弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中、被上告人(第一審被告)Bに対する請求に関する部分を破棄
する。
     被上告人Bの本件控訴を棄却する。
     被上告人(第一審被告)国に対する請求に関する本件上告を棄却する。
     上告人(第一審原告)と被上告人Bとの間においては、被上告人Bの控
訴により生じた費用の全部および上告費用の三分の一を被上告人Bの負担とし、そ
の余を上告人の負担とする。
     上告人と被上告人国との間においては、上告費用を全部上告人の負担と
する。
         理    由
 上告代理人阿部正一の上告理由第一点について。
 手形権利者は自己の意思に基づかないで手形の所持を失つても手形上の権利を喪
失するものではないから、手形権利者が手形を所持しないで手形債務者に対しその
債務の履行につき裁判上の請求をなした場合も、右手形債権の時効中断の効力があ
ると解するのを相当とする。もつとも、その裁判上の請求において、債権者が口頭
弁論終結の時までに手形の所持を回復するかもしくはこれに代わるべき除権判決を
得なければその請求を棄却すべきものと解せられているが、その理由を手形の引換
証券性(手形法三九条)に求めるものとすれば、このことを根拠として、元来権利
者が権利の上に眠つていない事実の存在だけでその効果を認めるべき制度である時
効中断の場合に、その考えを推し及ぼすことは誤りといわなければならない。なお、
手形上の権利の時効中断のためにする請求に手形の呈示を要しないことは当裁判所
の判例とするところであるから(催告につき、最高裁昭和三五年(オ)第五三三号
同三八年一月三〇日大法廷判決判例集一七巻九九頁参照)、手形を所持しない手形
権利者が手形の呈示をなしえないことを理由として右の請求につき時効中断の効力
を否定することもまた理由がない。
 原判決の確定するところによれば、上告人(第一審原告)は、被上告人(第一審
被告)Bより昭和三〇年九月二七日を満期とする本件第一の約束手形を拒絶証書作
成義務を免除の上裏書を受け、右満期に支払場所に呈示し支払拒絶されて被上告人
Bに対し手形金債権を有するに至つたところ、昭和三〇年一二月二五日偶々右手形
を保管していた秋田地方検察庁の庁舎の火災によりこれを焼失したが、手形を所持
しないまま昭和三元年八月二日被上告人Bに対し右手形金と手形法所定の法定利息
の支払を請求する本訴を提起したというのである。されば、上告人の被上告人Bに
対する本件手形上の債権は、上告人の提起した本訴により時効が中断せられたもの
というべきであつて(右訴提起前の催告─この点は、原審において上告人の主張が
あるが原判決はその事実の有無を確定していない─により中断したかどうかはしば
らくおき)、右手形の満期より一年後である昭和三一年九月二七日の経過と共に時
効により消滅したものというべきでないのにかかわらず、原判決は、原審の口頭弁
論終結前である昭和三二年一一月三〇日に上告人が右手形につき除権判決を得て所
持人たる資格を回復した事実を確定しながら、なお右の理由により上告人の被上告
人Bに対する本訴請求を棄却すべきものとしたのは、法律の解釈適用を誤つた違法
があり、原判決中、被上告人Bに対する請求に関する部分は破棄を免れない。そし
て、右原判決の確定した事実によれば、上告人の被上告人Bに対する右手形金債権
の一部およびこれに対するその満期後である昭和三〇年一〇月二四日より支払ずみ
まで手形法所定の年六分の法定利息の支払を求める本訴請求は理由があり、これと
同趣旨の第一審判決は正当であるから、被上告人Bの本件控訴は棄却すべきである。
 同第二点について。
 原判決確定の事実関係の下において、上告人が本件手形につきその手形債務者に
対し手形上の権利を行使することが不可能とはいえない旨の原審の判断は、当裁判
所も正当としてこれを是認する。
 原判決中、上告人の被上告人(第一審被告)国に対する請求に関する部分には所
論の違法がなく、論旨は採用できないから、これに対する上告人の上告は棄却すべ
きである。
 よつて、民訴四〇八条、三九六条、三八四条、八九条、九二条、九六条に従い、
裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎

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