弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     被告人Aの本件控訴はこれを棄却する。
     同被告人の当審における未決勾留日数二百日を被告人が言渡された刑に
算入する。
         理    由
 本件控訴の趣旨は未尾に添附してある被告人Aの弁護人神道寛次作成名義控訴趣
意書と題する書面記載の通りである。これに対し当裁判所は左の如く判断する。
 弁護人神道寛次の論旨第四点について。
 <要旨第一>恐喝罪において被脅迫者が数人でも財産上の被害者が一人
である場合には単一罪である。本件では財産上の被害者は一人であるから起訴状に
は脅迫の相手方が二人あつた事を訴因の変更手続をしないで相手方を一人と認めて
も差支えない。又判文に相手方を一人と判示していることは他の一人についてはこ
れを否定したいことで<要旨第二>そのことを主文には勿論のこと判決理由中に説明
する必要はない。又予備的訴因が追加主張せられた場合に第一次の訴因
が認められるならば唯単にこれを認定すれば足りる。予備的訴因はこれを認めなか
つたことは自ら判る事でありこれにつき主文において無罪を言渡すべきものでない
ことは勿論理由中においてもとくに説明する必要はない。原判決は所論のような審
判の請求を受けた事件について判決しないという違法は勿論理由不備の違法もな
い。論旨も理由がない。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 吉田常次郎 判事 保持道信 判事 鈴木勇)

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