弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人中西保之の上告理由第一点について。
 原判決は、上告人が被上告人に対して本件仏像を売り渡すにつきD寺規則二〇条
及びE宗規則二三条の規定によるE宗代表役員の承認を受けなかつたから、右売買
契約は無効であるが、宗教法人法二四条但書により上告人は善意の相手方である被
上告人にその無効をもつて対抗することができない、と判断したものであることが
判文上明らかである。
 論旨は、原判決を正解することなくこれを非難するものであつて、採用すること
ができない。
 同第二点について。
 文化財保護法(昭和四三年法律第九九号による改正前のもの)は、同法四六条一
項所定の国に対する売渡の申出をせずになされた重要文化財の有償譲渡の効力につ
いてなんら規定するところがない(現行法も同じである)。
 しかしながら、文化財保護法の施行とともに廃止された国宝保存法一三条一項は
主務大臣の許可を受けない国宝の処分行為を禁じていたが、文化財保護法にはその
ような規定がなく、同法四六条一項ないし三項は、所有者の自由な処分権限を前提
として重要文化財の保存を目的とする国の先買権を規定したにとどまるものと解す
べきであり、また、主務大臣の許可を受けない国宝の処分行為を無効とした国宝保
存法一三条三項のような明文を欠く文化財保護法のもとにおいて、同法四六条一項
所定の国に対する売渡の申出をせずになされた重要文化財の有償譲渡を無効とする
ことは、著しく取引の安全を害し、譲受人に不当な損害を及ぼすことになるのみな
らず、同条一項の適用を受けない無償譲受人との均衡を失することにもなるのであ
つて、以上のような見地に立脚して考えると、重要文化財が同条一項所定の手続を
経ずに有償譲渡された場合であつても、その効力には影響がないものと解するのが
相当である。
 これを本件についてみると、上告人は被上告人に対して本件仏像を売り渡すにつ
き同条一項所定の国に対する売渡の申出をしていないけれども、そのことは上告人
と被上告人との間の売買の効力に消長をきたすものではないというべく、これと結
論を同じくする原審の判断は、正当として是認することができる。
 原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下   田   武   三
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    岸       盛   一
            裁判官    岸   上   康   夫

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