弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人一松定吉、同増田沖三の上告趣意第一点所論の判示第二の(一)
の原審認定の事実は、原判決挙示の証拠を綜合すればこれを肯認するに難くないの
である。所論は、原審の裁量に属する証拠の取捨、判断を非難するか又は事実誤認
を主張するに帰し、また、同第二点は、量刑の非難であり、同被告人の弁護人浦田
関太郎の上告趣意は、事実誤認及びこれを前提とする量刑不当又は単なる法令違反
の主張であつて、(第二点は、提出されていない上告趣意書等を援用するもので不
適法)、いずれも、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 被告人Bの上告趣意は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張に帰し、同被告人の
弁護人楠木計夫の上告趣意第一点は、違憲をいうが強制拷問の事実はこれを認むべ
き証拠がなく、従つて、その前提を欠くものであり、その余は、事実誤認、単なる
第一審における訴訟法違反の主張であつて、これまた、同条の上告理由に当らない。
同第二点は、違憲をいうが、原判決は、被告人の自白の外原判示の多数の証拠を挙
げこれを綜合して判示事実全体を認定したもので、その証拠でその事実認定を肯認
することができるから、所論は、採用できない。
 よつて、刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で主文
のとおり判決する。
  昭和二九年一月二一日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔

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