弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人小野孝徳の上告理由、上告代理人高橋明雄の上告理由について。
 原審は、その挙示の証拠に基づき、上告人、被上告人間の身分関係、本件土地賃
貸借契約成立時の事情とその後の経過、昭和二八年三月一五日上告人、被上告人間
に本件契約(甲一号証の契約)が成立するにいたる経緯、その成立時の事情、その
後の経過、賃借人である上告人の経済状態等諸般の事実関係を詳細認定した上、昭
和二八年三月一五日上告人、被上告人間に成立した本件契約は、昭和二一年六月以
来存続している本件土地賃貸借について、あらたに昭和三四年四月一日までの期限
を設定し、その期限の到来とともに賃貸借契約を解約するという期限附合意解約と
解するのが相当である旨、並びに右期限附合意解約をするについて、上告人として
は、被上告人の立場を了解し、ここで当初の残存期間を主張して親戚関係に不和を
来たすよりは、むしろ穏便に事を納め、数年の間に約旨の認める転貸料や建物譲渡
代金等を資金として他に転出するつもりで種々考量の上で任意にこれを承認したも
のであること、本件契約が錯誤に基づくものであるとか、上告人の窮迫、軽率、無
経験に乗じてなされたものであるとかの上告人の主張は認められない旨判示してい
るが、原判決の右の事実の認定並びに判断は、すべて正当として支持することがで
きる。
 思うに、従来存続している土地賃貸借につき一定の期限を設定し、その到来によ
り賃貸借契約を解約するという期限附合意解約は、借地法の適用がある土地賃貸借
の場合においても、右合意に際し貸借人が真実土地賃貸借を解約する意思を有して
いると認めるに足りる合理的客観的理由があり、しかも他に右合意を不当とする事
情の認められないかぎり許されないものではなく、借地法一一条に該当するもので
はないと解すべきであるところ、原審確定の前記事実関係のもとでは、本件期限附
合意解約は右に説示する要件をそなえているものと解するのが相当であるから、本
件期限附合意解約は有効であつて、本件土地賃貸借契約は、期限の到来によつて解
約され、上告人は被上告人に対し本件土地を明け渡す義務があるものというべく、
これと同旨の原判決の判断は正当である。
 原判決に所論の違法はなく、論旨は、原審の認定にそわない事実を主張し、独自
の見解に立つて、適法になされた原審の事実の認定、それに基づく正当な判断を非
難するに帰し、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    飯   村   義   美
            裁判官    関   根   小   郷

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛