弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1本件控訴に基づき原判決を次のとおり変更する。
2被控訴人の本件請求を棄却する。
3訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1当事者の求めた裁判
1控訴の趣旨
(1)原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
(2)被控訴人の請求を棄却する。
(3)訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
2控訴の趣旨に対する答弁
(1)本件控訴を棄却する。
(2)控訴費用は,控訴人の負担とする。
3原判決(主文)の表示
(1)控訴人が被控訴人に対し平成13年7月31日付けでした個人情報の一部不開示決定中,原
判決添付別表の「開示の請求に係る個人情報の内容」欄記載の各文書中の「不開示情報(ただし,
被控訴人が本件訴訟で不開示処分の取消しを求めている部分は下線を付した部分」欄に対応する)
各情報のうち,番号①ないし③,⑤,⑦ないし⑩,⑬,⑮,⑯,⑲,⑳の各情報の下線を付した不
開示部分は,これを取り消す。
(2)その余の被控訴人の請求を棄却する。
(3)訴訟費用は,これを3分し,その1を被控訴人の,その余を控訴人の負担とする。
4被控訴人の請求の趣旨
(1)控訴人が被控訴人に対し平成13年7月31日付けでした個人情報の一部不開示決定中,原
判決添付別表の「開示の請求に係る個人情報の内容」欄記載の各文書中の「不開示情報(ただし,
被控訴人が本件訴訟で不開示処分の取消しを求めている部分は下線を付した部分」欄に対応する)
各情報のうち,番号①ないし⑳の各情報の下線を付した不開示部分は,これを取り消す。
(2)訴訟費用は,控訴人の負担とする。
第2事案の概要
1本件は,被控訴人が,控訴人に対し,過去において精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以
下「精神保健法」という)に基づいて控訴人から受けた入院措置及びその後なされた入院措置の解。
除に係る全ての文書が,被控訴人を本人とする個人情報に該当するとして,神奈川県個人情報保護条
例(平成2年3月30日条例第6号。以下「本件条例」という)15条1項の規定に基づき,その。
開示を請求した(本件開示請求)ところ,これに対して,控訴人は,一部を開示したものの,本件開
示請求に係る文書中には保存期間経過により廃棄済みで存在しないものがあるとし,又,存在する文
書中にあっても,別表の「不開示情報」欄記載の番号①ないし⑳の情報(以下併せて「本件不開示情
報」という)は,本件条例15条4項1号,同項3号,同項5号の不開示事由の一つ又は複数に該。
当するとして,それらの情報については不開示とする旨の決定(以下「本件不開示決定」という)。
をしたため,被控訴人は,この不開示決定に対して異議申立てを行い,これが棄却されたことから,
被控訴人が,本件訴訟を提起して,本件不開示決定の取消しを求めた事案である(なお,控訴人が本
件訴訟で取消しを求める部分は,上記別表欄の番号①ないし⑳のうち下線を付した部分である。。)
2原審は,前記のとおり,本件不開示情報のうち,番号①ないし③,⑤,⑦ないし⑩,⑬,⑮,⑯,
⑲,⑳の各情報の下線を付した部分について,本件不開示決定を取り消したことから,控訴人が,本
件控訴をした。
第3法令の定め等
1本件条例(神奈川県個人情報保護条例(平成2年3月30日条例第6号))
(1)目的
本件条例は,個人の尊厳を保つ上で個人情報の保護が重要であることにかんがみ,県の機関が
保有する個人情報の開示及び訂正を求める個人の権利を明らかにするとともに,個人情報の適正
な取扱いの確保に関し必要な事項を定めることにより,県内における個人情報の取扱いに伴う個
人の権利利益の侵害の防止を図り,もって基本的人権の擁護及び公正で民主的な県政の推進に資
することを目的とする(1条。)
(2)定義
本件条例における次に掲げる用語の意義は,それぞれに定めるところによる。
ア個人情報
個人に関する情報(個人が営む事業に関して記録された情報に含まれる当該個人に関する情
報及び法人その他の団体に関して記録された情報に含まれる当該法人その他の団体の役員に関
する情報を除く)であって,特定の個人が識別され,又は識別され得るものをいう(2条1。
号。)
イ実施機関
知事,議会,公営企業管理者,教育委員会,選挙管理委員会,人事委員会,監査委員,地方
労働委員会,収用委員会,海区漁業調整委員会及び内水面漁場管理委員会をいう(2条2号。)
ウ本人
個人情報から識別され,又は識別され得る個人をいう(2条6号。)
(3)自己情報の開示請求権
ア何人も,実施機関が保有する自己を本人とする個人情報の開示を請求することができる(1
5条1項。)
イ実施機関は,開示の請求があったときは,第18条2項及び3項に規定する方法により当該
開示の請求に係る個人情報の開示をしなければならない(15条3項。)
ウ実施機関は,上記イの規定にかかわらず,開示の請求に係る個人情報について開示をすること
が次の各号のいずれかに該当するときは,当該個人情報の全部又は一部の開示をしないことがで
きる(15条4項本文。)
(ア)開示の請求の対象となった個人情報に開示の請求をした者(以下「請求者」という)以。
外の個人に関する個人情報が含まれる場合であって,請求者に開示をすることにより,当該個
人の正当な利益を侵すことになると認められるとき(同項1号。)
(イ)開示の請求の対象となった個人情報が個人の指導,診断,評価,選考等に関する情報であ
って,請求者に開示をすることにより,当該指導,診断,評価,選考等に著しい支障が生ずる
おそれがあるとき(同項3号。)
(ウ)開示の請求の対象となった個人情報が県の機関又は国若しくは他の地方公共団体の機関が
行う事務又は事業に関するものであって,請求者に開示をすることにより,−中略−当該事務
又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき(同項5
号(抜粋。))
2精神保健法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律。ただし,本件の2回にわたる入院措置が
それぞれ行われた平成▲年▲月▲日当時及び平成▲年▲月▲日当時という二つの適用時点にかんが
み,以下においては,平成▲年▲月▲日当時の規定を「▲年当時法」と称し,平成▲年▲月▲日当時
の規定を「▲年当時法」と称し,それぞれ,その規定内容を摘示する場合がある)。
(1)目的
この法律は,精神障害者等の医療及び保護を行い,その社会復帰を促進し,並びにその発生の
予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによって,精神障害者等の福祉の増進
及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とする。
(2)定義
ア「精神障害者」とは,精神病者(中毒性精神病者を含む,精神薄弱者及び精神病質者をい。)
う(▲年当時法の3条。)
イ「精神障害者」とは,精神分裂病,中毒性精神病,精神薄弱,精神病質その他の精神疾患を
有する者をいう(▲年当時法の5条)
(3)任意入院(以下「同意入院」ともいう)。
精神病院(精神病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む。以下同じ)の管理。
者は,精神障害者を入院させる場合においては,本人の同意に基いて入院が行われるように努め
なければならない(▲年当時法の22条の2。)
(4)通報
ア警察官
警察官は,職務を執行するに当たり,異常な挙動その他周囲の事情から判断して,精神障害の
ために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる者を発見したときは,直ち
に,その旨を,もよりの保健所長を経て都道府県知事に通報しなければならない(24条。)
イ検察官
,,,検察官は精神障害者又はその疑いのある被疑者又は被告人について不起訴処分をしたとき
裁判(懲役,禁こ又は拘留の刑を言い渡し執行猶予の言渡をしない裁判を除く)が確定したと。
き,その他特に必要があると認めたときは,すみやかに,その旨を都道府県知事に通報しなけれ
ばならない(25条。)
(5)指定医の診察等
ア都道府県知事は,上記(4)ア,イの規定等による通報等のあった者について調査の上必要
があると認めるときは,その指定する指定医をして診察をさせなければならない(27条1項
(抜粋))
イ都道府県知事は,上記アの規定等により診察をさせる場合には,当該職員を立ち会わせなけ
ればならない(27条3項(抜粋。))
(6)診察の通知
ア都道府県知事は,上記(5)アの規定により診察をさせるに当って現に本人の保護の任に当
っている者がある場合には,あらかじめ,診察の日時及び場所をその者に通知しなければなら
ない(28条1項。)
イ後見人,親権を行う者,配偶者その他現に本人の保護の任に当たつている者は,上記(5)
アの診察に立ち会うことができる(同条2項。)
(7)判定の基準
上記(6)アの規定により診察をした指定医は,厚生大臣の定める基準に従い,当該診察をし
た者が精神障害者であり,かつ,医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために
自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあるかどうかの判定を行わなければならない(28
条の2。)
(8)都道府県知事による入院措置
ア都道府県知事は,上記(5)アの規定による診察の結果,その診察を受けた者が精神障害者
であり,且つ,医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又
は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときは,その者を国若しくは都道府県の設置した精
神病院又は指定病院に入院させることができる(29条1項。)
イ上記アの場合において都道府県知事がその者を入院させるには,その指定する2人以上の指
定医の診察を経て,その者が精神障害者であり,かつ,医療及び保護のために入院させなけれ
ばその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めることについ
て,各指定医の診察の結果が一致した場合でなければならない(29条2項。)
(9)入院措置の解除
ア都道府県知事は,上記(8)アの規定により入院した者(以下「措置入院者」という)が,。
入院を継続しなくてもその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがない
と認められるに至ったときは,直ちに,その者を退院させなければならない。この場合におい
ては,都道府県知事は,あらかじめ,その者を入院させている精神病院又は指定病院の管理者
の意見を聞くものとする(29条の4の1項。)
イ上記アの場合において都道府県知事がその者を退院させるには,その者が入院を継続しなく
てもその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがないと認められること
について,その指定する指定医による診察の結果又は次のウの規定による診察の結果に基づく
場合でなければならない(29条の4の2項。)
ウ措置入院者を入院させている精神病院又は指定病院の管理者は,指定医による診察の結果,
措置入院者が,入院を継続しなくてもその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼ
すおそれがないと認められるに至つたときは,直ちに,その旨,その者の症状その他厚生省令
()。で定める事項を最寄りの保健所長を経て都道府県知事に届け出なければならない29条の5
第4前提事実(争いのない事実及び証拠により容易に認定できる事実)
,,「」「」1前提事実は下記2のとおり付加するほか原判決の事実及び理由の第3基礎となる事実
に摘示するとおり(原判決2頁26行目から5頁25行目まで)であるから,これを引用する。
2本件不開示情報が別表の「本件開示請求に係る個人情報」欄記載の各文書に係る情報であり,これ
が被控訴人の個人情報(前記第3,1(2(ア)であること,本件条例の実施機関が控訴人で,),)
あり,控訴人が上記被控訴人の個人情報を保有していること及び同情報が記載された文書の作成年月
日が別表の「文書の作成年月日」欄記載のとおりであることは,いずれも当事者間に争いがない。
第5争点及びこれに関する当事者の主張
1本件不開示情報と本件不開示決定において控訴人がその根拠として主張する本件条例上の規定の対
照関係は,別表記載のとおりであり,本件の争点は,本件条例15条4項1号該当性については,こ
,,,れに係る本件不開示情報が被控訴人以外の個人に関する情報であってこれを開示することにより
当該被控訴人以外の個人の正当な利益を侵すことになると認められるか否かであり,同項3号該当性
については,これに係る本件不開示情報が,同号に定める診断に関する情報であり,これを開示する
,,,ことにより当該診断に著しい支障が生ずるおそれがあるか否かであり同項5号該当性については
これに係る本件不開示情報が,神奈川県が行う事務に関するものであり,これらを開示することによ
り,当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるか否かというにある。
2上記1に関する当事者の主張は下記3及び4に当審における主張を付加するほかは原判決の事,,「
実及び理由」の「第5争点に関する当事者の主張」に摘示するとおり(原判決9頁6行目から18
頁24行目まで)であるから,これを引用する。
3当審における控訴人の主張
(1)精神障害のうち,特に○患者については,完治が難しく,長い年月を治療に要し,特定の時
期において症状が安定していたとしても再発の恐れがあり,同患者本人に情報を開示するために
は慎重であるべきである。
(2)控訴人が本件不開示決定を行った際に考慮した事由は,以下のとおりである。
ア控訴人は,平成13年7月16日に,上記(1)の観点から,被控訴人に対して過去2回な
された入院措置及びその解除に関わった5名の指定医に対して,本件の開示に関する意見照会
,,,を行ったところうち4名の指定医から一部開示が適当である回答を得たがその回答により
被控訴人は,平成▲年▲月▲日時点においても寛解(なお,精神疾患に関しては,医学的にも
完治が困難であるとされており,症状がほとんど消失した状態を「寛解」と表現している)。
の状態にはなく,治療によっても一部の状態は消失させることができずに持続していたこと,
被控訴人の当該症状については「訂正不能,すなわち,現在の医療技術においては,治療に」
よっても治癒しうる可能性が極めて低く,病識にも欠けていたこと,平成▲年▲月▲日の受診
を最後に通院治療をやめていることが明らかとなったこと。
なお,上記意見照会に対する回答は,平成▲年▲月から平成▲年▲月までのいずれかの時点に
おける被控訴人の病状に基づくものである。
イ被控訴人の居住地を所管する秦野保健所でも少なくとも過去5年間は被控訴人からの相談を
受けていないこと。
ウ被控訴人が平成13年7月に本件開示請求を行った際,被控訴人は「自分(被控訴人)が精
神障害者でないことを証明しないと銀行が金を貸してくれない「だから,情報公開請求をし。」
て自分(被控訴人)が従前から精神障害者でなかったことを証明する」等を話していたこと。。
()(「」),(「」),3不開示情報③主たる陳述者氏名及び続き柄⑤診察に立会った者の氏名及び続き柄
⑬(立会った親族等の氏名及び続柄)について「」
ア本件条例15条4項1号該当性
(ア)原判決が,被控訴人に対する指定医の診察に立ち会ったり,被控訴人の生活歴及び現病歴
に関して陳述した親族は優に被控訴人の父と推認できるので,父が死亡している以上,その正
当な利益を侵すことになると認めることができないとした点は,同号後段の解釈,適用を誤っ
たものである。
イ上記③⑤⑬を後記②生活歴及び現病歴と併せて開示した場合には被診察者請(),,(「」),(
求者)が,その内容に反発し,立会い者等に対して執拗な攻撃に及ぶおそれが否定できず,精
神障害者の心理的特徴(不安の処理能力が現実適応的でなく,心の現実を正しく認識できない
状態)を考え合わせると,仮に当該立会い者等が故人となっていた場合であっても,その遺族
あるいは関係者に対して攻撃に及ぶおそれが存する。
(ウ)原判決は,立会い者等が死亡している以上,立会い者等の正当な利益を侵すことにはなら
ないとするが,入院措置制度上,立会い者と陳述者が同一人物である必然性はなく,立会い者
には確かに被診察者の親族等がなる場合が多いとはいえるものの,陳述者は近隣者や警察官の
場合もある。又,仮に立会い者等が死亡したという事実が存したとしても,その遺族や関係者
が上記(イ)のような不当な攻撃を受けないことは法的に保護されなければならない利益であ
る。
イ本件条例15条4項5号該当性
(ア)原判決が,被控訴人の父が既に死亡しているから,県の機関が行う精神保健福祉事務の
適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認めることができないとした点は,同号後段の解
釈,適用を誤ったものである。
(イ)上記ア(イ)の事態が生じるとすれば,都道府県の機関が行う精神保健福祉事務の適正
な遂行に支障を及ぼすこととなることは明らかである。
(4)不開示情報①,⑦及び⑲(病名,⑮(診断名,⑧及び⑯(問題行動,⑨(現在の「」)「」)「」)「
病状又は状態像,⑩(診察時の特記事項,⑳(入院以降の病状又は状態像の経過)の本」)「」)「」
件条例15条4項3号該当性
ア原判決が,不開示情報①,⑦ないし⑩,⑮,⑯,⑲,⑳の同号該当性につき,控訴人が「著
しい支障が生ずるおそれがある」と判断する際に依拠した指定医の意見は,本件不開示処分時
,「」より約4年10か月も前の時点における診察に基づく意見である上どのような内容の支障
が生じるおそれがあるのか全く明らかにされていないとした点は,以下述べるとおり,同号後
段の解釈,適用を誤ったものである。
イ上記アの各不開示情報は,入院措置に関して行われた診断,診察等に係る情報であるが,精
神科医の判断は,治療過程の中で現実と照合して吟味され,確かめられて,適切と思われる時
機に必要に応じて患者に理解されるように言葉を選んで治療過程でなされるか,家族と精神科
医との共同作業の中で患者に伝えられるべきものであり,機械的に開示するべきではなく,特
に入院措置を経験した患者については,開示すべきか否かの判断を慎重に行う必要があること
は,前記(1)のとおりである。仮に医師の不開示の判断に反して,患者に「病名」や「問題
行動」を開示すれば,当該情報を知ることにより,医師に対して不信感を抱き,必要な治療を
放棄してしまうおそれがあり,このことは患者自身に悪影響を及ぼすばかりでなく,県が今後
行わなければならない精神保健診察に支障を来たすおそれがある。又,精神障害は,長い治療
期間を要する病気であり,被害妄想も多く見られること,不安の処理能力が現実適応的でない
ことが精神障害の共通の特徴であることなどを勘案すると医師に対する強い反発が生まれ,そ
の後の診療行為等に支障が生ずることも容易に予想される。
ウ本件においては,関係病院名が既に開示されていることから,診断書を記載した指定医が判
明する可能性は否定できず,指定医に対する攻撃に及ぶおそれは否定できない。
(5)本件不開示情報②(生活歴及び現病歴)について「」
ア本件条例15条4項3号該当性
原判決が,全証拠を総合しても,被控訴人の病名,過去及び現在の病状,病状像やこれらに
ついての将来の見通しは明らかでないから「著しい支障が生ずるおそれがある」ものと認める
ことはできないとした点は,同号後段の解釈,適用を誤ったものである。
イ本件条例4項5号該当性
(ア)原判決が,被控訴人に対する指定医の診察に立会ったり,被控訴人の生活歴及び現病歴に
関して陳述した親族は優に被控訴人の父と推認できるので,父が死亡している以上,今後入院
措置等に際し陳述する可能性はないので,県の機関が行う精神保健福祉事務の適正な遂行に実
,質的な支障を生ずるおそれが蓋然性をもって認められるとするに足りる証拠はないとした点は
同号後段の解釈,適用を誤ったものである。
(イ)本件不開示情報②が患者本人に開示されることとなると,陳述者は後難を恐れて真実を述
べなくなる可能性が大きく,医師も陳述者から聞き取った内容を直截に記載することを躊躇す
ることになりかねず,精神保健福祉事務の適正な遂行に支障を来たすおそれがある。
(ウ)入院措置患者に多い○の患者の場合,幻聴,幻覚,妄想があり,しかも被害的な内容が主
,,であるという患者の特徴からすると陳述したと推認できる本人が死亡したという理由だけで
本件不開示情報②を開示することは相当でない。
4上記3に対する被控訴人の認否等
(1)上記3は,いずれも被控訴人が○であること又はあったことを前提とした主張であり,これ
については,全て否認し,争う。
(2)仮に,開示にあたり,指定医の意見を尊重するとしても,当該指定医の判断は,遅くとも平
成▲年▲月までの被控訴人の症状に基づく判断であるということであるから,本件不開示決定が
なされた平成13年7月まで,約5年間が経過しているのであるから,あくまで参考意見に留ま
る程度のものでしかないはずである。
第6証拠関係
証拠関係は,原審訴訟記録及び当審記録中の各証拠関係目録の記載のとおりであるから,これを引
用する。
第7当裁判所の判断
1前記前提事実及び証拠(甲1ないし甲6,乙13)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認め
ることができる。
(1)被控訴人は,昭和▲年▲月▲日,父A,母Bの長男として生まれたが,Aは平成▲年▲月▲
日に死亡し,Bはそれ以前の平成▲年▲月▲日に死亡した。
Aと先妻Cとの間には,D(昭和▲年▲月生れ)及びE(昭和▲年▲月生れ)という被控訴人と
は異母関係の姉2人があり,これらの2名は,それぞれ,その夫と婚姻しているほか,AとBとの
間には,F(昭和▲年▲月生れ)及びG(昭和▲年▲月生れ)という被控訴人の実妹2人があり,
これらの2名もそれぞれの夫と婚姻している。
(2)被控訴人は,昭和▲年▲月▲日から同年▲月▲日まで,精神病院に同意入院をしていたこと
があった。
(3)控訴人は,横浜地方検察庁からの通報により,平成▲年▲月▲日,神奈川県秦野市にあるH
病院において,被控訴人に精神保健法27条1項の規定に基づき2名の指定医の診察を受けさせた
ところ,いずれの指定医からも「要措置」との医学的総合判断がなされたため,控訴人は,被控訴
人を,同法29条1項の規定に基づき,同日から,H病院に入院させた(以下「第1回入院措置」
という。。)
(4)その後,被控訴人について,同年▲月▲日付けでH病院から控訴人に対し同法29条の5の
規定に基づく「措置入院者の症状消退届(以下「消退届」という)が提出され,その結果,同」。
年▲月▲日,控訴人は同法29条の4の規定に基づき,被控訴人に対する第1回入院措置を解除し
た。
(5)被控訴人は,第1回入院措置の解除がされた後も,引き続きH病院で精神保健法33条の規
定に基づく医療保護入院を続け,平成▲年▲月▲日,同病院を退院した。
(6)控訴人は,秦野警察署からの通報により,平成▲年▲月▲日,神奈川県小田原市にあるI病
院において,被控訴人に対して精神保健法27条1項の規定に基づき2名の指定医の診察を受けさ
せたところ,いずれの指定医からも「要措置」との医学的総合判断がなされたため,控訴人は,被
控訴人を,同法29条1項の規定に基づき,同日から,I病院に入院させた(以下「第2回入院措
置」という。。)
(7)被控訴人について,同年▲月▲日付けでI病院から控訴人に対し同法29条の5の規定に基
づく消退届が提出され,その結果,同年▲月▲日,控訴人は,同法29条の4の規定に基づき,被
控訴人に対する第2回入院措置を解除した。
(8)控訴人は,第2回入院措置が解除された後も,引き続きI病院で精神保健法33条の規定に
基づく医療保護入院を続け,平成▲年▲月▲日,同病院を退院し,その後は,平成▲年▲月▲日ま
で,同病院へ通院治療をしていた。
9被控訴人は平成13年7月2日控訴人に対し本件条例15条1項の規定に基づき平(),,,,「
成▲年▲月及び平成▲年の私の入院措置処分決定に至るすべての文書」及び「被控訴人の上記入院
措置解除に至るすべての文書」について,本件開示請求をした。
(10)控訴人は,本件開示請求を受けて,第1回入院措置及び第2回入院措置をする際に被控訴
人を診察した指定医各2名とこれら2回の入院措置の解除の際に被控訴人を診察した指定医各1名
の合計6名の医師のうち,死亡した1名を除く,5名の医師に対し,被控訴人から開示請求がされ
た文書の開示の適否に関する意見照会を行った。
(11)上記意見照会の結果は,5名の指定医のうち4名が一部不開示相当という意見であり,そ
の理由の概略は,被控訴人が第2回入院措置における入院先であるI病院の退院時(平成▲年▲月
▲日)にあっても寛解の状態にはなく,治療によっても一部の症状は消失させることができずに持
続していたこと,被控訴人の当該症状は「訂正不能,すなわち,現在の医療技術においては,治」
療によっても治癒しうる可能性が極めて低く,病識にも欠けていたこと,平成▲年▲月▲日の受診
を最後にI病院には通院していないことなどであった。控訴人は,上記意見及び意見照会の回答内
容から推察される被控訴人の病状等に基づいて,平成13年7月31日,本件開示請求に対し,一
部の文書を開示し,一部を不存在と回答し,残部を一部不開示とする本件不開示決定をし,その旨
を被控訴人に通知した。
(12)被控訴人は,平成13年7月2日か同年8月2日ころ神奈川県庁を訪れ「①自分(被控,
訴人。以下同じ)は精神障害者ではないのに,入院措置をしたことが銀行に知れてしまったため,
契約を打ち切られてしまった,②銀行を相手に訴訟を起こしているが,自分が精神障害者であるこ
とが判明してしまうと法廷での自分の発言に対して裁判所が信ぴょう性を認めてくれない,③その
ため,入院措置に関する書類の記載内容を確かめて自分が精神障害者ではないということを証明し
たい」旨の発言をした。。
(13)被控訴人は,平成13年9月20日,不存在を理由として不開示とされた文書以外の文書
に係る部分について,控訴人に対し異議申立てをした。
(14)これに対し,控訴人は,平成14年7月12日,神奈川県個人情報保護審査会の答申を参
照した上,上記異議申立てを棄却する旨の決定をした。
(15)被控訴人は,平成14年9月27日,横浜地方裁判所に,控訴人を被告とする本件訴訟を
提起した。
以上の各事実をもとに,本件の争点について,以下順次判断を加える。
,,,,2本件の争点は前示のとおりであるところ争点についての判断順序としては本件不開示情報が
いずれも,被控訴人の入院措置又は同措置解除についてなされた被控訴人に対する診断において作成
,,,された被控訴人の病名症状行動についての記載及び記載者又は情報提供者等に係るものであって
これらに係る当審における上記当事者の主張及び本件における弁論の全趣旨にかんがみれば,本件の
争点については,上記不開示情報の中心的な記載者又は収集者である指定医の判断又は意見の部分に
関係する本件条例15条4項3号の該当性についてまず判断を加えることが相当であり,次いで,指
定医に被控訴人にかかる情報を提供した者及び診断に立ち会った者等に係る同項1号該当性について
判断を加え,以上のいずれについても該当性が認められないとした場合に同項5号の該当性について
判断を加えることにする。
なお,前示の本件条例の目的及び本件条例の背景となっている,いわゆる知る権利の重要性にかん
がみれば,自己に関する個人情報は,原則として,これを開示すべきであり,第三者の利益の保護あ
るいは公益の保護等の観点からする本件条例15条4項各号の規定のいずれかの不開示事由に該当す
る場合には,例外的にその個人情報の全部又は一部これを開示しないことができると解釈すべきであ
るが,上記不開示事由に該当するか否かは,当該個人情報の種類,性質,内容,そして開示に伴い合
理的に予想される影響その他想定し得る諸事情を含めて,総合的に判断する必要が存するものと解さ
れる。
3本件条例15条4項3号の該当性について
(1)本件開示請求の対象となった個人情報の内容が,控訴人が被控訴人に対して行った精神保健
法による入院措置及び同措置の解除に係る情報であることは,前示のとおり当事者間に争いがな
い。また,前示の経緯のとおり,控訴人は,検察庁又は警察署からの通報により,指定医に被控
訴人を診察させ,その診察結果に基づいて,被控訴人に対して第1回入院措置及び第2回入院措
置を行ったものであり,また,控訴人は,前示の各病院管理者から提出された消退届をもとに,
同届書に記載された指定医の措置状況の消退に関する認定意見をもとに第1回入院措置及び第2
回入院措置をそれぞれ解除したものである。以上に係る指定医の診察は,精神保健法28条の2
及び29条1項の規定による「精神障害者であり,かつ,医療及び保護のために入院させなけれ
ばその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあるか否か」の,また,同
法29条の4の規定による「入院を継続しなくてもその精神障害のために自身を傷つけ又は他人
に害を及ぼすおそれがないと認められるに至ったか」の判断のために,都道府県知事の指定によ
りなされるものである。したがって,上記の各診察は,単に,病名(本件不開示情報のうち別表
記載の番号①,⑦,⑮,⑲)を定めて精神障害者であることを診断することのみにとどまらず,
自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあるか否かという点を,具体的に示す必要があるも
のと解されるところ,当該者の生活歴及び現病歴(同②)や問題行動(同⑧,同⑯,現在の))
病状又は状態像(同⑨,診察時の特記事項(同⑩,入院以降の病状又は状態像の経過(同⑳)))
は,いずれもこれを基礎付ける具体的な事実関係であって,かつ,指定医としての専門的知識及
び経験に基づいて診断記載され得る情報であると理解されるのであり,そうしてみると,これら
が全体として本件条例15条4項3号の「診断」に該当することは明らかであるといわねばなら
ない。被控訴人は,これを否定するが,採用できない。
(2)次に,上記不開示情報を被控訴人に対して開示した場合,診断に著しい支障が生ずるおそれ
が存するか否かについて検討する。
まず,前提として,精神保健法27条の規定に基づく指定医による診察は,通常の医師と患者
の診療契約関係とは異なり都道府県知事の指定によるものであって,指定医は,通常の診療契約
に基づく場合のように診察内容を被診察者やその家族に対して知らせるべき義務を負う立場にあ
るとは認められないのである。そのような関係において,情報開示により,精神障害者であると
いう診断結果に接した場合,誰しもがこれを従順かつ平穏に受容するという事態は容易に想定し
難いのであり,深刻に思い悩むこともあり得るし,当該情報を強く疑い,あるいは激怒し,場合
によっては,何としても当該情報が虚偽であることを明らかにしたいと考え,様々な行動に出る
ことも予想されないとはいえず,それらの行動が必ずしも平穏な態様でなされる保障もないとい
わざるをえない。
被控訴人は,上記情報が,過去の診断情報であることを理由として,将来の診断については,
著しい支障が生ずるおそれがない旨主張するが,精神保健法の入院措置に関する診察は,上述の
とおり,過去の生活歴や病歴をもとに,現時点での病状や状態像についての判断を行うことが必
要であること,本件では被控訴人が○であるとの明示の主張があるわけではなく,その旨の立証
,,,,も存しないが過去において被控訴人は精神病院に同意入院しておりその後の2回にわたり
精神障害者と認定され,入院措置を受けたこと,平成▲年▲月▲日以後通院治療を受けていない
こと,被控訴人の精神障害が治癒ないし寛解した旨の証拠資料が存しないことにかんがみれば,
上記情報を開示した場合,被控訴人の精神状態に不利益が生じるおそれがあり,ひいては予想さ
れ得る指定医の診察に対し,被控訴人からの抵抗等が生じ得ることも合理的に予想され得るとこ
ろである。そうであるとすると,本件では,上記情報を被控訴人に対して開示した場合,診断に
著しい支障が生ずるおそれが存するものと認めるのが相当である。
(),,,,,,,,,3以上によれば本件不開示情報のうち番号①②⑦ないし⑩⑮⑯⑲⑳について
控訴人が本件条例15条4項3号を適用してこれらを不開示とした点について違法があるとは認
められない。
4本件条例15条4項1号該当性について
(1)証拠(甲3の5ないし甲3の8,甲3の12,甲3の19,甲3の23)及び弁論の全趣旨
によれば,本件条例15条4項1号に係る本件不開示情報(別表記載の番号③ないし⑥,⑪ない
し⑭,⑰,⑱)は,いずれも,被控訴人以外の個人に係る個人情報を含むことが認められる。
(2)控訴人は,上記各不開示情報を開示することにより,被控訴人以外の個人の正当な利益を侵
すことになると認められる旨主張するので,この点について判断する。
ア上記不開示情報の本人は,指定医,主たる陳述者,診察に立ち会った者(親族等,職員,)
受信者,主治医であり,上掲証拠によれば,これらの本人は,精神保健法27条の規定に基づ
き,入院措置に係る指定医の診察結果を記録するために作成される診断書の作成者である医師
(指定医)及び当該診断に当たり,指定医に対して被診察者の生活歴及び現病歴を述べた者,
同法28条2項の規定に診察に立ち会うことができる者,同法27条3項の規定により法律上
の立会義務のある職員,診察結果通知を受信した者,同法29条の5の規定により,入院措置
の解除を届け出るべき義務ある病院管理者が作成する消退届中に記載された入院措置以降の措
置症状の消退を認めた指定医と訪問指導先の主治医であることが認められる。すなわち,これ
,,らの第三者はいずれも精神保健法に基づく入院措置制度及びその解除制度上又はその運用上
その存在が必要不可欠な者とされているか又は重要な役割を果す者として予定されている者と
いうことができる。そうであるとすると,このような制度を支える第三者は,当該地位にある
ことに係る個人情報の内容的な真偽等に関し他の者から調査ないし確認を受ける事態が生じる
としても,そのような制度的な必要に応えて当該地位に立つに至ったことについて相応の尊重
を受けることがその前提となるものと認められるのであり,これらの第三者の正当の利益を考
察する上では,こうした相応の尊重が払われるか否かという点も考慮されるべきところといわ
なければならない。
イそこで,被控訴人への開示が上記第三者の正当な利益を侵すことになると認められるか否かに
ついて検討する。
(ア)精神保健法27条に基づく診察の性質が通常の診療契約関係の下におけるそれと異なり,
指定医が被診察者に対して説明及び報告の義務を負うものではないこと,そのような関係にお
いて,情報開示により精神障害者であるという診断結果に接した場合,誰しもがこれを従順か
,,つ平穏に受容するという事態は容易に想定し難いことそれゆえに被開示者が場合によっては
何としても当該情報が虚偽であることを明らかにしたいと考え,様々な行動に出ることも予想
されないとはいえず,それらの行動が必ずしも平穏な態様でなされる保障もないと考えられる
ことは前示のとおりである。そうであるとすれば,本件の場合にも,被控訴人において上記の
ような第三者に対して様々な行動に出ることが合理的に予想されるところというべきであり,
そうしてみると,これらの事態を生じさせることにより,上記不開示情報の開示は,上記のよ
うな第三者の正当な利益を侵すことになると認めるのが相当である。
(イ)この点について,被控訴人は,上記は,平成▲年の時点での被控訴人の症状をもとにし
た判断であって,本件不開示処分時における被控訴人の状況に基づく判断ではないから適正
,,,,ではない本件処分時において被控訴人は何ら自覚症状がないなどと反論するが前記1
(10)ないし(12)認定の事実経緯及び弁論の全趣旨に照らすと,被控訴人の主張は,
理由がなく,採用の限りではない。
(ウ)証拠(甲3の7,甲3の8,甲3の9,甲3の12,甲3の15,甲3の19,甲3の
20,甲3の23)及び弁論の全趣旨によれば,被控訴人の保護者ないし保護義務者はAで
あったと認められるところ,前示のとおり,Aは,平成▲年▲月に死亡している。しかしな
がら,前示のとおり,Aは,被控訴人以外にも被控訴人の同胞をもうけているほか,被控訴
人には異母関係の姉があるのであり,正当な利益は,A以外の親族その他の関係者について
も認められるべき場合があり得るので,Aが既に死亡していることを理由とする被控訴人の
主張は,採用することができない。
(3)以上によれば,本件不開示情報のうち,番号③ないし⑥,⑪ないし⑭,⑰,⑱について,控
訴人が本件条例15条4項1号を適用して不開示とした点について違法があるとは認められない。
5以上3及び4によれば,本件不開示決定には,違法は存せず,適法になされたものと認められる。
6結語
よって,被控訴人の本件不開示決定の取消しを求める本件請求は,その余について判断するまでも
なく理由がないから棄却すべきであり,これと一部異なる原判決は,その異なる限度において相当で
なく,本件控訴は,理由があるから,原判決を主文掲記のとおり変更することとし,訴訟費用の負担
につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法67条2項,61条を適用して,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第9民事部
裁判長裁判官雛形要松
裁判官浜秀樹
裁判官北澤純一
別表
不開示情報(ただし,被争点となる本件条例15条
開示の請求に係文書の作成年月日控訴人が本件訴訟で不開4項各号の該当条項
る個人情報の内示処分の取消しを求めて
容いる部分は下線を付した
部分)
診察の結)平成▲年▲月▲日i
果につい(甲3の4)①病名3号(診断情報)該当性
て通知)平成▲年▲月▲日()ii
の案(甲3の)16
②生活歴及び現病歴3号(診断情報)該当性
5号(事務情報)該当性
③主たる陳述者氏名及び1号(第三者情報)該当性
続き柄5号(事務情報)該当性
)平成▲年▲月▲日i
(1通目,甲3の5)④精神保健指定医氏名及1号(第三者情報)該当性
措置入院)同日付けび印影5号(事務情報)該当性ii
に関する(2通目,甲3の6)
診断書4)平成▲年▲月▲日⑤診察に立合った者の氏1号(第三者情報)該当性(iii
通)1通目甲3の名及び続き柄又は職業5号(事務情報)該当性(,)17
)同日付けiv
2通目甲3の⑥職員氏名1号(第三者情報)該当性(,)18
5号(事務情報)該当性
⑦病名3号(診断情報)該当性
⑧問題行動3号(診断情報)該当性
⑨現在の病状又は状態像3号(診断情報)該当性
⑩診察時の特記事項3号(診断情報)該当性
⑪受信者氏名及び印影1号(第三者情報)該当性
⑫指定医氏名及び所属病1号(第三者情報)該当性
)平成▲年▲月▲日院名5号(事務情報)該当性i
精神保(1通目,甲3の7)
健診察)同日付け⑬立会った親族等の氏名1号(第三者情報)該当性ii
結果書(2通目,甲3の8)及び続柄5号(事務情報)該当性
(3通))平成▲年▲月▲日iii
(甲3の)⑭立会職員氏名1号(第三者情報)該当性19
5号(事務情報)該当性
⑮診断名3号(診断情報)該当性
⑯問題行動3号(診断情報)該当性
措置入院)平成▲年▲月▲日⑰措置症状の消退を認め1号(第三者情報)該当性i
者の症状(甲3の)た精神保健指定医氏名及5号(事務情報)該当性12
消退届2)平成▲年▲月▲日び印影(ii
通)(甲3の)23


















⑱主治医氏名1号(第三者情報)該当性
⑲病名3号(診断情報)該当性
措置入院)平成▲年▲月▲日i
者の症状(甲3の12)
消退届)平成▲年▲月▲日ii
(2通)(甲3の23)⑳入院以降の病状又は状3号(診断情報)該当性
態像の経過


















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