弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 弁護人成田篤郎の控訴趣意は別紙記載のとおりである。
 控訴趣意第二点について、
 記録を精査し原判決摘示の証拠を綜合して考覈するに、原判決摘示第一事実は優
に認定しうるところであつ<要旨>て原判決には事実誤認を窺うべき事由は毫も存し
ない。所論は原判決には被告人が窃取者A、Bから亜鉛板三枚を情を知りな
がら買受けたとあるが買受代金の表示がないから贓物故買としての認定は違法であ
るというのであるが原判決摘記の証拠によれば被告人は有償で窃取者A、B等から
盗品たるの情を知りながら亜鉛板三枚を買受ける約束をして其の物件を受取つた事
実を確認しうるのであるから其の表現方法は買受けたと表示しただけで足り確定し
た買受代金の表示は贓物故買罪の成立には必ずしも必要ではない。原判決にはこの
点に関し何等の違法も存しない。又所論は原判決第二事実の関係について原判決を
批難しているが右は専ら原審相被告人Cの罪となるべき事実であるから仮りに違法
があつたとしても被告人の事件についての控訴理由として採用することは出来な
い。以上のとおりであるから論旨は採用の限りでない。
 同第一点について、
 記録につき被告人の経歴、前科関係、犯行の動機態様、原審相被告人との刑の均
衡、犯行後の情況、其の他諸般の情状を斟酌考量して原審の量刑を検討するに重き
に失する不当があると認めることは出来ない。論旨は理由がない。
 よつて刑事訴訟法第三百九十六条に則り本件握訴を棄却すべきものとして主文の
とおり判決する。
 (裁判長裁判官 大野正太郎 裁判官 松村美佐男 裁判官 檀崎喜作)

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