弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄し、本件を大阪高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人小川休衛、岡安永博、同木村英一の上告理由について。
 原判決は、本件和解について、その和解条項の文言によると、明渡猶予を約定し
たかのようであるが、右和解条項の文言の解釈に当つては、被上告人等が本件建物
の使用を開始した当初以来その和解成立に至るまでの経緯および本件和解成立以後
の諸般の状況をも考慮に入れて検討すべきであるとして、原判示の確定した事実関
係のもとでは、本件和解条項の文言と正反対に解すべき例外中の例外とする特別の
事情があるとしたうえ、本件和解により賃貸借が成立したものと解するのを相当と
する趣旨を述べ、被上告人の本訴請求を認容し、かつ、上告人の反訴請求を棄却し
ていることが認められる。
 原判決の判示するように、和解条項の文言の解釈にあたつてはその和解の成立に
至つた経緯のみならず、和解成立以後の諸般の状況をも考慮にいれることは違法と
はいえないが、本件和解は、訴訟の係属中に訴訟代理人たる弁護士も関与して成立
した訴訟上の和解であり(もつとも、被上告人自身は、利害関係人として本人のみ
が関与しているが、この点については、和解文言の解釈については、とくに差異を
設けるべきいわれはない。)、和解調書は確定判決と同一の効力を有するものとさ
れており(民訴法二〇三条)、その効力はきわめて大きく、このような紛争のなか
で成立した本件和解をその表示された文言と異なる意味に解すべきであるとするこ
とは、その文言自体相互にむじゆんし、または文言自体によつてその意味を了解し
がたいなど、和解条項それ自体に内包する、かしを含むような特別の事情のないか
ぎり、容易に考えられないのである。
 原判決も、この点について、原判示のよるな解釈は例外中の例外にかぎり許され
るべきとする制約を付しているが、原判決の確定した事実関係のもとでは、いまだ
もつて、原判示のように本件和解条項の文言と異なる解釈をすべきものとは認めら
れないのである。
 そうだとすれば、原判決はこの点について、理由不備、理由そごの違法をおかし
たものというべく、この点の違法をいう論旨、理由があり、原判決は、破棄を免れ
ない。
 よつて、右の点について更に審理を尽くさせるため、事件を原審に差し戻すべき
ものとし、民訴法四〇七条一項に従い、裁判全員の一致い、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠
            裁判官    大   隅   健 一 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛