弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人浜辺信義の上告理由について。
 同一所有者に属する土地およびその上に存する建物が強制競売の結果所有者を異
にするに至つた場合であつても、右土地または建物のいずれにも抵当権が設定され
ていなかつたときは、民法三八八条を類推適用して右建物のため地上権の設定があ
つたものとみなすべきでないことは、当裁判所の判例とするところであり(最高裁
昭和三五年(オ)第八三三号同三八年六月二五日第三小法廷判決・民集一七巻五号
八〇〇頁、同昭和四四年(オ)第一〇一四号同四五年一月二三日第二小法廷判決・
裁判集民事九八号一三七頁)、いまにわかにこれを変更する必要は認められない。し
たがつて、これと同趣旨の原審の判断に所論の違法はなく、論旨は採用することが
できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    大   隅   健 一 郎
            裁判官    岩   田       誠
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    下   田   武   三
            裁判官    岸       盛   一

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