漁協の埋立同意をえることができなかつた事実こそ重視しなければならない。有珠
漁協が昭和四九年六月、伊達火発の建設及び本件埋立に同意したのは、埋立工事が
強行され、ほとんど完成したという既成事実の前にやむなく態度を変え、埋立工事
等によつて現に被つた漁業被害の賠償を得る目的及び将来予測される損害の賠償確
保の目的であつたと認められ、これは公益性判断の事情にとり上げるべきものでは
ない。
(3) 環境権の侵害
控訴人らの環境権侵害の主張は、要するに、知事の環境保全配慮義務違反をいうも
のであるところ、本件埋立により漁業環境、自然環境の悪化していることは原判決
請求原因2及び4で詳述したところであるが、そのような環境悪化は、知事が本件
埋立免許処分に際し、環境保全につき事前調査をなさず又は調査不十分のまま免許
処分を行つたことによるものであつて、右調査不十分は新埋立法四条一項二号の趣
旨に反した違法なものである(原判決請求原因三3、4の補充)。
(1) 本件公有水面の埋立は参加人が火力発電所建設の一環として、取水口外か
く施設を築造するためになされるものであるから、事前に、埋立てによる影響はも
ちろん埋立願書の必要的記載事項であり免許審査の対象である埋立地の用途(新埋
立法二条二項三号。旧埋立法下でも同様の取扱い)すなわち火力発電所建設による
影響についても十分な調査をすべきである。そして、事前調査の内容は、埋立工事
の方法、埋立工事中の海水汚濁の防止対策、埋立による海岸地形海流の変化及びそ
れが漁業に与える影響等であり、特に、漁業についてみれば、少なくとも次のよう
な項目につき、最低三年間くらいの調査期間をかけた継続的かつ体系的な調査が必
要である。
(イ) 海象(潮流、流向、流速、水温、水質、海底地形、水深、底質など)
(ロ) 漁業資源(ホタテの浮遊幼生などの各種プランクトンの種類、量、海草
類、魚介類の分布、生息状態など)
(ハ) 埋立海面の漁業再生産における価値
(ニ) 温排水(取水、温排水の量、温度差、漁業に及ぼす影響など。排出水によ
る海水汚濁の防止については、通産大臣による規制が講じられることになつている
が、通産大臣による規制が現に行われているのは、発電所から排出される機械洗浄
水などの雑廃水の水質規準だけであり、温排水の排出基準、温度差基準などは定め
られていない。知事としては、このような現状を踏まえて、独自に温排水の漁業に
対する影響を調査、検討し、埋立免許の許否を決定しなければならない)
(2) しかるに、被控訴人が行つたとする事前調査は、伊達市が日本水産資源保
護協会に依嘱して行つた漁業調査報告書につきている。しかし、右報告書は極めて
短日月の内に作成され、実際に調査委員が調査を実施したのは数日に過ぎず、他は
すべて過去の他機関の調査報告をつなぎ合せたものに過ぎない。そのため温排水の
拡散範囲についても、漁業被害についても、誤つた結論を示している。すなわち、
長和地先周辺海域の気象と海況については唯一回の表層クラゲの漂流試験をもと
に、沿岸流は南東流が卓越し、沖合では反時計廻りの環流が存在していると不正確
な誤つた結論を示し、温排水の拡散についても学界で問題視されている平野の拡散
式を使つて誤つた拡散域を示し、半経七八〇メートル以上に温排水は拡散しないと
し、その他関連水域の水質、温排水によるホタテガイ浮遊幼生の減耗率推算の根拠
となる「最近の浮遊幼生数」のデータは実は長和地先沖合のものではなく、データ
の扱いも科学的でないし、プランクトンの増殖とその影響について等の調査結果に
ついても調査は極めて不備であり、誤つた結論を示している。
(3) 右に主張したように、被控訴人は、本件埋立免許を行うに際して、前記漁
業調査報告書の内容を十分検討し、更には自ら前記のような環境保全災害防止につ
いての事前調査をして本件埋立免許をなすべき義務があつたのに、漫然前記報告書
により環境保全、災害防止につき十分配慮され、漁業権に対する被害も発生しない
ものとして本件埋立免許をなしたことは環境保全配慮義務に反し違法である。
(二) 本件埋立免許処分は、裁量権の範囲を逸脱したか又は裁量権を濫用した違
法がある。
すなわち、仮に前記(一)新埋立法四条一項一号、二号と同趣旨の法規範が本件免
許処分当時に存在していたと解しえないとしても、右規範内容は、被控訴人たる知
事が公有水面埋立免許処分をするか否かの裁量の基準となるものである。前記
(一)(2)及び(3)の事実によれば、被控訴人は本件埋立免許処分を行うに当
り、右裁量の基準の適用を誤り、その裁量権の範囲を逸脱したか、又は裁量権を濫
用したものであるから、本件埋立免許処分は違法である。
2 伊達控訴人ら(控訴人A、同D)の主張(原判決請求原因三、1の補充)
(一) 本件埋立に関し、その公有水面に権利を有する伊達漁業協同組合(伊達漁
協)が、昭和四七年八月一四日、参加人に対し行つた本件埋立に関する同意は無効
である。
(1) 埋立の同意は、漁業権の絶対的消滅を来す行為を認める意思表示であるか
ら、漁業法及び水産業協同組合法(水協法)の定める漁業権及び同行使規則の変更
廃止等に関する規定に従うべきである。従つて、漁業権一部放棄(埋立同意)が有
効に成立するためには次の二要件を満たすことが必要となる。
(1) 漁業法八条三項に定める書面による同意
(2) 水協法五〇条の特別決議
しかし、本件においては、右(1)は後述(2)の通り存在せず、右(2)は、後
述(3)及び(4)の通り無資格者が決議に参加し、賛成者は法定多数に達してお
らず、かつ錯誤に基ずくから右決議は無効である。
(2) 右漁業法八条三項の書面による同意は、少数者保護の機能を持つと共に、
意思表示を慎重にさせ、かつ、同意した者が資格のある関係漁民であるか否かが争
われた場合、個別的に審査することもできる(総会における無記名投票では賛成反
対の頭数が分るだけであるから事後の個別審査ができない)など後日の紛争を予防
する機能をもつている。
しかし、伊達漁協の場合、前述(原判決請求原因三、1、(二))のとおり昭和四
七年五月三一日の漁業権一部放棄の総会決議前に前述(1)、(1)の書面による
同意がないから、右放棄決議は無効である。
(3) 仮に漁業法八条三項の書面による同意が不要としても、前述(原判決請求
原因三、1、(四))のとおり、右総会の決議には、正組合員資格のない者が少く
とも二〇名は参加しており、水協法所定の議決要件を満たしていないので右総会決
議は無効である。
(4) 被控訴人及び参加人は、従前、伊達火発の取水量及び温排水量は毎秒二二
トン、取水と排水の温度差は夏季五度C以下、冬季七度C以下とするとし、地元漁
民にもそのように説明し、本件訴訟でも同様に主張してきた。
ところが、最近になつて、温排水量は毎秒二二トンではなく毎秒約三〇トンとなる
(二二トンの量を守れば温度差が約九・一度Cとなる)ことが判明した。
被控訴人及び参加人は当初から、既存の火力発電所の運転実績等より、出力七〇万
キロでは温排水量が毎秒二二トン、温度差が七度C以下におさまるはずがないこと
を十分知りながら、伊達漁協の漁業権一部放棄、埋立同意を得やすくし、漁業補償
を少なくする(有珠漁協についでは、その漁場は温排水の拡散範囲外であるとし
て、埋立についての利害関係人たることを否定する)ために、温排水量ないし温度
差につき虚偽の説明をし、地元漁民をだましてきた。
埋立により消滅する海面の面積ならびに温排水の量及び温度差は、漁業に重大な影
響を及ぼす事柄である。伊達漁協の前記昭和四七年五月三一日総会における漁業権
一部放棄の決議及びこれに基づく埋立同意は、被控訴人及び参加人の温排水量ない
し温度差についての誤つた説明により、組合長を含む組合員全員が、意思表示の重
要な内容につき錯誤に陥つた結果なされたものであるから、無効である(原判決請
求原因三、1、(三)に附加)。
(二) 同意権者である伊達漁協の同意につき、実質的有効性の審査を怠つてなさ
れた本件埋立免許は違法である。被控訴人は埋立免許権者として、免許の法定要件
の存在を調査確認する義務があり、これを本件伊達漁協の埋立同意についていえ
ば、形式的な同意書の存在を確認するだけでは足りず、同意を求めた参加人の提示
した計画(埋立地の位置、面積、取水、温排水の量、温度差等)に誤りがないかど
うかを調査し、「同意」の実質的有効性をも審査する義務があるというべく、この
審査義務を怠つた結果、前記(一)、(4)の「同意」の瑕疵を看過してなした本
件免許は違法である。
(三) 被控訴人の主張二2に対する反論
なお被控訴人は伊達漁協の漁業権は昭和四八年八月三一日存続期間の満了によつて
消滅し、本件埋立区域は漁業権の存しない公有水面となつたので埋立同意も不必要
となつた旨主張する。
しかし、漁業権は、期間満了前に漁協の申請によつて同区域に漁業権免許がされる
のが通例であり、従来もそのように行われて来た(更新と実質的には同一の取扱で
ある)。本件では、伊達漁協において、先の総会決議による漁業権一部放棄が有効
であると誤信し、本件埋立地を除外して漁業権の許可申請をしたため、右期間満了
後直ちに本件埋立地を除外した従来の漁区に新たに漁業免許がなされたものであ
る。本件埋立地も伊達漁協が申請すれば当然漁業免許がなされる漁区であるから漁
業権の存しない公有水面となつたものではない。潜在的な漁業権というべきものは
依然として存続している(原判決請求原因一の補充)。
3 有珠控訴人ら(伊達控訴人らを除く控訴人ら)の主張(原判決請求原因三、2
の補充)
(一) 有珠漁協から埋立の同意を得ず又は同漁協に告知聴聞の機会を与えずにさ
れた本件埋立免許は無効である。
(1) 有珠漁協の漁業権区域は、本件埋立地の西防波堤の先端エントモ岬の先端
から沖合に向けて設定されていることは、原判決の各添付図面により明らかであ
る。即ち、有珠漁協の漁業権区域は、本件埋立地に隣接し、本件埋立地と有珠漁業
区域は常に海流が交流している。従つて、有珠漁協は、旧埋立法五条四号の慣習に
より公有水面より引水をなし、又は公有水面に排水をなす者に該当し、仮に右に該
当しないとしてもこれに準ずる者である。
有珠漁協の漁業権が、本件埋立の工事自体による被害、工事完成後の潮流の変化に
よる漁業環境の悪化、取水・温排水による海産生物の被害を被ることは原判決請求
原因三、2で詳細に主張したが、更に次のとおり敷えんする。
(1) 被控訴人及び参加人が、伊達火発の取水量及び温排水量について、当初の
計画を変更した結果、放水口末端での温排水量は温度差七度Cの場合毎秒二九ト
ン、温度差五度Cの場合毎秒四〇トンとなり、放出水の流速を早めることになるの
で海底約一〇〇mにわたつて洗掘が生じ、このような大量の温排水が海底の土砂を
混入し、隣接する有珠漁協の漁業権海域に北西流にのつて流入することは明らかで
ある。
(2) エントモ岬の東側は、従前天然のコンブが生育し、ホンダワラが繁殖する
藻場で、ハタハタの産卵の場所となつており、最盛期には数百トンのハタハタが漁
獲された。本件埋立は右の漁場を喪失させた。また、埋立による小型港湾築造によ
り、北西流は、エントモ岬東側の緩衝地帯がなくなり、直接有珠漁協海域に流入
し、海底漂砂がエントモ岬西側に堆積し、有珠のワカメ養殖漁業に被害を生じさせ
ている。
(3) うるみ現象 温排水の拡散により海の表層に成層構造が発生する。それが
原因で船の上より箱メガネで海底をながめたとき、海底はゆらぎ、ぼんやリしてし
まう。これをうるみ現象という。有珠漁協では、その漁獲高の三分の二を突き磯漁
業によつている。うるみ現象が発生すると突き磯漁業はできない。温排水量の増
大、海岸地形の変化は温排水を有珠漁業権海域に及ばせうるみ現象を発生させてい
る。
(4) 温排水によつて、海藻類の発生分布が変わり、プランクトン異状増殖によ
る赤潮の発生が容易になり、フジツボ゛等の有害固着動物を異状繁殖させ、海の生
態系に悪影響を与える。また、右取排水はホタテの幼生を滅耗させ、のり、わかめ
等の養殖漁業に被害を与え、更にブリ、サバ等の回遊魚の魚道を変更させ、従来の
定置漁業を成り立たなくさせている。
従つて、被控訴人は本件埋立免許処分をなすに際し、有珠漁協の埋立同意を得べき
であつたが、本件埋立免許処分は右同意を得ないでなされた違法がある。
(2) 、仮に、有珠淵協は公有水面に権利を有するものにあたらず、同漁協から
埋立についての同意を得ることが必要でないとしても憲法二九条、三一条、第三者
所有物没収に関する最高裁判決(昭和三七年一一月二八日刑集一六巻一一号一五七
七頁)の趣旨に照らし、被控訴人は、本件埋立免許をなすに際し、あらかじめ本件
公有水面埋立により前記のように被害を受ける有珠漁協に告知聴聞の機会を与える
べきであるのに何らかかる行為をしなかつた。なお、これは単なる立法政策の問題
ではなく、法規上の義務である。
(二) 有珠漁協組合員に告知聴聞の機会を与えないでなされた本件埋立免許は無
効である。
本件公有水面の埋立により有珠漁協の組合員はその漁業を営む権利に重大な被害を
受けることが明らかであり、本件埋立免許についての利害関係人である。
かかる利害関係人に対し、告知聴聞の機会を与えないでなした本件埋立免許処分は
憲法二九条、三一条に違反し無効である。
有珠漁協組合員が本件公有水面埋立によつて、被る被害については原判決請求原因
三、2及び前記(一)(1)において詳細に主張したとおりである。
三 被控訴人の「一本案前の主張」に対する反論
1 被控訴人は、本件埋立地を海面に復することが物理的に不可能とはいえないと
しても、その工事の規模、構造、原状回復によつて予測される社会的、経済的損失
等からみて、社会通念に照らし、原状回復が不可能ないし著しく困難な場合には、
本件埋立免許処分の取消を求める訴の利益はないと主張するが、右主張は誤りであ
る。
埋立地を海面に復することが物理的に不可能であればとも角、物理的には可能であ
るが、社会的、経済的な損失が多大である等という事情は、行政事件訴訟法三一条
のいわゆる事情判決をする場合に考慮される一要素とはなりえても、訴の利益を否
定する根拠とはなりえない。事情判決の制度は、このような場合にも訴の利益があ
ることを当然の前提としているのである(控訴人らは、本件の場合、事情判決をす
べきであると主張するものではない)。
2 被控訴人は、また、社会通念に照らし、原状回復が不可能ないし著しく困難な
場合には、知事も公有水面埋立法三五条一項但書により、原状回復をすることが不
可能であると認めるべきことが一義的に明白であるから、裁判所は知事の判断をま
つまでもなく、知事が右但書により、原状回復義務を免除すべき義務を負う(原状
回復が法律上不可能)と判断することが可能であり、かかる場合には埋立免許の取
消を求める訴の利益がないことも当然であると主張するが、右主張も誤りである。
公有水面埋立法三五条一項但書は「・・・原状回復の義務を免除することを得」と
規定しており、免除するか否かにつき知事の裁量を認めており、知事の裁量判断を
またずに、裁判所が知事の免除義務を認定することは許されない(知事は、原状回
復義務を免除する行政処分をするにあたり、種々の条件を付すことも可能であ
る)。
本件埋立免許が違法であるとして取消されれば、その後、知事が参加人に対し、原
状回復義務を免除しても埋立地の所有権は国に帰属させることができるから(公有
水面埋立法三五条二項)、そうすれば、参加人は埋立地を取水施設等として使用す
ることができなくなり、控訴人らは取水、温排水の被害を免れるという利益があ
る。
3 控訴人らは、本件埋立免許のなされた直後である昭和四八年七月一八日に、本
件訴訟を提起し、併せて執行停止の申立をしたものであるが、参加人はこれを無視
して、被控訴人の黙認の下に埋立工事を強行し、竣功認可にまで至つているのであ
るから、埋立免許取消の場合の原状回復等による損失は、当然予定していたはずで
あり、今になつて、原状回復の困難や損失の大きさを理由に訴の利益がないなどと
主張することは許されない。かかる主張は、既成事実を作り上げることによつて、
行政処分に対する司法審査を有名無実にすることを意図するもので、とうてい許容
されるべきものではない。
(被控訴人)
一 本案前の主張
控訴人らには本件埋立免許処分の取消しを求める訴の利益がない。
1 行政処分取消訴訟は、違法に行われた行政処分の効果を消滅させることによ
り、その違法な処分によつて侵害された者の権利ないし法律上の利益を救済するこ
とを目的とするものであるから、当該行政処分を取消しても、それにより作り出さ
れた事実状態の原状回復が社会通念上不可能ないし著しく困難になつた場合には訴
の利益を欠くに至ると解すべきである。
このことを公有水面埋立についてみれば、既に埋立工事が竣功している場合に、埋
立地を海面に復することが必ずしも物理的に不可能とはいえないとしても、その工
事の規模、構造、原状回復によつて予測される社会的、経済的損失等からみて、社
会通念に照らし、原状回復が不可能ないし著しく困難な場合には、公有水面埋立免
許処分の取消を求める訴の利益はないといえる。
更に、社会通念に照らし、原状回復が不可能ないし著しく困難な場合には、埋立免
許を与えた知事も公有水面埋立法三五条一項但書により原状回復をすることが不可
能であると認めるべきことが一義的に明白であるから、裁判所は、知事の判断をま
つまでもなく、知事が右但書により原状回復義務を免除すべき義務を負うと判断す
ることが可能である。
また、埋立によつて被る関係者の不利益が埋立によつて得られる利益に比して著し
く僅少な場合には、知事は右但書の原状回復の必要なしと認むるものとして原状回
復義務を免除すべきであるし、そのことが一義的に明白な場合には、裁判所は、知
事の判断をまつまでもなく、知事が右但書により原状回復義務を免除すべき義務を
負うと判断することが可能である。
従つて、このように公有水面埋立法三五条一項但書により知事が原状回復の義務を
免除すべき場合は、原状回復が法律上不可能な場合であり、かかる場合に公有水面
埋立免許処分の取消を求める訴の利益がないことも当然である。
2 そこで、これを本件についてみれば、本件埋立工事は既に完了し、被控訴人
は、昭和五〇年一二月一八日、参加人に対し、同工事の竣功認可を行つている。
すなわち、本件公有水面の埋立は、伊達火力の取水口、取水路、物揚場、荷置場等
の施設用地の造成のために行われたものであるが、その究極において伊達火発にと
つて必要不可欠な取水施設、荷揚施設、護岸及び防波堤から成る一体不可分の施設
(取水口外かく施設)の建設を目的とするものであるところ、参加人は既に取水口
外かく施設の建設工事そのものを完了しているのであるから、現時点で本件埋立地
を海面に復することは取水口外かく施設を撤去することを意味する。
しかし、取水口外かく施設を撤去して本件埋立地を海面に復することは、以下
(一)及び(二)に述べるとおり、同施設の規模、構造、原状回復によつて予測さ
れる社会的、経済的損失等からみて、社会通念に照らし、不可能ないし著しく困難
であり、更に、控訴人らが本件埋立によつて被る不利益は存在しないか、さもなく
ば軽微であるのに比して、本件埋立によつて得られる利益は社会的に重要かつ多大
であるから、いずれにしても本件は公有水面埋立法三五条一項但書により知事が原
状回復義務を免除すべき場合に当たる。
従つて、本件訴により、取水口外かく施設を撤去して本件埋立地を海面に復するこ
とを求めることはもはや不可能であるから、控訴人らの本件埋立免許処分の取消を
求める訴もまた利益がないというほかはない。
(一) 取水口外かく施設の規模、構造等について
取水口外かく施設は、昭和四八年七月から同五〇年一二月までの間の約二年六箇月
の歳月を費やし、しゆんせつ土砂及び盛土約一五万七二〇〇トン、捨石約一四万四
六〇〇トン、消波ブロツク約四万七四〇〇トン、コンクリート約二万七五〇〇ト
ン、鉄筋、鋼管矢板、鋼管杭約九〇〇トン等の約三七万七〇〇〇トンにも達する資
材を用いて建設され、取水施設(取水口、取水路)、荷揚施設(物揚岸壁、物揚
場、荷置場)、護岸(東護岸、取付護岸、泊地内護岸)及び防波堤(東防波堤、西
防波堤)の各施設から成る総面積約四万九〇〇〇平方メートルの施設であり(別図
一参照)、右各施設ごとの規模、構造等は次のとおリである(別図二参照)。
(1) 取水施設
(1) 取水口
規模、構造    輻    三七メートル
高    さ  一三・二メートル
長    さ  三九・四二メートル
鉄筋コンクリート造
使用資材  鉄   筋    約三四〇トン
コンクリート  約一万二三〇〇トン
盛    土  約一万一四〇〇トン
(2) 取水路
規模・構造    輻      六・二メートル
高    さ    三・一メートル
長    さ  一九一・五メートル
鉄筋コンクリート造
使用資材  鉄    筋     約一九〇トン
コンクリート    約五一〇〇トン
盛    土  約二万二六〇〇トン
(2) 荷揚施設
(1) 物揚岸壁
規模・構造  長    さ  三〇・六八メートル    控ぐい式鋼管矢板型
使用資材 鉄   筋   約一〇トン
コンクリート  約一一〇〇トン
盛    土  約九九〇〇トン
鋼管矢板、
鋼管杭約三六〇トン
(2) 物揚場・荷置場
規模・構造面    積二万四〇五七・三三平方メートル埋立構造(埋立地仕上り
高三メートル)
使用資材しゆんせつ土砂約一〇万七八〇〇トン
(3) 護奉
(1) 東護岸
規模・構造  延    長  四三一メートル       消波ブロヅク被覆
による捨石護岸
使用資材  鉄   筋     約二〇トン
コンクリート    約三一〇〇トン
捨    石  約三万八二〇〇トン
消波ブロツク  約一万一四〇〇トン
吸出防止マツト約四六〇〇平方メートル
(2) 取付護岸
規模・構造  延    長  五三・三五メートル捨石護岸及び消波ブロツク被
覆による捨石護岸
使用資材  捨    石  約八三〇〇トン
消波ブロツク  約二六〇〇トン
吸出防止マツト約六〇〇平方メートル
(3) 泊地内護岸
規模・構造  延    長  四二七・一メートル     消波ブロツク被覆
による捨石護岸
使用資材  捨    石  約四万六六〇〇トン
盛    土    約五四〇〇トン
消波ブロツク    約七六〇〇トン
(4) 防波堤
(1) 東防波堤
規模・構造  延    長  一〇九メートル消波ブロツク被覆による捨石傾斜

使用資材  捨    石  約二万五一〇〇トン
コンクリート    約二四〇〇トン
消波ブロツク  約一万二六〇〇トン
(2) 西防波堤
規模・構造  延    長  一六五メートル消波ブロツク被覆による捨石傾斜

使用資材  捨    石  約二万六二〇〇トン
コンクリート    約三三〇〇トン
消波ブロツク  約一万三〇〇〇トン
(二) 本件埋立地を原状回復することによる社会的、経済的損失及び本件埋立て
によつて控訴人らが被る不利益について本件埋立地を原状回復することによる社会
的、経済的損失は計り知れないものがあり、これに比して本件埋立てによつて控訴
人らが被る不利益は皆無に等しいものである。
(1) 本件埋立地を原状回復することによる社会的、経済的損失について
(1) 取水口外かく施設は、伊達火発の発電用冷却水を取水し、発電用主要機
材、故障機器等を搬入、搬出する施設であるから伊達火発にとつて必要不可欠なも
のであることは公知の事実であり、しかも、伊達火発の場合においては、
これら取水及び荷揚げのための各施設を一体不可分として取水口外かく施設とし、
現存する場所及び形状をもつてこれを建設するのが最良かつ唯一の方法である。
従つて、取水口外かく施設を撤去して本件埋立地を海面に復することは、単に本件
埋立地の原状回復にとどまらず、伊達火発の操業をも不可能とするものである。
(2) ところで、北海道における電力事情が予断を許さない状況下にあることは
周知のとおりである。
そもそも電気は、生産と消費とが同時に行われ、しかも貯蔵できない特性を有して
いるものであるから、安定した電力を供給するためには、発電所の事故、異常渇水
による水力発電所の出力低下、その他予測し得ない急激な需要増加等電力需給上の
異常事態の発生に備えて供給力の余裕、すなわち供給予備力を常に確保しておく必
要があり、本州の各電力会社間のごとく送電連繁のない北海道の場合は、過去の実
積に基づく統計数値等からして、最大需要電力の一三パーセントないし一五パーセ
ン1程度の割合の供給予備力が必要とされている(この最大需要電力に対する供給
予備力の割合を供給予備率という)。
そこで、北海道における電力需給関係についてこれをみれば、昭和五一年度の実積
は、最大需要電力二二四万一〇〇〇キロワツト、供給力二五二万八〇〇〇キロワツ
ト、供給予備力二八万七〇〇〇キロワツト、供給予備率一二・八パーセントであつ
たのに対し、同五二年度は、最大需要電力二五一万キロワツト、供給力二七三万二
〇〇〇キロワツト、供給予備力二二万二〇〇〇キロワツト、供給予備率八・八パー
セント、同五三年度は、最大需要電力一七一万キロワツト、供給力三一五万七〇〇
〇キロワツト、供給予備力四四万七〇〇〇キロワツト、供給予備率一六・五パーセ
ントとそれぞれ見込まれている。
しかし、右昭和五三年度における供給力には伊達火発が含まれており、しかも同火
発は供給力全体の一〇分の一以上を占める主力発電所となるものであるから、仮に
伊達火発の操業が不可能となつた場合は、同年度の供給予備率は必要な供給予備率
の三分の一ないし四分の一程度の三・九パーセントに低下することが予想される。
ちなみに、供給予備率八・八パーセントと見込まれている昭和五二年度においてす
ら、予測できない異常事態の発生による電力需給の逼迫に対処するため、参加人
は、
大手工場等との間において電力需給が逼迫した場合において電気の使用を抑制する
時間帯特約、負荷調整特約、工場の休日を日曜日から平日に振り替える休日振替特
約、発電所の事故等によつて極端に供給力が不足したときに一定の割合で電気の使
用を抑制する緊急時負荷調整契約等の方策を講ぜざるを得ない現状にある。
しかも、新たに発電所を建設するためには立地調査等に要する期間を含めて七年な
いし一〇年を必要とすることから、電源開発は、常に、長期的な展望にたつて計画
的に推進し、将来にわたつて電力の安定供給に支障が生ずることのないよう配慮す
べきものであるところ、いま仮に伊達火発の操業が不可能となつた場合において、
直ちに伊達火発に代わり得る電源を確保することは全く不可能である。
従つて、取水口外かく施設を撤去して本件埋立地を海面に復することは、結果とし
て北海道における電力需給上に重大な支障を及ぼすものというべく、それによつて
もたらされる社会的損失も計り知れないものがある。
(3) 次に、取水口外かく施設は、前述のとおり約二年六箇月の歳月を費やし合
計約三七万七〇〇〇トンにも達する資材を用いて建設されたものであるが、その建
設費についてみれば、取水施設関係約六億三〇〇〇万円、荷揚施設関係約五億四〇
〇〇万円、護岸関係約九億一〇〇〇万円、防波堤関係約四億一〇〇〇万円、合計二
四億九〇〇〇万円以上の巨費を要したものである。
そして、仮に取水口外かく施設を撤去するとすれば、それによつて発生する海水汚
濁等の予測される影響を極力防止する工法等を必要とすることから、同撤去工事の
ために更に約二六億円の費用を必要とする。
従つて、取水口外かく施設を撤去して本件埋立地を海面に復することによる経済的
損失もまた多大である。
しかも、前述のとおり取水口外かく施設なしには伊達火発の操業も不可能となり、
伊達火発の建設自体が無意味となることをも考え合わせるとき、同施設を撤去して
本件埋立地を海面に復することによる経済的損失は、ますます大になるというほか
はない。
(2) 本件埋立によつて控訴人らが被る不利益
本件訴において控訴人らが主張する本件埋立工事完了後の具体的な損害とは、伊達
漁協に所属する伊達控訴人らについてみれば、取水口外かく施設の建設によつて同
漁協が漁業権を有する海域が一部消滅したこと、控訴人ら全員についてみれば、
同施設の建設による返し波の発生、潮流の変化、海岸地形の変化等によつて控訴人
らが漁業を営む権利を有する海域の漁業環境が悪化することにより控訴人らが被る
損害である。
しかし、取水口外かく施設の建設によつて消滅した右海域は、そもそも漁業として
の利用価値が乏しい区域であり、しかも伊達漁協が漁業権を有する海域全体のうち
のごく僅少な部分にすぎないのであるから、仮にそれが漁場の一部に復したとして
も同漁協が得る利益は取るに足らないものであり、従つて、同漁協の有する漁業権
に基づいて漁業を営む者の利益もまた無に等しいものというべきである。
次に、取水口外かくの施設の建設による返し波の発生、潮流の変化、海岸地形の変
化等が漁業環境に及ぼす影響についてみても、それらは無視してよいほどに微少で
あり、むしろ何らの影響もないといつてしかるべきものであるから、これを原因と
する漁業環境の悪化による損害など発生し得べくもなく、また、現に、控訴人ら主
張のごとき漁業被害等が発生し、又は発生したとの報告がなされた事実も存しな
い。
従つて、以上の各事実に即すれば、取水口外かく施設の建設によつて控訴人らが被
る不利益の存在自体既に認められないといつて過言でない。
なお、控訴人らは、本件訴において伊達火発の操業に伴う取水及び温排水による漁
業環境の悪化についても主張する。
しかし、右取水及び温排水による影響は、そもそも本件埋立免許処分の取消理由と
はなし得ないものであるのみならず、仮にそれによる漁獲量の減少等があるとして
も微々たるものであつて受忍の限度内のものであり、更に、参加人は、伊達漁協、
有珠漁協との間においてそれぞれ伊達火発の建設に伴う漁業に対する影響の緩和、
被害の防止及び漁業補償等に関する協定、覚書を取り交わし、被害防止措置を講ず
るとともに多額の補償金を支払つている。
従つて、仮に右取水及び温排水による影響をもつて控訴人らが本件埋立免許処分の
取消を求める理由となし得るとしても、これら影響によつて控訴人らが被る不利益
もまた存在しないものというべきである。
3 以上のとおりであるから、取水口外かく施設を撤去して本件埋立地を海面に復
することは不可能であることが明らかであり、従つて、本件埋立免許処分の取消し
を求める控訴人らの訴は、いずれもその利益を欠く不適法なものであり却下される
べきである。
二 被控訴人の主張(本件埋立の同意につき)
1 本件埋立免許処分において漁業権者の書面による同意は不要である(原判決中
〔被告の主張〕二1の補充)。被控訴人が従来から主張しているところの、漁業法
は漁業権行使規則について規定を設けているのみで漁業権の変更にはふれていない
し、漁業権行使権は漁業権から派生する権利であるから、右漁業権行使権者の意思
によつて漁業権の処分が制約を受けることはないという考え方(原判決中〔被告の
主張〕二1)が採用できないとしても、以下に述べるように、漁業法八条三項、五
項の立法趣旨からみても、本件埋立の場合、書面による同意は不必要である。
(一) 公有水面埋立免許における漁業権者の同意と漁業権の変更の関係
漁業権者である漁業協同組合(漁協)の埋立同意は、その漁業権の放棄ないし変更
の手続とは無関係である。埋立同意前に漁業権の放棄、変更が行われるならば、埋
立同意は不必要になるし、埋立免許後に漁業権の免許がなされること、もあり、埋
立同意は両免許が併存することを前提としている。従つて、埋立免許によつて漁業
権が消滅するどいうことはない。漁業権に影響を生ずるのは、埋立工事の実施によ
つて漁場が滅失することによるものである。しかし、漁場の滅失は漁業権の絶体的
消滅であつて、漁業権の放棄、変更が当該組合についてのみ生ずるのとはその性質
を異にする。このように、漁場区域の埋立は漁業権の消滅原因であり、そのことは
漁場の全部滅失であろうと一部滅失であろうと異ならない。漁業権の放棄、変更は
当該組合についてのみ生ずるものであるから、漁場の滅失と混同すべきではない。
従つて、埋立同意は漁業権侵害を受認する法律行為であつて、漁業権の放棄、変更
とはその性質を異にする。
(二) 埋立同意と行使規則
漁場の全部滅失の場合には、行使規則の廃止は問題にならない。行使規則の廃止は
漁業権の存続を前提として、漁協自営にする場合の手続であつて、漁協の漁業権が
消滅した後にはその行使規則の廃止もあり得ない。
漁場の一部滅失の場合には、その程度によつて行使規則の変更の必要を生じうる。
行使規則に記載する「漁業を営むべき区域」とは、漁業権の内容たる漁場区域では
なく、行使権者(組合員)が現実に権利を行使する特定の漁場区域を意味する。従
つて、第一種共同漁業の場合には、このような区域の記載はないが、特定区画漁業
の場合には、当然操業する漁場区域が定められ、漁場の一部埋立がこの漁場区域の
変更を来たすかどうかは埋立の規模によつて定まる。従つて、この場合にも漁場の
一部埋立が常に行使規則を変更すべき事態を生ずるとはかぎらない。
(三) 埋立同意に必要な手続
埋立同意については、漁業法及び水協法に規定がない。もつとも、水協法四八条一
項九号は漁業権の得喪、変更を総会の議決事項とするとともに、同法五〇条はこれ
を特別決議事項としているから、漁場の滅失による漁業権の消滅の手続については
法律に規定があるようにもみえるが、埋立同意は漁業権の消滅それ自体ではなく、
漁場の埋立によつて将来漁業権の消滅を招くことを受認する法律行為である。従つ
て、形式的にいえば、漁業法は埋立同意を総会の議決事項にもしていないといえ
る。しかし、このような結論は極端すぎるので、一般には、結果的にみて最も類似
しているとみられる漁業権の変動の規定を類推しているものである。
この場合、漁場の全部滅失を伴う埋立の同意には水協法一七条二項の類推も考えら
れる、これに反し、漁場の一部滅失を伴う埋立の同意は、漁業権に変更を生ずると
きにかぎり、漁業権の変更を類推して特別決議を要すると解することもできる。
(四) 埋立同意と法八条五項、三項
漁場の一部滅失を伴う埋立同意において、その埋立によつて漁業権の変更が必要と
なるような場合には、特別決議に゛よるべきとしても、それ以上に漁業法八条五
項、三項の関係漁民の三分の二以上の書面による同意をも必要とするかが問題とな
るが、この点について、福岡高等裁判所昭和四八年一〇月一九日判決は、行使規則
に含まれる漁業従事の態様に関する事項の変更にすら同規定が適用される以上、行
使権者の権利に影響を及ぼす漁場区域の埋立について同規定の適用ないし類推を認
めるのは当然だとしている。
右福岡高裁判決によれば、およそ漁場の一部埋立については常に漁業法八条五項の
適用を認めねばならなくなるし、正組合員のみの漁協で全員が行使権者である場合
にも、漁場の一部の埋立同意については、特別決議のほか、なお三分の二以上の書
面同意をすることとなるが、これは明らかに矛盾した手続というべきである。
漁業法八条三項、五項の決意は、総会の特別決議という通常の手続によつては、当
該漁業権に関係する漁民が少数であるため、当該漁業権に関係のない多数の組合員
の意思によつて、その権利が奪われないようにすることにある。右同条同項の書面
同意の規定は、昭和三七年の法改正により加えられたものであるが、この要件は正
組合員資格引上げと漁協の合併広域化に伴う既行使権者の救済、保障のために設け
られたものである。すなわち、組合員資格の引上げによつて従来の正組合員資格を
欠くに至つた者(准組合員)にも行使権者たり得る可能性を確保し、また既存の権
利者がその権利を確保し得ることを保障して、それによつて経済的側面からの要請
である漁協の合併を促進しようとするのが、右改正法のねらいであつた。従つて、
この規定の一つの意味は、正組合員のみによる特別決議によつて、准組合員の三分
の二以上の多数、あるいは准組合員を加えた三分の二以上の組合員の多数の権利が
奪われることを防止したものであり、特別決議のうちに関係漁民の意思が反映され
ている場合にも、なおこの要件を必要とする趣旨ではないと解される。そして、特
定区画漁業の場合には、同意権者たる既存経営者は正組合員資格を有していて、こ
の規定は実態的にはほとんど空文化されているともいわれる。
むしろ、この規定のいま一つの重要な意味は、漁協の合併広域化によつて従来は漁
業権の行使に関係のなかつた多数の組合員を生ずる結果、その多数の意思によつて
既存の権利者の地位が脅かされることがないようにすることにあつた。これは立法
段階において、行使規則の制度の意義について最も強調されたところであり、第一
種共同漁業の場合はもとより特定区画漁業においても、なおその意義を失つていな
いといつてよい。ただし、この場合にも、法律に定める所定の手続によるかぎり、
漁協の多数者の意思により少数者たる当該漁業者の地位が脅かされるような組合員
の構成であることが前提となつていると解しなければならない。従つて、漁業法八
条三項、五項がこのような前提要件を明示しなかつたのは、立法の不備とはいえて
も、反対に右法条が無条件に適用されると解釈すべきものではない。
漁場の一部埋立同意には常に漁業法八条五項の適用があるとする前記福岡高裁判決
の論理は誤りというべきであるが、同判決の事案において臼杵漁協では、組合員総
数七二六名に対し、埋立の対象となつた漁場区域で第一種共同漁業を営む者はわず
か一二九名にすぎず、行使権者全員が議決に加わらなくとも、容易に漁場の埋立同
意の特別議決をすることが可能であつた。
このような場合と、行使権者の多数の意思を無視しては漁場の埋立同意を議決する
ことが不可能な場合とを同一に論ずることはできない。
本件の伊達漁協の場合、第一種共同漁業権については組合員総数一四六名全員が、
特定区画漁業権については一四二名が、それぞれ埋立の対象となつた漁場区域の漁
業権行使権者であるから、総会の特別議決があれば十分であつて、少数権利者保護
のための漁業法八条五項を適用する必要がない。
なお、埋立の対象となつた漁場区域の面積は僅少な上、伊達漁協の組合員であつ
て、埋立の対象となつた漁場区域で特定区画漁業を営んでいたものは一人もいなか
つたし、第一種共同漁業を営むものもほとんどなかつたのである。
2 伊達漁協による本件埋立同意は不要である(原判決中〔被告の主張〕二の追加
主張)。
漁業法(昭和三七年改正)は、漁業権の存続期間が満了すれば、漁業権は当然消滅
することとし、漁業権の更新の制度をとつていない。本件埋立免許処分当時の伊達
漁協の漁業権は特定区画漁業権と第一種共同漁業であつたが、両漁業権とも存続期
間は昭和四八年八月三一日までであつた。従つて、仮に、埋立には漁業法八条五項
の書面による同意が必要であり、その書面同意を欠く埋立同意には瑕疵があり、ひ
いては本件埋立免許処分にも取消理由となるべき瑕疵があるとしても、漁業権の存
続期間の経過により、埋立の対象となつた本件公有水面は漁業権の存しない公有水
面となつたものであるから(原判決中本案前の抗弁(伊達原告らについて)二)、
本件公有水面については埋立同意も不必要となり、従つて、右漁業権の存続期間の
経過によつて本件埋立免許処分の瑕疵も治癒されたものである。
3 後記参加人の主張を引用する。
(参加人)
一 控訴人らの当審における主張二2(一)(4)に対する認否
参加人が、伊達火発の取水量は毎秒二二トン、取水温度と排水温度との差(以下、
温度差という)は夏季五度C以下、冬季七度C以下とする旨地元漁業者に説明して
きたことは認めるが、その余の事実は否認する。参加人が、地元漁業者に対し、温
排水量、温度差について誤つた説明をした事実は次に述べるとおり存在しない。
二 参加人の主張
1 参加人は、伊達火発を建設するにあたり、発電所前面海域における漁業に対す
る影響緩和、被害防止ならびに漁業補償等を目的として昭和四七年六月三〇日、伊
達漁協と協定を締結した。右協定において参加人は、伊達火発の温排水の水量は毎
秒二二トン、温度差は夏季五度c以下、冬季七度c以下とすることを約束した。
2 右協定締結にさきだつて、参加人は、伊達漁協と温排水の温度低減対策につい
て協議した。そのころは、参加人の計画内容も未だ具体化する段階に至つていなか
つたが、さし当つて、伊達大発放水路前面の沖合五〇メートル、汀線に沿つて一〇
〇メートルの海域に参加人の放水口施設を築造し、この施設等によつて温度低減を
はかることで了承されたのである。
3 参加人と伊達漁協との右協議の結果をふまえて伊達漁協は、昭和四七年五月三
一日通常総会を開催し、同総会において第四号議案「共同漁業権(海共第一三五
号)及び区画漁業権(海区第四八号)の変更について」を提案、法定の要件のもと
に議決された。
右決議によつて変更された漁業権の範囲(実質的には、漁業権消滅海域)は、右同
日総会に議案の別図として提案、承認された「北電伊達火力発電所建設に伴う漁業
権の消滅区域図」(原判決別図(三))に記載された海域であつて、参加人が温度
低減対策の一つとして放水口施設を築造すべき海域とされたのは、同別図の
(8)、(9)、(10)並びに(11)を結ぶ部分である。
4 参加人は、前記消滅海域に透過ブロツク堤を築造し、この施設等によつて前記
協定に定める温度差を守ることとしている。即ち、参加人は、右透過ブロツク堤の
外海に接する測定点において五度、七度の温度差を遵守するのであつて、この点に
おいて、当初より漁業者に説明していた事実になんらそごはない。
なお、水量についていえば、参加人は毎秒二二トンを超えて取水するものでなく、
透過ブロツク堤に外海水が流入したとしても、それは協定に定める温排水の水量に
は含まれない。従つて水量についても当初の説明となんらそごすることはない。
以上のとおり、参加人の説明になんらの誤りもなかつたのであるから、誤りのある
ことを前提とする控訴人らの主張は理由がない。
第三 証拠(省略)
○ 理由
一 主位的申立について
1 控訴人らは、原審の判決手続には口頭弁論を終結しないで判決をした違法があ
る旨主張するが、本件記録によれば、昭和五一年二月二四日の原審第一三回口頭弁
論調書には「裁判長 弁論を終結する」との記載があること、その後同年七月二〇
日原審裁判所裁判長が判決言渡期日を同月二九日午前一〇時と指定し、同日控訴人
ら代理人にその旨告知したところ、同日控訴人ら代理人から、控訴人らの前記「主
位的申立に関する主張」とほぼ同旨の口頭弁論調書の記載に対する異議申立及び第
一三回口頭弁論調書中の弁論終結の記載は誤りであるから口頭弁論期日の指定を求
める旨の申立がそれぞれ書面でなされたが、原審裁判所は、同月二九日口頭弁論期
日(判決言渡期日)を開き、同期日において控訴人ら中一部の者からなされた裁判
官忌避申立をいわゆる簡易却下したうえで原判決の言渡をしたこと、他方控訴人ら
代理人から昭和五一年二月二四日に原審裁判所裁判官全員に対する忌避申立がなさ
れていたが、同申立は却下され、更に同年五月一二日札幌高等裁判所からそれにつ
いての抗告棄却の決定があり確定したことがそれぞれ認められ、右認定に反する資
料はない。以上のとおりであるから、原審第一三回口頭弁論期日における審理が控
訴人ら主張のような経緯であつたことを認めることはできない。
よつて、原審の判決手続には口頭弁論を終結しないで判決をした違法がある旨の控
訴人らの主張は採用することができない。
2 次に、控訴人らは、原審裁判所の証拠の採否及び証拠調の際の訴訟指揮が著し
く不公平であつて、それは審理不尽というべきであるから、原判決を取消したうえ
原審に差戻すべきことを求めているが、本件記録上明らかな原審裁判所における口
頭弁論及び証拠調の経過によつても、原審裁判所の証拠の採否及び証拠調の際の訴
訟指揮が不公平であり、かつ審理をつくさないものであるとの事実は、これを認め
ることができないから、右主張も採用しえない。
二 予備的申立について
1 控訴人らは、本件訴訟において、被控訴人のした昭和四八年六月二五日付公有
水面埋立免許処分及び昭和五〇年一二月一八日付公有水面埋立工事竣功認可処分の
各取消を求めているものであるが、行政庁の処分に対し不服申立をすることができ
る者は、行政事件訴訟法九条により、当該行政処分により自己の権利若しくは法律
上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれがあり、その取消によ
つてこれを回復すべき法律上の利益をもつ者に限られるべきであり、右にいう法律
上保護された利益とは、当該行政法規が私人等権利主体の個人的利益を保護するこ
とを目的として行政権の行使に制約を課していることにより保障されている利益で
あつて、右利益の存否は当該行政処分の根拠となつた実体法規が右利益の保護をは
かる趣旨を含むか否かによつて決せられるべきものであり、また行政処分の直接の
相手方ではない第三者の訴の利益については、当該行政法規の趣旨、目的に判断の
基準をおき、第三者のために法律がとくに保護している利益を無視して行政処分の
なされたときにのみ、当該処分の取消を求める利益があるものと解すべきである。
2 そこで、この点を本件につき検討する。
(一) 次の事実は控訴人ら及び被控訴人間に争いがない。
(1) 被控訴人は参加人に対し、昭和四八年六月二五日、伊達火力発電所(伊達
火発)新設工事に伴う取水口、取水路、物揚場、荷置場などの施設(取水口外かく
施設)の用地の造成のため、港湾二九号指令をもつて、伊達市<地名略>、<地名
略>及び<地名略>並びに国有鉄道用地の地先三万三七九五・九〇平方メートル
(昭和五〇年五月一四日付被控訴人の変更許可により二万二〇九二・四二平方メー
トルに面積が縮小)の公有水面(本件公有水面又は本件埋立地)につき埋立(本件
埋立)免許処分(本件埋立免許処分)をし、昭和五〇年一二月一八日、本件公有水
面の埋立工事竣功認可処分(本件竣功認可処分)をした。
(2) 控訴人A、同D(伊達控訴人ら)は伊達漁業協同組合(伊達漁協)の、そ
の余の控訴人ら(有珠控訴人ら)は有珠漁業協同組合(有珠漁協)のそれぞれ正組
合員であり、伊達漁協は本件公有水面を含む海域に第一種区画漁業権(海区四八
号)及び第一ないし第三種共同漁業権(海区一三五号)を有し(原判決別図
(一))、有珠漁協は、右海域の北西側の海域に第一種区画漁業権(海区四七号)
及び第一ないし第三種共同漁業権(海共一三四号)を有し(原判決別図(二))、
控訴人らは、各所属漁業協同組合(漁協)の漁業権行使規則により前記各海域で漁
業を営む権利を有していたところ、本件埋立免許処分当時における右各漁業権は、
昭和四八年八月三一日をもつて存続期間の満了により消滅するに至つたが、同年九
月一日、右各漁業権に対応する漁業権として、伊達漁協は、第一種区画漁業権(伊
海区一号)及び第一ないし第三種共同漁業権(胆海共七号、八号)の免許を受け、
有珠漁脇は、第一種区画漁業権(伊海区二号)及び第一ないし第三種共同漁業権
(胆海共五号、六号)の免許を受けたが、伊達漁協が右昭和四八年九月一日に免許
を受けた右漁業権の漁場の区域には本件公有水面を含む海域(原判決別図(三)赤
斜線部分)は含まれていない。
(3) 本件埋立免許処分がされるに至つた経緯は次のとおりである。
(1) 参加人は、昭和四五年ころから伊達市<地名略>に出力七〇万キロワツト
(出力三五万キロワツト二基)の伊達火発の建設を計画していたが、その建設工事
計画の一環として前記三万三七九五・九〇平方メートルの公有水面を埋立て取水口
外かく施設を、同町二二七番地の二地先の公有水面に放水口施設を各建設するべく
(原判決別図(三)赤斜線部分)かねてから右公有水面を含む海域に区画漁業権及
び共同漁業権を有する伊達漁協に対し、原判決別図(三)のとおり漁業権の変更
(漁業権につき右各公有水面部分を消滅させること)を要請した。
(2) 伊達漁協では、右要請を受け、昭和四七年五月三一日の第二三回通常総会
において、水協法四八条、五〇条に基づき、右区画漁業権及び共同漁業権の漁場の
区域を、従前の区域から取水口外かく施設に必要な区域及び放水口施設に必要な区
域を除く区域とする漁業権の変更につき審議を行ない、議決権を有する全組合員一
四六名(本人出席一二五名、委任状出席二一名)の無記名投票の結果、賛成一〇三
票、反対四三票をもつて原判決別図(三)の赤線部分の公有水面につき漁業権を消
滅させる旨の漁業権の判決港議決した。
また、右総会においては、伊達火発の建設に伴う公害防止に関する基本的協定事項
及び漁業補償に関する基本的協定事項についても、組合員全員の賛成で議決され
た。
(3) 伊達漁協は、右総会の決議に基づき、昭和四七年六月三〇日、伊達市長を
立会人として、参加人との間に、伊達火発の建設に伴う漁業に対する影響の緩和、
被害の防止及び漁業補償などに関する協走を締結した。右協定では、漁業補償など
に関する条項として、参加人は伊達火発の建設のために必要とする海域原判決別図
(三)の赤線の範囲にとゞまらない)につき、伊達漁協又はその所属組合員が受け
る漁業損失に対する補償金として四億五〇〇〇万円及び温排水利用の研究開発に対
する協力金として二〇〇〇万円を支払うこと及び伊達漁協は協定締結後速かに法令
に基づく漁業権変更免許の申請をして免許を受けることが取決められた。
(4) 伊達漁協は、昭和四七年八月一四日、右総会の決議及び協定の締結に基づ
き、参加人に対し、エントモ岬東側における取水口外かく施設用地の造成を目的と
する本件公有水面の埋立に同意した。
(5) 参加人は、昭和四七年八月一四日、以上の経緯を経て被控訴人に対し、旧
埋立法二条に基づき、取水口外かく施設用地の造成のため、前記三万三七九五・九
〇平方メートルの公有水面の埋立免許の出願をした。
(6) 本件埋立の免許出願を受けた被控訴人は、昭和四七年九月八日、旧埋立法
三条の規定により、伊達市議会に対し諮問を行ない、同年一〇月五日、可とする旨
の答申を受けた。
右答申を受けた被控訴人は、(イ)伊達火発の建設計画が既に国の電源開発基本計
画案に組み入れられており、その後電源開発調整審議会の承認を経て、昭和四七年
一一月一七日、内閣総理大臣が右計画案のとおり基本計画を決定し、告示した(電
源開発促進法三条)こと、(ロ)一方、参加人においても、伊達火発の建設のため
の電気工作物の変更許可を申請し(電気事業法八条)、同年一一月二四日、これが
通商産業大臣によつて許可基準に適合するものとして許可され(同法五条)、その
建設期間を同日から三年以内として指定され、その結果、参加人は、右指定期間内
に伊達火発を建設して操業しなければならない義務を負つている(同法八条四項、
七条一項)ことなどから、本件埋立ての必要性、公益性を認め、かつ右埋立ては、
伊達漁協の区画漁業権及び共同漁業権に係る漁場の区域内の一部を埋め立てるもの
であることから、旧埋立法四条一号の同意の有無について調査を行なつたうえ、昭
和四八年六月二五日、旧埋立法二条の規定により、本件埋立免許の出願に対する免
許処分を行なつた。
(二) 右(一)の争いない事実、成立に争いのない甲第一ないし第一〇号証の各
一ないし三、乙第一号証の一ないし一一、第四号証、第七号証の一ないし九、第八
号証、第九号証の一ないし六、第一〇号証の一ないし四、第一三ないし第一九号
証、第八一号証の一ないし六、第八二号証、公務員が職務上作成したと認められる
から真正な公文書と推定すべき乙第二七号証、第八九号証の一ないし三、弁論の全
趣旨により真正に成立したと認められる丙第二号証の一、二、原審及び当番証人E
の証言、原審における控訴人F及び当審における控訴人G各本人尋問の結果によれ
ば、次の事実が認められ、この認定を覆すに足りる証拠はない。
(1) 参加人は、昭和五〇年三月一二日、被控訴人に対し、公有水面の埋立面積
を当初の三万三七九五・九〇平方メートルから二万二〇九二・四二平方メートルに
縮小することを内容とする公有水面埋立免許の変更許可を出願し(原判決別図
(四)参照)、右を受けて被控訴人は、同年五月一四日、審査のうえ出願とおU変
更を許可し、更に被控訴人は、同年一二月一五日工事竣功検定を実施したうえ、同
月一八日参加人に対し本件竣功認可処分を行つたことが認められる(被控訴人が右
面積縮小の許可及び本件竣功認可の各処分をしたことは前記のとおり当事者間に争
いがない)。
(2) 伊達漁協は、前記(一)、(3)、(2)ないし(4)の手続を経た後の
昭和四七年七月四日、被控訴人に対し、本件公有水面を含む海域につき、同漁協が
有する区画漁業権(海区四八号)及び共同漁業権(海共一三五号)の各漁場の区域
から伊達火発の取水口外かく施設及び放水口施設に必要な区域(原判決別図(三)
の赤斜線部分)を除く区域とすることを内容とする右各漁業権の変更免許申請を行
ない、右を受けた被控訴人は、昭和四八年六月二五日、伊達漁協に対し右申請どお
り漁業権変更免許処分をした。そして、前記のとおり同年九月一日、同漁協及び有
珠漁協に対して新たに漁業権の免許がされているところ、その第一種区画漁業権及
び第一ないし第三種共同漁業権とも、いずれも従前の漁業権の漁場たる区域と変り
がないが、伊達漁協については、前記取水口外かく施設及び放水口施設に必要な区
域の公有水面は、右漁業権の漁場の区域に含められていない。
そして、本件埋立免許処分当時、伊達漁協の海区四八号第一種区画漁業権の存する
海域と前記有珠漁協の海区四七号同区画漁業権が存する海域、伊達漁協の海共一三
五号第一ないし第三種共同漁業権の存する海域と有珠漁協の海共一三四号同共同漁
業権が存する海域はそれぞれ相接しており、その境界は、エントモ岬の先端からほ
ぼ南西方向(噴火湾の中心方向)に向う直線であつた(原判決別図(一)及び
(二))。
(3) 参加人が本件埋立免許処分に基づき本件埋立地上に建設する施設は、伊達
火発建設に伴う取水口外かく施設であり、その規模は、東埋立護岸四一〇メート
ル、東防波堤一〇九メートル、西防波堤一六五メートルなど全体の総面積で四万四
三〇七・一五平方メートル(前記面積縮小により三万二五〇二・一九平方メートル
となつた)であるが、右施設と伊達漁協及び有珠漁協が前記漁業権を有している海
域とは近接した位置にある(原判決別図(一)ないし(四))。
(4) 参加人が伊達漁協に対して支払を約束した前記補償金等四億七〇〇〇万円
は、約束どおり伊達漁協に支払われた。
また、昭和四九年六月一七日、参加人と有珠漁協との間に、伊達市長を立会人とし
て、伊達火発の建設に伴う漁業に対する被害の防止、損害発生の場合の補償などに
関する協定が締結されるとともに、漁業振興資金の名目で三億六〇〇〇万円、再建
助成金の名目で六〇〇〇万円、計四億二〇〇〇万円を参加人から有珠漁協に支払う
旨の覚書が交わされた。そして、右金員の支払は履行され、有珠漁協の各組合員に
配分された。
(三) そこで、以上の事実に基づき、控訴人らが、被控訴人の本件埋立免許処分
により侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある権利を有しているか否かにつ
き検討する。
(1) 伊達控訴人らは、昭和四七年五月三一日開催の伊達漁協総会の漁業権放棄
の決議は無効であつて伊達漁協.は本件公有水面に漁業権を有していたところ、本
件埋立免許処分は本件公有水面に権利を有する者が存在しないものとしてなされた
違法なものであるから、伊達漁協が本件公有水面を漁場区域に含めて漁業権の免許
申請をするなどの方法をとれば、本件公有水面は当然伊達漁協の漁業権の漁場の範
囲に含められ、従つて同漁協の組合員として漁業を営む権利を有する伊達控訴人ら
は、本件訴を提起することができる旨の主張をしているので、この点につき考える
こととする。
伊達控訴人らは、伊達漁協の総会決議無効の理由として、水協法五〇条は憲法二五
条、二九条、三一条に違反すること、漁業権の放棄には、水協法五〇条による総会
の特別決議のほか、漁業法八条の書面による同意を要すること、仮に水協法五〇条
の総会の特別決議のみによるとしても、伊達漁協の前記総会決議における漁業権放
棄賛成者は同条の法定多数に達していないこと、同総会決議は、意思表示の重要な
部分に錯誤があるから無効であることを主張しているが、右各主張については、当
裁判所も、原判決がその理由第三、一、2、3、5及び4において説示するとおり
いずれも理由がないものと認めるので、右説示を引用する。従つて、本件公有水面
における伊達漁協の漁業権は、前記(二)(2)で説示したとおり、被控訴人の漁
業権変更免許処分により確定的に消滅し、これに伴い、本件公有水面における伊達
控訴人らの漁業を営む権利も消滅し、昭和四八年九月一日伊達漁協に対し新たに漁
業権の免許がされているが、取水口外かく施設及び放水口施設に必要な区域の公有
水面については、右漁業権の漁場の区域に含められていない。
(2) 有珠控訴人らは、有珠漁協が法令又は慣習により本件公有水面から引水を
し又は本件公有水面に排水をする者であり、仮に右に該当しないとしてもこれに準
ずる者であると主張するが、有珠漁協の有する漁業権の区域が本件公有水面に近接
していることは前記(二)(2)及び(3)説示のとおり認められるところ、右両
海域間に海流が交流しうるとしても、同漁協がそのことにより公有水面埋立法五条
三号、四号の引水又は排水権者に該ると解することはできないし、その他同漁協が
右の権利を有することを肯定するに足りる証拠はない。
以上のとおりであつて、控訴人らは、旧埋立法四条(新埋立法四条三項)及び五条
が規定している「埋立ニ関スル工事ノ施行区域内二於ケル公有水面ニ関シ権利ヲ有
スル者」には当らないというべきである。
(四) 次に、控訴人らが、被控訴人の本件埋立免許処分に対し前記法律上保護さ
れた利益を有しているか否かにつき検討する。
(1) 本件埋立免許処分に基づき本件埋立地に建設される施設の用途・目的、規
模、更に右埋立地と伊達漁協及び有珠漁協の有する漁業権海域との位置関係につい
ては前記(二)(2)及び(3)において認定のとおりであり、また、漁業権は、
漁協又はこれを会員とする漁協連合会に帰属するが、その構成員たる個々の組合員
は、漁協又は漁協連合会の定める漁業権行使規則に従つて漁業を営む権利を有して
いることが明らかである(漁業法八条)ところ、前記甲第一ないし第一〇号証の一
ないし三によれば、控訴人らは、本件埋立免許処分当時から、それぞれその所属す
る伊達又は有珠漁協の定める漁業権行使規則に基づき、各漁協の有している前記漁
業権区域内(但し、伊達漁業の漁業権区域から本件公有水面を含む原判決別図
(三)赤斜線部分が除外されるに至つたことは前説示のとおり)の海域で現実に漁
業を営んでいることが認められる。
(2) ところで、公有水面埋立法は、国民共通の資産としての公共用物である公
有水面につき、これを埋立てて利用することにより公共の利益を増進しようとする
もので、公益の実現を目的とするものであるところ、同法は当該埋立に関する工事
の施行区域内の公有水面に関し権利を有する者を保護するために行政権の行使を規
制しているが(同法四条、五条)、それ以上にわたつて同法による埋立工事又は埋
立地上に建設の予定されている施設の操業に伴つて、埋立工事施行区域外である周
辺海域で漁業を営む者(漁協の定める漁業権行使規則により漁業を営む権利を有す
るか否かを問わず)の漁業につき生じうる漁獲の減少その他の被害や影響に対し
て、右の者らが同法上保護された利益を有することを認めるに足りる規定は存在し
ない。
従つて、右同法のもとにおいては、埋立に関する工事の施行区域内の公有水面の周
辺海域において漁業を営む者は、仮に右のように埋立工事又は埋立地上に建設され
る施設の操業により何らかの被害を受け又は必然的に被害を受けるおそれがあると
しても、前説示のとおり周辺海域に漁業権を有する伊達及び有珠漁協が埋立権者で
ある参加人との間に被害の防止及び補償につき協定をしているように、埋立権者に
対し事前に被害の予防若くは補償を求め、又は事後に被害の填補を求めるなどにつ
き何らかの合意をすることは格別、法律上保護された利益を有するとして行政事件
訴訟法により公有水面埋立免許処分の取消を求めることは許されない。
なお、既存の公衆浴場営業者が第三者に対する公衆浴場営業許可処分の無効確認訴
訟を求めることは否定されていないが(最判昭和三七年一月一九日民集一六巻一号
五七頁)、右の場合は、少なくとも営業許可処分の基準について定める公衆浴場法
二条二項には、公衆浴場の「配置の適正」であることが要件のひとつとして規定さ
れているのであつて、旧埋立法に基づく本件の場合とは事案を異にしている。
(3) また、控訴人らは、新埋立法で創設された四条一項一号(「国土利用上適
正且合理的ナルコト」)、二号(「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セ
ラレタルモノナルトキ」)が、控訴人らの利益を保護した規定であり、旧埋立法下
でも同趣旨に解すべきである旨主張している。
しかし、新埋立法の右各規定が定めている事項については、旧埋立法の下において
も、当然のこととして事実上公有水面埋立免許処分の際考慮されていたものと推測
されるが、右各規定は、国民共通の資産である公有水面を埋立によつて利用するこ
とが、国土利用の見地からみて適正、合理的なもので、公益を維持増進するという
目的に適合するものであること(一号)、また国民の健康の保護と生活環境の保全
のため一定水準以上の環境の確保につき配慮されているという公益目的に適合する
ものであること(二号)との行政目的上の抽象的基準を定めたものであると解され
るのであつて、埋立地又はその周辺海域における漁業を営む者の利益として、同法
上これを保護したものであると解することはできない。
従つて、新埋立法四条一項一号、二号に関する控訴人らの右主張も失当である。
なお、控訴人らの原審におけるいわゆる環境権侵害の主張(原判決請求原因三、
4)については、その環境権なるものの内容が一般的、抽象的であつて、それをも
つて、到底前記法律上保護された利益として控訴人らの当事者適格を基礎づけるも
のとはなしえない。
(五) 公有水面の埋立免許処分により公物である公有水面を占用して埋立工事を
する権能が免許を受けた者に与えられるが、竣功認可は、右埋立工事の完成を確認
するとともに、埋立者に埋立地の所有権を取得させる行政処分であると解される。
そうすると、前記(一)ないし(四)において説示したと同じ理由により、控訴人
らは、被控訴人による本件公有水面の埋立工事竣功認可処分により侵害され又は必
然的に侵害されるおそれのある権利若くは法律上保護された利益を有しているとい
うことはできない。
3 以上のとおりであつて、控訴人らは本件埋立免許及び竣功認可各処分の取消を
求める法律上の利益を有するものとは認め難く、本件訴訟はいずれも原告適格を欠
く不適法なものである。
三 よつて、控訴人らの主位的控訴については理由がないからこれを棄却し、予備
的控訴については、控訴人らの被控訴人による本件埋立免許処分の取消を求める訴
につき、行政処分によつて法律上保護に値する利益を侵害される者は当該行政処分
取消訴訟を提起しうるとして、控訴人らの原告適格を肯定した原判決の判断は、そ
の余の点につき判断を加えるまでもなく失当であるから、民事訴訟法三八六条によ
り取消したうえ右訴を却下し、控訴人らの被控訴人による本件竣功認可処分取消を
求める訴につき、控訴人らの当事者適格の存在を前提としたうえ訴の利益がないと
してこれを却下した原判決の判断は、その理由によれば不当であるが、前説示の理
由によつて右訴は却下すべきものであつて、その理由は異るが、結局において右訴
を却下した原判決は正当に帰するから、同法三八四条二項により右控訴を棄却する
こととし、訴訟費用の負担につき同法九六条、八九条、九二条、九三条を適用し
て、主文のとおり判決する。
(裁判官 安達昌彦 澁川 満 大藤 敏)
別紙図面一、二(省略)

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