弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人を懲役1年6月に処する。
この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。
理由
【罪となるべき事実】
被告人は,中小企業庁が所管する持続化給付金制度を利用して,同給付
金の名目で金銭をだまし取ろうと考え,令和2年7月1日から同月20日
までの間,沖縄県内において,真実は,申請名義人の事業内容,事業収入
等の内容は虚偽であるのに,これらが真実であるかのように装い,スマー
トフォンを利用して,インターネット上に開設された同給付金申請ページ
に接続し,自己が小売業を営む個人事業者であり,前年度の年間事業収入
を112万500円,本年の売上減少対象月を5月,同年の月間事業収入
を0円,売上減少対象月の前年度売上額を9万3375円などと入力する
とともに,同入力内容に沿う内容虚偽の確定申告書の控え,売上台帳等の
画像データを添付するなどして,同給付金の給付を申請し,同庁から本件
給付金事務事業につき委託を受けた一般社団法人A協議会の同給付金事
務局局長ら審査担当者をして,同給付申請が給付要件を満たす正当なもの
と誤信させて,その頃,同担当者をして給付を決定させ,よって,同年7
月27日,株式会社B銀行に開設された被告人名義の通常貯金口座に,同
給付金として現金100万円を振込入金させ,もって人を欺いて財物を交
付させた。
【証拠の標目】

【法令の適用】

【量刑の理由】
被告人は,コンサルタントを称する者に本件不正申請を勧められ,申請
資格がないことを知りつつも,税理士が関わるから発覚することはないだ
ろうという安易かつ身勝手な考えで本件犯行に及んだ。内容不備による再
申請の際にはコンサルタントに相談することなく自らの判断で訂正して
申請することもあったことや,自身の申請手続を進める傍ら知人らにも不
正申請の勧誘をしていたことなどの犯行態様・経緯にも照らすと,コンサ
ルタントによる勧誘が契機とはいえ,被告人自身の給付金詐取行為に対す
る規範意識が鈍麻しており,積極的に本件犯行に及んでいたことが見て取
れる。被害額自体100万円と高額である上に,新型コロナウイルスの影
響により困窮した個人事業者等を支援するための制度設計を悪用した点
についても強い非難が妥当する。副業として行っていた投資等により約8
000万円の借金があり,その返済金を得る必要があったという動機にも
酌むべき点はない。以上によれば,被告人の刑事責任を軽くみることはで
きない。
もっとも,被告人は親族の助けを得て,詐取した金銭を全額返還した。
また,法律上の自首は成立しないにせよ自ら警察に出頭して本件犯行を自
白したほか,当公判廷においても事実を認めて反省の態度を示し,今後は
本件の遠因となった債務の整理を行い更生に努めたい旨述べた。被告人の
姉も出廷し,親族と共に被告人を今後も支援監督することを誓った。これ
らの事情に加え,被告人に前科前歴がないことなども考慮すると,被告人
に対しては,主文の刑に処してその刑事責任を明確にした上で,今回につ
いては,その刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
(検察官の求刑懲役1年6月)
令和3年2月24日
那覇地方裁判所刑事第1部
裁判官森田千尋

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