弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

      主    文
1 本件各控訴をいずれも棄却する。
2 控訴人らの当審における請求をいずれも棄却する。
3 控訴費用は控訴人らの負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は控訴人らに対し,特別高圧送電線275kV東名古屋東部線
の鉄柱22号と23号との間のうち,原判決別紙物件目録記載の土地の
北側を通過する送電線を,北に16.6メートル平行して移動するか,若し
くは原判決別紙物件目録記載の土地の南端(別紙図面2記載の隣地境
界杭ニ)から南に23.0メートル以上平行移動するなどして,同送電線を
原判決別紙物件目録記載の土地に侵入させてはならない。(当審におい
て請求の趣旨を変更)
 3 被控訴人は,控訴人らに対し,6500万円及びこれに対する平成14年6
月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は,1,2審とも,被控訴人の負担とする。
5 3項につき,仮執行宣言
第2 事案の概要
1本件は,被控訴人が,控訴人らの所有する原判決別紙物件目録記載の
土地(以下「本件土地」という。)に設定を受けた原判決別紙地役権目録
記載の地役権(以下「本件地役権」という。)の範囲を越えて,特別高圧
送電線を設置し所有していることにより,控訴人らの本件土地所有権が
侵害されているとして,控訴人らが被控訴人に対し,所有権に基づく妨害
排除として上記送電線の移動及び嵩上げを求めるとともに,不法行為に
基づく損害賠償として6500万円及びこれに対する損害発生後である平
成14年6月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延
損害金の支払を求めた事案であるが,原審が請求棄却の判決を言い渡
したので,これに不服がある控訴人らが控訴したものである。
なお,控訴人らは,上記のとおり,上記送電線の移動及び嵩上げを求
めていたが,当審において,北に16.6メートル平行して移動する(別紙
1参照)か,本件土地の南端から南に23.0メートル以上平行移動する
(別紙2参照)などして,上記送電線を本件土地に侵入させないよう求め
る旨請求の趣旨を変更した。
2争いのない事実は,原判決の「事実及び理由」欄の「第2」の「1」に摘示
のとおり(ただし,原判決2頁9行目の「275KV」を「275kV」に改める。)
であるから,これを引用する。
3 控訴人らの請求の骨子
ア 損害賠償請求
 控訴人らは,本件土地を,平成元年5月31日に代金1億0045万円
で購入したものである。
 しかし,前記のとおり,本件送電線の3メートルラインが本件地役権
の範囲を越えていること等のために,本件土地の利用を妨げられて,
平成14年5月31日までの13年間,全く利用ができなかった。
 これにより,控訴人らは,本件土地を購入した日の翌日である平成
元年6月1日から平成14年5月31日まで,少なくとも,1年につき,本
件土地の購入代金約1億円の5パーセントである500万円,13年分
合計6500万円の損害を受けている。
 そこで,被控訴人は,控訴人らに対し,上記損害の6500万円及びこ
れに対する平成14年6月1日から支払済みまで年5分の割合による
遅延損害金の支払を求める。
イ 本件送電線の移動請求
  本件送電線が本件土地の上空へ侵入することを回避するには,本件
送電線を北に16.6メートル(既設地役権65平方メートルを考慮した
距離)平行して移動する方法(別紙1参照)や,本件土地の南端(別紙
図面2記載の隣地境界杭ニの点)から南に23.0メートル以上平行移
動する方法(別紙2参照)が考えられるが,控訴人らは被控訴人に対
し,本件送電線を本件土地に侵入させないよう求める。
4争点
(1)本件送電線による本件土地所有権侵害の有無
 ア 控訴人らの主張
 (ア) 本件送電線の位置のずれ
原判決3頁8行目の冒頭から4頁5行目の末尾までに判示のとおり
であるから,これを引用する。
 (イ)横振れによる侵害
  送電線と建造物との隔離距離は,6.6メートルと定められており,
しかも,送電線は,風速40メートル毎秒の風圧荷重の影響を考
慮し安全でなければならない(本件省令32条)ので,本件送電線
は,本件土地の上空において本件地役権の範囲を越えて水平距
離にして16.6メートルも侵入している。
(ウ) 本件送電線の高さによる侵害
      本件送電線の最低地上高は,6.4メートルにすぎない。しかし,電
気設備技術基準20条では,12.88メートルが,電線地上高設
計指針によれば,幅員1.5メートル以上の道路等のある地域とし
て,16.00メートルが,経済産業省行政指導の静電誘導による
電線地上高は24.00メートルが必要とされているのであるから,
本件土地では送電線は最低地上高24.00メートルを要するの
に,本件送電線は著しく低いものである。
(エ)所有権侵害
   上記のとおり,本件送電線の位置のずれ及び横振れ等により,控
訴人らは,本件地役権の範囲外においても,3メートルラインの内
側はもとより,本件地役権の範囲を越えて水平距離にして16.6
メートルの範囲については,建造物を建築できないという制限を
受けている。
    すなわち,3メートルラインの内側部分のみならず風速毎秒40メー
トルの風で電線が横振れした場合において本件土地の大半が,
275kVという電圧の電線が真上にあって,建造物等を建築した
場合,断線による身体・生命への被害のみならず,建造物への被
害も予想され,しかも,電磁波による日常的な身体・生命,電気器
具等への影響も計り知れない。また,被控訴人としても,万が一
上記16.6メートルの範囲において建造物があって,これが何ら
かの原因で炎上するようなことがあれば,その上空にある電線に
被害が及び,広範囲に及ぶ甚大な被害をもたらすおそれがある。
    だからこそ,被控訴人は,3メートルライン内側部分に地役権を設
定することにより,同部分における建造物の建築を制限し,このよ
うな被害を未然に防止しようとしているのであって,このことから
すれば,建造物等の建築を制限する法令がないとしても,同部分
に建造物等を建築することは,事実上不可能である。
  イ 被控訴人の主張
  (ア) 本件送電線の位置のずれについて
原判決5頁14行目の冒頭から6頁13行目の末尾までのとおりであ
るから,これを引用する。
(イ)横振れによる侵害について
控訴人らの主張は争う。
275kVである本件送電線と建造物との隔離距離は,6.6メートル
と定められているものの,これは電気事業者に対して電線と建造
物との隔離距離を6.6メートル以上とすべきことを求めたもので,
控訴人はこの規定によって建造物の構築を禁止されるものでは
ない。
本件省令32条は,あくまで支持物の倒壊防止についての規定であ
って,電線の横振れに関する規定ではない。同省令において,風
速40メートル毎秒の風圧荷重を考慮することとされているのは,
このような風が常時起こりうるということではなく,安全性確保の
点から極限状態を想定した場合でも保安が十分に確保できるよう
な強度が求められているにすぎない。
(ウ) 本件送電線の高さによる侵害について
控訴人らの主張は争う。
なお,本件送電線の最低地上高は,本件土地北側において11.86
メートルである。本件省令は,既に施設した電気工作物について
は,改正前の省令によるとされており,昭和40年に施設した本件
送電線に適用される省令では,必要とされる地表上の高さは7.
44メートルであり,基準を満たしている。念のために付言すると,
現在の本件省令及び電気設備の技術基準によれば,本件送電
線に最低限必要とされる地表上の高さは,11メートルであるか
ら,本件送電線は,これを満たしている。
 (エ) 所有権侵害について
    仮に,控訴人ら主張のとおり,本件送電線が,その設置当時から,
本件地役権の設定において予定していた位置とずれていた事実
があるとしても,そのことによって控訴人らの本件土地所有権が
侵害されていることにはならない。
    すなわち,本件省令は,電気事業者に送電線と建造物との離隔を
確保する義務を課すものであって,土地所有者に建造物の建築
について制限を課すものではない。
    また,建築基準法等のいかなる法令においても,送電線の存在を
理由として建物建築を制限する規定は存在せず,行政当局も送
電線の存在が何ら建築確認の妨げとなるものではないことを言
明している。
    したがって,本件送電線との距離が3メートル以上確保できないた
め建物を建築できないということはない。
(2)損害と消滅時効
 ア 控訴人らの主張(損害の発生)
 前記3アのとおり。
イ 被控訴人の主張(消滅時効)
   仮に,本件土地の所有権侵害に基づく損害賠償請求権の発生が認
められるとしても,この侵害による損害は日々発生しているのであ
り,また,控訴人らもこの事実を知悉していたのであるから,日々の
損害賠償請求権は,それぞれ3年の経過により時効消滅する。
  そして,控訴人らの損害賠償請求は,平成14年6月25日の原審
口頭弁論期日において,上記訴えの変更申立書の陳述をもってな
されたものであるから,少なくとも平成11年6月24日以前の損害に
ついては,3年の経過により時効消滅している。被控訴人は,平成1
4年8月5日の原審口頭弁論期日において,控訴人らに対し,上記
消滅時効を援用する旨の意思表示をした。
(3)本件送電線の移動請求
ア 控訴人らの主張
   本件送電線が本件土地の上空へ侵入することを回避するには,本
件送電線を北に16.6メートル(既設地役権65平方メートルを考慮
した距離)平行して移動する方法や,本件土地の南端(別紙図面2
記載の隣地境界杭ニの点)から南に23.0メートル以上平行移動す
る方法が考えられるが,控訴人らは被控訴人に対し,本件送電線を
本件土地に侵入させないよう求める。
イ 被控訴人の主張
 争う。
 (4)控訴人らの請求が権利濫用に当たるか。
原判決8頁4行目の冒頭から13頁12行目の末尾までに判示のとおり
であるから,これを引用する。
第3当裁判所の判断
1本件送電線が本件土地所有権を侵害しているか否かについて
  (1)本件送電線の位置のずれについて
    前記争いのない事実に,証拠(甲2,3の3,4の3,14,15)及び弁論
の全趣旨を総合すると,本件送電線自体は,本件地役権の範囲から
逸脱しているものではないが,本件送電線の南側の3メートルライン
は,本件地役権の南側外縁を,概ね1.4メートル程度越えていること
が認められる。
  これに対し,被控訴人は,本件送電線の位置のずれは,本件地役権
設定後,本件土地が移動したことにより生じたものであると主張し,そ
の根拠として,本件地役権設定当時に存在した境界や標識が移動し,
あるいは不明になった疑いがあるとする。しかし,本件で問題となるの
は本件土地の北西側の道路との境界及び北東側の隣地との境界で
あるが,前者は道路と道路沿いの各土地との境界はほぼ直線であり,
後者も本件土地の南側にある各土地の北側の境界と直線をなしてい
るから,付近の境界が判明しにくい要素は乏しいところであると考えら
れるので,被控訴人が主張する事情(境界や標識が移動し,あるいは
不明になったことを示す根拠であるとする地積更正等)は,平成元年5
月9日付け境界立会報告書(乙7)の記載を考慮しても,いずれも,境
界や標識の移動・不明があったことを推認させるものとまではいえない
し,他にこれを認めるに足りる証拠はない。
   なお,被控訴人は,本件送電線を基準として本件土地の位置を定める
べきであるとも主張するが,本件では,まさに本件送電線が本件地役
権の範囲とずれて設置されたか否かが問題となっており,地役権設定
の際の測量の具体的方法や精度も明らかではないから,これがずれ
ていないことを前提とする被控訴人の主張は採用できない。
ところで,前記争いのない事実に,証拠(甲9,10,証人C)及び弁論の
全趣旨を総合すると,本件省令は,使用電圧が17万V以上の特別高
圧架空電線と建造物との水平距離は,当該建造物からの火災による
当該電線の損壊等によって電気事業に係る電気の供給に著しい支障
を及ぼすおそれがないよう,3メートル以上としなければならない旨を
規定していること,そのため,被控訴人は,通常,高圧送電線を設置
する場合,その3メートルラインの内側部分について地役権を設定して
いること,地役権を設定しなかった場合でも,土地所有者等が3メート
ルライン内側に建物を建築しようとした場合には,被控訴人は,建築を
やめるよう申し入れるとともに,金銭補償を行って新たに地役権を設定
するなどして対応していることが認められる。
   すると,高圧送電線付近の土地の所有者等が,3メートルラインの内
側に,地役権が設定されていない場合,建物を建築することは,上記
のような電気の供給に著しい支障が生じるおそれや,電線の損壊によ
って建物に生じる危険性から,あるいは,被控訴人から建築をやめる
ようにとの申入れを受けることにより,事実上制約を受ける可能性は
否定できない。しかし,本件省令は,送電線を施設する電気事業者に
対して,特別高圧架空送電線と建造物との間隔を確保する義務を課し
ているに過ぎず,これをもって土地所有者に建物建築を制限するもの
ではない。なお,本件送電線自体は,本件地役権の範囲内に存在す
るのであるから,本件土地所有権を侵害しているとはいえない。
(2)横振れによる侵害について
本件送電線は使用電圧が275kVであるから,送電線と建造物との隔
離距離は,6.6メートルと定められているものの,これは電気事業者
に対して電線と建造物との隔離距離を確保を求めたもので,控訴人ら
はこの規定によって建造物の構築行為自体を禁止されるものではな
い。
 証拠(乙12)によれば,本件省令32条は,「架空電線路又は架空電
車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は,当該支線
に係るものを含む。)は,その支持物が支持する電線等による引張荷
重,風速40m/秒の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定
される気象の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒
壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。」と定めてい
るが,その趣旨は同条の表題が「支持物の倒壊の防止」とされている
ように,支持物の倒壊の防止を図るため,風圧荷重を考慮して施設す
ることを求めたものであり,風速40m/秒の風が生じても安全性が確
保できる強度を求めたもので,そのような例外的な事象をもって本件
土地の所有権侵害の有無を検討すべきではない。
  そして,横振れによって本件送電線が本件土地を侵害していると認め
るに足りる証拠はなく,この点に関する控訴人らの主張は採用できな
い。
(3)本件送電線の高さによる侵害
証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,本件送電線の最低地上高
は,本件土地北側において11.86メートル,本件土地南側において1
4.83メートルであると認められる。
  ところで,本件省令は,既に施設した電気工作物については,改正前
の省令によるとされており(乙12),昭和40年に施設した本件送電線
に適用される省令では,必要とされる地表上の高さは7.44メートル
(乙11)であるから,本件送電線は,本件省令の基準を満たしている
し,現行の本件省令及び電気設備の技術基準によれば,本件送電線
の地表上1メートルでの電界強度を3kV/m以下としなければならな
いことから,地表上の高さは11メートル以上でなければならないもの
の,本件送電線はこの基準も満たしている。
  すると,本件送電線の高さについては,以上の点では本件土地を侵
害しているとはいえない。
(4)本件土地所有権に対する侵害
  以上によれば,本件送電線が控訴人らの本件土地の所有権を侵害し
ているものとは認めることができない。なお,控訴人らは,断線による
生命・身体・建造物に対する被害や火災のおそれを指摘するが,この
ような被害のおそれがあるというだけでは,本件送電線の真下にある
わけではない本件土地の所有権を侵害しているとはいえないし,被害
の発生する蓋然性も明らかではない。さらに,電磁波による日常的な
影響も指摘しているが,本件送電線から発生する電磁波によって本件
土地に対していかなる被害もしくは影響が生じているのかは明らかで
はない。すると,控訴人らのこれらの指摘に関しても,本件土地の所有
権侵害を認めることができないといわざるをえない。(もっとも,本件土
地のうち,本件地上権が設定されていない部分において,控訴人らが
建物を築造すると,本件省令に抵触する部分が生じることが起こりうる
可能性を否定できない。この様な事態が生じうるのは,①本件土地の
うち,本件地役権の南縁から約1.4メートルの範囲の部分につき,建
造物を建築すること,②その南側の土地部分においても,本件送電線
から6.6メートルの範囲に建造物を建築すること,の2点である。しか
し,本件省令に抵触することになっても,前記のとおり,電気事業者に
義務違反が生じ,新たに地役権等の設定を求める事態となることが予
想されるにすぎず,土地所有者である控訴人らの所有権が制約される
ものではないから,損害賠償や妨害排除の請求権があるわけではな
い上に,本件においては,以下のとおり,いずれも理由がないことは明
らかである。)
2 損害賠償請求について
 控訴人らは,本件送電線により,平成元年に本件土地を購入してから1
3年間全く本件土地を利用することができず,1年につき500万円(本件
土地の購入代金の5パーセント)で合計6500万円の損害を受けたと主
張する。
 証拠(甲10,12)によれば,平成元年に本件土地を購入した際,控訴
人らが売主に対し,代金として少なくとも8745万円を支払ったこと,当
時,控訴人Aが株式会社愛知銀行から1億円を年利6.68パーセントで
借り入れたことが認められる。
 しかしながら,前記認定によれば,本件送電線が本件省令に抵触しな
いようにすると,本件土地のうち,本件地役権の南縁から約1.4メートル
の範囲の部分につき,事実上建造物を建築できないという制限を受け,
かつ,その南側の土地部分においても,本件送電線から6.6メートルの
範囲には事実上建造物を建築できないという制限を受けることになる
が,本件土地のうちこのような制約を受ける部分は本件地役権に隣接す
る比較的面積の少ない部分にとどまることから,本件送電線のために控
訴人らが本件土地を全く利用できないとは到底認められないし,上記銀
行借入の金利をもって本件送電線に基づく損害であるとすべき合理的な
根拠を見出すことができない。
 したがって,控訴人らの本訴請求のうち,損害賠償請求については理
由がないことが明らかである。
 3 本件送電線の移動請求について
仮に本件送電線が本件土地の所有権を部分的にでも侵害しているとす
れば,本件土地の所有権に基づいて本件送電線を侵害していないところ
まで,移動を求めることができるのが原則であるところ,被控訴人は控訴
人らの上記請求が権利の濫用であると主張するので,この点について検
討すると,当裁判所は,被控訴人の主張のとおり権利の濫用に当たると
判断するが,その理由は,次のとおり加除訂正するほか,原判決16頁1
9行目の冒頭から19頁13行目の末尾までに説示のとおりであるから,
これを引用する。
(1)原判決16頁19行目の「乙8~10」を「乙8~10,13,14,17,31~
45」と改める。
(2)同18頁1行目の「本件送電線を本件土地の侵害にならない位置及び
高さ」を「本件送電線が本件土地上に建物を建築しても本件省令の制
限に抵触しないような位置及び高さ」に改める。
(3)同頁5行目の「10億円近くの費用」を「8億円程度の費用」と改める。
(4)同頁7行目の「原告Aは」から11行目の「推認でき」までを,「控訴人A
は,本件送電線が存在することを認識した上で,控訴人Bとともに本件
土地を購入し,その後,本件土地上に建物を建築すると本件省令に抵
触する事態が生じうることに気付いたが,これを解消するために,本件
送電線を移設及び嵩上げすることが著しく困難であることを承知しな
がら,その後,被控訴人から金銭の給付を得るために,架空の建物建
築計画を示して被控訴人と交渉したものと推認でき,」と改める。
(5)同頁12行目の「及び嵩上げ」を削除する。
(6)同頁17行目の冒頭から19頁2行目の「また,」までを削除する。
(7)同19頁9行目の「本人A)は,」の後に,「1994年4月14日付の図面
(甲7)を除けば,利用計画の存在を客観的に裏付ける証拠は全くない
上に,上記図面も本件土地でカフェを開くプランを示すものではある
が,それ以上に具体的な計画を示してはおらず,結局,」を加える。
(8)同頁12行目の「本件送電線の移動及び嵩上げ請求」を「本件送電線
の移動請求」と改める。
4 結語
以上によれば,控訴人らの請求はいずれも理由がないから棄却すべき
であり,控訴人らの金銭支払請求を棄却した原判決は正当であるから,
本件各控訴をいずれも棄却し,控訴人らの当審における新たな請求はい
ずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。
名古屋高等裁判所民事第4部
  裁判長裁判官 小   川   克   介
裁判官 鬼   頭   清   貴
    裁判官 濱   口       浩
(別紙省略)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛