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神戸地方裁判所 平成14年10月2日判決 平成14年(わ)第884号 強盗未
遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
主  文
被告人を懲役3年6か月に処する。
未決勾留日数中10日をその刑に算入する。
押収してある繰小刀1本(鞘付,刃体の長さ約13.6センチメートル,
平成14年押第128号の1)を没収する。
理  由
(罪となるべき事実)
被告人は,
第1 通行中の女性から金員を強取しようと企て,平成14年7月26日午後零時1
5分ころ,神戸市A区B町a丁目b番C公園において,同所を通行中のD(当時3
1歳)に対し,所携の繰小刀(刃体の長さ約13,6センチメートル,平成14年押
第128号の1)を突きつけるなどして脅迫し,その反抗を抑圧して金員を強取し
ようとしたが,同女に隙を見て逃げられたため,その目的を遂げなかった。
第2 一人暮らしの女性から金員を強取しようと企て,同日午後2時10分ころ,同
市A区E町Fc番地Gd号室のH(当時22歳)方玄関先において,宅配便の配達を
装って呼び出した同女に対し,前記繰小刀を突き付け,「騒ぐな。殺すぞ,おとな
しくしろ。」などと申し向けて脅迫し,その反抗を抑圧して金員を強取しようとし
たが,同女に抵抗されたため,その目的を遂げなかった。
第3 業務その他正当な理由による場合でないのに,同午後零時15分ころから午
後2時10分ころまでの間,上記第1及び第2記載の各日時場所等において,刃体
の長さ約13.6センチメートルの前記繰小刀1本を携帯した。
(証拠の標目)―括弧内の甲,乙で始まる数字は証拠等関係カード記載の検察官請
求証拠番号―
 省略
(補足説明)
 なお,被告人は判示第2の犯行について自分は被害者Hに対し「殺すぞ」とは申
し向けていないと供述しているが,Hの供述内容に加え,判示第1の犯行における
被告人の言動に関する被告人の供述と被害者Dの供述との対比(ここでも被告人が
Dに対して「金やない」と述べたか否かについて被告人とDの供述との間に食い違
いがあるところ,Dがその点につき虚偽や記憶にないことを供述しているとはとう
てい考えられないこと)からみて被告人の犯行当時の言動についての記憶ないし供
述はさほど正しくないと認められることからすれば,被告人が判示第2の犯行の際
Hに対し「殺すぞ」と申し向けたことが認められる。
(法令の適用)
 被告人の判示第1及び第2の各所為はいずれも刑法243条,236条1項に,
判示第3の所為は銃砲刀剣類所持等取締法32条4号,22条にそれぞれ該当する
ので,判示第3の罪について所定刑中懲役刑を選択し,判示第1及び第2の各罪は
いずれも未遂であるから,いずれも刑法43条本文,68条3号を適用してそれぞ
れ法律上の減軽をし,以上は同法45条前段の併合罪であるから,同法47条本
文,10条により刑及び犯情の最も重い判示第2の罪の刑に法定の加重をした刑期
の範囲内で被告人を懲役3年6か月に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中
10日をその刑に算入し,押収してある繰小刀1本(鞘付,刃体の長さ約13.6
センチメートル,平成14年押第128号の1)は,判示第1の強盗の用に供した
物で被告人以外の者に属しないから,同法19条1項2号,2項本文を適用してこ
れを没収し,訴訟費用は刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人に負担
させないこととする。
(量刑の理由)
 本件は,被告人が生活費に窮し敢行した強盗未遂等の事案である。
 本件各犯行は,失職により40日あまり無為徒食の生活を送るようになっていた
被告人が生活費に窮したため行ったものであり,遊興費目的の犯行などではない
が,そもそも被告人がそのような生活に至ったのは万引き行為により逮捕されたこ
とに端を発するのであって,その経緯や強盗の犯行動機には酌量の余地がほとんど
ない。また,被告人は,体力的に劣る女性を狙ってまず判示第1(及び第3)の犯
行に及び,被害者に逃げられ同犯行が未遂に終わるや,逃げられる可能性が低い一
人暮しの女性宅へのいわゆる押し込み強盗をすることにして同第2(及び第3)の
犯行に及んでおり,犯行態様もよくなく,繰小刀を被害者らに突きつけて金品を強
取しようとした点は特に危険であった。そして,被害者らの受けた精神的衝撃は大
きかったと認められるところ,被告人は被害者らに対し特段慰謝の措置を講じてお
らず,被害者らの処罰感情も厳しい。
 しかし,他方で,幸いにして被害者らは肉体的被害を受けるに至らず,また,強
盗の既遂の結果も生じていない。また,被告人は最近まで働いていたもので,前述
のように犯行に至る経緯自身にはほとんど同情できないが,本件は偶発的側面が強
い事案であったとはいえる。そして,被告人が逮捕後本件各犯行を素直に自白して
おり反省悔悟していること(なお,前記補足説明で述べた点も被告人の記憶違いに
とどまり被告人の反省を疑うべき事情ではない。),被告人の実妹が被告人の更生
に協力すると誓っていること,被告人にはさしたる前科がないことなど,被告人の
ために酌むべき事情もまた認められるから,これら諸事情を十分に考慮して主文の
とおり量刑した。
 よって,主文のとおり判決する。
  平成14年10月2日
神戸地方裁判所第11刑事係乙
  裁判官   橋本 一

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