弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原告の請求を棄却する。
     訴訟費用は原告の負担とする。
         事    実
 原告訴訟代理人は、「昭和二十六年四月二十三日執行の岩手県九戸郡種市町長選
挙の当選の効力に関する原告の訴願につき、被告が同年十一月五日附でした訴願棄
却の裁決を取消す。右選挙における当選人Aの当選を無効とする。訴訟費用は被告
の負担とする。」
 との判決を求め、その請求の原因として、
 一、 原告は昭和二十六年四月二十三日執行の岩手県九戸郡種市町長選挙におけ
る選挙人であるが、右選挙における当選人Aの当選の効力に関し、同年五月四日種
市町選挙管理委員会に異議の申立をしたところ、同年六月二日右異議申立を棄却せ
られたので、同月二十三日被告に対し訴願をしたが、同年十一月五日右訴願を棄却
する旨の裁決がなされ、右裁決書は同月十二日原告に交付された。
 二、 然し、当選人Aの当選は左の理由により無効である。
 (イ)、 Aは右選挙に際し同町議会議員であつて、町長選挙についての立候補
を制限せられた公務員であるのにかゝわらずこれを辞することなく現職のまゝ、同
年四月四日同町長選挙の候補者として、選挙長Bに届出をした。
 (ロ)、 当時Aが同町議会議員の公職にあるものであることは、同町において
は一般周知の事実であり、しかも選挙長Bは、元同町助役、現同町選挙管理委員会
委員長、同町監査委員であつて、Aの身分関係を最もよく知つていた者である。従
つてこのような立候補無資格者の立候補届出は受理すべからざるものであつて、た
とえ一旦受理したとしても、立候補を辞退せしめ、公務員たる地位を去つた後か、
或は公職選挙法第九十条の規定により公務員たることを辞したものとみなされた後
において立候補の届出をさせる措置をとるべきであるにかゝわらず右届出を受理し
たまゝ同年四月二十三日の選挙を執行したものである。
 従つてAは結局右町長選挙については被選挙資格のない者であつて、同人に対し
為された投票はすべて無効であるから、同人の当選もまた無効である。
 よつて本件請求に及ぶ次第であると陳述し、被告の主張に対し、Aが昭和二十六
年四月十二日同町議会議長の許可を得て、同町議会議員の職を辞し、翌十三日その
証明書を選挙長に提出したことは認めるが、最初に為された無効な立候補届出は、
その後の補正によつて有効となるものではない。
 と述べ、
 証拠として、甲第一号証を提出し、乙第一号証の成立を認めた。
 被告は主文第一項と同趣旨の判決を求め、答弁として、
 原告の主張事実中、一及び二の(イ)の事実は認める。Aが種市町長選挙に立候
補した昭和二十六年四月四日当時A自身も、また選挙長も同人が任期満了により町
議会議員の職を失つたものと誤解していたものであるが、その後右の誤りに気付い
たゝめ、Aは同月十二日同町議会議長の許可を得て、同町議会議員の職を辞し、そ
の証明書を立候補届出期間内の同月十三日選挙長に提出した。
 従つてAの立候補届出の瑕疵は右により追完補正されたものであり、選挙当時被
選挙資格があつたのである。
 と述べ、
 証拠として、乙第一号証を提出し、甲第一号証の成立を認めた。
         理    由
 原告主張の一及び二の(イ)の事実は当事者間に争がない。
 <要旨>而して、公職選挙法の規定により、立候補の適格を有しない者が立候補の
届出をし、選挙長においてこれを受理した場合において、その立候補者が立
候補届出期間内に立候補者たる適格を有するに至つた場合にはその立候補届出につ
いての瑕疵は補正せられ、立候補者は被選挙適格を有するものと解すべきところ、
Aが立候補届出期間内である昭和二十六年四月十二日館石町議会議長の許可を得て
同町議会議員の職を辞し、翌十三日その証明書を選挙長に提出したことは当事者間
に争がない。然らば、Aは立候補の届出をしたときには公職選挙法第八十九条の規
定により立候補者たる適格を有しなかつたけれども、立候補届出期間内に同町会議
員を退職し、立候補者たる適格を有するに至つたものであるから、本件選挙につき
被選挙資格を有したものといわねばならない。
 原告は、立候補者たる適格を有しない者の立候補の届出は無効であるから、たと
え、立候補届出期間内に、立候補者が立候補者たる適格を有するに至つた場合にお
いても、無効な届出が有効となるものではないと主張するけれども、立候補の届出
期間内に立候補者たる適格を有するに至つた以上、立候補者たる適格を有しない間
に為された立候補届出を無効となし、更に立候補の届出を為すことを要するものと
することは、いたずらに無用の手続を強いるものであつて、右主張は採用できな
い。
 然らば、Aは種市町長選挙当時被選挙資格を有したのであるから、同人の当選は
無効とすべきではない。
 原告の訴願を棄却した被告の裁決は相当である。
 よつて、原告の本訴請求は失当であるから、これを棄却すべきものとし、民事訴
訟法第八十九条第九十五条に則り主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 谷本仙一郎 判事 猪瀬一郎 判事 石井義彦)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛