弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

平成25年3月21日判決言渡同日原本受領裁判所書記官
平成24年(行ケ)第10394号審決取消請求事件
口頭弁論終結日平成25年3月7日
判決
原告キユーピー株式会社
同訴訟代理人弁護士宮嶋学
大野浩之
髙田泰彦
柏延之
同弁理士勝沼宏仁
宇梶暁貴
被告
同訴訟代理人弁護士山本隆司
井奈波朋子
山田雄介
永田玲子
植田貴之
主文
1特許庁が無効2012-890021号事件に
ついて平成24年10月3日にした審決のうち,
登録第5396640号商標の指定役務「飲食物
の提供」に係る部分を取り消す。
2原告のその余の請求を棄却する。
3訴訟費用はこれを12分し,その1を被告の,そ
の余を原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
特許庁が無効2012-890021号事件について平成24年10月3日にし
た審決を取り消す。
第2事案の概要
本件は,原告が,被告の後記1の本件商標に係る商標登録を無効とすることを求
める原告の後記2の本件審判の請求について,特許庁が同請求は成り立たないとし
た別紙審決書(写し)の本件審決(その理由の要旨は後記3のとおり)には,後記
4のとおりの取消事由があると主張して,本件審決の取消しを求める事案である。
1本件商標
本件商標(登録第5396640号)は,「ローズオニールキューピー」の文字を
標準文字で表してなり,平成22年8月9日に登録出願され,第43類「宿泊施設
の提供,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高
齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),展示施設の貸与」を指定役務と
して,平成23年1月12日に登録査定を受け,同年3月11日に設定登録された
ものである(甲1)。
2特許庁における手続の経緯
原告は,平成24年2月23日,特許庁に対し,本件商標の登録を無効にするこ
とを求めて審判を請求した。特許庁は,これを無効2012-890021号事件
として審理し,平成24年10月3日,「本件審判の請求は,成り立たない。」とす
る本件審決をし,その謄本は,同月12日,原告に送達された。
3本件審決の理由の要旨
本件審決の理由は,要するに,①本件商標は別紙目録記載の引用商標1ないし1
4とは互いに紛れるおそれのない非類似の商標であるから,商標法4条1項11号
に該当しない,②本件商標に接する取引者及び需要者は別紙目録記載の引用商標1
5及び16を想起又は連想することはないから,商標法4条1項15号に該当しな
い,というものである。
4取消事由
商標法4条1項11号の該当性に係る認定・判断の誤り(取消事由1)
商標法4条1項15号の該当性に係る認定・判断の誤り(取消事由2)
第3当事者の主張
1取消事由1(商標法4条1項11号の該当性に係る認定・判断の誤り)につ
いて
〔原告の主張〕
本件審決は,外観及び称呼の点からみれば,本件商標を「ローズオニール」
の文字部分と「キューピー」の文字部分とに分離して,「キューピー」の文字部分の
みを抽出して観察しなければならない格別の理由は見いだせず,また,観念の点か
らみれば,様々の態様のキューピーが存在し,あるいは「キューピー」の語と他の
語を結語した商標等が多数存在するといった取引の実情があるとして,本件商標を
「ローズオニール」の文字部分と「キューピー」の文字部分とに分離して,「キュー
ピー」の文字部分のみを抽出して観念しなければならない理由は見いだせないから,
「ローズオニールキューピー」の称呼及び「ローズオニールのキューピー」の観念
を生じる本件商標と,「キューピー」等の称呼及び観念を生じる各引用商標とは,外
観,称呼及び観念のいずれの点についても非類似の商標であるとする。
しかしながら,ローズ・オニール氏がキューピーというキャラクターを創作
したことは,一般的にはほとんど知られていない一方,「ローズ」は,英語圏におけ
る一般的な女性名の1つとして,また,「バラ」を意味する英単語として,「オニー
ル」は,英語圏における一般的なアイルランド系の名字の1つとして,「キューピー」
は,日本国内において広く知られているキャラクターの名称として,また,少なく
とも一定の商品及び役務について原告が使用する商標として,いずれも日本国内に
おいて広く認識されている。
このように,本件商標は,いずれも日本国内において広く認識されている3語の
名称を結合させたものであり,外観・称呼・観念的に「ローズ」,「オニール」及び
「キューピー」に分離して認識される。
また,本件商標のような冗長な商標においては,その一部のみを分離して認識さ
れることは,審決例においても少なからずあることである。
そして,本件商標のうち「キューピー」の部分が強い印象を与え,この部分のみ
が分離して認識されることも少なからずあることは,後記の取引の実情を踏まえて
考察すれば明らかである。
被告は,株式会社ローズオニールキューピー・インターナショナル(以下「訴
外会社」という。)の代表取締役であるところ,訴外会社は,「ローズオニールキュ
ーピー」及び「RoseO’NeillKewpie」に係る商標権等の権利
に基づき日本等において「キューピー」に係るライセンスビジネスを展開するに当
たり,そのウェブショップにおいても,多数のキューピー人形及び「ローズオニー
ル」の語が付されていない単なる「キューピー」の語を表示し,「RoseO’N
eill」の部分よりも「Kewpie」の部分をはっきり目立つ態様にしたロゴ
を付した商品を販売するなどしているほか,キューピー人形を使用したキャンペー
ン等を行っている。
本件商標は,日本国内で広く知られたキャラクターを表す「キューピー」の語と,
キューピーの原作者の名前である「ローズオニール」の語とを結合させた商標であ
るところ,このような被告による「ローズオニールキューピー」及び「RoseO’
NeillKewpie」商標の実際の使用態様に照らすと,本件商標がキャラ
クターのキューピー又はキューピー人形とは無関係に使用されることが事実上あり
得ず,また,本件商標のうち「キューピー」の部分を強調して使用されることもあ
るという取引の実情が存在するといえる。
このような取引の実情からすれば,本件商標が使用される場面において,取引者・
需要者に対し,キャラクターのキューピー又はキューピー人形の印象を強く与え,
本件商標のうち「キューピー」の部分が強い印象を与えることが多々あることは,
極めて明らかである。
様々な態様のキューピーが存在し,あるいは「キューピー」の語と他の語を
結語した商標等が多数存在するなどという状況は,全く存在しないから,本件商標
の指定役務の分野において,取引者・需要者が例えば「○○キューピー」と「△△
キューピー」とを区別して役務の出所を識別しているといった取引の実情が存在し
ないことは,明らかである。殊に,ストラップ,キーホルダー等の商品分野など,
本件商標の指定役務である「飲食物の提供」等とは全く異なる商品について「○○
キューピー」という形でキューピー関連商標が使用されており,あるいは一部の会
社により本件商標の指定役務である「飲食物の提供」等とは異なる指定商品等につ
いてキューピー関連商標が登録されているとしても,それは,本件とは全く関係の
ない事情を示しているにすぎない。
むしろ,「キューピー」又は「KEWPIE」の文字を含む商標に係る商標権を食
品関連商品について有しているのは,原告のみであり,本件商標の指定役務である
「飲食物の提供」等の役務については,本件商標を含む被告が商標権者である3件
の商標のほかは,いずれも原告が商標権者である。そして,原告のキューピー関連
商標の著名性は,特に,「飲食物の提供」等の役務に強く関連する食品・飲食物関連
分野に強く及んでいる。
このような商標の登録状況等からみても,少なくとも食品関連商品及び飲食物の
提供の分野においては,「キューピー」又は「KEWPIE」といえば,原告を指し
示すことは,極めて明白である。
以上の取引の実情を踏まえると,本件商標に接した取引者・需要者に対し,
本件商標のうち「キューピー」の部分が強い印象を与え,本件商標から,「キューピ
ー」の称呼及び観念が生じることが少なからずあることは,明らかである。現に,
本件商標と同様の「ROSEO’NEILLKEWPIE/ローズオニールキュー
ピー」を二段書きにした商標(以下「別件商標」という。)について行われたインタ
ーネット又は訪問面接によるアンケート調査の結果によれば,別件商標から原告を
思い浮かべるとの回答や,別件商標から「キューピー」の語を分離観察している回
答が多数にのぼる一方,「ローズオニールのキューピー」を思い浮かべるといった回
答は,ほぼ皆無である。
他方,引用商標1ないし14は,いずれも「キューピー」の称呼及び観念を生じ
るものであり,本件商標と称呼及び観念を共通にするものであって,本件商標から
「キューピー」の部分が分離して観察されることが少なくないことからすれば,引
用商標1ないし14と本件商標との間の外観の相違も,実質的なものではない。
したがって,引用商標1ないし14と本件商標とは,商標法4条1項11号
の類似の商標であるというほかなく,両者を非類似の商標とした本件審決は,取消
しを免れない。
〔被告の主張〕
「キューピー」は,米国の女流画家ローズ・オニールが明治42年(190
9年)に創作したキャラクター及び人形の名称であるところ,それが日本等で大ブ
ームとなったことから,原告は,その人気に便乗(ただ乗り)して引用商標につい
て商標登録を受けたものであって,数ある模倣者の1人にすぎない。そして,キュ
ーピーは,日本人に広く親しまれているため,必ずしも原告の出所を表示するもの
とはいえない。
被告は,平成10年5月1日,管理するローズ・オニール遺産財団から,キュー
ピーの著作権を取得したものであるが,原告に対する上記商標登録のため,「キュー
ピー」ではなく,「ROSEO’NEILLKEWPIE」又は「ローズオニー
ルキューピー」等の商標登録を受け,これを訴外会社で使用しているものである。
なお,特許庁は,引用商標と同一の称呼及び観念を生じる商標の登録には消極的で
あったものの,キューピーが原告とのみ結びつくものではないという社会的事実を
前提として,「○○キューピー」からなる商標については商標登録を認めており,本
件審決も,判例に即した妥当な判断をしている。
本件商標は,いずれの文字も同一の書体をもって,同一の大きさで外観上ま
とまりよく一体的に表されているものであり,「ローズ」,「オニール」及び「キュー
ピー」のいずれかが特に際だつものでもないばかりか,本件商標の途中から読み下
されるものでもない。むしろ,ローズ・オニールがキューピーの著作者であること
は,被告による顕彰活動等により,広く一般に知られるに至ったものであるから,
本件商標からは,「ローズオニール(の)キューピー」という観念が想起され,「ロ
ーズ」,「オニール」及び「キューピー」の3つの観念に区切ることはできない。ま
た,本件商標は,「ローズオニールキューピー」との称呼で読み下すことができるも
ので,冗長ということはなく,仮に,独特の観念が生じて識別力を発揮するような
支配的な印象を与える一部があるとすれば,一般に用いられる言葉ではない「ロー
ズオニール」の部分であって,これを無視して「キューピー」の部分が単独で識別
力を有するとは考えられない。
「キューピー」は,ローズ・オニールが創作したキャラクター又は人形であ
り,原告は,その人気に便乗した数ある模倣者の1人にすぎないから,被告がたと
え本件商標をキャラクターのキューピー又はキューピー人形との関係で用いたり,
そのようなイメージ又は印象を与えたとしても,原告とは何の関係もなく,現に,
「キューピー」を用いた登録商標の商標権者は,原告1社ではない。
また,キューピーの著作権の保護期間は,既に終了しているため,多数の者がキ
ャラクターのキューピーを利用して独自の商品を販売するようになっているから,
キューピーが,いまやローズ・オニールが創作したキャラクターのみならず,それ
に類似したキャラクター一般を指す称呼として用いられていることは,顕著な事実
である。
このような取引の実情からしても,「キューピー」だけでは特定の者と結びつくも
のではなく,出所を明示することができず,したがって,本件商標のうち「キュー
ピー」の部分が強い印象を与えるものではない。
むしろ,本件審決の認定するとおり,様々な態様のキューピーが存在し,「キュー
ピー」の語と他の語を結語した商標や,キューピーを自己の商品又は役務に用いる
者等も多数存在しているから,我が国において,キューピーは,相当程度普遍的な
いし一般的なキャラクターとして認知されている。したがって,「○○キューピー」
という名称を用いた場合,「○○」の部分に他のキューピーと区別する何らかの特徴
が示されているというべきであって,本件商標においては,「ローズオニール(の)
キューピー」との観念が生じる。
原告は,調味料等に「キューピー」との称呼及び観念を生じる商標を用いて
いるものの,「食品関連商品」と「飲食物の提供」とをあえて混同させて,あたかも
「飲食物の提供」の分野において「KEWPIE/キューピー」といえば原告を指
し示すと強弁しているにすぎず,現に,「飲食物の提供」を業とする実績も計画も見
当たらない。
別件商標に基づくアンケート調査の結果は,本件商標とは異なる商標を前提とす
るものであるばかりか,専門的な商標の類否判断を意識して回答されたものではな
いから,原告の主張を基礎付けるものではない。また,上記アンケート調査の結果
は,多数の者が別件商標から「マヨネーズ」ないし原告を想起していないという事
実を示しており,原告が「キューピー」の語を分離観察したことを前提とした回答
と主張するものは,「キューピー」の語が一般的なキャラクター名として汎用的に用
いられていることを示しているにすぎない。
引用商標から「キューピー」の称呼及び観念が生じるとしても,本件商標は,
「キューピー」の部分を分離して観察することが妥当ではなく,これを全体として
観察した場合,そこからは「ローズオニール(の)キューピー」という称呼及び観
念が生じるから,本件商標と引用商標との間には類似性が認められない。
以上によれば,本件商標は,その指定役務の分野において,「ローズオニー
ル(の)キューピー」という,引用商標とは別の称呼及び観念を生じるものであり,
取引の実情を考慮しても,取引者・需要者が出所に誤認混同を来すおそれがなく,
本件商標が商標法4条1項11号に該当しないとした本件審決の判断に誤りはない。
2取消事由2(商標法4条1項15号の該当性に係る認定・判断の誤り)につ
いて
〔原告の主張〕
本件審決は,引用商標15及び16が「マヨネーズ,液状ドレッシング,ソ
ース類缶詰,パスタソース」等の調味料を中心とする加工食品について著名性を有
することを認定する一方,商標法4条1項11号に係る判断と同様の理由で本件商
標とは非類似の商標であるとして,本件商標が役務の出所について混同を生じるお
それがある商標ということはできないとする。また,本件審決は,原告の主張に対
し,①引用商標15及び16の著名性が,上記加工食品以外の分野には及ばないこ
と,②「キューピー」の語が「キューピッドの絵を模したセルロイド製のおもちゃ」
を意味する一般的な語として広く認識されている実情から,本件商標中の「キュー
ピー」の文字部分は,特定の企業と結びつくものではないこと,③甲38ないし4
3では,5,6社程度の食品製造販売業者が「飲食物の提供」の業務を行っている
ことしか分からず,これが商取引社会における一般的実情とまではいえないこと,
④「飲食物」の提供の場において引用商標15及び16が表示された調味料等が直
接顧客に使用されるなどの事情が存在するとしても,本件商標は,一体不可分と認
識されて「キューピー」の文字部分のみが独立して自他役務の識別機能を発揮する
ものではなく,日本において「キューピー」が相当程度普遍的・一般的キャラクタ
ーとして認知されていたことからすれば,「キューピー」の文字が含まれている本件
商標を「飲食物の提供」について使用したとしても,そのことのみをもって,本件
商標に接する需要者が直ちに,引用商標15及び16又は原告を想起又は連想し,
当該役務の出所について誤認を生ずるおそれがあるとはいえないとした。
しかしながら,前記のとおり,本件商標からは「キューピー」との称呼及び
観念をも生じるから,同じく「キューピー」との称呼及び観念を生じる引用商標1
5及び16と類似する商標である。仮に,両者が商標法4条1項11号にいう「類
似する商標」とまでいえないとしても,本件商標と引用商標15及び16とは,キ
ューピーを意味する文字又は図形を含む点で共通するから,類似性の高い商標であ
る。
本件審決も認定するとおり,引用商標15及び16は,原告の業務に係る商
品「マヨネーズ,液状ドレッシング,ソース類缶詰,パスタソース」等の調味料を
中心とする加工食品を表示するものとして,当該商品分野又はこれと密接に関連す
る分野においては,本件商標の登録出願日前には既に,我が国の需要者の間に広く
認識されていたものであって,その著名性は,本件商標の登録査定日にも継続して
いたものと認められる。なお,引用商標15及び16の著名性は,スープ類及びベ
ビーフードについても及んでいる。
このように,食品分野において,引用商標15及び16等の原告のキューピー関
連商標が著名であることに加えて,原告の一社提供番組である「キユーピー3分ク
ッキング」は,昭和37年12月に放送が開始されてから約50年にわたり日曜日
を除くほぼ毎日,日本全国で放送され続けており(日本一の長寿テレビ料理番組と
してギネスブックに掲載),その平均視聴率は,4ないし6%であって,そこでは,
引用商標15及び16並びにキューピー人形等が使用されている。そして,同番組
は,テレビ番組における料理レシピの提供にとどまらず,紙媒体によるテキストが
日本テレビ系列から年12冊(1冊当たり18万部),中部日本放送系列からは年4
冊(1冊当たり3万1400部。いずれも平成21年度実績)販売されており,ウ
ェブサイトでも多数回の閲覧を受けるなどしている。
以上によれば,「キユーピー3分クッキング」が原告の一社提供番組である飲食物
(料理)のレシピに関する情報を提供するテレビ番組として極めて著名であること
は,明らかであり,引用商標15及び16等の原告のキューピー関連商標が飲食物
(料理)のレシピに関する情報の提供について著名であることは,明らかである。
したがって,引用商標15及び16等の原告のキューピー関連商標の著名性が,
少なくとも本件商標の指定役務である「飲食物の提供」と類似の役務分野に及んで
いることは,明らかであって,飲食物(料理)に関連して「キューピー」といえば
原告又は原告と何らかの関係のある者が想起されることは,極めて明らかである。
「KEWPIE/キューピー」の文字が飲食店の名前に使用された場合に想
起するもの等に関するアンケート調査の結果によれば,「キューピーマヨネーズ,マ
ヨネーズ」との回答が80%以上もの圧倒的多数を占めており,極めて多数の者が
その役務の出所として原告を想起することが明確に示されているから,原告のキュ
ーピー関連商標の著名性が,本件商標の指定役務である「飲食物の提供」分野その
ものについても強く及んでいることが明白である。
食品製造販売業者が飲食店を経営し,特にそのブランド名と同一又は実質的に同
一の店舗名で飲食店を経営することや,食品製造販売業者が当該飲食店で提供され
るものを食品として販売することは,多数の有名企業を含めて広く一般的に行われ
ており,原告も,「キユーピー3分クッキング南青山3丁目キッチン」という店舗名
のレストランを開業予定である。このような取引の実情に照らすと,本件商標の指
定役務である「飲食物の提供」等と,引用商標15及び16が特に著名性を有する
加工食品等とが密接な関連を有することは,極めて明白である。
さらに,役務「飲食物の提供」に関する商標の使用態様には,飲食店で顧客に展
示されるメニューに商標を表示することも含まれると解されるところ,原告が取り
扱っている主たる商品である加工食品には,調理を要せずにそのまま飲食できるも
のや,調理された飲食物に顧客の好みに応じて味を加えたりする調味料が存在する
ため,引用商標15及び16や商標「KEWPIE(Kewpie)」が使用された
原告の加工食品が,飲食店,学生食堂又は飲食物販売店の飲食コーナーにおいてそ
のまま提供され,需要者(顧客)の目に触れることも多い。そのため,本件商標の
登録が維持されると,本件商標が料理の名前としてメニューに掲載されることも考
えられるところ,この場合,需要者は,当該料理が原告の製造販売に係る飲食物で
あるかのように誤認し,「飲食物の提供」の役務が原告と関連のある者の提供に係る
かのような出所の混同を生じるおそれが高い。
そして,本件商標の指定役務である「飲食物の提供」等の需要者と,引用商標1
5及び16が特に著名性を有する加工食品等の取引者・需要者とは,共通すること
が明らかである。
したがって,本件商標の指定役務である「飲食物の提供」等と,引用商標15及
び16が特に著名性を有する加工食品等とは,密接な関連を有することが明らかで
あり,本件商標をその指定役務,特に「飲食物の提供」について使用すれば,特に
「加工食品等」といった食品・飲食物関連分野において著名性を有する引用商標1
5及び16等のキューピー関連商標を使用する原告又は原告と何らかの関係を有す
る者の業務に係る役務であるかのように,役務の出所について混同を生ずるおそれ
があることは,明らかである。現に,別件商標について行われたアンケート調査の
結果によれば,別件商標を特に「飲食物の提供」について使用すれば,別件商標に
接する取引者・需要者は,引用商標15及び16からは原告を想起又は連想し,当
該役務の出所について誤認を生ずるおそれがあることが明らかである。
引用商標15及び16は,いずれもほぼ全ての商品役務区分において防護標
章の登録が認められており,本件商標の指定役務と同一又は類似の役務についても
防護標章登録が存在するばかりか,引用商標15及びこれと「KEWPIE」との
欧文字からなる商標は,「」に日本の著名商
標として掲載されている。したがって,引用商標15及び16は,「飲食物の提供」
以外の本件商標の指定役務の分野においても,著名性を有するというほかない。
以上によれば,本件商標は,引用商標15及び16等のキューピー関連商標
を使用する原告との関係で,混同を生じるおそれがある商標であることは,極めて
明白であり,特に本件商標の指定役務中「飲食物の提供」について混同を生じるお
それがあることは,明白であって,本件審決の判断は,誤りである。
〔被告の主張〕
本件商標から生じる称呼及び観念は,「ローズオニール(の)キューピー」
であり,引用商標とは類似しない。また,原告が「ROSEO’NEILLK
EWPIE」又は「ローズオニールキューピー」との商標を使用することはあり得
ず,仮に本件商標が分離観察されるとしても,「ローズオニール」という特徴的部分
によって,引用商標とは明確に区別される。
引用商標15及び16が広く認識されている取引分野は,その指定商品であ
る「調味料,香辛料」に限られ,それ以外の,「飲食物関連」分野,「飲食物の提供」
分野及び本件商標のその余の指定役務の分野においては,引用商標15及び16に
は周知性が認められない。なお,裁判例には,引用商標15及び16が「マヨネー
ズ,ドレッシングその他の加工食品の分野又はこれと密接に関連する分野」におい
て周知であるとするものがあるが,「マヨネーズ,ドレッシング」と「加工食品」と
は,別の商品である。
原告の提供番組である「キユーピー3分クッキング」は,著名であるかもしれな
いが,原告は,同番組の名で飲食物の提供を行っているわけではないし,「キューピ
ー」の名称で飲食物の提供を行っているわけではない。上記番組は,番組提供者と
原告とを結びつける限りにおいて著名であるにすぎず,一般的な飲食物の提供とい
うサービスの分野にまでその著名性が及んでいる事実はなく,本件商標は,引用商
標との相違に照らせば,引用商標との広義の混同のおそれもない。
「KEWPIE/キューピー」の文字が飲食店の名前に使用された場合に想
起するもの等に関するアンケート調査は,その文字からキューピー又はキューピー
マヨネーズを想起することはあり得るとしても,それによって「KEWPIE/キ
ューピー」が飲食物の提供の分野においても周知性を有することを何ら示していな
い。むしろ,上記アンケート調査の結果は,「飲食店の名前として使われた場合」と
いう質問形式にもかかわらず,これとは無関係の「マヨネーズ」という商品名が回
答されているなど,引用商標15及び16の周知性が「マヨネーズ」ないし「調味
料,香辛料」という商品に限定されていることを示しているばかりか,「KEWPI
E/キューピー」という文字を示して回答を促している以上,飲食店の経営主体と
して「キューピー」と回答するのは,至極当然であって,引用商標15及び16の
周知性が「飲食物の提供」分野に及んでいることを示すものではない。
さらに,本件商標は,引用商標15及び16とは称呼及び観念が異なるから,広
義の混同のおそれがないことは,明白である。
原告は,食品製造販売業者が飲食店を一般的に経営しており,飲食店で提供
されるメニュー等が食品として一般的に販売されていると主張するが,被告のよう
に調味料を製造販売している会社が飲食店を経営している例は,一般的ではなく,
また,飲食店で提供されている調味料が看板メニューとして販売されることも,一
般的ではない。また,引用商標15及び16は,いずれもキューピーというローズ・
オニールの創作したキャラクターを指し示す名称であり,独創性がなく,かつ,キ
ューピーが日本人に広く親しまれている以上,引用商標15及び16の指定商品の
範囲を超えて原告の出所を表示するものとはいえない。また,キューピーが飲食店
で提供される調味料に用いられていたとしても,それに接した取引者・需要者は,
原告が飲食店を経営しているとまでは考えない。
したがって,原告が本件商標を「飲食物の提供」に用いたとしても,原告の提供
する役務であるとの誤認混同が生じることはない。
原告は,飲食店を開業する予定であると主張するが,当該飲食店における飲食物
の提供は,指定商品を「調味料,香辛料」とする引用商標15及び16とは無関係
であるから,当該開業予定から,引用商標15及び16の指定商品と「飲食物の提
供」が密接な関連を有するとはいえない。
さらに,引用商標15及び16や「KEWPIE」が使用された原告の加工食品
(ベビーフード等)が飲食店でそのまま提供されることがあるとしても,引用商標
15及び16の指定商品とは無関係であるし,取引者・需要者は,ベビーフード等
の提供者(飲食店)自身がベビーフード等を製造していると考えるものではない。
このように,飲食物の製造販売業者が同時に飲食物の提供を行うことが多いとい
う取引の実情はない。また,引用商標15及び16の指定商品「調味料,香辛料」
は,食品を調味するための食品であって飲食の主たる目的となることはなく,「飲食
物の提供」の役務において提供される飲食物と同様に考えることはできない。
引用商標15及び16の指定商品の取引者・需要者は,食品商社,食品工業
の事業者,食品流通業者,レストラン等食品関連業の事業者及び消費者であり,企
業は,食品卸売業者の仲介により,消費者は,小売店で購入する傾向が強いのに対
し,「飲食物の提供」という役務は,飲食店の店舗で提供され,需要者の範囲は,一
般消費者であるから,引用商標15及び16と本件商標とでは,取引者・需要者及
び提供場所が全く異なり,共通性がない。
前記のとおり,原告は,キューピーのキャラクター及びキューピー人形が
原告とのみ結びついているかのような前提で主張を展開するが,そのような前提は
なく,また,そもそも,キューピー自体が原告の商標を示すものではなく,キャラ
クター名又は人形の名称なのであるから,必ずしも原告と結びつくものではない。
本件商標は,その構成全体をもって,一体不可分の商標を表したと認識され
るものであるから,その構成中の「キューピー」の文字部分のみが独立した自他役
務の識別機能を発揮するものではなく,また,我が国においては,多数の企業がキ
ューピーのキャラクターを宣伝広告に使用してきた事実に照らすと,我が国におい
て,キューピーが相当程度普遍的ないしは一般的なキャラクターとして認知されて
いた事実を否定することは,困難である。したがって,「キューピー」の文字が含ま
れている本件商標を「飲食物の提供」について使用したからといって,本件商標に
接する需要者が直ちに,引用商標15及び16を有する業務に係る役務であると誤
信されるおそれがあるということはできない。
したがって,本件商標がそのいずれの指定役務について使用されたとしても,本
件商標の需要者は,原告又は原告と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者
の業務に係るものであるとは誤認せず,混同のおそれを生じない。よって,本件商
標には,商標法4条1項15号の無効事由は存在せず,これと同旨の本件審決に誤
りはない。
第4当裁判所の判断
1認定事実
後掲証拠によれば,次の事実を認めることができる。
ア米国人女流画家ローズ・オニール(!"##)は,明治42年(190
9年)12月,米国の雑誌「レディース・ホーム・ジャーナル」誌のクリスマス特
集号に,自作の詩とともに可愛く戯れる新しいキャラクターの一群を描いたイラス
トを発表し,そのキャラクターに,「キューピー(KEWPIE)」という名を付け
た(甲110,113,114,126)。
このキャラクターの際立った特徴は,頭髪と思しきものが主として頭頂部のみに
あり,しかもその部分が尖っており,目がパッチリと大きく,背中には天使の翼と
思しき一対の小さな羽が生えたふくよかな裸体の姿をしていることであった。
キューピーのキャラクターは,その後,その人形の製造が開始されたこともあり,
我が国を含む世界各国で高い人気を博するようになった(甲110,113,11
4,115)。
イ原告は,大正8年に設立され(当時の商号は,食品工業株式会社),大正14
年,マヨネーズの製造・販売を開始したが,それ以来現在に至るまで,一貫して前
記キューピーの特徴を備えたキャラクターを,マヨネーズを含む原告の商品の広告
等に使用しており,昭和32年には商号を「キユーピー株式会社」(引用商標9参照)
に改めたほか,同様の特徴を備えたキャラクター又は「キューピー」との称呼を生
じる商標について複数登録を受けている。中でも,引用商標3(引用商標15)及
びこれと「KEWPIE」との欧文字からなる商標は,「
」という書籍(平成10年版及び平成16年版)に日本の著名商標とし
て掲載されている(甲1~15,18~20,30~34,71~103,111)。
原告は,各種のマヨネーズ,香辛料,液状ドレッシング,食酢等を製造・販売し
ており,本件商標の出願日及び登録査定日前である平成16年当時,我が国におい
て,マヨネーズ類の生産について56.6%(業界1位),マヨネーズ類の販売につ
いて71.1%(業界1位),液状ドレッシングの生産について51.9%(業界1
位),液状ドレッシングの販売について42.7%(業界1位),食酢の生産につい
て12.8%(業界2位),ソース類缶詰の販売について19.1%(業界1位),
パスタソース類の販売について25.0%(業界2位),スープ類の販売について9.
0%(業界3位),ベビーフードの販売について23.7%(業界2位)のシェアを
有していた(甲21,22,弁論の全趣旨)。
また,原告は,日本経済新聞による各企業の独自性,プレミアム,推奨度等の調
査結果である「企業ブランド知覚指数・消費者版ランキング」において,平成15
年には第2位,平成16年には第4位であったが,平成17年から平成19年まで
は第1位となったほか,日経BP社による専業主婦ら女性を対象とした「食の安心・
安全ブランド」のイメージ調査の結果でも,平成16年に第1位,平成17年及び
平成18年に第3位となった(甲23~30。枝番号は省略する。以下同じ。)。
ウ中部日本放送は,昭和37年12月3日,日本テレビは,昭和38年1月2
1日,それぞれ原告による一社提供番組である「キユーピー3分クッキング」のテ
レビ放送を開始し,以来,日曜日を除く毎日,現在に至るまで50年以上にわたっ
て日本一の長寿テレビ料理番組として飲食物の料理方法を紹介しているが,その平
成22年における全国平均視聴率は,中部日本放送系列において3.6%であり,
日本テレビ系列において4.2%である。そして,上記テレビ番組においては,放
送開始当時から,番組名又は原告の製造・販売に係る商品を画面で紹介する際に引
用商標2(引用商標16)のロゴ及び前記キューピーの特徴を備えたキャラクター
の人形(引用商標1)の映像等が放送されているほか,原告は,自社の名称(引用
商標9)が記載された自社のウェブページ及び月刊のテキスト「キユーピー3分ク
ッキング」において,上記番組で紹介する料理の料理法を紹介しており,当該ウェ
ブページには多数のアクセスがされている(甲195~220,弁論の全趣旨)。
なお,我が国においては,食品製造会社がそのブランド名と同一又は類似する店
舗名の飲食店を経営している例が多数見られる(甲38,39,41~43,23
1)。
エもっとも,我が国では,前記のとおりキューピーのキャラクターが高い人気
を博していたことから,前記キューピーの特徴を備えたキャラクター又は「キュー
ピー」との称呼を含む商標を登録した者としては,原告以外に,証拠上明確に確認
できる範囲内でも,原告の創業者である(甲70,73,134),日魯漁業株
式会社(甲71),$(甲72),合名会社三浦商店(甲74),株式会社中島董商
店(甲75~77)及び輸出食品株式会社(甲133)が商標登録した(なお,以
上の各登録商標の現在の商標権者は,いずれも原告である。)ほか,荒牧運輸株式会
社(甲17,135,137),牛乳石鹸共進社株式会社(旧称共進社油脂工業株式
会社。甲111,139,140,142,144,145,150),合資会社森
田商店(甲111),%(甲114),中西株式会社(甲114),株式会社みずほ
コーポレート銀行(旧称株式会社日本興業銀行。甲138,141,146,14
8,149),開東株式会社(甲143,192。商標権消滅済み),みずほ情報総
研株式会社(旧称株式会社興銀情報開発センター。甲147),株式会社田村駒商店
(甲151,192。商標権消滅済み),日本臓器製薬株式会社(甲152~154,
192。商標権消滅済み),株式会社オビツ製作所(甲156),株式会社エス・ア
ンド・エス(甲156),株式会社オンリーワン(甲156),有限会社フリー企画
(甲156)及び株式会社オオイケ(甲156)が商標登録するなどして,その事
業の広告等に使用してきた。前記キューピーの特徴を備えたキャラクターは,平成
期に入ってからも,人形その他の媒体で広く用いられている(甲137,191)。
また,被告は,訴外会社(ローズオニールキューピー・インターナショナル)の
代表取締役であるところ,訴外会社は,本件商標の出願日及び登録査定日前から,
「ローズオニールキューピー」及び「RoseO’NeillKewpie」
に係る商標権等の権利に基づき我が国等においてライセンスビジネスを展開してお
り,各種のキューピー人形や前記の特徴を備えたキューピーのキャラクターが記載
された各種の生活用品等を製造・販売している。また,被告が代表を務める「日本
キューピークラブ」は,本件商標の出願日及び登録査定日前から,会報を発行して,
キューピーの創作者であるローズ・オニールの顕彰活動及び訴外会社による上記商
品の宣伝広告を行うなどしている。また,被告は,ローズ・オニール原作のキュー
ピーのキャラクターが登場する書籍の日本語訳に当たり,監修を務めているほか,
「キューピー」又は「ローズオニールキューピー」との称呼が生じる複数の登録商
標の商標権者である(甲112~118,127~129,155,177~19
0)。
以上のとおり,キューピーのキャラクターは,その創作後から高い人気を博
しており,原告及び被告を含む複数の企業が広告等に使用し続けるなどしてきたた
め,本件商標の出願日及び登録査定日当時,我が国において周知となっていたもの
と認められる。
他方,ローズ・オニールの名前は,辞書類には記載されていないもの(「新言海」
(甲136))もあるばかりか,記載があっても,キューピーの創作以前に離婚した
前夫のウィルソン姓(甲110,111,114)で記載しているもの(「広辞林」
第6版(甲123))もあり,キューピー愛好家による著作(甲110。平成4年3
月1日刊行)にも,「キューピーが初めて日本にお目見得し,あっというまに国民的
に普及してからでも原作者ローズ・オニールの存在はもとより,名前すら全くとい
ってよいほど伝えられなかった。“はじめにキューピーありき”とでもいうか,かな
りのキューピー愛好家でさえローズ・オニールに関しては無知にひとしかったとい
えるだろう。」との記載があることからも明らかなように,本件商標の出願日及び登
録査定日当時,キューピーの創作者として周知であったとはいえなかった。
2取消事由1(商標法4条1項11号の該当性に係る認定・判断の誤り)につ
いて
商標の類否の判断基準について
商標法4条1項11号に係る商標の類否は,同一又は類似の商品又は役務に使用
された商標が,その外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記
憶,連想等を総合して全体的に考察すべきであり,かつ,その商品又は役務に係る
取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断するのを
相当とする(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷
判決・民集22巻2号399頁)。
しかるところ,複数の構成部分を組み合わせた結合商標については,商標の各構
成部分がそれぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可
分的に結合しているものと認められる場合において,その構成部分の一部を抽出し,
この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは,原則
として許されない。他方,商標の構成部分の一部が取引者,需要者に対し商品又は
役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,そ
れ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合な
どには,商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を
判断することも,許されるものである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38
年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1612頁,最高裁平成3年(行
ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁,最
高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事
228号561頁)。
引用商標1ないし14の構成等について
ア引用商標1は,頭髪と思しきものが主として頭頂部のみにあり,しかもその
部分が尖っており,目がパッチリと大きく,背中には天使の翼と思しき一対の小さ
な羽が生えたふくよかな裸体の姿をしている幼児の人形(立体商標)である。
引用商標2は,「キユーピー」との片仮名文字を肉厚の書体で横書きしてなるもの
である。
引用商標3は,頭髪と思しきものが主として頭頂部のみにあり,しかもその部分
が尖っており,目がパッチリと大きく,背中には天使の翼と思しき一対の小さな羽
が生えたふくよかな裸体の姿をしている幼児の図形である。
引用商標4は,引用商標3の図形の上部に引用商標2の片仮名文字を配し,当該
図形の下部に「KEWPIE」との欧文字を普通の書体で横書きしたものを配した
ものである。
引用商標5は,頭髪と思しきものが主として頭頂部のみにあり,しかもその部分
が尖っており,目がパッチリと大きく,背中には天使の翼と思しき一対の小さな羽
が生えたふくよかな幼児が「キユーピー/とっておきレシピ」と2段書きされた横
長で帯状の掲示物を右手で上から握持し,顔及び斜め上方にのばした左腕が当該掲
示物の上部に配されたものである。
引用商標6及び7は,頭髪と思しきものが主として頭頂部のみにあり,しかもそ
の部分が尖っており,目がパッチリと大きく,背中には天使の翼と思しき一対の小
さな羽が生えたふくよかな裸体の姿をしている幼児2名が並んで正面を向き,各外
側の手で両者の間の胸付近に配されたハート模様を握持し,各幼児両眼の黒眼部分
が当該ハート模様の向きに配されている全体として左右対称のものであって,幼児
の姿を描く線及び当該ハート模様がいずれも赤色で彩色されたものである。
引用商標8は,引用商標3の図形の上部に「QP」との欧文字を横書きしたもの
を配したものである。
引用商標9は,標準文字で「キューピー」と横書きしてなるものである。
引用商標10ないし12は,引用商標3の図形の上部に引用商標2の片仮名文字
を配したものである。
引用商標13及び14は,引用商標3の図形の上部に「KEWPIE」との欧文
字を普通の書体で横書きしたものを配し,当該図形の下部に引用商標2の片仮名文
字を配したものである。
イ引用商標2,4及び8ないし14の片仮名文字及び欧文字からは,いずれも
「キューピー」との称呼が生ずるほか,引用商標1,3ないし8及び10ないし1
4の人形又は幼児の図形の外観も,前記のとおり我が国において周知となっていた
キューピーのキャラクターが備える特徴と一致している。したがって,引用商標1
ないし14に接した取引者,需要者において,これらの商標からは「キューピー」
との称呼が生じるとともに,当該特徴を備えた我が国でも周知のキューピーのキャ
ラクターとの観念が生じるほか,引用商標5からは,その掲示物に記載された「キ
ユーピーとっておきレシピ」との称呼が生じるものと認められる。
本件商標の構成等について
ア本件商標は,前記第2の1に記載のとおり,「ローズオニールキューピー」の
文字を標準文字で表してなるもので,これらの文字は,それぞれ同一の書体で同一
の大きさで一体的に表されており,構成全体としてみた場合,文字の全体がまとま
りよく一体的に表されているものである。
イ本件商標は,「ローズオニールキューピー」と称呼されることが明らかである。
ウ本件商標のうち,「キューピー」の部分は,我が国でも周知であるキューピー
のキャラクターの観念を想起させるものである。また,本件商標のうち,「オニール」
の部分は,英語圏にみられる名字であることが我が国でも周知である(甲163~
168)から,これに伴って,「ローズ」の部分は,やはり英語圏にみられる女性の
名前であることが我が国でも周知である(甲163~165)結果,本件商標のう
ち,「ローズオニール」の部分は,「ローズ・オニール」という英語圏の女性の名前
であると観念される(なお,前記1に認定のとおり,我が国においてローズ・オ
ニールがキューピーのキャラクターの創作者であることが周知であるとは認められ
ない。)。
そして,本件商標の「ローズオニール」の部分は,「キューピー」の部分の前に配
されているから,本件商標からは,「ローズ・オニール(という女性)のキューピー」
という観念が生じるものと認められる。
エところで,原告は,前記1イ及びウに認定のとおり,キューピーの特徴を
備えたキャラクター又は「キューピー」との称呼を生じる商標(引用商標)につい
て複数登録を受け,引用商標3が著名なものとして文献にも紹介されているほか,
マヨネーズを中心とする調味料や加工食品の分野において我が国において高い市場
占有率を誇っており,食品関係会社として我が国の一般消費者に広く認識されてい
るばかりか,約50年間にわたって,引用商標2のロゴ及び前記キューピーの特徴
を備えたキャラクターの人形(引用商標1)の映像等とともに日曜日を除く毎日放
映されてきた「キユーピー3分クッキング」というテレビ番組の提供を続けるなど
している。
オ以上によれば,原告(キユーピー株式会社)は,本件商標の出願日及び登録
査定日当時,我が国の食品関係の取引者及び一般消費者の間で,マヨネーズを中心
とする調味料や加工食品を製造・販売するほか,飲食物の料理方法を教授する会社
として著名であり,引用商標1ないし3及び9は,当該分野における役務の提供に
ついて,原告を出所として識別させる商標として著名であったものと認められる。
さらに,我が国においては,前記1ウに認定のとおり,食品製造会社がそのブ
ランド名と同一又は類似する店舗名の飲食店を経営している例が多数見られること
を併せ考えると,引用商標1ないし3及び9は,加工食品の製造・販売及び飲食物
の料理方法の教授という役務と密接に関連する「飲食物の提供」という役務におい
ても,取引者,需要者である食品関係の取引者及び一般消費者に対し役務の出所識
別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
そして,本件商標の指定役務は,前記第2の1に記載のとおり,第43類「宿泊
施設の提供,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,
高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),展示施設の貸与」であるとこ
ろ,本件商標がこれらのうち「飲食物の提供」に使用される場合,「キューピー」の
部分は,上記のとおり,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配
的な印象を与える引用商標1ないし3及び9と称呼及び観念が同一のものであるか
ら,当該部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許
されるものというべきである。
カ他方,キューピーのキャラクターは,前記1に認定のとおり,その創作後
から高い人気を博しており,原告及び被告を含む複数の企業が広告や商品販売等に
使用し続けるなどしてきたものであるところ,「キューピー」との称呼及び観念を生
じる引用商標1ないし14は,本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」を除く
各役務については,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な
印象を与えるものであるという事情を認めるに足りる証拠はない。
また,本件商標のうち「ローズオニール」の部分は,本件商標の構成の半分以上
を占めるものであって,「キューピー」の部分に密接に関連する一般的ないし普遍的
な文字であると直ちにいうこともできないから,出所識別標識としての称呼,観念
が生じないとまでは認められない。
キよって,本件商標は,それが指定役務のうち「飲食物の提供」に使用される
場合には,本件商標のうち「キューピー」の部分だけを他の商標と比較することで
類否を判断することができるものというべきであり,この場合,「キューピー」との
称呼及びキューピーのキャラクターとの観念を生じるが,上記のような場合でない
限り,原則として,その全体をもって他の商標との類否を判断する必要があり,こ
の場合,「ローズオニールキューピー」との称呼及び「ローズ・オニール(という女
性)のキューピー」との観念を生じるものというべきである。
本件商標と引用商標1ないし14との類否について
ア本件商標は,前記キに説示のとおり,指定役務のうち「飲食物の提供」に
使用される場合には,本件商標のうち「キューピー」の部分だけを他の商標と比較
することで類否を判断することができるものというべきである。
そして,本件商標のうち「キューピー」の部分からは,「キューピー」との称呼が
生じ,かつ,我が国でも周知のキューピーのキャラクターとの観念が生じるところ,
これと称呼及び観念を共通にする引用商標1ないし4,7,12及び14は,いず
れも指定役務に「飲食物の提供」が含まれている。
よって,本件商標は,指定役務のうち「飲食物の提供」に使用する場合,引用商
標1ないし4,7,12及び14とは類似する商標であるというほかない。
イ他方,本件商標を上記ア以外の指定役務に使用する場合には,本件商標は,
その全体を観察した場合,引用商標1ないし14といずれも外観が異なるほか,「ロ
ーズオニールキューピー」との称呼が生じ,かつ,「ローズ・オニール(という女性)
のキューピー」という観念が生じるものである。
したがって,本件商標は,「キューピー」又は「キューピーとっておきレシピ」と
の称呼が生じ,かつ,我が国でも周知のキューピーのキャラクターとの観念が生じ
る引用商標1ないし14とは,外観,称呼及び観念が一致しない。
また,本件全証拠によっても,本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」以外
の役務に係る取引に当たり,取引者,需要者が,「ローズオニール」との部分が付加
された本件商標と,「キューピー」との称呼及び観念が生じる引用商標とで出所につ
いて混同を生じる実情があるとは認められない。
よって,本件商標は,指定役務のうち「飲食物の提供」以外の役務に使用する場
合,引用商標1ないし14とは非類似の商標であるといえる。
原告の主張について
原告は,本件商標が冗長であり,我が国において広く認識されている3語の名称
を結合させたものであるばかりか,本件商標がキャラクターの「キューピー」等と
無関係に使用されることがなく,また,訴外会社が本件商標のうち「キューピー」
の部分を強調して使用しているから,当該部分が強い印象を与えることが多々ある
ほか,アンケート調査の結果がこれを裏付けているとして,本件商標のうち「キュ
ーピー」の部分のみを引用商標1ないし14と比較すべきであると主張する。
しかしながら,キャラクターの「キューピー」が我が国で周知である以上,訴外
会社が「RoseO’NeillKwepie」とのロゴの入った商品を販売
するに当たり,「Kewpie」の部分を強調したロゴを使用することは,それ自体
何ら不自然ではない。また,上記アンケート調査は,本件商標とは同一ではない商
標について,専ら本件商標が飲食店の名前として使われた場合を想定しているにと
どまるから,「飲食物の提供」以外の役務において「キューピー」の部分が取引者,
需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることを直ちに裏
付けるものではない。
よって,原告の上記主張は,採用することができない。
小括
以上のとおり,本件商標は,指定役務「飲食物の提供」については,原告の有す
る引用商標1ないし4,7,12及び14と類似の商標であって,商標法4条1項
11号に該当するが,「飲食物の提供」以外の指定役務については,原告の有する引
用商標1ないし14とは非類似の商標であって,同号に該当しないものであるとい
うべきである。
したがって,本件審決は,指定役務「飲食物の提供」については商標法4条1項
11号の該当性に係る判断を誤っているものというべく,本件審決のこの部分は,
取消しを免れない。
3取消事由2(商標法4条1項15号の該当性に係る認定・判断の誤り)につ
いて
前記のとおり,本件商標は,指定役務「飲食物の提供」については商標法4条1
項11号に該当するので,以下では,それ以外の指定役務について検討する。
(1)商標法4条1項15号について
商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるお
それがある商標」には,当該商標をその指定商品又は指定役務に使用したときに,
当該商品又は役務が他人の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがあ
る商標のみならず,当該商品又は役務が上記他人との間にいわゆる親子会社や系列
会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属
する関係にある営業主の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがある
商標を含むものと解するのが相当である。
そして,商標法4条1項15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は,当該商
標(本件商標)と他人の表示(引用商標15及び16)との類似性の程度,他人の
表示の周知著名性及び独創性の程度や,当該商標の指定商品及び指定役務と他人の
業務に係る商品又は役務との間の性質,用途又は目的における関連性の程度並びに
商品又は役務の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし,当該商
標の指定商品及び指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基
準として,総合的に判断されるべきである(最高裁平成10年(行ヒ)第85号同
12年7月11日第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁)。
本件商標と引用商標15及び16との「混同のおそれ」について
ア本件商標は,その全体を観察した場合,引用商標15及び16のいずれとも
外観が異なるほか,「ローズオニールキューピー」との称呼が生じ,かつ,「ローズ・
オニール(という女性)のキューピー」という観念が生じるものであって,「キュー
ピー」との称呼及び我が国でも周知のキューピーのキャラクターとの観念が生じる
引用商標15及び16とは,外観,称呼及び観念が一致しない。
また,本件商標は,その構成に「キューピー」という片仮名文字部分を含み,当
該部分は,引用商標16と類似するが,本件商標の一部分であるにすぎない。
したがって,本件商標と引用商標15及び16との類似性は,高いものとはいえ
ない。
イ前記2オに説示のとおり,原告(キユーピー株式会社)は,本件商標の出
願日及び登録査定日当時,我が国の食品関係の取引者及び一般消費者の間で,マヨ
ネーズを中心とする調味料や加工食品を製造・販売するほか,飲食物の料理方法を
教授する会社として著名であり,引用商標1ないし3及び9と同様,引用商標15
及び16は,原告を出所として識別させる商標として著名であったものと認められ,
その構成にも一定の独創性を認めることができる。
ウ本件商標の「飲食物の提供」以外の指定役務は,第43類「宿泊施設の提供,
動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介
護を伴うものを除く。),展示施設の貸与」であるのに対し,原告は,マヨネーズを
中心とする調味料や加工食品を製造・販売するほか,飲食物の料理方法を教授する
会社として著名であるとは認められるものの,上記指定役務又はこれに関連する分
野においても事業活動を行っていることや,これが著名であることを認めるに足り
る証拠はない。
したがって,本件商標の上記指定役務と原告の業務に係る役務とは,関連性が乏
しく,したがって,その取引者及び需要者にも共通性が見いだし難いというほかな
い。
エ以上によれば,本件商標と引用商標15及び16との類似性は,高いものと
はいえず,本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」以外の役務と原告の業務に
係る役務とは,関連性が乏しく,また,その取引者及び需要者にも共通性が見いだ
し難いから,引用商標15及び16が原告を出所として識別させる商標として著名
であり,その構成にも一定の独創性が認められるとしても,当該役務の取引者及び
需要者において普通に払われる注意力を基準としてみたとき,当該役務の提供が原
告又は原告と関連する者の業務に係るものであると誤信されるおそれがあるとまで
いうことはできず,商標法4条1項15号にいう混同を生ずるおそれは認められな
いというべきである。
原告の主張について
原告は,引用商標15及び16が本件商標の指定役務と同一又は類似の役務につ
いて防護標章登録を受けており,引用商標15等が日本の著名商標として紹介され
ているから,本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」以外の役務の分野におい
ても著名であると主張する。
しかしながら,本件商標と引用商標15及び16との類似性は,高いものとはい
えず,また,引用商標15等が著名であるとしても,「飲食物の提供」以外の役務と
原告の業務に係る役務とは,関連性が乏しく,また,その取引者及び需要者にも共
通性が見いだし難い以上,本件商標が当該役務の提供について使用されたとしても,
商標法4条1項15号にいう混同を生ずるおそれは認められないというべきである。
よって,原告の上記主張は,採用することができない。
小括
以上のとおり,本件商標は,その指定役務のうち「飲食物の提供」以外の役務に
ついて使用されたとしても,他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれはなく,
この点に関する本件審決の判断に誤りは認められない。
4結論
以上の次第であるから,原告の請求は,本件審決のうち本件商標の指定役務「飲
食物の提供」に係る部分の取消しを求める限度で理由がある。
よって,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官土肥章大
裁判官井上泰人
裁判官荒井章光
別紙目録
1引用商標1(登録第4156315号商標。甲2)
商標の構成(立体商標):
登録出願日:平成9年4月1日
設定登録日:平成10年6月12日
更新登録日:平成20年6月24日
指定役務:第42類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,保育所における乳幼児の
保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与」を含む第42類に属する商標
登録原簿に記載のとおりの役務
2引用商標2(登録第4293493号商標。甲3)
商標の構成:
登録出願日:平成9年11月27日
設定登録日:平成11年7月9日
更新登録日:平成21年2月17日
指定役務:第42類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,家畜の診療,保育所にお
ける乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与」を含む第42類
に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
3引用商標3(登録第4293494号商標。甲4)
商標の構成:
登録出願日:平成9年11月27日
設定登録日:平成11年7月9日
更新登録日:平成21年2月17日
指定役務:第42類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,家畜の診療,保育所にお
ける乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与」を含む第42類
に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
4引用商標4(登録第4367659号商標。甲5)
商標の構成:
登録出願日:平成11年1月22日
設定登録日:平成12年3月10日
更新登録日:平成22年1月26日
指定役務:第42類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,家畜の診療,保育所にお
ける乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与」を含む第42類
に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
5引用商標5(登録第4473190号商標。甲6)
商標の構成:
登録出願日:平成12年3月9日
設定登録日:平成13年5月11日
更新登録日:平成23年5月17日
指定役務:第42類「コンピュータ通信ネットワーク・ファクシミリ又は電話を
利用した料理情報の提供,その他の料理情報の提供」
6引用商標6(登録第4772234号商標。甲7)
商標の構成:
登録出願日:平成15年8月4日
設定登録日:平成16年5月21日
指定役務:第44類「動物の飼育,動物の治療」を含む,第35類,第37類,
第40類,第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
7引用商標7(登録第4950440号商標。甲8)
商標の構成:引用商標6に同じ
登録出願日:平成17年2月10日
設定登録日:平成18年5月12日
指定役務:第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,
保育所における乳幼児の保育,老人又は障害者の介護又は養護,老人・障害者の介
護又は養護に関する相談又は指導,老人・障害者の介護に関する情報の提供,会議
室の貸与,展示施設の貸与」を含む,第36類,第42類及び第43類に属する商
標登録原簿に記載のとおりの役務
8引用商標8(登録第5014002号商標。甲9)
商標の構成:
登録出願日:平成18年5月25日
設定登録日:平成18年12月22日
指定役務:第44類「動物の飼育,動物の治療」を含む第44類に属する商標登
録原簿に記載のとおりの役務
9引用商標9(登録第5037203号商標。甲10)
商標の構成:キューピー
登録出願日:平成18年7月5日
設定登録日:平成19年3月30日
指定役務:第44類「動物の飼育,動物の治療」を含む第44類に属する商標登
録原簿に記載のとおりの役務
10引用商標10(登録第5037204号商標。甲11)
商標の構成:
登録出願日:平成18年7月5日
設定登録日:平成19年3月30日
指定役務:第44類「動物の飼育,動物の治療」を含む第44類に属する商標登
録原簿に記載のとおりの役務
11引用商標11(登録第5073281号商標。甲12)
商標の構成:引用商標10に同じ
登録出願日:平成19年1月9日
設定登録日:平成19年8月24日
指定役務:第45類「愛玩動物の世話,乳幼児の保育(施設において提供される
ものを除く。)」を含む第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
12引用商標12(登録第5080868号商標。甲13)
商標の構成:引用商標10に同じ
登録出願日:平成19年1月9日
設定登録日:平成19年9月28日
指定役務:第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,
保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),
会議室の貸与,展示施設の貸与」を含む第43類に属する商標登録原簿に記載のと
おりの役務
13引用商標13(登録第5297820号商標。甲14)
商標の構成:
登録出願日:平成21年8月4日
設定登録日:平成22年1月29日
指定役務:第45類「愛玩動物の世話」を含む第45類に属する商標登録原簿に
記載のとおりの役務
14引用商標14(登録第5334693号商標。甲15)
商標の構成:引用商標13に同じ
登録出願日:平成22年2月2日
設定登録日:平成22年7月2日
指定役務:第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,
飲食物の提供,料理情報の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の
保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施
設の貸与」を含む第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
15引用商標15(登録第595694号商標。甲18)
商標の構成:引用商標3に同じ
登録出願日:昭和35年5月31日
設定登録日:昭和37年8月24日
更新登録日:昭和48年1月12日,昭和57年10月26日,平成5年1月2
8日,平成14年5月21日,平成24年6月26日
指定商品:第30類「調味料,香辛料」(平成15年7月23日書換登録)
16引用商標16(登録第832283号商標。甲19)
商標の構成:引用商標2に同じ
登録出願日:昭和41年8月11日
設定登録日:昭和44年9月24日
更新登録日:昭和55年6月27日,平成元年11月21日,平成11年10月
19日,平成21年4月21日
指定商品:第30類「調味料,香辛料」(平成21年6月17日書換登録)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛