弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を福岡高等裁判所に差戻す。
         理    由
 上告代理人弁護士前川末広の上告理由について。
 原判決が上告人の「仮りにDに従前り代理権があつたとしても、原告は、本件売
買契約前の昭和二〇年八月一三日既に戦死しているから、その時にDの代理権は消
滅している。」との主張に対し、所論摘示のように判示してその主張を排斥したこ
とは、所論のとおりである。そして、成立に争のない乙第三号証(熊本市長の戦死
証明書)並びに甲第六号証の一(E課長の死亡認定に就いての回答)二(認定官留
守業務局長の死亡認定理由書)によれば、乙第四号証Bの戸籍抄本中の「昭和二〇
年八月一三日時刻不明Eルソン島マウンテン州aで戦死熊本県知事F報告同二三年
一〇月八日受附」なる記載は、原告(被上告人)が諸般の状況によりその所属して
いた南方軍築城支部が作業に従事した最終日である前記日時、場所附近で戦死した
ものと認定する旨の認定官の認定に基き戸籍法八九条の報告により登載されたもの
と認定すべきであり、かかる場合原告は、反証のない限り右戸籍簿登載の死亡の日
に死亡したものと認むべきである。しかるに、原告が右戸籍簿の記載と異り現に生
存し又は本件売買成立の日である昭和二元年二月二八日以降まで生存していたこと
等の事実を認定することなく、原判決が、所論摘示のとおり判示したのは、証拠の
判断乃至法則を誤つたものというべく、爾余の論旨に対する判断を与えるまでもな
く論旨第一点はその理由があつて原判決は破棄を免れない。しかし、原判決は、D
が原告の父として、原告の応召出征するに際し、原告からその後事一切についての
包括的代理の委任を受けた事実を認定しているのである。そして、右にいわゆる「
包括的代理の委任により、右Dは原告の委任による不在者の財産管理人たる地位に
あつたものと認め得ないとは限らず、しかも、右Dと原告とが父子の関係にあり且
つ原告が応召出征に際しての授権であるというような特別の事情からして、右授権
は、財産管理人として右Dの有する代理権は、必ずしも原告の死亡によつて消滅し
ない趣旨においてなされたものと解する余地もないわけではない。そして、本人の
死亡を代理権消滅の原因とする民法一一一条の規定は、これと異る合意の効力を否
定する趣旨ではないと解すべきであるから、原告がたとえ戸籍簿に記載のある昭和
二〇年八月一三日死亡したとしても、これがため前記趣旨においてなされた合意に
基く右Dの代理権は消滅しないものと解し得ないとは限らない。又かかる場合、右
Dが原告死亡后原告の代理人としてなした本件売買の効力は実質上原告の相続人の
ために生ずる筋合ではあるが、本人死亡するも代理権消滅の通知なき限り法定代理
権の消滅なきものとする民訴五七条及び本人の死亡による訴訟代理権の消滅を認め
ない民訴八五条が、何れも、かかる場合法定代理人又は訴訟代理人の訴訟行為の効
果を実質上死亡者の相続人に帰属せしめることを容認するものと解せられるから、
右Dが原告の生死不明の間に、改めて裁判所により原告を不在者とする財産管理人
に選任せられ、その許可を得て本件訴訟物を原告の権利として提起した本訴におい
ては、たとえその後において原告死亡の事実が判明した結果、右権利が実質上原告
の相続人に帰属するものと認めざるを得ない場合においても、原告の当事者として
の適格を否定すべきでないと解することができる。従て、本件については、なおこ
れらの点につき審理判断の必要があると認められるから、民訴四〇七条に従い、原
判決を破棄し、本件を原裁判所に差戻すべきものとし、裁判官全員一致の意見で主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎
 裁判官沢田竹治郎は退官につき署名押印することができない。
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔

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